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アーサナ

至福の踊り

世界を破壊し、新たな創造を生み出すシヴァ神には、舞踏王であるナタラージャとしての姿があります。ナタラージャは、果てしない破壊と創造の躍動的なリズムで、アーナンダ・ターンダヴァム(至福の踊り)を踊ります。生と死の狭間の舞台において、さまざまな出来事に翻弄される私たちとは打って変わって、シヴァ神は喜んでそのリズムに乗り、世界を破壊し、新たな創造を生み出します。

ナタラージャとしてのシヴァ神は、小鬼である悪魔アパスマーラを踏みつぶした姿で描かれます。アパスマーラには「忘却」の意味があり、私たちが意識を失い安定を欠き、不安定な感覚的な快楽を追い求める無知と邪悪の象徴です。そこで経験する苦難は、私たちが神々を忘れた無知から生じます。

ヨーガにおいても、ナタラージャのアーサナが広く実践されます。片足で立ちバランスを取りながら、大きく胸を開き後屈を行うこのアーサナは、体と心の確かな安定と高い柔軟性を要するアーサナです。

確かな安定を得るためには、無知という悪魔を踏みつぶし、真実を理解しなければなりません。そのためには、真実である神々を常に思い、そこに身を委ね生きる術を学ぶ必要があります。そうして無知から解放された体と心には、確かな安定と、物事をあるがままに受け入れることのできる柔軟性が授けられます。

ナタラージャは、アパスマーラを踏みつぶしたままの姿に留まります。ナタラージャとしてのシヴァ神を礼拝することは、自分自身の内の無知を破壊し、その魂を解放することにも他ありません。

不可避である生と死を受け入れ、人生において自らを解放する至福の踊りを舞うためには、常にシヴァ神を思う定まった心が必要です。そうして授けられる確かな安定としなやかな体と心は、私たちを美しい踊子に育ててくれるに違いありません。

シヴァラートリは、シヴァ神が至福の踊りを舞い、宇宙を創造した日であるといわれます。この神聖な夜、シヴァ神の大きな祝福がありますように、心よりお祈り申し上げます。

(文章:ひるま)

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