シーターとラーマの結婚

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移り変わろうとしている季節の中、インドでは女神を讃えるナヴァラートリー祭が祝福されます。
その9日間の夜は、変わることのない自分自身の本質と向き合う、この上ない時間を与えてくれるものです。
そんなナヴァラートリー祭は、ラーマ・ナヴァミーの祝福をもって終わりを迎えます。
今年のラーマ・ナヴァミーは、4月14日です。

ラーマ・ナヴァミーは、正義の化身であるラーマ神が降誕した日として祝福されます。
美徳に秀でた最高の人物として崇められるラーマ神は、完璧な人格者でもありました。
そんなラーマ神の行状記が書かれたラーマーヤナは、さまざまに読み解かれ、私たちに霊性を育む多くの教えを示します。
その一つに、ラーマ神とシーター女神の結婚の神話があります。

シーター女神の父であるジャナカ王が、婿を選ぶ儀式であるスヴァヤンヴァラを開いたときのことです。
シヴァ神のピナーカと呼ばれる神聖な弓を手にしていたジャナカ王は、この弓に弦を張ることに成功した者が、シーター女神の夫となることができると決めていました。
しかし、弓はとても重く、弦を張るどころか、その弓を持ち上げることができる者すらあらわれません。

ラーマ神にこのスヴァヤンヴァラへ行くよう勧めたのが、師である聖仙ヴィシュヴァーミトラでした。
スヴァヤンヴァラにあらわれたラーマ神は、弓に弦を張るだけでなく、2つに折ってしまうほどの力を見せます。
そうしてシーター女神と結ばれたラーマ神は、美しい愛を通じて、数々の苦難を乗り越えていきます。

ラーマ神とシーター女神を結びつけたこのピナーカは、かつてシヴァ神とヴィシュヌ神との間に、戦いを引き起こしそうになったことがあります。
そこには、シヴァ神とヴィシュヌ神のどちらが強いかという無益な議論がありました。
その戦いは直前で阻止されると、ピナーカはシヴァ神の手から離れ、この地に落ちたといわれます。

そんなピナーカを折ってしまったラーマ神は、正義のあらわれとして崇められます。
ピナーカを折る行為は、まるでエゴを破壊することを象徴しているかのようです。
そこには、純粋の象徴であるシーター女神への愛がありました。
そしてそれを導いたのは、聖仙ヴィシュヴァーミトラという偉大な師の指示でした。

こうして結ばれたラーマ神とシーター女神は、究極の美しさを見せます。
私たちは、この神話のように、常に純粋さを求め、師の導きの下、エゴを破壊しなければなりません。
そうして結ばれる日々は、正義のもとで、究極的に美しい人生を築くはずです。

深い教えが秘められたラーマーヤナを読む時、人生で向き合う物事の意味を、より明確に理解することができるに違いありません。
その人生においては、美しい真理を実現することができるはずです。

(文章:ひるま)