バガヴァッド・ギーター第1章第41節

अधर्माभिभवात् कृष्ण
adharmābhibhavāt kṛṣṇa
アダルマービバヴァート クリシュナ
悪徳の支配により、クリシュナよ

adharmābhibhavāt【男性・単数・従格】非法の支配により、不正の支配により、悪徳の支配により。adharma(非法)+abhibhavāt(支配)
kṛṣṇa【男性・単数・呼格】クリシュナよ

प्रदुष्यन्ति कुलस्त्रियः ।
praduṣyanti kulastriyaḥ |
プラドゥッシャンティ クラストリヤハ
一族の女性たちは堕落する

praduṣyanti【三人称・複数・パラスマイパダ・現在 pra√duṣ】彼女らは堕落する、彼女らは不純になる、彼女らは穢れる
kula【中性】家族、一族、氏族、群れ、仲間、カースト
striyas【女性・複数・主格】女性たちは、婦女たちは、妻たちは
→kulastriyas【女性・複数・主格】一族の女性たちは

स्त्रीषु दुष्टासु वार्ष्णेय
strīṣu duṣṭāsu vārṣṇeya
ストリーシュ ドゥシュタース ヴァールシュネーヤ
女性たちが堕落すれば、クリシュナよ

strīṣu【女性・複数・処格】女性たちにおいて、婦女たちにおいて
duṣṭāsu【女性・複数・処格、過去受動分詞 √duṣ】堕落した、穢れた
→strīṣu duṣṭāsu【絶対処格】女性たちが堕落するとき、婦女たちが穢れれば
vārṣṇeya【男性・単数・呼格】ヴリシュニの子孫よ。クリシュナの別名。

जायते वणसंकरः ॥
jāyate vaṇasaṁkaraḥ ||
ジャーヤテー ヴァルナサンカラハ
種姓の混乱が生じる

jāyate【三人称・単数・アートマネーパダ・現在 √jan】それは生じる、それは生まれる、それは起きる
vaṇa【男性】種、カースト、種姓
saṁkaras【男性・単数・主格】混乱が、混淆が、混合が
→vaṇasaṁkaras【男性・単数・主格、限定複合語】種姓の混乱が、カーストの混淆が

अधर्माभिभवात्कृष्ण प्रदुष्यन्ति कुलस्त्रियः ।
स्त्रीषु दुष्टासु वार्ष्णेय जायते वणसंकरः ॥ ४१ ॥

adharmābhibhavātkṛṣṇa praduṣyanti kulastriyaḥ |
strīṣu duṣṭāsu vārṣṇeya jāyate vaṇasaṁkaraḥ || 41 ||
クリシュナよ、悪徳の支配により、一族の女性たちは堕落します。
女性たちが堕落すれば、種姓の混乱が生じます。

バガヴァッド・ギーター第1章第40節

कुलक्षये प्रणश्यन्ति
kulakṣaye praṇaśyanti
クラクシャイェー プラナッシャンティ
一族が滅亡するとき、それらは滅びる

kula【中性】家族、一族、氏族、群れ、仲間、カースト
kṣaye【男性・単数・処格】破壊において、崩壊において、衰退において、滅亡において
→kulakṣaye【男性・単数・処格、限定複合語】一族の滅亡において、一族が滅亡するとき
praṇaśyanti【三人称・複数・パラスマイパダ・現在 pra√naś】それらは消滅する、それらは滅びる、それらは衰退する

कुलधर्माः सनातनाः ।
kuladharmāḥ sanātanāḥ |
クラダルマーハ サナータナーハ
一族古来の慣習が

kula【中性】家族、一族、氏族、群れ、仲間、カースト
dharmās【男性・複数・主格】正義、法、美徳、名誉;慣習、しきたり、習わし、義務
→kuladharmās【男性・複数・主格、限定複合語】家族法が、一族の美徳が、一族の慣習が
sanātanās【男性・複数・主格】永遠の、不滅の、果てしない、太古の、古代からの

धर्मे नष्टे कुलं कृत्स्नम्
dharme naṣṭe kulaṁ kṛtsnam
ダルメー ナシュテー クラン クリツスナム
美徳が滅びれば、すべての一族を

dharme【男性・単数・処格】法において、義務において、美徳において
naṣṭe【単数・処格、過去受動分詞 √naś】消滅において、滅亡において
→dharme naṣṭe【絶対処格】法が滅びるとき、法が滅びれば、美徳が滅びれば
kulam【中性・単数・対格】家族を、一族を、氏族を
kṛtsnam【中性・単数・対格】すべての、全体の

