57、第6Chakra:Ajna/AgnyaとRaga

Seven chakra symbols line upon water in blue background - 3D render

眉間(の少し上)にあるとされる「第6のChakra:Ajna/Agnya」は、目、神経系、直感、感覚、知恵と関わりがあり、知性・精神の成熟を司ると言われます。

ヒンドゥー女性が赤い点「Bindhi(ビンディー)」を、男性でも様々な宗教的意味合いで印を付ける眉間は、インド以外にも「第三の目」の場所と信じる人々が居たことも知られています。

他のChakraが、近隣の臓器と関わりが深かったのに対し、このAjna-Chakraと、その上の第7のChakra:Sahasraraは、それぞれ「目」「脳」という臓器との関わりの他、臓器ではない「神経、直感、感覚、叡智」と「霊性、直感、宇宙意識」と関わりがあると説きます。それとは別次元で、「知性、精神性」及び「宇宙との一体感、超能力」を司ると説いています。

つまり、臓器などの実体物ではない「非実体物である感覚や能力」というものを、「臓器同様」に「関わる」と説き、「自覚出来る知覚」は「司る」と説いているのです。

このことについて、私は長年良く理解できていませんでした。どちらも「目に見えない感覚的なことではないのか?」としか思えなかったのです。しかし、後に、前に述べましたように「自覚出来ること」と「自覚出来ないが存在するもの」の「二元性」を理解してからは、「なるほど!」と納得が行ったのです。

例えば、このAjna-Chakraが関わる「神経系統と直感、知覚、叡智」と、ひとつ下の「第5のChakra:甲状腺とホルモン」を関連させて考えてみますと。

ご存知神経系統には「運動神経』と「自律神経」があり、前者は、「意識のコントロール下」にありますが、後者は、意識(自覚)出来ません。後者と関わりが深い甲状腺からのホルモンの働きも同様です。

また、Ajna-Chakraが関わる「神経系統と直感、知覚、叡智」の中の、「知覚」は、意識出来るものですが、あくまで「現場で取材して得た報告を脳が受け取り認識した」という意味であり、「現場で取材する知覚能力」の存在は、報告が上がらない限り日常意識・認識はしていません。

例えば、私たちの目(や耳)には、ありとあらゆるものが飛び込んで来ているのに、「見てないじゃないか!」「聞いてなかったのか?」と言われることがあります。ところが、実は、見ているし、聞いていたのです。

何かの必要があってそれを思い出す(再認識する)こともありますし、ある種の催眠療法などでは、意識・記憶が認識していなかったけれど、確かに(見聞きした)事実を引き出したりもします。私もこれに関しては自分でも驚く体験をしたことがあります。

つまり、より正確に言えば、「報告」は常に上がっているのですが、私たちの意識が、その報告書をちゃんと読まずにデスクに積み重ねている訳です。

想像しただけでも、中まで目を通して認識した報告(情報)の量と比べて、運ばれたけれど、認識されなかった報告(情報)の量が何十倍、何百倍多いことか?

この話が理解出来ますと、更に、「別な意識」の存在も理解出来ずとも否定はなさらないのではないでしょうか? つまり、最終的に認識する「自覚出来る意識、知性、判断力、思考力」などが、言わば「最高責任者」であるとしても、その直下に、情報を整理しデスクにきちんと置いている優秀な部下が居るかも知れないということです。

何故ならば、「最高責任者」自身がその作業をしていたならば、覚えているはずです。また、誰もが整理整頓をしていないならば、催眠療法でも思い出せないはずです。ヴェーダの科学は、紀元前千年二千年にこの事実(真理)を発見していたのでしょう。

このように、まるで臓器のようだけれど目に見えない「感覚」は、結局は、自律神経や臓器同様に、人間の意識では自覚出来ないけれど確かに存在するものとして同列であるということです。それに対して、「司る」に分類されている「感覚」は、私たちが自覚出来る領域のものとして、区別出来るということなのでしょう。

Ajna-Chakraにちなむ第7音「Dhaivat(ダイヴァタ/ラ)」を強調するRagaは、他のChakraのRagaと比べて数は多くありません。第2音「Reshav(レシャヴァ/レ)」で説明したことと同じ、Sadaj(ド)の代理でもあるPancham(ソ)をひとつ通り越した「ラ」に留まることは、「レ」に留まるRagaよりも珍しいのは当然です。その分、限られたRagaが、とりわけ深くAjna-Chakraとの関わりを持っているということです。

また、Dhaivatには、「Komal-Dhaivat(コーマル・ダイヴァタ/ラ♭)」と、「Shuddha-Dhaivat(シュッダ・ダイヴァタ/ラ♮)」の二種があり、前者は、「右のAjna-Chakra」後者は「左と中央のAjna-Chakra」と関わります。

ところが、他の「♭と♮、もしくは、♮と#」を持つ音とChakraの関係では、それぞれ低い音が「陰陽の陰」で、高い音が「陰陽の陽」に符号し、「陽である右と中央」「陰である左」と符号しました。しかし、このAjna-Chakraでは、逆です。

私が得た情報が間違っているのかも知れませんが、今のところ、どうもこれで正解のようです。(間違っていたらごめんなさい)。

考え得ることは、ちょうどこのAjna-Chakraの場所の奥に存在する事実、左脳が右半身、右脳が左半身のように交差している、つまり「陰陽」が逆転しているということではないでしょうか。

だとしたら、西洋解剖学がそれを知る数千年も前に、この事実を理解していたヴェーダの叡智には改めて驚かされるというものです。

(文章:若林 忠宏

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