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雑記帳

心の平安を得る方法

深い瞑想によって悟りを得た仏陀の穏やかな表情の中には、心の寂静を象徴する深い精神世界があらわされています。
そんな仏陀の生きる姿に示された教えの中に、心の平安を得るための方法が説かれたある有名な話が伝わります。

仏陀は数人の弟子とともに、町から町へと歩みを続けていました。
すると、一人の弟子が近づき、「心がざわめいて、とても混乱しています」と仏陀に告げます。
そんな弟子に、仏陀は近くの池から飲み水を汲んで来るように伝えました。

弟子が池を訪れると、ちょうど雄牛の引く荷車が池を渡り始め、それまで透き通っていた水が濁り出したところでした。
飲み水には適さないと考えた弟子は、水を汲まずに、仏陀のもとへ戻ります。

しばらく経った後、仏陀はもう一度池に行くよう弟子に伝えます。
しかし、池はまだ濁ったままでした。
もうしばらく経った後、仏陀は再び池に行くよう弟子に伝えます。
弟子が池に行き、そのほとりに佇むと、泥は沈み、池には澄んだ水が満ちていました。

喜んでその澄んだ水を汲み、弟子は仏陀のもとへ戻ります。
すると、仏陀は弟子に微笑みました。
その微笑みを見て、弟子は心の平安を得る方法を悟ったといわれます。

澄んだ水を得るために弟子がしたことは、泥が沈むまで待つことでした。
それは、私たちが澄んだ心を得るための方法でもあります。

私たちは、さまざまな思考や感情が渦まく心を制御しようとエネルギーを注ぎ、さらなる混乱を招くことがあります。
それはまるで、心という池の中に飛び込み、その水を濁らせているかのようです。
やがて苦悩が心の表面に大きく浮かび上がると、そこから抜け出すことが困難になることもあります。

心の平安を得るための多くの教えが溢れる一方で、仏陀の教えは、誰もが実践できるシンプルな方法を説いてます。
それは、決しても難しいものではありません。
弟子が池のほとりにそっと座り、水が澄んでいくのを目にしたように、私たちはただ、心を静かに観察する必要があります。
そうして心の動きが落ち着いていく時、清らかで平安に満ちた澄んだ心があらわれるに違いありません。

(文章:ひるま)

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