バガヴァッド・ギーター第2章第40節

नेहाभिक्रमनाशो ऽस्ति
nehābhikramanāśo ‘sti
ネーハービクラマナーショー スティ
ここでは、努力が喪失することなく

na【否定辞】〜でない
iha【副詞】ここで[へ・に];この世で、地上で
abhikrama【男性】近寄ること、歩いて近づくこと;上昇すること;仕事、企画、試み、企て;襲撃、征服
nāśas【男性・単数・主格、√naśからの派生名詞】損失、消失;壊滅、絶滅;零落;死
→abhikramanāśas【男性・単数・主格、限定複合語】努力の消滅が、努力の喪失が
asti【三人称・単数・パラスマイパダ・現在 √as】[それは]ある、存在する、実在する

प्रत्यवायो न विद्यते ।
pratyavāyo na vidyate |
プラティヤヴァーヨー ナ ヴィッディヤテー
退歩することもない

pratyavāyas【男性・単数・主格、prati-ava-√i】減少、縮小;逆、反対のコース、正反対の行為;不快なこと;不利益;失望;罪
na【否定辞】〜でない
vidyate【三人称・単数・現在・受動活用 √vid】[それは]ある、存在する、見られる

स्वल्पम् अप्य् अस्य धर्मस्य
svalpam apy asya dharmasya
スヴァルパム アピ アッスヤ ダルマッスヤ
この教えのごく僅かでも

svalpam【男性・単数・対格】非常に小さい、僅少な、短い(時間)、取るに足りない
api【不変化辞】さらに、また、同様に;されど、なお
asya【男性・単数・属格、指示代名詞 idam】これの、この
dharmasya【男性・単数・属格】法の、教法の、教説の;美徳の、善行の

त्रायते महतो भयात् ॥
trāyate mahato bhayāt ||
トラーヤテー マハトー バヤート
大きな恐怖(輪廻)から救済する

trāyate【三人称・単数・アートマネーパダ・現在 √trai】[それは]保護する、守る、救助する、救済する、助ける
mahatas【中性・単数・従格】偉大な;大きな、巨大な、広い
bhayāt【中性・単数・従格】恐怖から、驚きから、心配から

नेहाभिक्रमनाशोऽस्ति प्रत्यवायो न विद्यते ।
स्वल्पमप्यस्य धर्मस्य त्रायते महतो भयात् ॥ ४० ॥

nehābhikramanāśo’sti pratyavāyo na vidyate |
svalpamapyasya dharmasya trāyate mahato bhayāt || 40 ||
ここでは、努力が喪失することなく、退歩することもない。
この教えのごく僅かでも、大きな恐怖から人を救済する。

バガヴァッド・ギーター第2章第39節

एषा ते ऽभिहिता सांख्ये
eṣā te ‘bhihitā sāṁkhye
エーシャー テー ビヒター サンキエー
理論的方法(サーンキヤ)におけるこれがあなたに語られた

eṣā【女性・単数・主格、指示代名詞 etad】これが、これは
te【単数・為格、二人称代名詞 tvad】あなたに
abhihitā【女性・単数・主格、過去受動分詞 abhi√dhā】言われた、話しかけられた;表明された;名付けられた
sāṁkhye【男性・単数・処格】数に関係することにおいて;理論・理論的方法・理知的方法において;サーンキヤ哲学において
※サーンキヤは、「数に関する、数え上げる」等の意をもち、後に、世界形式の諸原理を枚挙し、これを説明する思想体系の名称となった。マハーバーラタでは、後の純粋で、真正なサーンキヤ派の理論について、ほんの断片的な知識しか与えておらず、したがってギーターでは、概ね「理知的、理論的方法」といったほどの意味と解してよい(鎧淳注)。

बुद्धिर् योगे त्विमां शृणु ।
buddhir yoge tvimāṁ śṛṇu |
ブッディル ヨーゲー トヴィマーン シュリヌ
知性が。しかし、実修(ヨーガ)におけるこれを聞け

buddhis【女性・単数・主格】知能、理解力、理性、知性、精神;識別、判断;沈着、機知;知覚;会得;意見、見解;信仰、確信;想定
yoge【男性・単数・処格】修習において、勤修において、勤行において、修行において、実修において、実践において
※yogaは、「サーンキヤ」と対で出る時は、「行為のヨーガ」(karma-yoga)を意味する(上村勝彦注)。
tu【接続詞】しかし、一方(虚辞としても使用)
imām【女性・単数・対格、指示代名詞 idam】これを
śṛṇu【二人称・単数・パラスマイパダ・命令法 √śru】[あなたは]聞け、聴け、学べ