अधर्मो ऽभिभवत्युत ॥
adharmo ‘bhibhavatyuta ||
アダルモー ビバヴァティユタ
実に悪徳が支配する

adharmas【男性・単数・主格】非法が、不徳が、悪徳が
abhibhavati【三人称・単数・パラスマイパダ・現在 abhi√bhū】それは支配する、それは圧倒する、それは征服する
uta【接続詞】そして、また、あるいは;実に、真に、まさに(文の終わりに置かれて強意を示す)

कुलक्षये प्रणश्यन्ति कुलधर्माः सनातनाः ।
धर्मे नष्टे कुलं कृत्स्नमधर्मोऽभिभवत्युत ॥ ४० ॥

kulakṣaye praṇaśyanti kuladharmāḥ sanātanāḥ |
dharme naṣṭe kulaṁ kṛtsnamadharmo’bhibhavatyuta || 40 ||
一族が滅亡するとき、一族古来の慣習が滅びます。
美徳が滅びれば、まさに悪徳がすべての一族を支配します。

バガヴァッド・ギーター第1章第39節

कथं न ज्ञेयम् अस्माभिः
kathaṁ na jñeyam asmābhiḥ
カタン ナ ジュニェーヤム アスマービヒ
どうして私たちが知るべきでない

katham【副詞】どうして、いかにして
na【否定辞】〜でない
jñeyam【中性・単数・主格、未来受動分詞(動詞的形容詞、義務分詞) √jñā】知られるべき
asmābhis【男性・複数・具格】私たちによって

पापाद् अस्मान् निवर्तितुम् ।
pāpād asmān nivartitum |
パーパード アスマーン ニヴァルティトゥム
この罪から免れること

pāpāt【中性・単数・従格】罪から、悪事から、悪行から、不正から
asmān【中性・単数・従格、指示代名詞 idam】これから
nivartitum【不定詞 ni√vṛt】逃れること、離れること、免れること

कुलक्षयकृतं दोषं
kulakṣayakṛtaṁ doṣaṁ
クラクシャヤクリタン ドーシャン
一族を崩壊させる罪を

kula【中性】家族、一族、氏族、群れ、仲間、カースト
kṣaya【男性、√kṣiから派生した名詞】破壊、崩壊、衰退、減衰、腐敗、滅亡
kṛtam【男性・単数・対格、過去受動分詞 √kṛ】生じた、為された、作られた
→kulakṣayakṛtam【男性・単数・対格】家族を滅亡させる、氏族を崩壊させる、一族を滅ぼす
doṣam【男性・単数・対格】罪を、悪を、罪過を

प्रपश्यद्भिर् जनार्दन ॥
prapaśyadbhir janārdana ||
プラパッシャドビル ジャナールダナ
理解していることによって、クリシュナよ

prapaśyadbhis【男性・複数・具格、現在分詞 pra√paś】知っていることによって、理解していることによって、識別していることによって。前出のasmābhisと同格のため「〜を理解している私たち」となる。
janārdana【男性・単数・呼格】ジャナールダナよ。クリシュナの別名。名前は「人を悩ます者」の意。

कथं न ज्ञेयमस्माभिः पापादस्मान्निवर्तितुम् ।
कुलक्षयकृतं दोषं प्रपश्यद्भिर्जनार्दन ॥ ३९ ॥

kathaṁ na jñeyamasmābhiḥ pāpādasmānnivartitum |
kulakṣayakṛtaṁ doṣaṁ prapaśyadbhirjanārdana || 39 ||
一族を崩壊させる罪をよく理解している私たちが、
この罪から免れるすべを知らないでよいはずがありません、クリシュナよ。

バガヴァッド・ギーター第1章第38節

यद्यप्येते न पश्यन्ति
yadyapyete na paśyanti
ヤディヤピイェーテー ナ パッシャンティ
たとえ彼らがこれら認めずとも

yadi【接続詞】もし、たとえ
api【接続詞】〜もまた、さえも、さらに
→yadi api:たとえ〜でも
ete【男性・複数・主格、指示代名詞 etad】これら
na【否定辞】〜でない
paśyanti【三人称・複数・パラスマイパダ・現在 √paś】彼らは見る、彼らは予見する、彼らは認める

