魂の力を強める太陽神の光輝

ヒンドゥー教における信仰の中心に、太古の昔から現代にも受け継がれる太陽への礼拝があります。太陽は太陽神スーリヤとして崇められ、1日の始まりは、太陽神への礼拝から始まるといっても過言ではありません。太陽神を礼拝することでエネルギーを享受し、健康が促進され、繁栄や成功につながると信じられています。

太陽神の礼拝については、紀元前1,000年頃から紀元前500年頃にかけて編纂されたヴェーダや、プラーナ文献にも記されています。世界に存在する生きとし生けるものは、太陽の光によって育まれていると信じられることから、太陽神は宇宙全体に命を与えるもの、そして、あらゆる活動を見守る者として古代から崇められてきました。週の始まりとなる日曜日は、太陽神の日として崇められ、とりわけ多くの人々によって礼拝が行われます。

そんな太陽神は、7頭の馬に引かれた乗り物に乗って描かれます。1年をかけ12星座の軌道を移動し、各星座にはおよそ30日とどまります。メーシャ(牡羊座)において高揚し、トゥラー(天秤座)において減衰する太陽は、一説に、魚座、獅子座、射手座生まれの人に恩恵があるといわれます。

インド占星術では、ホロスコープで太陽がよい位置にある場合、知性、健康、責任、リーダーシップ、勇気、強さ、主体性、名声、成功、力、エネルギー、忠直さなどがあらわれるといわれます。一方で、太陽がよい位置にない場合、病、虚弱、短気、エネルギーの弱さ、恐れ、依存などがあらわれるといわれます。太陽の影響は、強すぎても、弱すぎても、好ましくない質をもたらします。

エネルギーを象徴する太陽神の礼拝は、さまざまな病を回復させると信じられてきました。問題に向き合うために、障害を払拭するために、困難を乗り越えるために礼拝を行う人々もいます。太陽神の恩恵を授かろうと、日曜日に太陽を拝み、塩を抜いた食事をとる習わしもあります。ナヴァグラハ(9つの惑星の神)の中心である太陽神は、金属ではゴールド、天然石ではルビーに関連するといわれ、それらを身につけることも、太陽神の恩恵を授かるための吉兆な行いであるといわれます。

太陽神は、毎年1月に祝福されるマカラ・サンクラーンティにおいて盛大に崇められます。インドには太陽神を祀った寺院が数多くあり、オリッサ州コナーラクのスーリヤ寺院、ビハール州ブッダガヤのダクシナールカ寺院、タミルナードゥ州のスーリヤナール・コイル寺院、アーンドラ・プラデーシュ州アラサヴィリのスーリヤナーラーヤナ寺院などが有名です。

太陽は、あらゆるエネルギーの源であり、太陽がなければ、生命は生きながらえることができません。そのため、人類は太古から太陽を重要な神であると考え、太陽を礼拝してきました。アーディティヤ・フリダヤム、スーリヤ・ナマスカール、そしてガーヤトリー・マントラなど、太陽神はヒンドゥー教における礼拝の中でも、常に中心に位置しています。

これからの季節、太陽の力はより強まり、生命の躍動が始まります。日々の生活において、太陽神への感謝と祈りを捧げるならば、内なる光明に照らされ、無知という暗闇はもはや存在することができません。太陽は、私たちに物質的な豊かさをもたらすとともに、私たちの知性を照らし、解脱に至る道を示してくれます。

(SitaRama)