165、アーユルヴェーダ音楽療法入門27(心の居場所、魂の置き所)

本連載のVol.152(9月26日up)、Vol.153(10月3日up)、Vol.154(10月10日up)でご説明しましたように、古今東西で、「感情(思い)、論理的思考(想い)、心、魂」の在り処は、ほぼ万人が、この順に「奥深い処に在る」としながらも、様々な理由・恣意・作為によって、それを論理的に定義することを避けたり、曖昧にして、誤用を許し合って来た、と説きました。
そして、Vol.155では、紀元前の古代インド・ブラフマン教の叡智によって、それらは「Kosha論」の中で見事に語られている、とご紹介しました。
では、それら「思い、想い、心、魂」は、私たちの内面の「何処」に置かれているのでしょうか?
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これにもその語彙と同様に、古今東西で「曖昧にしながらも大よそ共通している感覚がある」のです。
例えば、英語やラテン語では「心と心臓は同じ文字」であり、即ち「心の在り処=心臓」です。中国漢字とそれを引き受けた日本でも、文字通り「心の臓器=心臓」と書いています。

これは、言う迄もなく、解剖学が発展する遥か以前から、「心の動揺や落ち着き=ドキドキする/リラックスする=心臓が影響を受ける、心拍数が上下する」という明らかな「実体験」から来ているのですが、解剖学から見れば、心臓の内部に、「心」を留める「感情機能」「思考機能」も在りません。

また、近代医学から見れば、「心臓の変化/心拍数の変化/血圧の変化」とともに「自律神経の変化」及び、「ホルモンの変化(分泌、活性)」、そして「脳機能の変化」が同時に起こっていると説きます。これらは私たちには自覚出来ません。さりとて、「自律神経」と関わる「間脳」にも、「ホルモン」に関わる「間脳/中脳」にも、「感情/思考機能」は見当たりません。

その結果、近代西洋医学では、結局「感情/思考機能」は「大脳に在る」とされてしまい、「生き死にに関わる出来事に対する反応:大脳旧皮質」「喜怒哀楽に関わる反応:大脳新皮質」などと説明されてしまいます。それらが、作動し指令することで、上記の「自律神経、心臓と血管、ホルモン」が作動するとされているのです。
かと思えば、近年、西洋医学の中から、「脳を介さない臓器同士の連絡システム」が発見され、次々に解明されていますが、当事者たちが異口同音に、「まだほんの僅かしか解明出来ていない」と述べます。
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問題は、こうした「近代西洋医学の科学性、合理主義の検証理解の価値観」と「東洋医学の理解の価値観」と、「いずれに於いても『未発見』の事柄」と「形而上の世界」と「目に見えない世界」と「神秘、スピリチュアルの世界」の六種類が、混沌と入り混じって理解され、語られていることです。
例えば、
現代医学の最先端の理解である、上記の「(脳を介在しない)臓器間の伝達システム」では、「伝達物質」は、既に発見されている「血管」を通って伝わると言われています。しかし、前述したように「ほとんど分かっていない」と言うのですから、近い将来「神経」や「リンパ管」を用いている「何か」も発見されるかも知れません。
さすれば、結果的に「ヴェーダやタントラの叡智」「アーユルヴェーダ」そして「古代ギリシア医学」や「古代中国医学」「日本の漢方」が説いてきた「経絡(Nadi)」もまた、今日の解剖学では「血管/リンパ管/神経」とされているものを「(既成観念とは)異なる目的・使用法」で用いた場合のことを説いていたのかも知れません。

事実、「リンパ球」の中には、積極的に血管を巡回し外敵を捕獲・攻撃するものも少なくありません。さすれば「血管」は、「血液で栄養・老廃物/酸素・二酸化炭素を運搬する道」とだけに限定出来ない訳です。
つまり、私たちが徒歩で散歩したり、目的地に行こうとして歩く「道路」もまた、地下に「地下鉄」が走り、おびただしい上下水道管、ガス管、電線、情報伝達ケーブルが埋蔵されていることと同じです。
もし戒厳令下にでもなれば、「散歩道やバス道路」は「軍事戦略的幹線道路」でしかありません。
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改めて驚嘆させられるのが、古代インド、ギリシア、中国では、解剖学が発展する遥か数千年前に、それを見抜いていた、ということです。とりわけ古代インドでは、更にそれらと「宇宙の波動」との関連を説いている点で驚異的です。

