117、歴史の理解力を高めることは、心身の健康に最適・最短の手法 (その3)

歴史理解力が即効的である理由

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論理の三次元に欠落している縦軸
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今回の図は、以前に用いた「論理の樹木(ひいては思考回路の理想図・基本形でもある)図に、論理の三大要素「Tri-Nyayshastra」の中の「三つの次元(視野):Tri-Paimana」を表した図です。

「枝葉執着の人々」は、図の横軸に於ける利己的感覚「Ahamkara」と、「実体験:Pratyaksha-Pranama」以外のことの理解が極めて乏しく、それを「認めてもらいたい:承認・肯定願望」が強いがために「共感空間」をSNSに強く求めたり、共感出来る友人たちを懸命に守ろうとします。また「常識・観念・道徳」などに依存する人も少なくなく、「利己的感覚」とセットになっていることも多くあります。

希に、「奥行軸:客観性・洞察力」の二次元目の感覚を持って居る人も居ます。しかし、正確には、縦軸の概念が無い限りには、横軸と奥行の直角性を実感出来る術はないのです。しかも、そもそも「枝葉は揺れてしかるべき(でなくては芸術は成り立たない)」のですから、横軸との角度は、揺れ動いてしかるべきですから、「客観的だ」と過信していても、限りなく角度が小さい「V字」のようなものであるかも知れません。

また、「みんな」という観念や、「グローバリズム」という観念を誤解したまま、過信し依存している人々は、前述の「常識・観念依存」も手伝って、それの正しさを決して自壊しません。しかし、以前にもこのコラムで「枝葉を束ねただけ(自らの根っ子も幹も希薄脆弱な者同士の連帯)」では「薪木に過ぎない(大地とは遊離している=枯れている=死んでいる)」とも言えるのです。
そもそも横軸と奥行は、ぐるりと360度回転してしまえば、いずれも「枝葉領域:Prattiyam-Loka」の平面に過ぎないとも言え、その円盤上に固着していると言えるのです。

しかるに、正しい論理性以前に、正しい客観性を持つ為には、三次元の各直角性も元より、「縦軸:時間・時系列・順番・歴史系思考性:Itihas-Dhayana」が不可欠なのです。そして、三次元の何処にでも自在に意識を転換させることが出来て、初めて「論理を学び思考することが可能になり、やっと「思考力(Vijnanamaya-Kosha)の正常化」の第一歩が踏み出せるのです。

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時間・歴史感覚:Itihas-Prtibhaの大きな欠落
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しかし、現代人の多くに見られる「枝葉依存人間・枝葉感覚人間」の場合、この「時間・時系列・歴史把握力」を取り戻すことは極めて困難な作業となります。

「この問題が全ての元凶である」と判断された私のセラピー・カウンセリング受講者さんの多くに「この三日間の自分の行動を時刻時間を明記した時系列の記録を書いてみて」と、試してみると、まず殆どが出来ないのです。20代から30代の若さにも関わらず、仕事以外の行動の中の細かな行動の記憶が定かでないのです。
勿論これは、かなり重度の方の話しですが、その中でも更に重症だった三名のひとりは、受講が途切れた後に統合失調症を発症しました。また一人は、鬱病になりました。「元々そうした性質だったのだろう」と楽観視したい人も少なくないかも知れませんが、そうではありません。

まず、「生まれも育ちも考え方も価値観も異なる」数名に共通して、「時系列記録」の宿題を出すと、十数時間睡眠を取っていても「振り返り作業を始めて十数分で強烈な睡魔に襲われる」ことで、「書かねば・書きたいと思う!」と口ではおっしゃっても「寝てしまって書けなかった」となるのです。これは、「アパシー/鬱」の基本機序と同じ構造です。
つまり、脳の使っていない部分を使おうとすると、その死に掛けていた機能を補っていた部分が、猛烈に拒否反応を起こすのです。いささか辛辣な喩えで恐縮ですが、母子家庭で、父親替わりの気概で頑張っていた長男か長女が、母親の再婚と共にそのステイタスを失ってグレてしまった。ような感じです。

つまり、そもそも「脳機能がアンバランス」であったことが原因なので、それを是正しないことには何も始らないのです。ところが巷のセラピスト・カウンセラーさんの殆どが、例えば「時系列列記録を書かせる」などということは決してしませんし、「出来ない事・嫌だと言っていることを無理にさせては駄目だ」と「甘やかし」の方向性にしかないのです。

スパルタが良いとは決して言いませんが「出来ない=脳機能アンバランス」という構造を度外視して、先に進める筈が在りません。なので、「慰められた」「分かって貰えた」で、満足し、元気になって、「もう大丈夫だ」と通わなくなる。そして半年一年で状態が再悪化して、また通おうにも「あの先生じゃ駄目なのだろう」と他者の所為にして他を当たる。

上記の重度の三名は、私の講座を受講する迄に、二三年で、同時期に二三、十ヶ所近くをはしごしていました。その感覚の根底には、「本当に解決したい」という想いがあるに違いないのです。それこそ「魂や心のSOS」です。なので、セラピスト・カウンセラーは、当人の表層的気分・感情の奥で泣いている心や魂を見取るべきなのですが、何故かそれをしないのです。