बुद्ध्या युक्तो यया पार्थ
buddhyā yukto yayā pārtha
ブッディヤー ユクトー ヤヤー パールタ
知性に専心すれば、アルジュナよ

buddhyā【女性・単数・具格】理性によって、知性によって
yuktas【男性・単数・主格、過去受動分詞 √yuj】くびき(軛)につながれた、(処格)に従事した、〜に専心した;(具格)に忙殺された、〜に専念した;(処格)に熱中した;集中した
yayā【女性・単数・具格、関係代名詞 yad】それによって(by which)
pārtha【男性・単数・呼格】プリターの息子よ。アルジュナのこと。

कर्मबन्धं प्रहास्यसि ॥
karmabandhaṁ prahāsyasi ||
カルマバンダン プラハースヤシ
あなたは業(カルマ)の束縛を捨て去るだろう

karma【中性】行為、作業;作用、職業;儀式;結果;運命(前世に行った行為の結果)、業
bandham【男性・単数・対格】束縛を;捕獲を;禁固を、投獄を、監禁を;阻止を、抑止を
→karmabandham【男性・単数・対格、限定複合語】行為の束縛を、業(カルマ)の束縛を
prahāsyasi【二人称・単数・パラスマイパダ・未来 pra√hā】[あなたは〜だろう]去る;見捨てる、断念する、放棄する、(義務に)違背する、(約束を)破る;投げる、ほうる、やむ、消え去る

एषा ते ऽभिहिता सांख्ये बुद्धिर् योगे त्विमां शृणु ।
बुद्ध्या युक्तो यया पार्थ कर्मबन्धं प्रहास्यसि ॥ ३९ ॥

eṣā te ‘bhihitā sāṁkhye buddhir yoge tvimāṁ śṛṇu |
buddhyā yukto yayā pārtha karmabandhaṁ prahāsyasi || 39 ||
今まで、理論的知性があなたに語られたが、次に実修(ヨーガ)による知性を聞きなさい。
アルジュナよ、その知性に専心すれば、あなたは業(カルマ)の束縛から離れるだろう。

バガヴァッド・ギーター第2章第38節

सुखदुःखे समे कृत्वा
sukhaduḥkhe same kṛtvā
スカドゥフケー サメー クリットヴァー
苦楽を同一として

sukha【中性】安楽、歓喜、幸福、享楽、繁栄、成功
duḥkhe【中性・両数・対格】不安を、心配を、苦痛を、悲しみを、悲哀を、困難を、苦しみを
→sukhaduḥkhe【中性・両数・対格、並列複合語】苦楽を、幸・不幸を
same【中性・両数・対格】類似の、似た、等しい、同等の、同じ、同一の
kṛtvā【絶対分詞 √kṛ】為して、行って、作って

लाभालाभौ जयाजयौ ।
lābhālābhau jayājayau |
ラーバーラーバウ ジャヤージャヤウ
得失、勝敗を

lābhālābhau【男性・両数・対格、並列複合語】得失を、損得を(lābha:利得 alābha:損失)
jayājayau【男性・両数・対格、並列複合語】勝敗を(jaya:勝利 ajaya:敗北)

ततो युद्धाय युज्यस्व
tato yuddhāya yujyasva
タトー ユッダーヤ ユッジャスヴァ
それから、戦いに専心せよ

tatas【副詞】そこで、それから、その後、すると、その時
yuddhāya【中性・単数・為格】戦いのために、戦闘のために、戦争のために
yujyasva【二人称・単数・アートマネーパダ・命令法 √yuj】[あなたは]集中せよ、専心せよ、熱中せよ;結合せよ、接合せよ、連合せよ;関係せよ;獲得せよ

