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インド音楽

51、ChakraとRagaの関係

Meditation time

Chakraの数には「7」の他にも、「12」を説く流派もあれば、古代科学音楽にあって廃れたのだとしたら「22」も在ったのでは? と述べましたが、ここでは、基本であり、ある意味究極かも知れない「7種」を基にお話させて頂きたいと思います。

まず、それぞれのChakraは、その位置に比較的近い臓器の働きに当然のように深く関わっています。その一方で、西洋医学の感覚からすれば直ぐには分かりにい「全身的」な関わりや、心や精神との関わりも説いています。
例えば、会陰部にある「第1Chakra:Muladhara」が、生命力や生気、情熱に関わるとは、西洋医学的な感覚では分かりにくいのではないでしょうか? しかし、昔の人が「胆力」と言っていたように、下半身が丈夫で健康でないと根気、気力も持久力もわきませんし、実生活でも下半身に支障が生じた時には、やる気も集中力もわかない経験をされた方は少なくないはずです。
問題は、それが、口まわりでも同じだったりすることです。歯痛や口内炎などでも同じように、やる気も集中力もわかない経験をされたことはないですか?  アーユルヴェーダや中医・漢方弁証論治の「全身療法」の考え方では、これらは、深く関わり繋がっているから、意識、気力に似たような影響が出るのは当然なのです。
つまり、一つ一つのChakraには、専門的な性質や役割がありますが、それらは互いに深くかかわり合っている、ということです。
もしこれらに、西洋科学の合理主義的なエビデンスが得られれば、なんと喜ばしく、堂々と語り、多くの人々が心底信じ切って安心出来ることでしょうが、現状そうでもないところが悔しいところです。

しかし、人間の数千年の歴史のスケールで見れば、西洋医学・解剖学で、血管の他に、リンパ管、神経という脈絡があることが発見されたのは、それこそ「つい先日のこと」かも知れません。なら、将来、「気」や「経絡」「Nadi」などが実態として認識され医学の概念が根底からくつがえされる時代も来るかも知れないわけです。

今回からしばらく、このような幾つかのことを念頭において、古代インド科学音楽の療法について、考えてみたいと思います。

ひとつは、今述べました「Chakraの専門性と相互関係」というテーマですが、そこで大切なことは、やはり「恒常性」との関係性だと考えます。

私たち現代人は、意識や感覚では「曖昧、柔軟」を好みつつも、心や体の健康や安全安心に関しては、意外に「白黒付けたがる」傾向にあるとは思いませんか? 要するに、「これは有害、これは無害、これは有益」と、けっこう厳しく選別しているように思われます。
しかし、「恒常性」にとっては、「両極端のどちらも必要」なはずです。故に、どちらかを選別してしまうということ自体が「恒常性」を壊す行為とも言えるわけです。

もちろん、急を要する対処が必要不可欠の場合は、「恒常性」と、それによる「自然治癒力」が壊れかけているからに他なりませんから、それを補う、是正することをせねばなりません。中医・漢方弁証論治にも「急則治其標」という有名な言葉があり、「急を要する場合は、標治(表出された急性の症状に対処療法を施すこと)せよ」と教えています。
しかし、東洋医学の目的は「バランスを整える」であり、それは「変えること」ではなく「元(自然治癒力)に戻すこと」であるはずですから、緊急の対処法、は、正常な状態からみれば「極端」であり、「対処療法」は、あくまでも「緊急避難措置」なはずなのです。

また、明らかな「有害物質」が、「恒常性のための両極端」の一方であるはずはありません。しかし、心と体に摂り込むべきものは、「善悪、白黒」的に言うならば、「両極端をセットで摂るべき」、という基本があるということを忘れてはならないはずです。
もちろん「有害なものも摂るべきだ」という意味ではありません。しかし、「美味しい不味い」「甘い苦い」「分かり易い分かりにくい」となってくると、ついつい「利害」の感覚を当てはめてはいないでしょうか? 例えば、言葉や忠告などともなれば、ものすごく多くの人が「耳に優しい=良い(有益)」「耳が痛い言葉(や話)=悪い(無益どころが有害)」的に感じてしまうクセがついているのではないでしょうか?

また、ついつい対処療法的に、「○○の調子が悪いから」と、ある部分(目的)のためだけの処方を試みようとしてしまいがちではないでしょうか?
もちろん、これも「急則治其標」です。しかし、長期に渡って「そればかり」に偏ってしまっては「全身療法」から遠ざかってしまいます。
この辺りを今一度振り返ってみないと、「心と体が摂り込むもの」と同様に、体を健康(本来のニュートラルな状態)」に戻すためのYogaもRagaも、偏ってしまうかも知れないのです。
例えば、「寝付かれない、睡眠の質が悪い」という現代人は少なくないですが、全て「リラックス、癒す」が効奏するとは限りません。体の臨戦態勢が亢進した結果の興奮状態と、内面の奥底の力(例えば第1Chakraなど)が弱まった結果の「急鼠猫を噛む」的な興奮では全くその質が逆さまです。このことは、神経科のお医者さんならばある程度はご理解されているはずです。
この意味でも、Ayurvedaの「質(傾向や状態)を診る」及び中医・漢方弁証論治の「証を診る」という概念は、極めて理に叶ったものであると言えましょう。

(文章:若林 忠宏

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若林忠宏氏によるオリジナル・ヨーガミュージック製作(デモ音源申込み)
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