真理探究の奥義書・ウパニシャッド

至高神の息吹から生まれた、「知識」を意味するヴェーダ。その神聖な波動には、私たちを至高神と結びつけるための尊い知識があふれています。ヴェーダは、サンヒター(本集)、ブラーフマナ(祭儀書)、アーラニヤカ(森林書)、ウパニシャッド(奥義書)の4部に分類されます。これらの中で、ヴェーダの奥義とされ重要視されるのがウパニシャッド(奥義書)です。

数あるウパニシャッドの中で、サーマ・ヴェーダに含まれるウパニシャッドを見ていきます。神々への讃歌を一定の旋律で歌う歌詠の集成であるサーマ・ヴェーダには、主要なウパニシャッドであるケーナ・ウパニシャッドとチャーンドーギヤ・ウパニシャッドが含まれます。

チャーンドーギヤ・ウパニシャッド(छांदोग्य उपनिषद्)
チャーンドーギヤ・ウパニシャッドは、サーマヴェーダにおけるチャーンドーギヤ・ブラーフマナの一部を構成するため、ブラーフマナ(祭儀書)ともされています。10章のうち、最初の2章はブラーフマナの一部であり、礼拝の方法や儀式についての知識が説かれます。残りの8章はウパニシャッドを構成し、讃歌について、ダルマについて、ブラフマンについて、アートマンについてなどが説かれます。

ケーナ・ウパニシャッド(केन उपनिषद्)
ケーナ・ウパニシャッドは、 サーマ・ヴェーダのタラヴァカーラ派(ジャイミニーヤ派)に属し、タルヴァカーラ・ウパニシャッドとしても知られています。ケーナという言葉は、「何、何故、どこで、誰」などを意味し、限られた自己のアイデンティティーを超えた存在が説かれます。 4つのカーンダ(巻)から成り,アートマンと一体的なブラフマンについて説かれています。

このケーナ・ウパニシャッドとチャーンドーギヤ・ウパニシャッド以外に、サーマ・ヴェーダは、以下のウパニシャッドに分類されることがあります。

アールネーヤ・ウパニシャッド(आरुणेय उपनिषद्):サンニャーシー(隠遁者)について説かれる。
アヴャクタ・ウパニシャッド(अव्यक्त उपनिषद्):宇宙論について説かれる。
ダルシャナ・ウパニシャッド(दर्शन उपनिषद्):ヨーガの概念について説かれる。
ジャバーリ・ウパニシャッド(जबालि उपनिषद्):パーシュパタについて説かれる。
クンディカー・ウパニシャッド(कुण्डिका उपनिषद्):隠遁について説かれる。
マハー・ウパニシャッド(महा उपनिषद्):ヴィシュヌ神を最高のブラフマンとして説かれる。
マイトラーヤニーヤ・ウパニシャッド(मैत्रायणीय उपनिषद्):魂について説かれる
マイトレーヤ・ウパニシャッド(मैत्रेय उपनिषद्):解脱に向けたシヴァ神の教えが説かれる。
ルドラークシャ・ジャーバーラ・ウパニシャッド(रुद्राक्षजाबाल उपनिषद्):ルドラークシャについて説かれる。
サンニャーサ・ウパニシャッド(संन्यास उपनिषद्):サンニャーシー(隠遁者)としての行いについて説かれる。
サーヴィトリー ・ウパニシャッド(सावित्री उपनिषद्):万物の源泉としての太陽神について説かれる。
ヴァジュラスーチー ・ウパニシャッド(वज्रसूची उपनिषद्):4つのヴァルナ(身分制度)について説かれる。
ヴァースデーヴァ・ウパニシャッド(वासुदेव उपनिषद्):ヴィシュヌ神とクリシュナ神について説かれる。
ヨーガチューダーマニ・ウパニシャッド(योगचूडामणि उपनिषद्):チャクラやクンダリニーについて説かれる。

師から弟子に伝承された奥義であるウパニシャッドは、ヴェーダの最後を意味するヴェーダーンタともいわれ、真理の探究が中心に行われます。ウパニシャッドの数は多く、内容も多岐にわたり、私たちに深い知識を授けます。その真髄に触れることで、真理を得る力が授けられるでしょう。

(SitaRama)