नैवं पापम् अवाप्स्यसि ॥
naivaṁ pāpam avāpsyasi ||
ナイヴァン パーパム アヴァープスヤシ
こうして、あなたは罪悪を得ることはないだろう

na【否定辞】〜でない
evam【副詞】このように、こんなふうに、そんなふうに
pāpam【中性・単数・対格】罪を、悪を、不正を、悪事を
avāpsyasi【二人称・単数・パラスマイパダ・未来 ava√āp】[あなたは〜だろう]獲得する、得る、入手する;(非難、不和、苦痛等を)被る、苦しむ

सुखदुःखे समे कृत्वा लाभालाभौ जयाजयौ ।
ततो युद्धाय युज्यस्व नैवं पापमवाप्स्यसि ॥ ३८ ॥

sukhaduḥkhe same kṛtvā lābhālābhau jayājayau |
tato yuddhāya yujyasva naivaṁ pāpamavāpsyasi || 38 ||
苦楽、得失、勝敗を同一視して、戦いに専心しなさい。
そうすれば、あなたは罪悪を得ることはないだろう。

バガヴァッド・ギーター第2章第37節

हतो वा प्राप्स्यसि स्वर्गं
hato vā prāpsyasi svargaṁ
ハトー ヴァー プラープスヤシ スヴァルガン
たとえ殺されたとしても、あなたは天界を得るだろう

hatas【男性・単数・主格、過去受動分詞 √han】打たれた、たたかれた;殺された、殺害された;破壊された、失われた
vā【不変化辞】あるいは、また;〜のように、〜と同様に;たとえ〜であるとしても
→vā … vā …:〜かまたは〜か
prāpsyasi【二人称・単数・パラスマイパダ・未来 pra√āp】[あなたは〜だろう]達成する、獲得する、利得する;遭遇する;発生する
svargam【男性・単数・対格】天界を、天国を、天上界を

जित्वा वा भोक्ष्यसे महीम् ।
jitvā vā bhokṣyase mahīm |
ジットヴァー ヴァー ボークシャセー マヒーム
あるいは勝利して、あなたは王国を享受するだろう

jitvā【絶対分詞 √ji】勝利して、征服して
vā【不変化辞】あるいは、また;〜のように、〜と同様に;たとえ〜であるとしても
bhokṣyase【二人称・単数・アートマネーパダ・未来 √bhuj】[あなたは〜だろう]享受する、支配する、所有する;使用する;利用する;甘受する;〜を食べる
mahīm【女性・単数・対格】地を;地面を、土地を;陸地を;国を、王国を;土壌を;群を;牝牛を

तस्माद् उत्तिष्ठ कौन्तेय
tasmād uttiṣṭha kaunteya
タスマード ウッティシュタ カウンテーヤ
それゆえ、立ち上がりなさい、アルジュナよ

tasmāt【男性・中性・単数・従格、指示代名詞 tad】それ故に、そのために、したがって、だから、その結果
uttiṣṭha【二人称・単数・パラスマイパダ・命令法 ut√sthā】[あなたは]立ち上がれ、起き上がれ
kaunteya【男性・単数・呼格】クンティーの息子よ。アルジュナの別名。

युद्धाय कृतनिश्चयः ॥
yuddhāya kṛtaniścayaḥ ||
ユッダーヤ クリタニシュチャヤハ
戦いのために決意して

yuddhāya【中性・単数・為格】戦いのために、戦闘のために、戦争のために
kṛtaniścayas【男性・単数・主格】確信した;決意した;(為格)のために決意した、決心した

हतो वा प्राप्स्यसि स्वर्गं जित्वा वा भोक्ष्यसे महीम् ।
तस्मादुत्तिष्ठ कौन्तेय युद्धाय कृतनिश्चयः ॥ ३७ ॥

hato vā prāpsyasi svargaṁ jitvā vā bhokṣyase mahīm |
tasmāduttiṣṭha kaunteya yuddhāya kṛtaniścayaḥ || 37 ||
たとえ殺されても、あなたは天界を得、勝利すれば、王国を享受するだろう。
それゆえ、アルジュナよ、戦う決意をして、立ち上がりなさい。

