ガネーシャ・パンチャラトナム第4節

・akinchanArtimArjanam chirantanokti bhAjanam
purAri pUrva nandanam surAri garva carvanam
prapancha nAsha bhIshanam danamjayAdi bhUshanam
kapola dAna vAranam bhaje purAna vAranam
・アキンチャナールティマールジャナム・チランタノークティ・バージャナム
プラーリ・プールヴァ・ナンダナム・スラーリ・ガルヴァ・チャルヴァナム
プラパンチャ・ナーシャ・ビーシャナン・ダナムジャヤーディ・ブーシャナム
カポーラ・ダーナ・ヴァーラナム・バジェー・プラーナ・ヴァーラナム
・意味:極貧の状態を拭い去る方、太古の時代より礼拝されてきた方、
シヴァ神の長男である方、神々の敵のエゴを食べ尽くす方、
世界が消滅する時に畏敬される方、ダナンジャヤのように蛇を装飾として身につける方、
発情する象のようにどう猛な、太古の象の神に帰依いたします。

ガネーシャ・パンチャラトナム第4節です。
4行目のダーナ(dAna)には、さまざまな意味がありますが、ここでは「発情、精液」などと訳されるのが一般的なようです。国内に伝わる歓喜天(ガネーシャ)は、男天・女天が抱擁している姿で描かれることが多く、また気性の激しい神とされておりますが、この詩節では、そのガネーシャの一面が記されています。
このマントラが収録されているCDには以下のCDがあります。
・「Beginning Shlokas in Song and Chant」(トラック16-17)
・「ガネーシャ・サハスラナーマム&ガネーシャ・ストートラ」(トラック2)
・「シュリー・ガナパティ・ヴァンダナ」(トラック20)
・「Ganesh Bhakti(MP3)

ガネーシャ・パンチャラトナム第3節

・samasta loka shankaram nirasta daitya kunjaram
daretarodaram varam varebhavaktram aksharam
krupAkaram kshamAkaram mudhakaram yasaskaram
namaskaram namaskrutAm namaskaromi bhAsvaram
・サマスタ・ローカ・シャンカラム・ニラスタ・ダイティヤ・クンジャラム
ダレータローダラン・ヴァラン・ヴァレーバヴァクトラマクシャラム
クルパーカラン・クシャマーカラン・ムダーカラム・ヤシャスカラム
ナマスカラン・ナマスクルターム・ナマスカローミ・バースヴァラム
・意味:全世界に幸福をもたらす方、象の悪魔を倒す方、
大きなお腹をもつ方、祝福に満ちた象の頭をもつ方、
不滅で慈悲に満ち、すべてを赦し、楽しみを分け与える方
すべての信者に英知を授ける輝ける方に帰依いたします。

ガネーシャ・パンチャラトナムの第3節です。
ここでいう全世界(サマスタ・ローカ)は、物質的な世界のみならず、霊的な世界を含むとされます。私たちの住むこの世界は、霊的な世界における目に見えない波動的な要素が元になり、その要素に基づいて物質的な世界が形成されると考えられています。
このマントラが収録されているCDには以下のCDがあります。
・「Beginning Shlokas in Song and Chant」(トラック16-17)
・「ガネーシャ・サハスラナーマム&ガネーシャ・ストートラ」(トラック2)
・「シュリー・ガナパティ・ヴァンダナ」(トラック20)
・「Ganesh Bhakti(MP3)

