ルブダカの解脱

Shiva Linga made up of white marble decorated with flowers & bael leaf known as Aegle marmelos, over white background, maha shiva ratri a festival of hindu God shankar or shankar bhagwan or bholenath

毎年2月~3月の新月の前に訪れるシヴァラートリーは、霊性修行を行うもっとも吉兆な夜の一つです。敬虔な人々は食を断ち、一晩中シヴァ神の御名を唱え、瞑想を行います。そんなシヴァラートリーにおいては、この夜に解脱を得たある狩人の神話が伝えられます。

狩人は、ルブダカという熱心なシヴァ神の信者でした。多くの動物を殺め生活の糧としていた彼は、ある日、食事もとらず夢中になって獲物を追い求め、森の奥深くまで入り込んでしまったことに気がつきます。日が暮れ、帰り道を見失い、深い森で夜を明かさねばなりません。辺りには獣たちの鳴き声が響き渡っています。

恐ろしくなったルブダカは木のてっぺんまで登り、夜を明かすことに決めました。しかし、眠ってしまえば木から落ち、獣たちの餌食となることは明らかです。疲れ果てていたルブダカは、恐怖と空腹の中で、欲望のままに動物を殺めてきたこれまでの自分を深く省みます。

するとルブダカは、木の葉を一枚一枚数え落としながら、シヴァ神の御名を唱え始めました。この行いこそがルブダカを救い、彼は眠りに落ちることなく、木の上で朝を迎えたといわれます。その夜が、満月から新月へと向かう13日目の暗い夜のことでした。月のない真っ暗な闇の中で、食と睡眠を断ち、自らの欲望と戦っていたルブダカをシヴァ神の御名が救ったのです。

ルブダカが夜を明かした木がベルノキであり、その木の側にあったシヴァリンガムの上には、ルブダカが数え落としていった葉が幾重にも積っていたと伝えられます。シヴァリンガムの上にベルノキの葉を乗せることは吉兆とされ、今日でも寺院や家庭で行われ続けています。

シヴァラートリーは、欲望にまみれていたことに気づいたルブダカが、食と睡眠を断ち、シヴァ神の御名を唱え解脱を得た神聖な時です。自身の内外に潜む悪の性質を破壊するシヴァ神を讃える吉兆な夜、私たちも同じように普段の生活を省みながら霊性修行に励むことで、多くの恵みが授けられるに違いありません。

※ルブダカの神話は、この他にもさまざまに伝えられることがあります。

(文章:ひるま)

参照:http://www.mahashivratri.org/the-legend-of-lubdhaka.html