バガヴァッド・ギーター第2章第36節

अवाच्यवादाण्श्च बहून्
avācyavādāṇśca bahūn
アヴァーチャヴァーダーンシュチャ バフーン
そして、口にすべきでない多くの言葉を

avācya【未来受動分詞(動詞的形容詞、義務分詞) a√vac】話すべきでない、語るべきでない、口にすべきでない
vādān【男性・複数・対格】談話を、発言を、陳述を;〜に関する言葉を
→avācyavādān【男性・複数・対格】語るべきでない言葉を、口にすべきでない言葉を
ca【接続詞】そして、また、〜と
bahūn【男性・複数・対格】多い、たくさんの、多数の、いくつもの、豊富な、十分な、数々の、幾多の、巨大な、相当な

वदिष्यन्ति तवाहिताः ।
vadiṣyanti tavāhitāḥ |
ヴァディッシャンティ タヴァーヒターハ
あなたの敵たちは語るだろう

vadiṣyanti【三人称・複数・パラスマイパダ・未来 √vad】[彼らは〜だろう]言う、語る、述べる、話す、伝える、報告する、宣言する、言明する
tava【単数・属格、tvad】あなたの
ahitās【男性・複数・主格】敵たちは

निन्दन्तस् तव सामर्थ्यं
nindantas tava sāmarthyaṁ
ニンダンタス タヴァ サーマルッティヤン
あなたの能力を罵りながら

nindantas【男性・複数・主格、現在分詞 √nind】嘲りながら、罵りながら、軽蔑しながら、非難しながら
tava【単数・属格、tvad】あなたの
sāmarthyam【中性・単数・対格】力を、強さを、ききめを、能力を、才能を

ततो दुःखतरं तु किम् ॥
tato duḥkhataraṁ tu kim ||
タトー ドゥフカタラン トゥ キム
これにまさる苦痛があるだろうか

tatas【副詞】そこで、それから、その後、すると、その時
duḥkhataram【中性・単数・主格、比較級】[より大きな]不安が、心配が、苦痛が、悲しみが、悲哀が、困難が、苦しみが
tu【接続詞】しかし、一方(虚辞としても使用)
kim【中性・単数・主格】何が、誰が、なぜ、どんな、どのように

अवाच्यवादाण्श्च बहून्वदिष्यन्ति तवाहिताः ।
निन्दन्तस्तव सामर्थ्यं ततो दुःखतरं तु किम् ॥ ३६ ॥

avācyavādāṇśca bahūnvadiṣyanti tavāhitāḥ |
nindantastava sāmarthyaṁ tato duḥkhataraṁ tu kim || 36 ||
そして、あなたの敵たちは、あなたの能力を罵りながら、
口にすべきでない多くの言葉を語るだろう。これにまさる苦痛があるだろうか。

バガヴァッド・ギーター第2章第35節

भयाद् रणाद् उपरतं
bhayād raṇād uparataṁ
バヤード ラナード ウパラタン
戦争の恐怖のためにやめたと

bhayāt【中性・単数・従格】恐れから、驚きから、心配から、恐怖のために
raṇāt【中性・単数・従格】(歓喜の対象としての)戦争から、戦いから、衝突から、格闘から、紛争から、対立から
uparatam【男性・単数・対格、過去受動分詞 upa√ram】静止した;弱まった、中止した;やめた、諦めた;撤退した

मण्स्यन्ते त्वां महारथाः ।
maṇsyante tvāṁ mahārathāḥ |
マンスヤンテー トヴァーン マハーラターハ
偉大な戦士たちはあなたを思うだろう

maṇsyante【三人称・複数・アートマネーパダ・未来 √man】[彼らは]考えるだろう、信じるだろう、想像するだろう;(対格)を(対格)であると思うだろう、見なすだろう、理解するだろう
tvām【単数・対格、二人称代名詞 tvad】あなたを
mahārathās【男性・複数・主格】偉大な戦士たちは、大車を駆る者たちは

