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雑記帳

サラスワティー女神と白鳥

春の到来として祝福されるヴァサンタ・パンチャミーは、一説に、学問や芸術の女神として崇められるサラスワティー女神が降誕した日であると信じられます。知識の象徴であるサラスワティー女神は、私たちの豊かな日々に必要不可欠な存在です。

サラスワティー女神は、あらゆるものを清めると捉えられてきた聖なる川の神格として崇められ、純白のサリーを身にまとう姿からは、清浄な印象が溢れる女神です。そんなサラスワティー女神は、ハンサ・ヴァーヒニー(白鳥に座る者)とも呼ばれ、識別力の象徴として崇められる白鳥と共に描かれることが多くあります。

白鳥は、混ざり合った水とミルクから、ミルクだけを飲むことができると、霊性を育む教えの中で学んだことがありました。それは、識別力の高さの象徴として例えられることがあります。識別力はヴィヴェーカといわれ、善と悪、正と誤を見分ける力だけでなく、真実を見る力そのものでもあります。

識別力が高まると、私たちをさまざまに悩ます心の働きが静まり、限りのない幸せを知ることができるといわれます。物や形といった移り変わる幸せを超え、永遠の至福である自分自身の本質を知るからです。それは、私たちを輪廻の世界から救うものにも他ありません。

識別力(ヴィヴェーカ)は、欲望を手放す離欲(ヴァイラーギャ)の実践と共に高められていきます。その他に、白鳥を乗り物とするサラスワティー女神のマントラを唱えたり、礼拝をしたりすることでも、自分自身の内が清められ、識別力が高まり、心の働きが静まった大きな至福を見つけることができるといわれます。真の豊かさに気づくためには、サラスワティー女神の力がなくてはなりません。

ヴァサンタ・パンチャミーは、そんなサラスワティー女神を礼拝するこの上ない吉兆な時です。豊かで清らかな川の流れのように、自分自身の内で識別力が溢れるよう、白鳥に座すサラスワティー女神の存在を礼拝したいと思います。インドでは少しずつ暖かさが増してくるこの時、皆様にも大きな祝福がありますよう、心よりお祈り申し上げます。

(文章:ひるま)

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