ガネーシャの神通力

ガネーシャは、インドや東南アジアをはじめ、世界中で人気のある象の頭をもつユニークな姿をした神様です。
朝起きたら「おはよう」、ご飯を食べる前には「いただきます」というように、仕事、勉強、旅行など、物事をはじめる前には、除災厄除を願って最初にガネーシャへの礼拝が行われます。
インドの聖典では、現代はカリ・ユガと呼ばれ、ダルマ(正義)がアダルマ(不正)に支配される時代であるといわれます。このような時代にあって、ガネーシャ信仰は発祥の地インドでも形骸化しつつあり、ガネーシャは空想上の偶像に過ぎないと考える人が多くなっているようです。しかし、信仰深い人たちの間では、ガネーシャが常に私たちを見守り、身の回りのさまざまな便宜を図っていることは疑いの余地がありません。
シャイヴァ・アーチャーリヤによるガネーシャ讃歌では、ガネーシャの5つの神通力が讃美されています。ここでは、ガネーシャがもたらす5つの神通力を見ていきましょう[1]。
ガネーシャの1番目の神通力は、家族の調和です。すべての物質は原子から構成されるように、家族は人類の最小の構成単位です。家族の調和なくして、人類の幸福はあり得ません。ガネーシャは、家族間の調和をはかり、愛を浸透させる神通力があります。家族が強い絆で結ばれ、お互いに信頼し、愛し合うこと。すべてはガネーシャの恩寵により実現されます。
ガネーシャの2番目の神通力は、親戚や血縁者、隣家や友人に及ぶ調和です。親戚、隣家や友人は、コミュニケーション不足のために些細なことで不調和となりがちです。ガネーシャへの真摯な祈りや礼拝は、このような付き合いにおいて、調和をもたらす神通力があるといわれます。
ガネーシャの3番目の神通力は、関わり合うすべての人々との調和です。職場であれば同僚そして上司や部下、学校であれば先生や友人など、社会に出ると様々な人との関わり合いは避けることができません。そのような関わり合いを通して、社会は成り立っています。そうして、経済が形成され、物や通貨が滞りなく流通します。人々が幸せに暮らせる社会には、安定した流通が欠かせません。財運向上の神様として崇められるガネーシャは、個人的な財運のみならず、世界経済維持のためにも欠かせない神通力をもちます。
ガネーシャの4番目の神通力は、発展的な文化・文明活動です。学問・芸術の神としても崇められるガネーシャは、人類の文化・文明活動を支える側面を持ちます。魅力的な音楽、神秘的な絵画や彫像、驚きと発見をもたらす科学や文学の数々……人々の心に潤いと安らぎをもたらす文化・文明活動は、ガネーシャの恩寵なくしてあり得ません。また先祖礼拝、神々への祭祀などの宗教活動も、ガネーシャの神通力により支えられています。
ガネーシャの5番目の神通力は、ダルマ(美徳、正義)の確立です。神への真摯な愛、人々への献身、無私の奉仕。このようなダルマに則った活動は、霊的成長のために欠かせない重要な要素です。ダルマが衰えるとき、至高神はさまざまな姿をとってダルマを復興すると、インドの聖典では述べられています。ガネーシャは、主ブラフマンの化身であり、人々の霊的成長に欠かせない神通力を持ち合わせています。
こうしてみると、太陽が日の恵みを与えるように、雨が人々の喉の渇きを潤すように、ガネーシャの神通力は自然の中にありふれた身近な恵みに感じられるかもしれません。しかしそれは、身近にあるものが実はもっとも重要なものであることの証でもあります。
今日もガネーシャは、見えないところで家族の幸せを支え、経済を支え、ダルマの復興を支えているはずです。そのようなガネーシャの恩寵は、私たちの生活に欠かすことができません。毎日の生活が無事に送れることに感謝しつつ、今日も一日を、ガネーシャの礼拝から始めてみてはいかがでしょうか。
7月7日(火)は、グル・プールニマ(師匠を讃える満月祭)です。世界の主であり、万人のグルであるガネーシャの祝福がありますように、お祈り申し上げます。
参考文献
[1]Satguru Sivaya Subramuniyaswami, Loving Ganesha, Himalayan Academy, India, 2000
※この原稿は、「ハムサの会 会誌No.21 2009年5月号」に掲載された記事に加筆・修正を加えたものです。

