満ち足りた存在

今年も残りわずかとなった今、過ぎ去ろうとしている一年を振り返る機会が多くあります。
得たもの、失ったもの、さまざまな思いが心の中を駆け巡ります。
そんな中、今年の初めにご紹介をした、願望の実現のための「サンカルパ」について思い起こしています。

サンカルパは、自分自身の内で目標を明確にし、決意することを意味します。
それは、目標達成のための力を呼び覚ます、瞑想としても伝えられてきました。
しかし、さまざまに揺れ動く心の働きを持つ私たちにとって、目標を持ち続けることは、決して簡単なことではありません。
新年の時に抱いた目標を、どれだけ実現することができたでしょうか。

達成できたもの、できなかったもの、この一年にはさまざまな経験があったことと思います。
そんな一年を振り返ることは、さらなる成長のために、人生の整理のために、とても大切な行為であるとされてきました。
しかし、その過程では、できなかったものが心の中を大きく占めることも少なくありません。

私たちの心は、欠けているもの、足りないもの、手にしていないものに向かいがちです。
そんな私たちに、インドの叡智はあるシャーンティ・マントラを伝えてきました。
「オーム・プールナマダ・プールナミダム」として知られるそのマントラは、満ちている完全なブラフマンを讃えます。

インドの叡智が時を超えて伝えてきたように、何かが欠けていたとしても、私たちはそれだけで完全な存在であるということを忘れてはなりません。
人生が与えてくれるさまざまな教訓を通じ、その意味を学び深めるとき、私たちは真に満ち足りた人生を過ごすことができるはずです。

山があり、谷がある人生。
その中で、満ち足りた存在への気づきを育む時、私たちはより確かなサンカルパのもとで、成長することができるに違いありません。
感謝とともに一年を振り返りながら、新しい一年の目標をしっかりと思い描いてみたいと思います。

皆様の来る年が、幸せに満ちた実り多き一年となりますよう、心よりお祈り申し上げます。
どうぞよいお年をお迎えください。

(文章:ひるま)