184、アーユルヴェーダ音楽療法入門46(Pitta気質と精神構造-1-)

「Tri-Dosha/Tri-Bhuta気質」は、まず、遺伝的な要素が大きく、次いで胎児期間の栄養と胎教がかなり左右して、既に「生まれながら」の「Tri-Dosha/Tri-Bhuta体質」として現れてしまい、これに加えて、生まれるや否や「前世のKarma」が徐々に表出し、その上に気質が乗るようなことになります。しかし、「Karma論」と同様に、これらの「原質・本質的制約」は、「対応策」「補填策」と「改善策」が在り得るのです。
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「Pitta」の体質は、言う迄もなく、その「基本的役割と力」=「エネルギーを与えること=初動力・起動力・行動力」に根ざしています。生命活動に於いては「Pittaの力」が無ければ、それこそ「何も始まらない」のです。
「Vayu」が喩えば「交通インフラやパイプライン、数多の運送業者」だとしても、「Pittaの力」が無ければ「動力が無い・運転手が居ない」状態です。それでは「Kaphaの収納庫や加工所」があっても「開店休業」です。

その一方で、「Pitta」に決定的に欠落しているものは、当然のことながら「Vataに委ねられた:運搬力・浄化力」であり、「Kaphaに委ねられた:持久力・継続性・代謝・変換(置き換え)」などです。
即ち、「Pitta」の本質的な(上記の)力・才能・役割が発揮される為には、「全ての環境と条件が準備されていること」が必要であり、「Pittaの得意分野」である「外向性・吸収性・向上性・探索力・瞬発力」も、「お家元が崩壊」していれば、発揮されないどころか、無駄・空回りですし、決定的な「Pitta」の欠陥である「待てない」性質は、敢え無い末路に至らしめます。
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「Pitta」の心身の病変の基本もまた、この「体質」にあります。決定的で根本的な傾向は「空回り・過剰・過度の勢い・スピード」です。その「本質的な利点・才能」が「裏目に出る」訳です。それは「生命体機能の全ての起動力」ですから、言い換えれば「病変が起こる」以前に「危機的状況」に追い込んでしまうということです。
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その一方で、冒頭で説いたように、「デフォルト不偏論」で言うならば、「本来の機能に戻せる可能性」もまた、限りなくある筈です。「遺伝」「生まれる前(胎教)からの生育環境」に「前世のKarma」じゃ「やってられない!」「生まれてこなけりゃ良かった」などと考える人も居るかも知れませんが、それは全くおかしな話です。
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前述したように「Pitta気質」の最大の問題(無論、最大の特性=長所でもありますが)は「待てない」ということと「単独では存在意味が無い」に尽きます。ところが、現代社会は、根本的にそれを「煽る傾向」にあるのです。これは世の中がおかしいのであって、狂った社会の犠牲になっているのは「Kapha気質」「Vata気質」もまた同じです。

しかし、「Kapha気質」と「Vata気質」の場合、「ある程度のPittaの無駄」があっても、「蓄え」と「運用」の力・才能があります。

喩えば、「Pittaが暴走して交通事故を起こした」としても。「Kaphaの蓄え・信用」と、「Vataの人脈・信用・アイディア」で乗り切ることが出来るかも知れません。しかし、「Pitta単独」や「Pittaの過剰」が度を越し「VataとKaphaがフォロー出来ない状態」になってしまえば、全てが崩壊してしまいます。
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この「Pitta」の根源的な別の問題は、「環境・条件ありき」「相手ありき」であるということです。現代人は、あまりの外因の多さに、対応・反応するばかりで、その能力の殆どを使い果たし。対応と反応の機能ばかりを亢進させ、他の機能を停止させてしまっています。しかし「Pitta」の能力には「閃き・情熱・向上心・探究心」などが豊かに備わっています。つまり「世の中に合わせる」ということをやめて(もしくは必要最小限に抑えて)、「空回りして苛々していたエネルギー・気分・感情」を、「目先の利(合理性・有益性)」に捕らわれずに活用すべきなのです。
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私は、この十年実に厳しい経済状態にありますが、それは保護猫の看病・世話の費用よりも、膨大な民族音楽資料の保管場所経費が原因の八割です。そこに民族音楽や民族楽器が、妙に一般化し「誰もが気安く簡単に」の風潮や「手先の器用さ・派手さ」ばかりが歓迎させる風潮が加わりました。50年の研鑽の成果を発信する機会は、このシーターラーマさんのブログの他、殆ど無い厳しい状況です。
そんな中、保護猫の具合が急変し更に厳しくなったり、「後一週間で奇跡でも起こらねば家賃が……..とか電気が………….」「という時。流石に焦燥感・敗北感に支配されてしまいそうになります。

この十年。そんな時こそ「さし当たって何の利益にもつながらないかも知れない」と言うことに邁進します。PCで出来ることでしたら、デスクの目の前に「重篤な子のケージ」を置いて、頻繁な世話に中断しながらも、「気になっていたジャンルの勉強」「苦手なジャンル」「食わず嫌いだったテーマ」などに取り組みます。また、「さしあたって出番が想定出来ない(ギャラに繋がらない)超マイナーな民族楽器の修理」にも時間を決めて没頭します。気づけば「Pitta気質」が足りなく感じるほどのめり込んでいます。

ところが、不思議なことに、そうしている間に、今日の今日迄は(明日は分かりませんが)奇跡のように目先の問題が少し解決し延命に至るのです。無論Saraswati女神、Ganesha神、Vishwakarman神への願いが届いたのでしょうけれど。そして、数年後、「無駄だったはずの勉強」が、役に立つのです。

しかし、これは決して楽なことではありません。一度でも「無駄じゃなかった」経験があったからと言って、直ぐ側迄山火事が迫って来ているような時に、「腹を括って腰を据えて」は中々勇気と決断力が求められます。他に大切なすべきことを忘れているのではないか?と考えれば尚更です。

誰にとっても、「Pittaの過剰」は、身体のみならず、精神面、そして、対外的な事柄、人間関係や社会性に劇的な悪化を招きます。しかし、考えようによっては「Vataの空運転」は、前述のような「何時か役立つ無駄」さえも出来ないかも知れませんし、「Kaphaの何もしなくなる=死んだと同じ」は、致命的です。それと比べて「Pittaの過剰=有り余ったもの」を他の事に有効活用し、「待てない」という決定的な欠点を転化させることが出来ならば、「Pittaの問題は、最も解決法が多い」とも考えられます。

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何時も、最後までご高読を誠にありがとうございます。
本連載は、インドスピリチュアル・グッズweb-Shopのシーターラーマさんのご好意で長年連載を続けさせていただいております。皆様の応援も大きな支えです。少しでもお役に立てる内容がございましたら、ぜひ「いいね」の応援を下さいますよう。よろしくお願い致します。

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若林は現在、福岡及び近郊の方の「通いレッスン」の他に、全国の民族音楽・民族楽器ファンの方々にSkypeでのレッスンを実施しています。体験の為に、インド楽器とVedic-Chant、アーユルヴェーダ音楽療法の「無料体験講座」も行っています。詳しくは「若林忠宏・民族音楽教室」のFacebook-Page「Zindagi-e-Mosiqui(毎月の実施日時も掲載しています)」か、若林のTime-Lineにメッセージでお尋ね下さい。 九州に音楽仲間さんが居らっしゃる方は是非、ご周知下さると幸いです。

また、本連載コラムのテーマでも重要な、「現代人に大きく欠落している論理性」につきましては、論理力育成Mail-Lessonをご教授しています。
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(文章:若林 忠宏

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