太陽と共に生きること

古代より、世界の各地で信仰の中心にあった太陽。そんな太陽を礼拝する大切な時の一つが、マカラ・サンクラーンティです。マカラ・サンクラーンティを過ぎると、太陽は北半球を回り始めるといわれ、少しずつ日脚が伸びていきます。冬から春へ、闇から光へ、その移り変わりの中に、大自然が生み出す神妙な均衡と調和を見るようです。

万物に多くの恵みを与える太陽は、ヒンドゥー教においてスーリヤ神として崇められ、数多くの神話が伝えられます。そんな中で、スーリヤ神はかつて、その熱さに耐えられなかった妻に去られ、炎が削り取られてしまったという神話が伝わります。

スーリヤ神が結婚をしたのは、創造神であるヴィシュヴァカルマンの娘、サンジュニャーでした。しかし、サンジュニャーはスーリヤ神の熱に耐えられず、チャーヤーと呼ばれる影を残して立ち去ってしまいます。すると、ヴィシュヴァカルマンがスーリヤ神の炎を削り取り、熱を下げたのだといわれます。

スーリヤ神とサンジュニャーの神話に見られるように、人々は太古の昔から、大自然の陰と陽が生み出す世界の均衡と調和を美しく崇めてきました。そのエネルギーを人間の内なる世界に見出した古代の賢者たちは、人類の幸福や健康のためにさまざまな術を伝え、現代のヨーガでも、その神秘が多く受け継がれています。

例えば、スーリヤ・ベーダナとチャンドラ・ベーダナと呼ばれる呼吸法があります。スーリヤ・ベーダナでは、右の鼻孔から息を吸い、左の鼻孔から息を吐き出します。一方で、チャンドラ・ベーダナでは左の鼻孔から息を吸い、右の鼻孔から息を吐き出します。スーリヤ・ベーダナは脳を刺激し身体を温める一方で、チャンドラ・ベーダナは脳を沈静し身体を冷やすといわれます。

毎朝、世界に光をもたらす太陽のエネルギーは、私たちの内なる世界でも輝いています。太陽を礼拝する重要なマカラ・サンクラーンティにおいて、そのエネルギーと向き合って見るのも良いかもしれません。大自然が図る均衡と調和の中で、その行いは、私たちに健康と幸福を授けてくれることと思います。

(文章:ひるま)