येषां च त्वं बहुमतो भूत्वा
yeṣāṁ ca tvaṁ bahumato bhūtvā
イェーシャーン チャ トヴァン バフマトー ブートヴァー
あなたは彼らに高く評価されていたのに

yeṣām【男性・複数・属格、関係代名詞 yad】その人々にとって、あの人々にとって、彼らにとって。ここでは戦場に集結した縁者を指している。
ca【接続詞】そして、また、〜と
tvam【単数・主格、二人称代名詞 tvad】あなたは
bahu【男性】多い、たくさんの、多数の、いくつもの、豊富な、十分な、数々の、幾多の、巨大な、相当な
matas【男性・単数・主格、過去受動分詞 √man】(属格)によって尊重された、尊敬された、厚遇された;高く評価された
→bahumatas【男性・単数・主格】高く評価された、十分な尊敬を受けた
bhūtvā【絶対分詞 √bhū】あって、存在して

यास्यसि लाघवम् ॥
yāsyasi lāghavam ||
ヤースヤシ ラーガヴァム
あなたは軽蔑されることになるだろう

yāsyasi【二人称・単数・パラスマイパダ・未来 √yā】[あなたは]動くだろう、行くだろう、歩くだろう、赴くだろう;〜に帰するだろう、〜に陥るだろう、〜を招くだろう、〜を経験するだろう、〜に到達するだろう
lāghavam【中性・単数・対格】軽薄に、無思慮に;無価値に、卑賤に、細小に;品位の毀損に;軽蔑に

भयाद्रणादुपरतं मण्स्यन्ते त्वां महारथाः ।
येषां च त्वं बहुमतो भूत्वा यास्यसि लाघवम् ॥ ३५ ॥

bhayādraṇāduparataṁ maṇsyante tvāṁ mahārathāḥ |
yeṣāṁ ca tvaṁ bahumato bhūtvā yāsyasi lāghavam || 35 ||
偉大な戦士たちは、あなたが恐怖から戦いをやめたと思うだろう。
あなたは彼らに高く評価されていたのに、軽蔑されることになるだろう。

バガヴァッド・ギーター第2章第34節

अकीर्तिं चापि भूतानि
akīrtiṁ cāpi bhūtāni
アキールティン チャーピ ブーターニ
また人々は、不名誉を

akīrtim【女性・単数・対格】不名誉を、汚名を、悪名を、悪評を
ca【接続詞】そして、また、〜と
api【不変化辞】さらに、また、同様に;されど、なお
bhūtāni【中性・複数・主格】存在物[神・人・動物および植物を含む]は;被創造物は;万物は;世界は

कथयिष्यन्ति ते ऽव्ययाम् ।
kathayiṣyanti te ‘vyayām |
カタイッシャンティ テー ヴィヤヤーム
語るだろう、あなたの消えることのない

kathayiṣyanti【三人称・複数・パラスマイパダ・未来 √kath】[彼らは]語るだろう、話すだろう;物語るだろう;告ぐだろう、報告するだろう;説明するだろう
te【単数・属格、二人称代名詞 tvad】あなたの
vyayām【女性・単数・対格】不滅の、不変の;慳貪の

संभावितस्य चाकीर्तिर्
saṁbhāvitasya cākīrtir
サンバーヴィタッスヤ チャーキールティル
そして、名誉ある人にとって、不名誉は

saṁbhāvitasya【男性・単数・属格、過去受動分詞、使役活用 sam√bhū】尊敬されている人にとって、敬意を表されている人にとって、名高い人にとって
ca【接続詞】そして、また、〜と
akīrtim【女性・単数・主格】不名誉は、汚名は、悪名は、悪評は

मरणाद् अतिरिच्यते ॥
maraṇād atiricyate ||
マラナード アティリッチャテー
死よりも劣る

maraṇāt【中性・単数・従格】死ぬことより;死より;死滅より、停止より
atiricyate【三人称・単数・アートマネーパダ・現在 ati√ric】[それは]追い越す、超える、凌駕する;卓越する;支配する;過多である、余す;さらに善い(悪い)

अकीर्तिं चापि भूतानि कथयिष्यन्ति तेऽव्ययाम् ।
संभावितस्य चाकीर्तिर्मरणादतिरिच्यते ॥ ३४ ॥

akīrtiṁ cāpi bhūtāni kathayiṣyanti te’vyayām |
saṁbhāvitasya cākīrtirmaraṇādatiricyate || 34 ||
また人々は、あなたの消えることのない不名誉を語り継ぐだろう。
そして、名誉ある人にとって、不名誉は死よりも劣る。

