190、アーユルヴェーダ音楽療法入門52 (ヤントラ・マンダラと脳機能3:チベットの曼荼羅)

今回の図は、前回述べました「或る時期からインド・チベット・(中国)・日本の曼荼羅は主流(好まれ隆盛したもの)大きく変化した」という指摘に於ける「或る時期」よりも古い曼荼羅を解析したものです。
基本的に前回の「日本密教の曼荼羅」と高い共通性を見せています。しかし、前回述べましたように、インドの「Mandala/Yantra」に見られるけれど、日本の曼荼羅には無い「(縦線が短い太い)Tの字のような門」があります。
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城壁は、二重になっており、内壁の門には、神が置かれます。城壁に沿った「白い枡」で示したものにも、おびただしい神々が描かれる場合もあります。

左図が前回ご紹介した「日本密教の曼荼羅」を解析し私が作図したもので、右が今回ご紹介した関連のチベット・曼荼羅を解析し作図したものです。
異なる点は、チベット曼荼羅が、「最中心の如来の周りに神々が置かれていない」こと。
「内壁(内側の城壁)の四隅に風天・地天・火天・水天がチベットには無い」こと、日本の「中心五尊の上下左右の五尊群」の周りに、前述した「歌・技・愛・華の神々」がチベットでは「象徴・意味・担当」が異なること。
「内壁の四門に置かれた神々が、日本曼荼羅では、「外側の回廊(院)」に押し出され「四辺五尊」になっていること。
日本の曼荼羅では、内側の「第二回廊(院)」に独自な八尊を置いていること。などが挙げられます。

逆に、その他の点。すなわち、全体の八割以上は、「完璧に共通している」ことが確認出来ます。
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特に意味深いのは、「(日本の曼荼羅の)中心五尊」の上下左右の「五尊群」の「配置と象徴(意味)」が完全に一致する点です。いずれも、何らかの共通の原典に倣ったものだから、「当然」といわれればそれまでですが、逆に、チベットと日本で異なる点に於いても、何らかの「基本的概念」が存在することが充分に推論出来ます。

つまり、「神々の象徴(意味・特筆される力・効能)」と「置かれるべき位置」には、深い意味合いがある、ということです。
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ここで、前回迄に述べました「相似性のテーマ」について、極めて重要なことをお伝えしたいと思います。私の体験・経験則ですが、かなり本質的であるにも拘わらず、殆ど語られていない話です。

私はこの50年近い期間に、弦楽器や太鼓のレッスンを、世界中数十カ国の師匠から学びましたが、言うまでもなく、師匠と向かい合ってのレッスンでは、「楽器とその左右の手の見え方」が、逆になる訳です。

最近、世界の民族楽器のレッスンYou-Tubeでも、しばしばカメラの位置を工夫してあるものもありますが、「楽器を演奏する師匠の後ろから眺める」でもしない限り、「見えているもの」と「自分目線の自分の左右の手の動き」は、頭の中で翻訳せねばならないのです。
そのことを考えながら真夏の夜遅くのレッスン(師匠は、夜学の音楽院で教えたお疲れの後、寝る時間を惜しんで教えてくれた)に朦朧としながら、ある瞬間、不思議な閃きで気づいたのです。

それは、「師匠の手の動き」を。「見えているあの手は私自身の手だ」と自己暗示に掛ける方法です。
「現実的」に思える度に、より強く暗示に掛ける訓練をした結果。

そう思って見つめながら、自分の手を動かすと。物凄く早く、効率良く師匠の手が、まるで乗り移ったように自分の手にトレースされるのです。
普通「師匠の手を見て、頭で理解し、翻訳して、自分の手を見て同じように動かそうとする」という、膨大なプロセスと時間を要することが、
桁違いに早く・効率良く出来ることに気づいたのです。

これが、後に私が「ヴェーダの叡智」の「相似性」を深く理解することの大きな基礎になったのです。
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しかし、
ここで言う「相似性」とは、厳密な意味では、既存の語彙には当てはまりません。
「相似性」という語彙は、私に言わせれば完全な概念には至っておらず。「似ている」というレベルを完全には超えていません。故に「自己相似性」の方が、より近いとも言えます。「自己相似性」を説く時引用される有名な例が「シダの葉」の細かいひとつひとつが、全体と似ている(同一的、相同的)というものです。しかし、やはりこれも「結果論」「現象論」に陥りがちです。
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一方、数十年前にひともんちゃくあったおかげで、すっかり下火になった感がある「足裏診断」で言われる「Reflexology」は、かなり私が意味する「相似性」に近いものがあります。「体全体の構造」が「足の裏(のツボ)」に現われている、というものです。
しかし、これも完全ではありません。何故ならば、「経絡(Nadi)の理論のツボの理論」から考えれば、必然的に現われる、「そういう仕組みなのだ」という結果論・現象論で終わってしまっていると思えるからです。
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例えば、
大会社の「保安・管理室」に、ビルの細かな各所に設置したカメラの映像が映るとします。同様に、「原発管理室」にも、おびただしい計測器の数値や画像が集められています。これは、その為の「情報伝達組織(Nadi)」が繋がっているのですから「当然」と言える訳です。

しかし、ここで説く「Yantra/Mandalaとそれと向かい合う人間の相似性」の場合、例えば「国立競技場」の「千分の一の模型」の部分の壁に「針で小さな穴を開けたら」。(模型ではない)本物の同じ部位の壁に大きな(千倍の)穴が開くような話です。そこには、「情報伝達ケーブル(Nadi)」は存在しないのです。

私が「自分の手だ」と自己暗示に掛けた師匠の手もまた、私の手とも脳ともケーブルで繋がっていることは一切ありません。しかし現実、明らかに「自己暗示が効奏する」のです。

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(文章:若林 忠宏

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