バラドヴァージャのアーサナ

2014年より、6月21日はヨーガの普及を目的とした、国際ヨーガの日として祝福されるようになりました。
6月21日は、一年の内で昼間の長さが最も長い夏至にあたります。
インドの暦では、夏至の後の最初の満月において、師を讃えるグル・プールニマーが祝福されるなど、夏至は重要な意味を持ちます。

一説に、ヨーガの伝承は、その起源とされる偉大なグル、シヴァ神によって夏至に始まったと伝えられることがあります。
シヴァ神はこの日、サプタリシ(七聖仙)にヨーガを説き始めたのだと伝えられます。

そのサプタリシの一人に、バラドヴァージャと呼ばれる聖仙がいます。
バラドヴァージャはヴェーダの学びに没頭し、それを達成するために、三度生まれ変わったと伝えられる存在です。
苦労の末にヴェーダの全てを学び、三度目の死が訪れたとき、シヴァ神に解脱を求めるも、シヴァ神はそれを許しませんでした。
バラドヴァージャは、ヴェーダの教えを他と共有することをしていなかったからです。

すると、バラドヴァージャは四度目の生において、ヴェーダを教え、人々を啓発することに喜びを見つけます。
ヴェーダの普及に没頭したバラドヴァージャは、その後、究極の叡智のもとで解脱に至ったと伝えられます。

ヨーガにおいては、そんなバラドヴァージャに捧げられるポーズがあります。
バラドヴァージャのように片足を蓮華座で組み、身体をねじるポーズです。

中心から身体を絞り切るようにねじるこのポーズでは、膝や股関節、腰、背骨の柔軟性を必要とします。
そして、身体を深くねじるために、左右の両端に逆向きの力が働くよう、強く回し曲げなければなりません。
これらの過程において、身体の歪みや消化機能が改善され、心身に浄化が促されると伝えられます。

泥水を吸って生きながら美しい花を咲かせる蓮華は、純粋の象徴として崇められてきました。
このポーズは、社会の荒波の中で生きる私たちが、ヨーガを通じ自分自身を浄化しながら、美しい花を咲かせる過程を物語っているようです。
その先には、苦労を経て究極の境地に至ったバラドヴァージャのように、何よりも美しい果報が待ち受けているはずです。

現在、ヨーガは国際的に認められ、その教えに触れることが容易となりました。
そこには、こうした先人たちの尽きない探求があります。
ヨーガを通じ、それぞれに与えられた道のりを歩むことで、やがて美しい解脱に至ることができるに違いありません。

(文章:ひるま)