斧を持つラーマの心

2018年は4月18日に、一年の中の大吉日といわれるアクシャヤ・トリティヤを迎えます。
各地でさまざまな祝福が行われるこの日は、ヴィシュヌ神の6番目の化身であるパラシュラーマの降誕日としても崇められる時です。

パラシュラーマのパラシュは斧を意味し、斧を持つラーマをあらわします。
シヴァ神への厳しい苦行を行ったパラシュラーマは、その恩恵として、シヴァ神より斧を授けられたと伝えられます。
パラシュラーマはハヌマーンとともに、7人のチランジーヴィー(不死者)の一人としても崇められる存在です。
彼らはカリユガの時代の最後まで、今もなお、生き続けている唯一の存在であると伝えられます。

そんなパラシュラーマは、奢り高ぶった数多くのクシャトリヤを殺害し、社会に平和をもたらしたと伝えられる存在です。
数多く伝えられるパラシュラーマの神話の中には、自らの母親を斬ったという神話も伝わります。

パラシュラーマの父は、どんな願いも叶える牛を持つ聖仙ジャマダグニでした。
ある時、妻であるレーヌカーの心が乱れたことに怒り、息子たちに母親を斬るよう命令します。
母親を斬った者の願いは、どんな願いでも叶えようと約束をするも、母親であるレーヌカーを斬る者は誰もいません。
最後にパラシュラーマに命令をすると、彼はいさぎよく、手にする斧で母親の首を切り落としました。
そして、叶えて欲しい願いを尋ねられた時、パラシュラーマは母親を生き返らせるよう伝え、父と母を再び調和に導いたのだといわれます。

私たちの内なる世界では、このように混乱した状況が頻繁に生じます。
乱れる心、怒りや憎しみ、愛着や執着、悲しみや憂いといったさまざまな感情によって、自分自身の本質を見失うことも少なくありません。
そんな混乱を打ち破り、純粋な質へと自分自身を導くためには、パラシュラーマのように、時に破壊を経験する必要があります。

パラシュラーマには、シヴァ神への厳しい苦行によってもたらされた、正しい道を歩むための強い心がありました。
そうして手にした斧は、母親を斬るという耐えがたい困難をも正しい道に導き、やがて世界に調和をもたらします。

維持や保護の神として知られるヴィシュヌ神は、世界に危機が生じた時、特別な姿となってあらわれ、世界を救うと信じられます。
アクシャヤ・トリティヤにおいてその姿を見つめることは、自分自身の本質という朽ちない喜びに気づくための、何よりも強い恩恵を与えてくれるに違いありません。

(文章:ひるま)