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インド音楽

186、アーユルヴェーダ音楽療法入門48 (ヤントラ・マンダラと脳機能1)

ヴェーダの叡智・科学を学ぶ上で重要な「三大テーマ」である「タントラ・マントラ・ヤントラ」は、
それぞれ
「科学:脳機能に訴える・働きかける(活性化させる=心身の健康に至る)」
「聴覚(及び自動的発声)に訴える:働きかける(脳機能の活性化=同上)」
「視覚に訴える:働きかける(脳機能の活性化=同上)」
役割を持っています。
これは、当「スピリチュアル・インド雑貨:シーター・ラーマ」さんのファンの方々ならば、私が説く迄もないことですが、「マントラ」に関しては、仏教興隆~ヒンドゥー経新興の時代に、かなり悲惨な立場に置かれた結果、密教的に存続する中で、幾つかの過激な宗派に分裂し、そのイメージが外部により多く伝えられたという側面があります。このことはいずれ、詳しくお話したいと思います。

その話を説くまでもなく。
「タントラ・マントラ・ヤントラ」がセットで語られていること。インド文明の重要なテーマや用語が、しばしば「三つの言葉」がセットになっていること。を考え合わせれば、「タントラ」が「マントラ」「ヤントラ」と遠いテーマ・意味・価値・存在である筈はないこともまた、言う迄もないことです。つまり「マントラの全てや多くは、特殊な密教や教条主義的社会否定論ではない」ということです。
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今回から、まず基礎的なことを数回に分けて説きたいと思いますのは。「ヤントラ」およびその関連である「マンダラ」が、
「そもそも何の為に存在したのか?」
「視覚に訴える・働きかけるとはどういうことなのか?」
「ただ眺めていれば良いのか?」
などというテーマと、
現代人が分かっているようでいて分かっていない。もしくは、その価値に気づいていない「相似性」のこと。ひいては「相似性と不二一元論(凡我一如)」についての導入の話を出来る限り掘り下げて説きたいと思います。宜しくお願い致します。
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まず。
「ヤントラ:具象・造形・絵画・色彩・図形・文字・印」は、以下の「力と意味」を同時に持ち、発しています。
「A:存在自体の意味(力)」
「B:向き合うことの意味(力)」
「C:理解することの意味(力)」
です。
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幼稚で下世話な喩えで恐縮ですが、これを「恋愛」に喩えます。
A:
憧れの段階のようなもので、「この世に存在してくれるだけで嬉しい(幸せ)」「片思いでも良い」とか、「一緒に居てくれるだけで嬉しい(幸せ)」のような、或る意味、とても純粋で、「我欲」や「他愛と勘違いした自己愛」が入り込む余地が殆ど無い、或る意味献身的な段階があります。
ところが、次の段階では?
B:
「親しい友達や『友達以上』の関係となって、見つめ合ったり、語り合ったりしたい」とか
「相手のことをもっと知りたい」という段階になりますと。やがて「自分のことも知って欲しい」「分かって欲しい」などや「自分だけと向かい合って欲しい」などという「我欲・独占欲」「特別な存在=存在認証・比較意識」が生じて来てしまいます。

中世インドのバクティー興隆の時代の有名な実在の詩人「ミーラー・バーイ王女」は、夫の戦死の後、修行僧を宮殿に招き入れ、中庭で日々献身歌(Bhajan)を一日中繰り広げていた一方で、独りの時間には、クリシュナ像と向かい合い、語り掛けを続け、何時の日か、クリシュナが現われるようになったと言われます。多くのクリシュナ物語に共通するテーマが、「救われたい・自己中心的な欲求」から「信仰的成長~献身」に至る道筋です。逆に言えば、この先に「C:理解することの意味(力)」に導くテーマや伝承・教えがしばしば欠落している点が、ヒンドゥー教の「ご利益宗教的側面」であり、「ブラフマン~仏教(ジャイナ教)~ヒンドゥー経」の根底にある「アニミズム的性質(或る意味で既に不二一元論・凡我一如)~相似性:実在としての個人に転写する」の側面が忘れられがちな部分です。

