シャニ神とブルーサファイア

2018年は5月15日に、ジェーシュタ月(5月~6月)の新月を迎えます。
この新月は、インドの一部の慣習において、土星の神であるシャニ神の降誕日(シャニ・ジャヤンティ)として崇められる時です。

私たちの生み出す行為の善悪によって、さまざまな試練をもたらしながら成長を促す惑星と信じられる土星は、厳格な師として、ナヴァグラハ(9惑星)の中でもとりわけ重要視される存在です。
土星はシャニ神として神格化され、古代より人々から畏怖されるとともに、真摯な祈りが捧げられてきました。
そんなシャニ神には、ニーラ(ニーラム)女神と呼ばれる妻がいます。

ニーラ女神は、ブルーサファイアを意味します。
地球上の生命は、ナヴァグラハの影響を強く受けていると信じられるインドでは、その惑星のエネルギーを持つ石を用いた占星術的な処方が広く見られます。
シャニ神を礼拝するために、その妻を象徴するブルーサファイアが用いられることも少なくありません。
しかし、強いエネルギーを持つブルーサファイアの処方には、練達した占星術師による深い知識が必要であると伝えられてきました。

そんなシャニ神とニーラ女神の関係には、さまざまな神話が伝わります。
一説に、シャニ神とニーラ女神は、シヴァ神のエネルギーから生まれたと信じられます。
シャニ神はポジティブなエネルギーとして生まれた一方で、ニーラ女神はネガティブなエネルギーとして生まれ、はじめはシャニ神の敵としてその力を見せつけます。
しかし、ニーラ女神は自分自身がシャニ神の力の一部であることに気づくと、シャニ神の中に入り込み、そのエネルギーに調和をしたと伝えられます。

土星の一部は、青色を映し出すといわれます。
ブルーサファイアは、その土星の力を高めるもっとも神聖な石とされてきました。
深い青の中に見られる透き通った静寂は、沸き起こる思考や感情の混乱を静めてくれるかのようです。
そうして調和された内なる世界のエネルギーは、より良い行為を生み出す助けとなるに違いありません。

常に大自然との調和の中で生きるインドの世界には、そのエネルギーに繋がるための多くの術が溢れています。
古代から受け継がれてきたそうした叡智に近づきながら、厳しい人生の歩みも実りある豊かなものとなるように努力をしたいと感じます。

(文章:ひるま)