プラフラーダとホーリカー

bright Indian colors , Jaipur, Rajasthan, India

冬が終わり、春の心地よい気候の中で祝福されるホーリー祭。子どもから大人まで、カラフルな色にまみれながら、満面の笑みで喜びを分かち合う歓喜に満ちる瞬間です。大自然とともに生きる人々の喜びは、いつの時も、インドの日々の基本にあるものです。

そんな大きな喜びに溢れるホーリー祭の前夜には、街のあちこちで見上げるほどの大きな焚き火が燃え上がります。このホーリー祭の焚き火にまつわるプラフラーダとホーリカーの神話には、霊的なとても深い意味があります。改めて、その意味を見つめ直したいと思います。

魔王ヒラニヤカシプは、ヴィシュヌ神を熱心に崇める息子のプラフラーダを疎ましく思い殺害を企てると、神から炎に焼かれないという恩恵を得ていた娘ホーリカーの膝の上に座らせ、二人を炎の中に入れます。しかし、プラフラーダはヴィシュヌ神の加護によって炎に焼かれることはありませんでした。

代わりに焼かれてしまったのが、ホーリカーです。ホーリカーはプラフラーダを守るために犠牲となったと神聖視される一方で、自らに与えられた恩恵を利用しプラフラーダを焼き殺そうとしたために、神の怒りに触れ炎に焼かれたといわれます。

私たちの内には、プラフラーダとホーリカーの質があります。純質であるプラフラーダと、それを覆い隠すホーリカーです。ホーリー祭の夜に燃え上がるのは、金を精錬するように、自分自身の内のホーリカーを燃やし、プラフラーダという純質を高める神聖な炎です。プラフラーダの質が高まる時、炎に焼かれるような人生の試練にすら打ち勝つことのできる、強さと喜びが与えられるに違いありません。

この焚き火の準備は、ホーリー祭の40日前にあたるヴァサント・パンチャミー後から始まります。それは、燃やすべく薪などを集めながら、自分自身の内の浄化すべく質と向かい合う大切な期間でもあります。ホーリー祭では、悪を払うためのラークショーグナ・マントラと共に火を焚き、人々はプラフラーダを呼び覚まします。

冬が終わり、新しい季節を迎える時。心と体を清め、純粋な喜びを祝福できるよう、日々を過ごしたいと感じています。

(文章:ひるま)