従って、タントラの叡智や、バガヴァド・ギータの主旨、ウパニシャドの意味は、「C:の段階に至る」ことを示唆・導いていたことは言うまでもないことなのです。
ご存知の方も多いと思いますが、同じクリシュナの物語とも言える「バガヴァド・ギータ」に於けるクリシュナの言葉は、「ヴェーダ経典の奥義のひとつ:ウパニシャド」同様に、極めて難解で、奥深く、禅問答のようであり、「単純で表層的で安直で短絡的な『答え』をくれない」ものでもあります。

つまり「情報を取り込んだだけ」では、「食物を消化・吸収・代謝していない→勿体無いことに、殆どを排泄してしまう」ということです。
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最早、数十年しぶとく続く「健康ブーム」の中でもこの十年は、「サプリメント・ブーム」とも言えますが、この数年、大手メーカーがこぞって「乳酸菌サプリ」を次々に売り出し効果を歌い上げながらも、実際は「殆どの乳酸菌が腸壁に定着せずに排泄される」という哀しい話。もしかしたら、最近トーンダウンしている感が否めないのは、じわじわとそのことに消費者が気づき始めたからかも知れません。
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つまり「C:理解することの意味(力)」に迄至らない限り、それは「私たちの心身に根付かない(定着しない)」ということに他ならないのです。
しかし、古今東西で「ご利益宗教(大衆迎合的でありながら大衆扇動的でもあり、催眠的でもある)」は、「(考えずに)信じなさい。さすれば報われる」と説いて来ました。これは、為政者(権力者)とっても誠に好都合な手法なのです。
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今回の図は、今回のシリーズの冒頭に誠に相応しい(=在り難い)(いずれにしても失礼な言い方ですが)
象徴的なマンダラ・ヤントラです。
まず、
左は日本に伝わった密教に於ける「曼荼羅」で、中央がインドの「Vishnu-Mandala」
右が、この20年、欧米・日本で人気の「Shri-Yantra」です。三番目は、厳密には「Shri-Yamtra-Mandala(Mandala-Yantra)」で、
純然たる「Shri-Yantara」では、神々は、「図形化」されています。逆に言うと「Yantara-Mandara]では、「効果効能・意味・価値」が、「神格化」されている、と言う事ことが出来ます。
つまり、
「このテーマ」が、ヤントラにしてもマンダラにしても、最も重要なポイントなのです。

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1、何も考えずに「お札のように」置いておく。飾っておく。
これだけでも、何もしないことの数倍の意味・価値・効果はあるかも知れません。
逆に、ご本人の精神状態・思考性や取り巻く環境、オーラー・念や滞り、住居の方位、置く場所
んどによって、「数倍の効果」は激減するかも知れません。

2、祈りを捧げたり、見つめながらの呼吸法やアーサナによって、明らかに真摯で謙虚で無心な心持で向かい合うことによって。その意味・価値・効果は、数十倍になることでしょう。しかし、同上に、取り巻く環境・条件・本人の精神性・思考性によっては、「殆ど相殺される」かも知れません。

3、「意味を理解し、学び、気づくこと」によって、「取り巻く環境の弊害・滞り」は、劇的に改善します。つまり、「ヤントラ:が無くても、「マントラ」を唱えずとも、「アーサナ」をせずとも、「思考回路を是正し、脳機能を活性化させる」だけで、かなりの悪条件を改善出来るということです。

そこに「ヤントラ」の助けが来ることは、極めて理想的です。そもそも「ヤントラ」は、そのための「設計図/使用法解説書」なのです。要は、「自分の意識・努力が足りない分にヤントラの力を無駄に使ってしまうか?」それとも、「自分の力の限りを尽くし、その応援と、その先の為にヤントラの力を得るか?」ということであり、これは生薬~サプリメントも同様です。

「長年使わずに居た脳機能を活性化」すれば、「自律神経・ホルモン・伝達物資・ナーディ・チャクラ」が活性化することは言う迄もありません。これが「滞り」には最大の効果があり、それしか解決策が無いとも言えます。

4、更に、3、の「思考性の活性化」と共に、「ヤントラ(曼荼羅)の設計図と、自身の思考回路(脳内機能)を相似(リンク)させる」ことが出来れば、その効果は数百倍。もしくは、阻害し相殺させていた要因の多くが除去されることでしょう。