ガネーシャ・パンチャラトナム第2節

・natetarAti bhIkaram navoditArka bhAsvaram
namat surAri nirjaram natAdhikApaduddharam
sureshvaram nidhIshvaram gajeshvaram ganeshvaram
maheshvaram tamAshraye parAtparam nirantaram
・ナテータラーティ・ビーカラン・ナヴォーディタールカ・バーシュヴァラム
ナマトゥ・スラーリ・ニルジャラン・ナターディカーパドゥッダラム
スレーシュヴァラン・ニディーシュヴァラン・ガジェーシュヴァラン・ガネーシュヴァラム
マヘーシュヴァラム・タマーシュライェー・パラートパラム・ニランタラム
・意味:彼の帰依者に敵対する者に恐怖を与える方、朝日の太陽のように輝く方、
神々やアスラに礼拝される方、帰依者の障碍を破壊する方、
神々のうちの神、一切の富の神、象頭の神、
シヴァの軍隊の長である偉大な神に、永遠に帰依いたします。

ガネーシャ・パンチャラトナムの第2節です。
このガネーシャの五つの宝石を日々瞑想する人は、病とは無縁の恵まれた生活を送ることができ、霊的富と物質的富を授かるといわれます。
このマントラが収録されているCDには以下のCDがあります。
・「Beginning Shlokas in Song and Chant」(トラック16-17)
・「ガネーシャ・サハスラナーマム&ガネーシャ・ストートラ」(トラック2)
・「シュリー・ガナパティ・ヴァンダナ」(トラック20)
・「Ganesh Bhakti(MP3)


ガネーシャ・パンチャラトナム第1節

・mudA karAttamodakam sadA vimuktisAdhakam
kalAdharAvatamsakam vilAsi lokarakshakam
anAyakaika nAyakam vinAsitebhadaityakam
natAshubhAshu nAshakam namAmi tam vinAyakam
・ムダー・カラーッタモーダカン・サダー・ヴィムクティサーダカム
カラーダラーヴァタムサカン・ヴィラーシ・ローカラクシャカム
アナーヤカイカ・ナーヤカン・ヴィナーシテーバダイティヤカム
ナターシュバーシュ・ナーシャカン・ナマーミ・タム・ヴィナーヤカム
・意味:モーダカ(甘いお菓子)を手に持つ方、窮極の解脱を授ける方、
月の一部を身につける方、変化に富む世界を維持する方、
救われない人々の救済者、象の悪魔を倒される方、
不吉な出来事をすべて破壊するガネーシャ神に帰依いたします。

ガネーシャ・パンチャラトナムの第1節です。
ガネーシャ・パンチャラトナムは、ガネーシャの五つの宝石の意味で、初代シャンカラチャリヤの作品です。
ガネーシャの魅力溢れる特徴が描かれた美しい作品です。
このマントラが収録されているCDには以下のCDがあります。
・「Beginning Shlokas in Song and Chant」(トラック16-17)
・「ガネーシャ・サハスラナーマム&ガネーシャ・ストートラ」(トラック2)
・「シュリー・ガナパティ・ヴァンダナ」(トラック20)
・「Ganesh Bhakti(MP3)

オーム・グリーン・グルーン・ガナパタイェー・ナマハ

・Om gring grung ganapataye namah
・オーム・グリーン・グルーン・ガナパタイェー・ナマハ

ガネーシャを讃えるビージャ・マントラのひとつです。
ガネーシャのビージャ・マントラには「ガム(gam)」を用いた「オーム・ガム・ガナパタイェー・ナマハ」等が有名ですが、ガネーシャを象徴するガ行から始まる他の種子も使用されます。
このマントラが収録されているCDには以下のCDがあります。
・「モーニング・チャント ガネーシャ」(トラック2)

オーム・ナモー・サッチダーナンダ・サイ・ナーターヤ・ナマハ

・Om namo satchidAnanda sai nAthaya namah
・オーム・ナモー・サッチダーナンダ・サイ・ナーターヤ・ナマハ
・意味:至高の化身であるサイナータに帰依いたします

