バガヴァッド・ギーターの生誕

A statue of the Hindu god Krishna and his devotee Arjuna at Rishikesh, North India.

バガヴァッド・ギーターは、ヒンドゥー教における最も重要な聖典の一つであり、世界においても価値ある哲学的古典と見なされています。サンスクリットでギーターは「詩」、バガヴァッドは「神」を意味することから、バガヴァッド・ギーターは「神の詩」と訳されます。ウパニシャッドの概説として、ギートーパニシャッドと呼ばれることもあります。聖仙ヴィヤーサによって書かれたとされる叙事詩マハーバーラタの一部にあり、ヒンドゥー教の真髄として受け継がれてきました。偉大な実在について、宗教を超えた霊的教義が記されたバガヴァッド・ギーターは、至高のあらわれであるクリシュナ神によって説かれ、紀元前2世紀頃に成立したと伝えられます。

信仰を持った継続的な学びは、困難と向き合う方法を示し、私たちの魂を浄化すると共に、内なる平安を生み出します。原本はサンスクリットで記されながらも、バガヴァッド・ギーターは世界に広まり、マハートマー・ガーンディー、アルベルト・シュヴァイツァー、ヘルマン・ヘッセ、ラルフ・ワルド・エマーソン、オルダス・ハクスリー、ルドルフ・シュタイナー、ニコラ・テスラといった多くの著名人に読まれ、時を超えたその叡智に人々は感銘を受けてきました。神とは何か、その根本となる確かな知識に加え、究極の真実、生と死、行為と結果、永遠の魂、解脱、人生の目的、存在の意味といった、深い概念が記されています。

バガヴァッド・ギーターは、ヴェーダとウパニシャッドの精髄です。思想や宗教を超え、あらゆる人々が読むことのできる聖典であり、そこには、ヨーガ、バクティ、ヴェーダーンタ、カルマに関する崇高な知識と、実践的な教えが含まれています。 バガヴァッド・ギーターは、多くの偉大な思想家たちに影響を与えてきました。理解することが非常に困難であるとされた、一元論と二元論の概念を並立しながら、その合一を主張しています。一元論と二元論は、それぞれ異なる起源と目的を持つ古代インドのシャド・ダルシャナ(六派哲学)に属しますが、それらすべては、解脱を得るための実践的な教えとして認められ取り入れられてきました。
シャド・ダルシャナ(六派哲学)は、ニヤーヤとヴァイシェーシカ、ヨーガとサーンキヤ、ヴェーダーンタとミーマーンサーが、それぞれ対となり互いに補い合う関係です。バガヴァッド・ギーターには、異なるサーンキヤの概念と、ヴェーダーンタの概念の調和が見られます。

クリシュナ神によってこの世界にもたらされたバガヴァッド・ギーターの生誕は、ギーター・ジャヤンティとして祝福されます。毎年、11月~12月に生じる新月から11日目のエーカーダシーがその時です。

今年2016年は、12月10日がギーター・ジャヤンティにあたります。ギーターに触れ、その教えを吸収し、実践することで、現代においても、世俗の浮き沈みに惑わされることのない、確固たる人生観を築くことができるでしょう。

(SitaRama)