168、アーユルヴェーダ音楽療法入門30(右脳左脳論と精神構造)

当連載のVol.165とVol.166で、古代ヴェーダの叡智とも一致する「本来と現代人の精神構造図」と、「Chakraおよび臓器の関係」を説いて来ました。そして、前回Vol.167と今回は、「脳機能との関係」を説いています。
しかし、ここにも二三の問題点があります。
ひとつは、最近の奇妙な「脳科学ブーム」です。
30年ほど前からじわじわブームになって来ました「脳科学の話題」ですが、当初は「自己改革」的な世間の関心に対して迎合的に語られていました。それが、次第に「現代人の状態を肯定する方向」に変化して来たことです。前時代の「自己改革」は、まだ「高度成長期~バブル期」の「抜きん出た才覚」を奨励する価値観の延長線にあり、今や死語になりつつある「勝ち組・負け組」的な危機感を煽る要素もありました。
ところが、2000年代後半になると、「自分を変えてまで努力をしたくない」「むしろ疲れた。癒してくれ」の傾向がより顕著になり、前時代の価値観は一気に冷めて行き、代わりに「肯定型の論調」が主流になりました。
つまり、「一般のニーズ」に応じて変化する「科学」という姿に、遠慮もてらいも、見境さえなくなって来たということです。極論を言えば「本来、政治・経済から自由でありながら、真実を探求するのが科学」であるならば、近年の「科学と科学者」は、極めて「大衆迎合的」である。ということです。果たして、そのような価値観が発信した情報で、我が身の健康・生命・人生を慮ることが出来るのでしょうか。

もうひとつの問題が、最も最近の例を除き、この30年に雨後の筍のように相次いであわられた「自称脳科学者」という専門家の殆どが、「脳科学」が専門という訳ではなく、何らかの関わりを持っているに過ぎなかったということです。無論、精神科医、臨床心理士などの医学博士でありますから、このようなことを述べれば、激怒され「お前は全く語る資格などないじゃないか」となるに決まっていますが。
また、ごく最近、逆に「脳科学が専門」という若い世代の学者・論者も現れて来ています。
しかし、いずれも「出ては叩かれ否定され」がこの30年の有様です。
つまり「実のところ、殆ど科学的・医学的に検証された定説に至っていない」ことと、
「実際、脳機能については、まだまだ殆ど分かっていない」というのが事実なのです。
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まてしても私事で恐縮ですが、
脳卒中(脳出血)で倒れた母親の救急車に同乗して病院に急行し、翌日主治医先生の説明を受ける際、この眼でMRI画像をしかと見て、先生のご説明を納得しました。
左脳の「言語中枢」が、殆ど出血で真っ黒に写っていました。
当然、「言葉(会話)は諦めて下さい」「当然、片麻痺も覚悟です」「それ以前にこの一週間が峠で、亡くなる危険性もあります」との説明でした。
話せば長い話ですが、結局半年後に、主治医先生が「奇跡だ!」とおっしゃるほどの快復で退院しました。
冗談で私は「神様ありがとうございます」「でも、言葉は少し減らして下さっても良かったのですが」と言ったほどでした。昔から口煩い母が、病気で以前の動きが出来ない、気力が無い、薬を飲まねばならないなどで、当然イライラもあって、むしろ以前より「口煩い」「口数が多くなった」と思うほどだったからです。

病院の母に、イヤフォンで、ピアノ教師だった母が一番好きだった「ドビュッシー」と、私のシタール演奏のカセットを聴かせ続けたり、院内感染で危篤になった以後、二人部屋に差額なしで入れられたのを幸いに、天井と壁に、母の娘時代、結婚当初の写真を大きく引き伸ばして張り続けました。
この30年近く前の出来事こそが、その20年近く前からの私の「インド音楽修行」の中で、少しずつ大きくなって来た「古代インド科学音楽による音楽療法」の道に進ませたのです。そして、「写真を貼ったこと」は、「ヤントラの科学」に気づいた大きなきっかけでもありました。

