神聖な波動を響かせるマントラ・ヨーガ

マントラを唱える時、そこには特別な音の波動が発生します。繰り返し唱え続けると、その波動は神聖なエネルギーを形成し、唱える者の前に神の姿としてあらわれると信じられるほど、その音は明確な力を持っています。

こうした神聖な音の波動は、私たちの幸福や健康にも影響を与えます。マントラの祈りに加え、発声される母音は、私たちの生命を司る重要な腺を振動させ、心身を浄化します。聖書において、「角笛を吹くと、その巨大なエリコの城壁が崩れた(『ヨシュア記』6章)」と伝えられるように、音の振動は時に壁を壊すほど強い力を持ちます。この音の振動を活用した療法によって、健康を回復する人もいるほどです。

音の波動が心身へ与える強力な影響を発見したヨーガ行者は、マントラ・ヨーガという特別なヨーガを生み出しました。その特別な音は、エーテル体(幽体)に特殊な振動を生み出します。霊的に鋭い洞察力があった古代の人々は、音を通じてエーテル体に形が作られる過程を、直接的に見ることが可能であったといわれます。実際、古代の言語における言葉や音の多くは、実際にそれらがあらわされた印や力であるといわれます。

人々は太古の昔から、慎重かつ効果的に、音を用いる術を習得してきました。古代から受け継がれる神秘的な儀式の言葉や音は、特定の恩恵を生み出すために組み合わせられたものです。古代インドの学匠であるジャイミニは、音が時を超え、あらゆる発展の母体であることを、はっきりと説いた最初の人物でした。その音の科学は、宇宙の謎の鍵をも握っています。思考も音の一つです。音は絶対的な原因であり、単なる振動ではありません。

音のエネルギーは、恩恵を生み出すために適切に構造化され、特定の方法で指示される必要があります。マントラ・ヨーガは、適切な恩恵を享受するために、音のエネルギーを組み立て、チャネリングしようとするものです。こうした音は、耳の不自由な人でも視覚器官に取りこまれ、色彩の思考となり、脳全体に伝達されることが医学で証明されています。

宇宙の中心から発出する音のエネルギーは、私たちの第1チャクラであるムーラーダーラから常に上昇し続けています。しかし、外界の生活に囚われ、感覚の働きとその対象に埋もれる私たちの魂は、その音に気づくことができません。マントラ・ヨーガは、そんな私たちの魂に、幸福や健康をもたらす神聖な波動を響かせる優れた方法の一つとなるでしょう。

(SitaRama)