古代中国医療は、途中から、宇宙は愚か、自然環境との関わりについてさえも、ほとんど述べず、一部で風水に押し付けてしまった程度になってしまっています。為政者の恣意も強く感じます。逆に、インドの場合、ヴェーダの叡智があまりに膨大な為に、為政者たちは、利用も悪用も、極解釈も歪曲もし切れなかったようにさえ思えます。

また、「(眼に見えない/伝説の)サラスワティー河」は、目視出来る「ガンガとヤムナー」の「伏流水」を「知っていた証拠」という説もあります。
さすればこれは最早、「形而上の」とも「想像の」とも、「神秘の」とも言えない。「目視出来ないが紛れもなく存在しているもの」ということになり、「経絡/Nadi」も同様と考えることは、決して否定されない訳です。
言い換えれば「現代科学・医学が、五千年前の叡智に追いついていない」ということです。
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従って、これらを総括した「結論(事実?)」は、
「心は、脳・心臓・神経・ホルモンの総体的なネットワーク(のひとつ)である」とすることが出来る訳です。
しかし、これもまた「現代人の現象論・結果論」向けに強いて述べたものであり、その基本に「外因の反応」が主体になった「受動的な現象の解釈」がある以上、「真実に近いものを理解・解釈した」とは到底言えません。
つまり「癒し系音楽を聴いてリラックスした」「心配事やトラブルでドキドキした」などの(反応)時に「初めて『心のネットワーク』が発現し実在する」筈がない、からです。
前述の喩えに当てはめれば、
私たちが「歩く道」には、様々な「経絡」が張り巡らされていますが、「地下鉄」は、乗客が「ゼロ」でも、定められた運行スケジュールで動き、「乗りたい人間」が何十人何百人居ようと、終電後は動きません。水道管、ガス管、電線、情報ケーブルもまた、要望に反応して作動したり停止したりしている訳ではありません。「心(のネットワーク)」は、「駅前の客待ちのタクシー」ではないのです。
さすれば、数十年後、数百年後には「常在する独立した『心』」も確認されるかも知れません。
ただ、それもまた、図の左上の円図のように、「境目を失った病んだ精神構造」の人間がほとんどの世の中になってしまえば、正しく解明もされず、その必要性もなくなるのかも知れませんが。
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今回の図は、
「人間本来の精神構造図(右上)」と「現代人の病んだ精神構造図(左上)」が、「7Chakra」とどう関わっているかを示したものです。
数多くある重要なポイントのひとつは、「宇宙との交信」は、「論理思考→心→魂」のネットワークを経由して行われる、ということです。そうでなくては、「個人」が「現存・今此処に生きている」必要も意味もなくなってしまうからです。
しかし、「病んだ現代人」の場合「個人の存在」を介さずに「無個性・無感情・無認識・無意識の物体としての人間」として交信出来る可能性もあり、数多のヒーラー、セラピスト、ヨギたちもまた、それを説き「現実逃避願望」に迎合しつつ、煽動的に説いています。
それが結論ならば、ヴェーダの賢人たちは、五千年前に「生きている必要・生まれた必要はない」として、集団自死を「最も賢明」と選択した筈であり、思考回路が爆発しそうになる程駆使して修練・思考を重ねた筈もありません。

次に、今まで殆ど語られていないことが「第一、第二1Chakra」すなわち、「生命力と生殖力」という「人間でなくても持っている(種の保存などの)使命」に関わる下位Chakraは、「論理思考領域」より内面と関わる必要が殆ど無いということです。奇しくも「病んだ精神構造」でも、見事にリンクを果たしています。
しかし、これだけでは
「人間が人間たる理由・価値」も「個人が個性を以って今に生きる意味・理由・価値」も不要になってしまいます。

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何時も最後迄ご高読をありがとうございます。

福岡市南区の自宅別棟楽器倉庫の教室では、インド楽器とVedic-Chant、アーユルヴェーダ音楽療法の「無料体験講座」を行っています。詳しくは「若林忠宏・民族音楽教室」のFacebook-Page「Zindagi-e-Mosiqui」か、若林のTime-Lineにメッセージでお尋ね下さい。 九州に音楽仲間さんが居らっしゃる方は是非、ご周知下さると幸いです。

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是非ご参考にして下さいませ。

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(文章:若林 忠宏

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