母なる大地

インドの日常には、大自然への祈りが溢れています。朝目覚めたら、一日を生きるために、神々の身体である母なる大地に足をつける許しを祈ります。6年前、東日本大震災が起きた時も同じように、この地には祈りが溢れていました。

大地は、ブーミ女神として崇められます。女神は慈悲深く、多くの種を発芽させ食物を生み出し、私たちを優しく育むも、時に破壊的で、混沌とした無秩序な姿を見せます。それでも、最後の時には私たちをあたたかく包み込み、一体となります。

インドでは、目に見える自然の形態はすべて、目に見えない女神の力のあらわれとして崇められてきました。そんな女神たちは、創造、維持、破壊に逆らうことなく、その法則に則って動き続けます。ナヴァラートリー祭を始め、大自然の巡りを祝福するインドの祝祭は、私たちに神々のリズムを理解させ、その絆を深める重要な瞬間です。

古代においては、その祈りが象徴するように、より豊かで幸せな生活を送るために女神たちのあらわれである大自然を崇めることが必要不可欠な行いでした。大自然の法則に基づいた深い洞察の中にあるその叡智は、現代においても、私たちに永遠の喜びと幸せを経験させます。

私たちの欲望が母なる女神を傷つけることがないよう、古代の祈りには大自然を崇める讃歌が溢れています。それらを唱えること、または菜食を実践すること、環境保護に携わること、自然を愛すること、今、私たちができる大地への祈りはさまざまにあります。その役割を理解し実践することは、自分自身を霊的に成長させる何よりも神聖な行いとなるに違いありません。霊的な成長は、母なる大地を愛し、自分自身が生きるこの大自然を理解することに始まります。

未曾有の被害をもたらした東日本大震災から6年。この時に改めて、母なる大地の声を聞き、その胸に足をつける許しを祈りたいと感じています。この大きな世界が調和し、いつの時も喜びと幸せに満ちることを願ってなりません。

(文章:ひるま)