シャニ神とハヌマーン神

行為の善悪に基づいて、私たちにさまざまな試練をもたらしながら、成長を促す惑星と信じられる土星。
その試練のあまりの過酷さに、人々から畏怖される土星は、シャニ神として崇められてきました。

厳格な師として崇められるシャニ神は、時に多くの苦難をもたらす存在です。
そんなシャニ神であっても、ハヌマーン神の帰依者だけには、決して悪影響をもたらさないと信じられることがあります。
このシャニ神とハヌマーン神の関係を見ると、試練を乗り越え成長するための道筋が見えてきます。

たとえば、スーリヤ神(太陽)に関する神話が伝わります。
父親であるスーリヤ神と仲が悪いシャニ神に対し、ハヌマーン神はスーリヤ神を師として学びを得ました。
ハヌマーン神がスーリヤ神にグルダクシナー(謝礼)をしようとした時、スーリヤ神はハヌマーン神の熱心な学びに満足し謝礼を遠慮するも、あることを頼みます。

スーリヤ神は、対話もできないほど仲が悪く、さまざまな試練を生み出す息子であるシャニ神に、その癖を直すように伝えて欲しいとハヌマーン神に依頼しました。
ハヌマーン神がシャニ神を訪れると、シャニ神はハヌマーン神の肩に乗り、ハヌマーン神を支配しようとします。
しかし、身体の大きさを自在に操る力を持っていたハヌマーン神は、突如、身体を大きく拡大しました。
肩に乗っていたシャニ神は、天井に挟まれ、苦痛に耐えられません。
ハヌマーン神の力に驚いたシャニ神は、ハヌマーン神の帰依者にはいかなる悪影響ももたらさないと約束をし、解放されたと伝えられます。

このスーリヤ神との神話以外にも、シャニ神は出会ったハヌマーン神の行動に救われることがありました。
ハヌマーン神は、ラーマ神を主として崇め、すべてを捧げるほどに深い愛と献身に溢れる存在です。
主を思い行動するハヌマーン神の勇敢で犠牲に満ちた精神は、山を動かすほどの大きな力を生み出し、あらゆる苦難を次々に払拭していきます。

物事の多くは、主を見失い、意志が弱まり、我欲にまみれる時、試練として降りかかります。
そんな試練に出会う時、ハヌマーン神のように行動をすることができれば、私たちは試練の意味に気づきながら成長する術を獲得できるはずです。

今年は6月3日の新月に、シャニ神の降誕祭であるシャニ・ジャヤンティが祝福されます。
試練を糧としながら成長できるように、この二人の関係に学びを深めたいと感じます。

(文章:ひるま)