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雑記帳

影を拭い去る神

人々を魅了する神秘の国インドには、世界的にも有名となった数多くの巡礼や祝祭があります。
その一つが、ラタ・ヤートラーかもしれません。
ラタ・ヤートラーは、クリシュナ神のあらわれであるジャガンナータ神が熱心に礼拝される祝祭です。
その聖地である東インドのプリーは、各地から訪れる多くの巡礼者で溢れ、歓喜の渦に包まれます。

聖地プリーには、高さが65mにもなるジャガンナータ寺院がそびえ立ちます。
このジャガンナータ寺院は、インドの数ある寺院の中でもとりわけ多くの神秘が伝えられる寺院の一つであり、私たちをその神妙な世界に引き込みます。
その神秘の一つは、この寺院は決して地面に影を作らないと伝えています。

実際に、ジャガンナータ寺院は、いかなる時も、いかなる方向にも、地面に影を落とさないといわれます。
それは、建築上の偉業とも、工学上の功績とも、神の仕業ともいわれることがあります。
そこには、私たちに対するジャガンナータ神のメッセージがあるようにも見ることができます。

大きな目を輝かせ、愛らしい表情を見せるジャガンナータ神。
その姿を見つめると、もっと近くに来るようにと、いざなわれるかのように心を動かされることがあります。
事実、ジャガンナータ神はその大きな目で、常に私たちを見ているのだといわれます。

あまりにも崇高で、時に近寄りがたい神々の存在も、インドでは何よりも愛らしい姿となってあらわれます。
神々の姿が見えず、その存在を遠くに感じ、悩み苦しむことがある私たちにとって、その姿は明確なメッセージのように映ります。

影は、光を遮るものがある時に生まれます。
私たちにとって、光を遮るものとは無知や欲望であり、日々に苦悩という暗い影を生み出します。
しかし、神々に近づきその偉大な存在にただ身を委ねると、影を生み出すものは消え去り、自分自身の本質である明るい光が見えるように感じます。

クリシュナ神は、形に限定されない遍在する神の愛を示すために、ジャガンナータ神の姿となってあらわれたといわれます。
その愛を通じて、光そのものである神と自分自身の存在に絶えず気づきながら歩むことが、私たちの日々の巡礼であるのかもしれません。

(文章:ひるま)

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