それから更に30年近く経った今日でも、「一旦破壊された脳機能(その部位のそれ自体)は再生しない」とされ「他の部位が補うことがあるようだが、まだまだ分からないことだらけ」という定説が現状のようです。
その事実は、リハビリの成果が出る人と出ない人が現れることでも確認出来ます。
母の片麻痺は、「言葉が戻った」ことと同様、殆ど発病前と変わらず、肉体的なリハビリは殆ど受けませんでした。半年のうち、五ヶ月は日々朦朧とし、しばしば生死を彷徨い、何度も「危篤」で呼び出されましたが、最後の一月に急速に復活したのです。これ自体も珍しい。一般に、「最初の一週間で決まる」とされます。加えて。興味深いことは、「抗生剤が効かない耐性菌」に対しても、「自然治癒力」が、乗り切ってくれた事実です。
しかし、主治医先生には「音楽療法」のことは申しませんでした。あざけるように「スルー」されるか、大層不機嫌になられるかのどちらかだと思ったからです。
「音楽療法」は、その後2000年代になって、私が音楽療法士を育てる学院で「即興音楽」の講師をした頃でさえ、「音楽療法の国家資格制度」が確立せず、現場では皆さんご苦労をされていました。そして、大幅に社会福祉予算が削られ今日に至ります。
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そして、最も重大な問題が、今回のテーマである「右脳左脳論」です。
これも、結論を言えば「現代科学・医学で証明された定説が無い」ということで、「面白おかしく批判すること」や「批判することで自己実現したがる人々」によって、「何が正論なのだ?」が全く分からない混沌とした現状になっています。

かと思えば、「右脳左脳の機能分化」どころか、それが「右左の鼻腔と関係がある」として、「片鼻ずつの呼吸法」を説くヨガ流派もあります。

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例えば「血液型と性格の傾向論」については、長年もてはやされて来ましたが、一時「否定論」が急浮上しました。ところが、最近になってまた「或る種のタンパク質の偏りがある」ことが発見されるや、また急浮上する、という有様です。

極論を言えば、むしろ「現代科学・医学で証明などしてくれない方がすっきりする」という全く逆の思いにも至りそうなほどの混沌、異論反論、定説の変化です。それよりは、古代インドの五千年三千年の叡智を素直に学んだ方がよっぽど日々の精進に役立ちそうです。尤も、そのインドの知恵も、現地で数百年数十年の間に変質させられた部分も否めませんが。

「右脳左脳論の是非」についてもまた、一旦「否定勢力」が亢進しても、新たな発見によって覆されるなどがしばらく繰り返すのでしょう。
しかし、私に取っては母親との闘病の日々の経験から、二人部屋の他方の方の「片麻痺」の病状の変遷なども目の当たりにして、「左右の脳機能の分化は事実なのだろう」と身をもって実感しました。
逆の発想で言えば、「片麻痺=片方がやられた」ではなく、「分化のお陰で片方は生き残った」とも言える筈です。

「Mac-Bookは全滅したが、i-Bookは半分生き残った」をも思い出します。

しかし、「機能分化」があるとは言え、「高速で左右を情報(指令・報告)が何度も行き来している」こともまた、事実のようです。
そのような「分化構造」は、「恒常性のための相反する機能」とも矛盾しません。
イメージとしては、「餅つきで、突く側とこねる側」「ピッチャーとキャッチャー」のような関係で、
「餅やボールという情報・指令・報告」は、常に行き来しつつも、役割分担がある、ということなのでしょう。
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「右脳左脳の分化論」は、「鬱病」や「アパシー症候群」などの最新情報に於いても語られていますが、「右脳:気分感情に特化:故に『芸術脳』とも言われる」「左脳:論理性に特化」という定説は、そのまま、何度もご紹介している「精神構造円図」の「最も外側:気分感情領域=右脳」「その内側:論理思考領域=左脳」ということです。
しかし、現代の専門家の多く。「分かった気になっている人」の殆どが、「論理」の解釈が分かっていません。それどころか「論理=理論」だとか「論理=冷静」「論理=理屈っぽい」という幼稚な大誤解さえ普通に行われているようで、驚かざるを得ません。

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(文章:若林 忠宏

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