ウマー女神の愛

ヒンドゥー教の神々は、男神と女神が対になり、夫婦として崇められることが多くあります。
男神は女神の力なしには何もできず、女神は男神なしにその力をあらわすことはできません。
男神も女神もお互いを必要とし、その結合によって宇宙が生まれます。
その象徴に、シヴァ神とウマー女神の存在があります。

ウマー女神は、シヴァ神の妃であるパールヴァティー女神と同一視される女神です。
その名は、「知識」という意味を持ち、シヴァ神の知識という力として崇められます。
ウマー女神は、シヴァ神を夫として得るために、大変な苦行を行なったことで有名です。

シヴァ神は、最高のヨーガ行者ともいわれるように、世界の安寧を願い、山にこもって瞑想に耽るばかりでした。
そんなシヴァ神を振り向かせるために、ウマー女神は大変な苦行を始めます。
その苦行から生み出される熱は、大自然を荒れ狂わせ、神々をも恐怖に陥れるほどでした。

シヴァ神は、そんなウマー女神の姿に心を打たれ、妃として彼女を受け入れます。
シヴァ神とウマー女神は、プルシャ(精神:男性原理)とプラクリティ(物質:女性原理)の象徴であり、その結合は、宇宙が生まれることを象徴します。
そうして生まれた宇宙の中で、私たちは真実を知るための歩みを続けています。

ウマー女神は、シヴァ神への愛を通じた自己犠牲から生まれたといわれます。
その力は、神の存在を知るための光となり、真実に至る道を明るく照らすものとなりました。
私たち自身も、神への自己犠牲を通じて、真実をはっきりと見るための知識を獲得することができるはずです。

その道のりは、ウマー女神が大変な苦行を行ったように、困難や破壊を伴い、容易なものではないかもしれません。
しかし、私たちが経験するさまざまな苦難は、真実を知るための力となるものです。
その力を用いて苦難を乗り越えた時、神との一体という究極の至福にたどり着くことができるに違いありません。

季節の変わり目という変化の時に祝福されるナヴァラートリー祭は、この世界を動かす女神の力を讃える吉兆な時です。
この時を通じて、ウマー女神の愛に気づきながら、知識の光を灯し続けたいと感じます。

(文章:ひるま)