全世界に幸福をもたらすガネーシャ神の姿

全世界に幸福をもたらすガネーシャ神は、障害除去の神として、唯一無二の存在です。
そんなガネーシャ神にまつわる数々の神話には、幸せに生きるための多くの秘訣を見ることができます。
その神話の中に、ヴィシュヌ神とラクシュミー女神の結婚式に招待をされたガネーシャ神の神話が伝わります。

ヴィシュヌ神とラクシュミー女神の結婚式には、ガネーシャ神をはじめ、多くの神々が招待されました。
しかし、象の頭、大きなお腹、折れた牙、そんなガネーシャ神の姿を奇妙に思う神々は、美しいラクシュミー女神の結婚式にガネーシャ神は来てほしくないと感じます。
すると、神々はガネーシャ神を置いてきぼりに、こぞって結婚式に向かいました。

その話を聞いたガネーシャ神は、心を痛めます。
すると、ガネーシャ神の乗り物であるネズミが、他の多くのネズミを率いて、ヴィシュヌ神の馬車が通る道の下に穴を掘りました。
馬車に乗ったヴィシュヌ神が通りかかると、道には穴があき、車輪が沈んでしまいます。

神々は馬車を持ち上げようとするも、持ち上げることができません。
そんな時、通りかかったひとりの農夫が、「ジャヤ・ガネーシャ!」と掛け声をかけると、軽々と馬車を持ち上げてしまいました。
神々は驚き、なぜガネーシャ神の名前を口にしたのか、農夫に問います。
農夫は、ガネーシャ神が障害除去の神だからと答えたといわれます。

この神話は、ガネーシャ神の外面に惑わされた神々が、障害除去の神というガネーシャ神の本質を見失い、障害に直面したことを伝えています。
私たち自身も、自分自身の立場の中で、外面的に物事を判断してしまうことが少なくありません。
あるがままに物事を見ることができない私たちの心の働きは、自分自身に限界を生み出し、さまざまな障壁となって、私たちの前を塞ぎます。

ひとりの農夫がガネーシャ神の御名を口にしただけで障害を取り除いたのは、彼が自分自身の立場を超えて、本質を見ることが可能であったからに違いありません。
ガネーシャ神の礼拝を通じて、その本質への結びつきを強める時、私たちの心は解放され、物事をあるがままに見ることができるようになるはずです。
そうして一人ひとりが自分自身の存在に喜びを見出し、この世界に大きな幸福が満ちることを心から願っています。

(文章:ひるま)