インドに伝わる魔術

願望成就のための強力なマントラの一つに、インドラジャーラと呼ばれるマントラがあります。インドラジャーラは「魔法」や「魔術」を意味し、主にタントラの世界で密かに用いられるマントラです。インドラは「神々の王」をあらわし、ジャーラは「網」や「罠」を意味します。

古代のインドにおいて、真実の世界を覆い隠すマーヤー(幻影)を最初に創造したのはインドラ神であると、一説に信じられていました。現象世界は神の魔法の行為と捉えられ、宇宙全体はインドラジャーラであると信じられていたといわれます。

このインドラジャーラは、魔術師の行為と同じように考えられます。目には見えないものや、心にしか存在しないものを生み出し、世界を魅了する行為です。そうした教えを秘めたのが、インドラジャーラ・マントラです。

例えば、社会生活を営む上で必要不可欠なものに、富があります。誰もが富を求めるも、すべての人が多くを得ることに成功しているわけではありません。金銭的な問題を抱えている場合、インドラジャーラ・マントラを唱えることで、富を得る機会が多方面から訪れるといわれます。しかし、それにはマントラを何千回と唱える必要があります。それが達成されれば、インドラジャーラ・マントラは富を得るための強力な手段となるでしょう。

また、人生において大切なものを求めるとき、人は愛を欲します。愛に関する問題を抱えている場合、インドラジャーラ・マントラを唱えることで、人生には変化が訪れるといわれます。そこでは、理想的な愛や、いつも想い合えるパートナーがもたらされるかもしれません。そのためには、愛の神であるカーマデーヴァやその妃であるラティの存在を知る必要があります。それは、愛を求める願いに、望ましい結果をもたらすでしょう。

人生の中でとりわけ多い問題は、欲しいものが手に入らないという状況です。インドラジャーラ・マントラは、こうした問題を解決する強力なマントラの一つです。一説には、宝くじに当たるためのマントラもあると伝えられます。そのマントラを唱えることで、宝くじに当たる夢が現実になるかもしれません。

これらのマントラは、霊的な師であるグルを通じた信頼関係のもとで秘密裏に伝えられています。そうでなければ、望ましい結果を得られないばかりか、誤った結果を招くことにつながりかねません。アタルヴァ・ヴェーダに見られるような呪法が実践されていた古代インドの神秘の教えは、現代でも密かに受け継がれています。

(SitaRama)