ギーター・ジャヤンティ

11

インドでは2016年12月10日に、ギーター・ジャヤンティを迎えます。国や宗教を超え、世界中で愛されるヒンドゥー教の聖典、バガヴァッド・ギーターの生誕日として祝福される祝日です。この日は、マールガシールシャ月(11月から12月)のエーカーダシー(新月から11日目)の吉日にあたります。

18日間に渡る大戦マハーバーラタが始まろうとしている時。ギーター・ジャヤンティは、その戦場である聖地クルクシェートラで苦悩するアルジュナに、クリシュナが優しく、そして勇ましく、教えを語り始めた時であるといわれます。

そんなバガヴァッド・ギーターが描かれる有名なシーンに、4頭の馬に引かれた馬車に乗る、クリシュナとアルジュナの姿があります。クリシュナがアルジュナを導きながら、戦いに挑もうとしている場面です。

この戦いとは、人間の苦悩を示していると捉えられてきました。私たちはアルジュナのように、生きる日々の一瞬一瞬において苦しみ、悩み、憂えています。苛まれる苦悩について問うアルジュナに、寛大に答え続けるクリシュナはいいます。

アルジュナよ、女々しさに陥ってはならぬ。
それはあなたにふさわしくない。
卑小なる心の弱さを捨てて立ち上がれ。
(バガヴァッド・ギーター 第2章第3節 上村勝彦訳 )

私たちの日々の苦しみ、悩み、憂いは、まるで戦いのように内なる世界を混乱に陥れます。しかし、クリシュナという存在に導かれる時、そうした混乱にも勇ましく打ち勝ち、苦難を正しく乗り越えていくことができるに違いありません。クリシュナの言葉が記されたバガヴァッド・ギーターは、私たちを導く指針そのものです。

バガヴァッド・ギーターの誕生は、まさに、光の誕生です。日々に溢れる無知という暗闇の中でもがき苦しむ私たちは、こうした叡智に触れることで、生きる意味を理解し、日々に光を生み出すことができるに違いありません。このバガヴァッド・ギーターを導き手としながら、強く生きることを努めたいと感じています。

(文章:ひるま)