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歴史がつまらない場合の元凶
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学校教科としての「歴史が好きだ」という人の中と「苦手」という人に共通しているのが、年代の記憶です。前者は、呆れるほど良く憶えていますが、後者は全く憶えられない。また、歴史的人物の名前もしかり。つまり「枝葉次元」の歴史教育で、憶えることを強要される「小枝や葉の名前や生じた年」で「学ぼう」というエネルギーの殆どを使い果たしてしまう。それどころか、もっと大切な筈の、「樹木の構造」というものが、全く教えられない。

例えば、インド中世史の場合、丁度私が作成した樹木図のように、太い枝は、「南インド・ドラヴィダ民族の系譜」「中西部ヒンドゥー諸王朝の系譜」「北インド・イスラム宮廷の系譜」となり、その先の中枝~小枝と別れて、それぞれのヒストリーがある。
しかし、その全体像=樹をイメージさせずに、あちこち話しが飛んでマラータ同盟がどうの、アウラングゼーブがどうのという話しを憶えさせる。

逆に、学校教育とは別に、マニアックに「歴史が好きだ」という人の場合でも、基本的に枝葉にこだわり、その幹と樹木全体のイメージが欠落している場合があります。

そもそも論理性の上では「実在しなかったもの」。つまり、中世の太枝から枝分かれした後に「途絶えた系譜」が、もし存続していたならば?というようなイメージや推察力は、全く問われず「無い歴史を語っても意味が無い」と言わんばかりの人が多い。

つまりは、「好きだ・得意だ」という人もまた「合理主義・結果論主義」の「枝葉系」な場合が殆どです。それではせっかくの「歴史」もまた、本当の意味では「縦軸」ではなく、「三次元思考性・思考力」が鍛えられているとは到底言えません。

そのような人々に特徴的に共通するのが「文章や意見の論旨=論幹を理解しない」という奇妙な現象です。結局は「枝葉の記述」に対してあれこれ知識をひけらかすばかり。
もし「枝葉の記述」に対して意見を述べるならば、「幹=論幹=論旨(テーマ・主旨)」を「肯定した」か「仮に肯定した」上であるべきなところ。そこは終始曖昧なままで。枝葉(良くいわれる重箱の隅と同義)をやり玉に上げるばかりです。

学術論文の形式が、冒頭に「論旨」を明記し、本文がたいがい三段論法になっているのも、同じ研究者で、枝葉~幹の立ち位置が異なることで生じる混乱と無益な議論を避ける為でしょう。極端な話し、「論旨」を読んで「ああ、この論文は駄目だ」と分からないようでは、本文の部分を批判する資格は無いのです。音楽もしかりで、冒頭の数十秒で聞く価値が分からないようではプロとしてはアウトです。
ギャラが貰える仕事ならば、「論旨→駄目」の「根拠」を本文の部分を取沙汰して反論することもあるかも知れませんが。

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歴史を自らで面白く理解する訓練
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このように、「歴史がつまらなかった理由」は、「A:教える人間が枝葉系」「B:学ぼうとする者自身も枝葉系」「C:逆に得意だ!と自負する人間も枝葉系」だからに尽きます。

しかし、「AとC」は、今更意識改革をしないでしょうけれど、B=苦手と思っていた人には可能性があるのです。そして、その力を鍛えることは、明らかに脳機能にとって必要必須のテーマなのです。

おそらくこのテーマは、ここ一二年で急速に研究が進んでいる「認知症改善・予防策」のひとつに、数年もすれば挙げられることでしょう。 それどころか、数十年もすれば「認知症の原因」とさえ説かれる日が来るかも知れません。

「歴史を面白く出来るか否か?」は、「自分自身で脳機能のバランスを改善出来るか?」いうことであり、その第一歩は、「三次元的思考」の訓練にあります。
つまり、例えば図のように、幹から三本の太枝が別れた場合、その一本を選択して探求する場合でも、他の二本の存在を常に頭の片隅に入れておく訓練です。

これは、日常の家事でも訓練出来ます。

例えば「鍋を火に掛けたまま、生ゴミを出しに行った」という場合。通常ならば、鍋は焦げ付かない。しかし、ゴミ収集場で、ご近所に捕まって長話につき合わされたら、焦げ付きます。

「枝葉系」の人の改善策は「次回からは生ゴミ出しであろうが、火を止めてからにしよう」という解決策です。勿論実際は、これが正解でしょうが、脳機能訓練としてはアウトです。ご近所の話しを聞きながらも、鍋のことを考える訓練が必要なのです。そして、「あと数分でマズいことになる」という時に、ご近所に「すみません!」と言える訓練です。

ところが、枝葉依存度が進んで 、受講を中断した後に統合失調症を発症した人の場合「自意識過剰」も重度に至っていましたから「ご近所に言い出せない」という別の問題も積み重なってしまう。勿論、そこで「ご近所の話しが頭に入らない」というのもアウトです。言い換えれば、このような日常の出来事によって、御自身の「脳機能バランスの偏り」と「枝葉度」を自己診断出来るとも言えます。

このテーマをクリアーし、明らかに変化が自覚出来るようになれば、次は、歴史に登場する人間の性質と性格を読み解き、結果論的な言動の事実を照らし合わせる訓練です。この段階に至れば、かなり歴史が面白くなって来ると同時に、脳機能バランスも改善され、体調のみならず、人間関係さえも改善されている自覚が得られる筈です。

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何時も、最後までご高読を誠にありがとうございます。

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アーユルヴェーダ音楽療法 (実践編1)

アーユルヴェーダ音楽療法 (実践編2)

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(文章:若林 忠宏

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