バガヴァッド・ギーター第2章第33節

अथ चेत् त्वम् इमं धर्म्यं
atha cet tvam imaṁ dharmyaṁ
アタ チェート トヴァム イマン ダルミヤン
だが、もしあなたがこの高潔な

atha【接続詞】さて、また、そして、それから;もし
ced【接続詞】そして、;時に;〜もまた、さえも;もし〜ならば
→atha ced:しかしもし、だがもし、またもし
tvam【単数・主格、二人称代名詞 tvad】あなたは
imam【男性・単数・対格】この
dharmyam【中性・単数・対格】合法の、適法の;普通の、慣習となっている;正当の、正直な;高潔な、有徳の、正義の

संग्रामं न करिष्यसि ।
saṁgrāmaṁ na kariṣyasi |
サングラーマン ナ カリッシャシ
戦いを行わないならば

saṁgrāmam【男性・単数・対格】集合を、群衆を、軍隊を;戦争を、戦いを、合戦を
na【否定辞】〜でない
kariṣyasi【二人称・単数・パラスマイパダ・未来 √kṛ】[あなたは]為すだろう、するだろう、行うだろう、作るだろう

ततः स्वधर्मं कीर्तिं च
tataḥ svadharmaṁ kīrtiṁ ca
タタハ スヴァダルマン キールティン チャ
その時は、自分の義務と名誉を

tatas【副詞】そこで、それから、その後、すると、その時
svadharmam【男性・単数・対格】自己の権利を;自分の義務を;自分の属するカーストの義務を
kīrtim【女性・単数・対格】名誉を、名声を、栄光を、賞賛を;陳述を、記載を
ca【接続詞】そして、また、〜と

हित्वा पापम् अवाप्स्यसि ॥
hitvā pāpam avāpsyasi ||
ヒットヴァー パーパム アヴァープスヤシ
捨てて、あなたは罪悪を得るだろう

hitvā【絶対分詞 √hā】捨てて、放棄して、諦めて、断念して、見捨てて
pāpam【中性・単数・対格】罪を、悪を、不正を、悪事を
avāpsyasi【二人称・単数・パラスマイパダ・未来 ava√āp】[あなたは〜だろう]獲得する、得る、入手する;(非難、不和、苦痛等を)被る、苦しむ

अथ चेत्त्वमिमं धर्म्यं संग्रामं न करिष्यसि ।
ततः स्वधर्मं कीर्तिं च हित्वा पापमवाप्स्यसि ॥ ३३ ॥

atha cettvamimaṁ dharmyaṁ saṁgrāmaṁ na kariṣyasi |
tataḥ svadharmaṁ kīrtiṁ ca hitvā pāpamavāpsyasi || 33 ||
だが、もしあなたがこの高潔な戦いを行わないならば、
あなたは自分の義務と名誉を捨てて、罪悪を得るだろう。

バガヴァッド・ギーター第2章第32節

यदृच्छया चोपपन्नं
yadṛcchayā copapannaṁ
ヤドリッチャヤー コーパパンナン
はからずも到来した

yadṛcchayā【女性・単数・具格/副詞】偶然に、はからずも;自然に;不意に
ca【接続詞】そして、また、〜と
upapannam【中性・単数・対格、過去受動分詞 upa√pad】起こった、なった、到達した;獲得した;入手した、発生した、到来した;存在した;与えられた

स्वर्गद्वारम् अपावृतम् ।
svargadvāram apāvṛtam |
スヴァルガドヴァーラム アパーヴリタム
開かれた天界の門に

svarga【男性】天界、天国、天上界
dvāram【中性・単数・対格】門に、門扉に、扉に
→svargadvāram【中性・単数・対格、限定複合語】天界の門に、天国の扉に、天門に
※クシャトリヤは、戦場で殉職すると、天界へ行くと信じられていた(上村勝彦注)
※upapannam svargadvāram apāvṛtamは、同格のyuddhamを修飾している
apāvṛtam【中性・単数・対格、過去受動分詞 apa-ā√vṛ】開かれた、閉じられない

