139、アーユルヴェーダ音楽療法入門1(音楽療法とは?1)

音楽療法とは何か?
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「音楽療法」というジャンルが語られるようになったのは、1990年代に入ってからで、医学界の一部で関心を抱く人々が増え始めたきっかけは「代替医療」の先駆者であるバリー・キャシレス(Barrie R.Cassileth)がその著書で語ったことだと言われます。

2010年代のことですから、医学界に於ける理解はまだまだ乏しいと言わざるを得ません。しかもキャシレスの著述では、音楽療法は、あくまでも「補完療法」であり、治療効果は無いが、(従来の西洋医学式の)治療やリハビリの効果を高めることが期待出来る、程度の認識のようです。甚だ残念なことです。
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一方、キャシレスの40余年も前の1973年には、米コロラド大学教授のドロシー・レタラック(Dorothy Retallack)が、その著書で音楽による植物の育成度の違いを説きました。

なんと、彼女は植物に「バッハ」「ビートルズ」「インド音楽」を聴かせ、その発育の違いを実験によって明らかにしたのです。

1973年と言えば、私がインド音楽修行を始めた翌年で、その後二三年の間におそらくレタラックの書と思われるものを洋書屋で見た記憶があります。

しかし当時の私は「何を今更西洋人の学者があれこれ言うまでもないことじゃないか」と真面目に読もうともせず購入しませんでした。

1990年代に本気で「音楽療法」に取り組み始めてから、
「あの本は今にしてみれば貴重な資料だ」と探したのですが見つかりません。
多分レタラック女史のものと思うのですが、

同書の写真では、「土から上の枝葉の様子」でしたが、
高校生の時に見た写真は、ガラス張りの実験装置で「土の下の根の伸び具合」を示していました。

「バッハ」を聴かせた場合は「普通の伸び方かやや良い成長率」で、「ビートルズ」は、普通以下にしか生育せず。「インド音楽」では、驚異的な成長を写真は示していました。

もしその写真がレタラックのものではないこと、本当の著書が何であるか?をご存知の方がいらっしゃったら、是非お教え下さいませ。
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しかし、レタラックの実験は、それから40年以上も経って、やはり2010年代に数多くの植物学者から徹底的に批判されるに至ります。

まず「実験データとして対象が少な過ぎる」に始まり、「そもそも彼女がロック嫌いな恣意が加わり過ぎている」というのです。

しかし、今日も同じですが、誹謗・中傷・批判・非難する人は、「自分が得意とする点のみから突いて、全否定する」ものです。

写真を見ても確かにレタラック女史は昔堅気の気難しいキャリアウーマンに見え、「ロック嫌いなのかも」と思えますが、「インド音楽では良く成長した」とするならば、決して「西洋クラッシック音楽至上主義者」ではない訳です。

しかし、2010年代に、例えばテルアビブ大教授のダニエル・チャモヴィッツ(Daniel Chamovitz)などの研究によれば、「植物は聴覚が皆無」なのだそうで、レタラック女史の研究が全て虚実ではないとしても、「音楽を聴いた」ということではなく、「或る域の周波数」が生育に関係していることはある程度確証的となったようです。

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過小評価される音楽療法
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このように、西洋精神医学の世界では、今だに「音楽療法」は、極めて過小評価されているのが実状なのです。
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私は、2007年に福岡に自宅を移してからも三年間、月二回東京に通って、自分の教室の他に、「東京国際音楽療法学院」で即興演奏の授業を務めました。

学院では、通学生の他に、VTRで全国の通信生が学び、通信生も年に一二回東京での研修があり、直接お教えすることが出来ました。

学院は、1990年代に画期的な指導を始め、音楽療法士を育てて来たのですが、学会はその当時から推進派と慎重派に分裂しており、前者が「今の世の中に絶対必要な分野だ」と説くのに対し後者は、「まだまだエビデンスが不十分」と説いていたのです。

その結果、学会も実は二系統になってしまい、それがまとまらない為に「国家資格」が確立せず、一方の学会の資格試験はある程度信用と権威がありますが、世の中の不理解と、2000年代中頃からの介護保険制度の改悪、リハビリ予算の大巾な削減もあって、「音楽療法士」が現場で正しく評価され、充分な報酬が受けられる状態にはなかなかなっていないのが実状です。
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ところがその一方で、「認定制度」が整っていないが為に、自分で勝手に「音楽療法士」を名乗る人物も少なくないことも問題です。
尤も、そのような根拠の無い人々は、この私も「同類だ」と平然と言いますが。

つまり「音楽療法」の実状は、「(非西洋化学薬品の)生薬」と同じく「医療効果」ではなく「サプリメント」としてしか認知されていないのです。

逆に言えば、サプリ=健康食品として認められるけれど、「医療効果・効能」は謳ってはならない(法律違反)ということになってしまうのです。そのため「玉石混淆」どころか「真贋ごちゃまぜ」の状態を招いているのも実状です。 (つづく)

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何時も最後迄ご高読をありがとうございます。

福岡市南区の自宅別棟楽器倉庫の教室では、インド楽器とVedic-Chant、アーユルヴェーダ音楽療法の「無料体験講座」を行っています。詳しくは「若林忠宏・民族音楽教室」のFacebook-Page「Zindagi-e-Mosiqui」か、若林のTime-Lineにメッセージでお尋ね下さい。 九州に音楽仲間さんが居らっしゃる方は是非、ご周知下さると幸いです。

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是非ご参考にして下さいませ。

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(文章:若林 忠宏

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