アルナ神の赤い輝き

インドでは1月24日に、ラタ・サプタミーの祝日を迎えます。ラタ・サプタミーは、マーガ月(1~2月)の新月から7日目にあたり、スーリヤ神(太陽神)を讃える吉日として祝福されます。

スーリヤ神はこの日、7頭の馬に引かれた自身の乗り物(ラタ)の向きを北方へ変えると信じられています。その乗り物の御者が、アルナと呼ばれる暁の神です。アルナとは「赤い」を意味し、暗闇を切り開く太陽が空を赤く染める輝きの神格として崇められます。

このアルナ神の誕生には、興味深い神話が伝わります。アルナ神は、有名な聖仙の1人であるダクシャの娘、ヴィナターの卵から生まれました。しかし、ヴィナターは偉大な息子の誕生を待ちきれず、その卵を自ら割ってしまいます。割れた卵からは閃光としてアルナ神が飛び出すも、時期が早すぎたために、その光は太陽のように明るくなることはなかったといわれます。

そんなアルナ神は、後にスーリヤ神の乗り物の御者となり、7頭の馬を操りながら、その乗り物を導きます。この7頭の馬は、太陽の光から生まれる7つの色を意味しているといわれます。それは、7色とされる虹の色であり、私たちの身体に点在する7つのチャクラの色でもあります。

この7色の光を象徴する7頭の馬は、アルナ神の手綱にしっかりと収まり、まっすぐに走り続けています。毎朝、太陽が昇り真っ赤に染まる朝の空ほど、生きることの美しさを見る瞬間はありません。時を超えて変わることなくその暁をもたらすアルナ神は、太陽の光が万物を支えていることを確信しているようです。

そんな豊かな自然現象の一瞬一瞬を、太古の人々は神として崇めてきました。そのエネルギーは、個々の内にも生きています。アルナ神の手綱に統率された馬のように、太陽を崇めながら、内なるチャクラの調和に努めたいと感じます。

ラタ・サプタミーは、太陽からの光とその恵みを授かる吉兆な時です。皆様にも太陽の大きなお恵みがありますように、心よりお祈りしております。

(文章:ひるま)