このテーマは、以下の様に比喩することが出来ます。以下の各番号は、上記の番号と符号します。

1、薬を貰って来たことで「安心」し、飲まずに置いておく。
多くの薬に占める「プラゼボ効果」の割合は、かなりのもののようですから、「飲まずに置いておく」だけでも「Better than Nothing」かも知れません。

2、とりあえず、ちゃんと服用する。
まじめな方や「ちゃんと治したい」としっかり決意している方々は、常にこのレベルで服用している筈です。が、以下のレベルに至る人は稀と思われますが、ここからが、肝心なのです。

3、薬の成分や効果効能。タイミング、前後の飲食・飲水や、体の状態を良く学んで、「規則性・定期性と状況との適応性のバランス」を計り、ベストを尽くす。
これによって「フィジカル面」では、明らかに「薬効」は、向上するに違いありません。「メンタル面」でも、そこ迄学べば、今正に口入れる「薬」も、愛おしく・頼もしく思え、感謝の念や願い・祈りも加われば、単なるプラセボのレベルを遥かに超えることは明白です。

4、せっかくの薬の効果を阻害する「不規則な生活・不純物の常習的な摂取」などを根底から改める。例えば、肝臓が、日常的な有害物質の解毒で精一杯なところに、薬を与えて果たして十分な効果が得られるでしょうか? それと同じに、「心・思考・耳・目」もまた、日常的に「甘い・優しい・柔らかい・都合が良い・癒される」と、Sweet系や劇辛(非日常的興奮を与えてくれる)系ばかり摂取している「思考回路」では、「化学製剤」でも「自然の生薬」でも効く筈が無い、とも言えます。

もうひとつの画像は、
シーター・ラーマさんで、19年7月現在、即納品可能な「クリシュナ・ヤントラ(Copper-Plate)」です。
https://sitarama.jp/?pid=1339570
クリシュナ神の加護、エピソードは、多く語られていますが、バガバド・ギータなどに現われている、クリシュナ説話の「論理性」「ウパニシャド性」については、あまりにも情報が乏しく偏っているのが哀しい現実です。いずれ、このヤントラの深い意味についても説きますが。まずは、このヤントラで、「正常な精神性=論理性思考力の復旧」をご祈願されることを切望します。

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何時も、最後までご高読を誠にありがとうございます。
本連載は、インドスピリチュアル・グッズweb-Shopのシーターラーマさんのご好意で長年連載を続けさせていただいております。皆様の応援も大きな支えです。少しでもお役に立てる内容がございましたら、ぜひ「いいね」の応援を下さいますよう。よろしくお願い致します。
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若林は現在、福岡及び近郊の方の「通いレッスン」の他に、全国の民族音楽・民族楽器ファンの方々にSkypeでのレッスンを実施しています。体験の為に、インド楽器とVedic-Chant、アーユルヴェーダ音楽療法の「無料体験講座」も行っています。詳しくは「若林忠宏・民族音楽教室」のFacebook-Page「Zindagi-e-Mosiqui(毎月の実施日時も掲載しています)」か、若林のTime-Lineにメッセージでお尋ね下さい。 九州に音楽仲間さんが居らっしゃる方は是非、ご周知下さると幸いです。

また、本連載コラムのテーマでも重要な、「現代人に大きく欠落している論理性」につきましては、論理力育成Mail-Lessonをご教授しています。
心と体の健康(本来のバランス力を取り戻す)の為に欠かせない。脳機能を本来の姿・力に戻すための講座です。ヨガ、瞑想、アーユルヴェーダ音楽療法の全てにとっても、極めて重要な基本です。論理力を高めると、世界観さえ変わって(むしろ神秘・スピリチュアルなことが、新鮮に敏感に深く理解出来るようになります)来ます。
更に、貴方の論理力を簡単にチェックする「論理力・無料Mail診断」を受け付けています。
お気軽にメールか、Facebookメッセージでお尋ね下さい。
chametabla@yahoo.co.jp 若林
……………………………………………………………………….
また、Hindu Chant講座Vol.1 https://youtu.be/_UPLRjMFFpo 「インド音楽旋法ラーガ・アンケート」https://youtu.be/wWmYiPbgCzg をはじめとした多くの「紹介動画」をYou-Tubeにアップしております。是非ご参考にして下さいませ。

(文章:若林 忠宏

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若林忠宏氏によるオリジナル・ヨーガミュージック製作(デモ音源申込み)
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