スピリチュアルインド雑貨SitaRama

インド音楽

61、RagaとMudra、Pranayama、Asana、

yellow flowers floating in a tibetan bowl

ChakraとそれにちなむRagaには、それぞれの専門的な臓器との関わり、および人間の心や精神との関わりの他に、Chakra同士の連携、そして心と体全体の中での役割があります。

その全体像を総合的に理解・把握しないと、結局は、局所対症療法の感覚から卒業出来ません。

もっとも、アーユルヴェーダでも中医・漢方弁証論治でも、急を要する「表層的な症状」を優先して対応対処することはあります。しかし、同時に根本的な原因への対応対処と、全身的な問題への対応対処をしてゆかなくてはなりません。でないと、いずれ次から次に問題が移行してしまい、極端な話、大道芸の「皿回し」のような忙しさに追い込まれることもありえます。

また、根本原因の見誤りなどによっては、逆効果もあれば、まだ正常だった部分のバランスを崩してしまうこともあり、かえって大事になることもありえます。

喩えば、家の中に「雨漏り」があったとします。真下にバケツを置くくらいならまだしも、天井の隙間や穴を塞いでしまったら、行き場の無くなった水は、新たなはけ口を求めるに決まっています。それが柱を湿らせシロアリを招いたり、電気系統に損傷を与えたりで、大事になることもあり得るのと同じです。

具体的には、「口内炎」などの場合、抗生剤とステロイド剤を患部に塗布して解決しても、その原因が腸内環境なのか? それとも腎臓なのか? または肝臓なのか? そして、その原因も一つとは限らず、腸と肝臓と腎臓は、互いに連係プレーをしていますから、一つをフォローすれば、他も助けを求めてくるかも知れません。

また、そもそも腸、肝臓、腎臓の問題は、血流から来ているかも知れませんし、何らかの原因による、自律神経、ホルモン、血液のpHの問題かも知れません。

また、音やマッサージ、指圧、鍼灸、そして生薬などの中には、生き物が自然に持つ機能を「助けるもの」もあれば「刺激、叱咤激励するもの」もあれば「休ませる」ものもあります。既にオーバーヒート寸前に働いているものに、叱咤激励をしてしまったら、どうなるでしょうか?

また、例えば、腎臓の働きや、肝臓の働きを助ける生薬の中には、胃腸に負担が掛かるものがありますし、自然な血流を促した結果の利尿作用ではない生薬には心臓に負担をかけるものもあります。

アーユルヴェーダや中医・漢方の生薬及び西洋ハーブでは、「複合方剤」があります。これらには、「相乗効果で働きを高めるため」もあれば、「時差で効果に持続性を持たせるもの」もあれば、「副作用を緩和させるため」のものもあります。

例えば、前述の「腎臓を助ける生薬」が「胃腸に負担をかける」という場合、「胃腸を守る生薬」を添加させたりする訳です。

このように、インド科学音楽のRagaを用いて、Chakraの活性を図る音楽療法では、複数のChakra同士の関係や、心と体全体への効果・影響を考え、更に、Ragaの持つ複数の要素とその力を考慮しなくてはならないのです。

ところが、幸いなことに西洋局所対処療法の化学製剤とは異なり、Ragaは、自然生薬を組み合わせた、Blend/Compoundな方剤のようなものなので、西洋式化学製剤のような劇的だけれど、極端な効果効能ではないのです。

西洋化学製剤の多くも、元々は植物や昆虫などが自然に持つ成分を化学的に抽出したものなのでしょう。しかし、自然の成分は、西洋的・合理主義的な論理性のエビデンスは得られてはいませんが、数種類から数十種類の成分が、未解明の働きをすることによって、細胞や臓器に対し、比較的安全に作用していることも事実なのです。

化学製剤の「抗生剤」は、腸内環境のいわゆる善玉菌も殺してしまいます。故に「抗生剤に耐性を持つ乳酸菌」さえも開発されています。ところが、未だに不思議でなりませんが、自然生薬は善玉菌を殺さないのです。もちろんGalicのように、多量に摂ると善玉菌も殺してしまう生薬もありますが、ほとんどは「体、細胞、有益細菌、微生物」には無害なようなのです。

さらに、Ragaの場合、或る独特な音の動きが、Chakraに働きかけるのですが、前後に様々な音の動きがあり、有効成分だけを抽出して聴かせるということはありません。 もちろん演奏者によっては、音楽療法が分かっている人と、分かっていない人、Ragaの神髄(Prakriti)が分かっている人と荘でない人、自己の感性の表現・顕示に執着する人と、Raga本意の人では、同じRagaも全く異なって伝わります。なので、未来に、音楽の有効成分が解明されたとしても、電子楽器による自動演奏で効果を得るということはおそらく無いと思われます。

しかし、Ragaの音楽療法の効果は、Asana、Mudra、Parayanamaと共に行うと、「効き過ぎて」もしくは「逆効果」の非常に強い危険性も知られています。

逆に言うと、幾つかのRagaは、特定のAsanaやMudraによって聴くことで、より効果が得られるという処方が存在します。

また、その人の状態によって、或るMudraで効かない場合、別のMudraの処方も用意されています。

さらに、ほとんどのRagaでは、Prayanamaとの併用は処方されません。が、或る特定のRagaを、特定の目的で処方する場合には、PrayanamaよMudraとの併用が処方されています。

(文章:若林 忠宏

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若林忠宏氏によるオリジナル・ヨーガミュージック製作(デモ音源申込み)
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