シャイラプートリー女神の恵み

女神を讃える夜が9日間続くナヴァラートリー祭では、ドゥルガー女神の9つの姿である「ナヴァドゥルガー」が1日ずつ礼拝される習わしがあります。
そんなナヴァドゥルガーの中で、最初の女神として崇められるのがシャイラプートリー女神です。

シャイラプートリー女神は、シヴァ神の最初の妃であるサティーの生まれ変わりと信じられ、霊性修行を行う中で、まず初めに礼拝されるべき存在として崇められています。
その名前には、「山の娘」という意味があります。

空を突き破るように高く隆起する山々は、インドでは古代より、偉大なエネルギーの象徴として崇められてきました。
この地の本質として、あらゆるものを宿すと考えられてきたそのエネルギーは、私たちを育む、慈しみに満ちた存在です。

そんなエネルギーの象徴であるシャイラプートリー女神は、私たちの身体において、第1番目のチャクラであるムーラーダーラ・チャクラに眠っていると信じられます。
ナヴァラートリー祭の最初において礼拝されるシャイルプートリー女神は、霊性修行において、私たちがまずこの偉大なエネルギーを呼び覚ます必要があることを伝えています。

シャイラプートリー女神は、シヴァ神と同じ雄牛を乗り物とします。
内なる世界で彼女が目覚め、雄牛に乗って霊的な旅を始める時、私たちのエネルギーは、頭頂で待つシヴァ神に向かい始めます。

春と秋の2回、季節の変わり目に祝福されるナヴァラートリー祭は、世界を動かすそんな女神のエネルギーが活発になる時です。
このナヴァラートリー祭を通じて9日間に渡る断食や霊性修行を努め上げると、そのエネルギーはシヴァ神に結びつくと信じられてきました。

大自然のさまざまな動きが神々として崇められてきたインドにおいて、高くそびえる山々ほど、この地が生み出す偉大なエネルギーを覚えることはありません。
そのエネルギーは、私たちの内なる世界にも存在しています。
自分自身の努力によって、そのエネルギーを呼び覚ますことで、やがて限りのない至福にたどり着くことができるに違いありません。

もっとも神聖で、吉兆の日であるといわれるナヴァラートリー祭の始まりに、皆様にもシャイラプートリー女神の大きな祝福がありますよう心よりお祈り申し上げます。

(文章:ひるま)