シルディ・サイババを讃えるマントラのひとつです。
サッチダーナンダはサット(実在、善)、チット(純粋意識)、アーナンダ(至福)の三つの言葉がつながったものです。 ナータ(nAtha)は、万人の救済者、人々の拠り所を意味し、サイ・ナータは万人の救済者であるサイを意味しています。
このマントラが収録されているCDには以下のCDがあります。
・「モーニング・チャント オーム・サイ

クリシュナ・ガーヤトリー・マントラ

・Om devakI nandanAya vidmahe
vAsudevAya dhImahi
tanno krishna prachodayAt
・オーム・デーヴァキー・ナンダナーヤ・ヴィッドゥマヘー
ヴァースデーヴァーヤ・ディーマヒ
タンノ・クリシュナ・プラチョーダヤートゥ
・意味:我らがデーヴァキーの愛し子を知り
ヴァースデーヴァを瞑想できるように
クリシュナよ、我らを導き給え

クリシュナをたたえるガーヤトリー・マントラです。
デーヴァキーは、クリシュナの母であり、ヴァースデーヴァはヴァスデーヴァの子の意味で、クリシュナの別名となっています。
このクリシュナ・ガーヤトリーには、あらゆる物事を実行できるダイナミックなエネルギーを、唱える人々の生活にもたらすといわれています。またこのマントラの聖なる援助によって、激しい苦行が可能になるとされます。
このマントラが収録されているCDには以下のCDがあります。
・「モーニング・チャント クリシュナ」(トラック1)

クリシュナ・アシュタカム第9節(結び)

・krishnAshtakam idam punyam prAtarutthAya yah pathet
koti janma krutam pApam smaranAth thasya nasyathi
・クリシュナーシュタカミダン・プンニャン・プラータルッターヤ・ヤハ・パテートゥ
コーティ・ジャンマ・クルタン・パーパン・スマラナートゥ・タッシャ・ナッシャティ
・意味:朝起きてすぐに、このクリシュナの栄光をたたえる祈りを学び、彼を想うならば、
過去の転生で犯したいかなる罪も赦されることでしょう。

クリシュナ・アシュタカム(クリシュナーシュタカム)第9節(結び)です。
早朝の時間帯は、ブラフマ・ムフルタと呼ばれる神聖な時間帯といわれています。
クリシュナを念想し、彼を信愛することは、一切の罪を滅ぼすための特効薬であると、クリシュナ自身がギーターの中で語っています。
このマントラが収録されているCDには以下のCDがあります。
・「シュリー・クリシュナ・サハスラナーマム&ストートラ」(トラック7)
・「神々の恵み」(トラック4)

クリシュナ・アシュタカム第8節

・shrIvatsAnkam mahoraskam vanamAlA virAjitam
shanka chakra dharam devam krishnam vande jagadgurum
・シュリーヴァツァーンカン・マホーラスカン・ヴァナマーラー・ヴィラージタン
シャンカ・チャクラ・ダラン・デーヴァン・クリシュナン・ヴァンデー・ジャガッドゥグルン
・意味:広い胸に「シュリーヴァツァ」のしるしがあり、輝かしい花飾りをかけるお方、
ほら貝と聖なる円盤を持つ世界の父であるクリシュナをたたえます。

クリシュナ・アシュタカム(クリシュナーシュタカム)第8節です。
シュリーヴァツァ(SRIvatsa)は、「ヴィシュヌの胸にあるほくろ」、「ヴィシュヌの胸毛」等の意味がありますが、ヴァツァ(vatsa)にはクリシュナを暗示する「息子」の意味もあります。
ヴィシュヌの化身とされるクリシュナは、ヴィシュヌの特徴であるほら貝と円盤を携えています。
このマントラが収録されているCDには以下のCDがあります。
・「シュリー・クリシュナ・サハスラナーマム&ストートラ」(トラック7)
・「神々の恵み」(トラック4)