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雑記帳

浄化の炎

神々の存在をより近くに感じるインドの生活には、その崇高な存在を讃える祝祭が満ちています。
そんな数ある祝祭の中で、もっとも熱狂的な祝祭の一つに数えられのが、ホーリー祭です。
人々がこの上ない喜びに包まれるホーリー祭は、パールグナ月(2月から3月)の満月に祝福されます。

春の美しい瞬間に祝福されるホーリー祭では、ドゥランディーと呼ばれる色粉や色水の掛け合いが繰り広げられ、人々の喜びが最高潮に達します。
一方で、このカラフルな色が飛び交うドゥランディーの前夜には、ホーリカー・ダハンと呼ばれる火を焚く儀式が真摯に執り行われます。
街角や広場などでは、見上げるほどの大きな焚き火が熾されることも少なくありません。

このホーリカー・ダハンの焚き火には、プラフラーダとホーリカーの神話に見られる霊的な意味が秘められる一方で、大自然と密接に生きてきた人々の叡智が伝わります。
その叡智を通じては、季節の変化の中で乱れがちな心身に、健やかなエネルギーを呼び覚ますことを学びます。

大きな焚き火が熾されるホーリカー・ダハンの中心で行われるのは、私たちの内外に潜む悪を払う祈りの儀式です。
冬から夏に向かう春の季節は、「春眠暁を覚えず」といわれるほどの心地良さの一方で、冬の間に溜め込んだ不純物が排出されるため、心身が重く感じられると伝えられます。
それは、この自然も同様であり、大気中にはタマスやラジャスの質が満ちると信じられてきました。

火を媒介として周囲の環境の浄化を祈願する、アグニホートラが現代でも重要視されるように、この夜に燃え上がる炎は、この大気中のタマスとラジャスの質を浄化すると信じられます。
その炎を囲みながら祈りを捧げる時、人々の心身も浄化され、サットヴァの質が満ちると伝えられてきました。

冬が終わり、新しい季節を迎える時。
欲望や感覚が不安定になり、自分自身の内でも悪質が高まりがちなこの季節の変わり目に、心身を清め、純粋な喜びを享受できるようこのホーリー祭が祝福されます。
色鮮やかに変化する自然のリズムに調和をしながら生きる時、そこには何よりも大きな喜びを見出すことができるに違いありません。

(文章:ひるま)

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