सुखिनः क्षत्रियाः पार्थ
sukhinaḥ kṣatriyāḥ pārtha
スキナハ クシャトリヤーハ パールタ
幸福な武士が、アルジュナよ

sukhinas【男性・複数・主格】幸福な、楽しい、嬉しい、快適な、愉快な
kṣatriyās【男性・複数・主格】クシャトリヤ(王族、士族)が、武士が、支配者が
pārtha【男性・単数・呼格】プリターの息子よ。アルジュナのこと。

लभन्ते युद्धम् ईदॄशम् ॥
labhante yuddham īdṝśam ||
ラバンテー ユッダム イードリシャム
そのような戦いに遭遇する

labhante【三人称・複数・アートマネーパダ・現在 √labh】[彼らは]捕らえる、遭遇する、発見する;看取する;取得する、獲得する、受け取る
yuddham【中性・単数・対格】戦いに、戦闘に
īdṝśam【中性・単数・対格】そのような、そのような状態の、そのような場合の

यदृच्छया चोपपन्नं स्वर्गद्वारमपावृतम् ।
सुखिनः क्षत्रियाः पार्थ लभन्ते युद्धमीदॄशम् ॥ ३२ ॥

yadṛcchayā copapannaṁ svargadvāramapāvṛtam |
sukhinaḥ kṣatriyāḥ pārtha labhante yuddhamīdṝśam || 32 ||
はからずも到来した、開かれた天門に通じる戦い――
アルジュナよ、幸福な武士のみが、そのような戦いに遭遇する。

バガヴァッド・ギーター第2章第31節

स्वधर्मम् अपि चावेक्ष्य
svadharmam api cāvekṣya
スヴァダルマム アピ チャーヴェークシャ
さらにまた、自分の義務を考慮しても

svadharmam【男性・単数・対格】自己の権利を;自分の義務を;自分の属するカーストの義務を
api【不変化辞】さらに、また、同様に;されど、なお
ca【接続詞】そして、また、〜と
→api ca:さらにまた、同様に、〜も〜も
avekṣya【絶対分詞 ava√īkṣ】見て;観察して;注意して、熟慮して、考えて;経験して

न विकम्पितुम् अर्हसि ।
na vikampitum arhasi |
ナ ヴィカムピトゥム アルハシ
あなたはおののくべきではない

na【否定辞】〜でない
vikampitum【不定詞 vi√kamp】(身体が)震えること、身震いすること、おののくこと、戦慄すること
arhasi【二人称・単数・パラスマイパダ・現在 √arh】[あなたは]〜できる、資格がある、権利がある;価値がある、匹敵する

धर्म्याद्धि युद्धाच्छ्रेयो ऽन्यत्
dharmyāddhi yuddhācchreyo ‘nyat
ダルミヤーッディ ユッダーッチュレーヨー ニヤット
なぜならば、高潔な戦いより優れた他のものは

dharmyāt【中性・単数・従格、dharmya】合法の、適法の;普通の、慣習となっている;正当の、正直な;高潔な、有徳の、正義の
hi【不変化辞】なぜならば、〜のために;真に、確かに、実に
yuddhāt【中性・単数・従格】戦いより、戦闘より、戦争より
śreyas【中性・単数・主格、比較級】より良い、より優れた、より幸せな
anyat【中性・単数・主格】他の、別の、異なる

क्षत्रियस्य न विद्यते ॥
kṣatriyasya na vidyate ||
クシャトリヤッスヤ ナ ヴッディヤテー
武士にとって、存在しない

kṣatriyasya【男性・単数・属格】クシャトリヤ(王族、士族)にとって、武士にとって、支配者にとって
na【否定辞】〜でない
vidyate【三人称・単数・現在・受動活用 √vid】[それは]ある、存在する、見られる

स्वधर्ममपि चावेक्ष्य न विकम्पितुमर्हसि ।
धर्म्याद्धि युद्धाच्छ्रेयोऽन्यत्क्षत्रियस्य न विद्यते ॥ ३१ ॥

svadharmamapi cāvekṣya na vikampitumarhasi |
dharmyāddhi yuddhācchreyo’nyatkṣatriyasya na vidyate || 31 ||
さらにまた、自分の義務を考慮しても、あなたはおののくべきではない。
なぜならば、武士にとって、高潔な戦いに勝るものは他にないからだ。