69、Chakraと中医・漢方弁証論治そして科学音楽

Power over nature

アーユルヴェーダとヨガの基本とも言える「Chakra(チャクラ)」の概念と、中医・漢方(中国医学及び日本の漢方医学)における「弁証論治」との間には、多くの共通点と、いくつかの相違点があることは、よく知られ語られています。

共通点の中で最も重要と思われることは、「Holistic(全身医療)」であることでしょう。Holisticである以上、局所・対処療法とは、根本的に考え方が異なる訳です。例えば、「口内炎」に関して、西洋化学対処療法は、「ステロイド剤(消炎)と抗生剤(殺菌)」で対処します。「結膜炎」もしかり。

もちろん、西洋医学のお医者さんでも、近年驚く程意識を変えられた方は少なくないはずです。口内炎にVitamin療法は、昔から市販薬にありますね。

それでも、発熱や下痢に対しても、「何処かに犯人が居るはずだ」と、抗生剤とステロイド剤、という感覚の時代は大分長かったですし、今でもそれが基本というお医者さんも少なくない。そして、実際、「効いた!」と事無きを得たような「結果論/現象論」を満足させる一時的な現象も現れますから、それで良いと思う人も少なくないはず。もちろん私もずっとそうでした。そして、また悪くなればお医者に行けば良いと。

しかしHolisticから見れば、「また悪くなる」のは当然。「根本原因」を殆ど考えていないからに他なりません。

アーユルヴェーダと中医・漢方弁証論治との間で、若干とらえ方が異なるように思えるのが、アーユルヴェーダが、「体質」の個体差によって、治療法(対処法と根治法)を考えるのに対し、中医・漢方弁証論治では、あまり「個体差」を考えないようにも(一見)思えます。しかし、中医・漢方弁証論治の「証」を、アーユルヴェーダの「体質=状態」と同じ感覚でとらえれば、さほど異なってはいないとも考えられます。

つまり「健康な状態」というものを、「正常な状態」とするならば、それは普遍的であるだろう、と考えれば、「体質/個体差」は、普遍的な状態から、幾分何かに偏った状態であるという理解もあろうということです。

しかし、ここに重要な問題があるように思います。そもそも「健康な状態」というものが、実はあまりはっきりとは概念化されていない、ということです。本来生き物には「バランス調整=恒常性」が備わっていますから、「自然治癒」が可能な訳です。「なら医者は要らない」という話になってしまいますが、人間は、何千年何百年の間に、自らを虐め抜く様々な愚行を重ねて来たのでしょう。その結果、何が「健康な状態」か分からないほど、「健康な状態」が害されているのかも知れません。

もうひとつの重要な課題が、この科学音楽の話の前半で何度も述べて来ました、「意識で実感出来ること(実感)」と「意識で実感出来ないこと(非実感)」の二つの「道」が存在するということです。

そして、この二つは、かなり深く関わっているのでしょう。その結果「プラセボ効果」のようなことも起きてくるわけです。

逆に、今ここに、古代アーユルヴェーダの音楽療法師が、タイムトラベルして来たとして、私たちが「楽しい、心地よい、癒される」と喜んで聴いている音楽の何かをして「とんでもない!心と体に悪いから直ぐにやめろ!」とおっしゃるかも知れません。

人間に限らず生き物には、まだまだ解明されていない秘められた力があるのでしょう。そして、おそらく「毒に慣れる」という能力も想到なものに違いありませんん。古代の人が聴いたら絶えられない音や音楽でも、慣れてしまえば平気ということです。

賛否両論あるかも知れませんが、コロンブスたちがカリブ海に乗り込んだ後、西洋人には平気になっていた細菌やウィルスで、先住民族が壊滅状態になったという話もあります。 何百年もすれば、花粉も全く平気という新人類ばかりになるかも知れません。実際その考え方の治療法も始まっていますね。

いずれにしても、世の中の流れは「局所・対処療法」から「Holistic/全身医療」に向かっているに違いありません。そして、それは必然的に「予防医療」な訳です。

しかし、体に関しては目覚ましい理解の向上・進歩が見られるのに、同じように体に入ってくる、「音、言葉、色、造形」と、それによる「心への影響」に関しては、どうして相変わらず無頓着なのでしょうか?

「有害なもの・毒」を拒否するばかりで、「甘いものはOK」では、「無頓着」とは逆ですが、「甘い薬、甘い栄養素」ばかり摂取していることになりますから、どっちもどっちでは?と思います。

(文章:若林 忠宏

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