लोभोपहतचेतसः ।
lobhopahatacetasaḥ |
ローボーパハタチェータサハ
貪欲に心乱された

lobha【男性】貪欲、強欲、欲望
upahata【過去受動分詞 upa√han】害された、損なわれた
cetasas【中性・複数・主格】心、精神、意志
→lobhopahatacetasas【中性・複数・主格、所有複合語】貪欲に心を損なわれた、貪欲に心乱された

कुलक्षयकृतं दोषं
kulakṣayakṛtaṁ doṣaṁ
クラクシャヤクリタン ドーシャン
一族を崩壊させる罪を

kula【中性】家族、一族、氏族、群れ、仲間、カースト
kṣaya【男性、√kṣiから派生した名詞】破壊、崩壊、衰退、減衰、腐敗、滅亡
kṛtam【男性・単数・対格、過去受動分詞 √kṛ】生じた、為された、作られた
→kulakṣayakṛtam【男性・単数・対格】家族を滅亡させる、氏族を崩壊させる、一族を滅ぼす
doṣam【男性・単数・対格】罪を、悪を、罪過を

मित्रद्रोहे च पातकम् ॥
mitradrohe ca pātakam ||
ミットラドローヘー チャ パータカム
仲間を裏切ることにおける罪悪を

mitra【男性】友人、仲間、同僚
drohe【男性・単数・処格】損害において、危害において、裏切りにおいて、背信において
→mitradrohe【男性・単数・処格】友人を傷つけることにおいて、仲間を裏切ることにおいて
ca【接続詞】そして、また、〜と
pātakam【中性・単数・対格】落ちる(√pat)ことを; 罪を、悪を、罪悪を、罪過を、悪事を

यद्यप्येते न पश्यन्ति लोभोपहतचेतसः ।
कुलक्षयकृतं दोषं मित्रद्रोहे च पातकम् ॥ ३८ ॥

yadyapyete na paśyanti lobhopahatacetasaḥ |
kulakṣayakṛtaṁ doṣaṁ mitradrohe ca pātakam || 38 ||
たとえ貪欲に心乱された彼らが、一族を崩壊させる罪と、
仲間を裏切ることにおける罪悪を認めなくても、

バガヴァッド・ギーター第1章第37節

तस्मान् नार्हा वयं हन्तुं
tasmān nārhā vayaṁ hantuṁ
タスマーン ナールハー ヴァヤン ハントゥン
それゆえ私たちは殺すべきではない

tasmāt【男性・中性・単数・従格、指示代名詞 tad】それ故に
na【否定辞】〜でない
arhā【男性・複数・主格】価値がある、値する、妥当する、〜する資格がある、〜すべき
vayam【複数・主格、一人称代名詞 asmad】私たちは
hantum【不定詞 √han】殺すこと、破壊すること

धार्तराष्ट्रान् स्वबान्धवान् ।
dhārtarāṣṭrān svabāndhavān |
ダールタラーシュトラーン スヴァバーンダヴァーン
ドリタラーシュトラの一族を、自分の親族たちを

dhārtarāṣṭrān【男性・複数・対格】ドリタラーシュトラの一族を、ドリタラーシュトラの息子たちを
svabāndhavān【男性・複数・対格】自分の親族たちを、自分の血縁者たちを。sva(自分の)-bāndhava(親族)

स्वजनं हि कथं हत्वा
svajanaṁ hi kathaṁ hatvā
スヴァジャナン ヒ カタン ハットヴァー
なぜならば、自分の一族を殺して、どうして

svajanam【男性・単数・対格】自分の一族を、同族の者を、親類を、親族を、血縁者を
hi【接続詞】なぜならば、実に
katham【副詞】どうして、いかにして
hatvā【絶対分詞 √han】殺して、破壊して、始末して

सुखिनः स्याम माधव ॥
sukhinaḥ syāma mādhava ||
スキナハ シヤーマ マーダヴァ
私たちは幸せになれよう、クリシュナよ

sukhinas【男性・複数・主格】幸福な、楽しい、嬉しい、快適な、愉快な
syāma【一人称・複数・パラスマイパダ・願望法 √as】私たちは〜だろう、私たちは〜であるかも知れない
mādhava【男性・単数・呼格】マーダヴァよ。クリシュナの別名。名前は「マドゥの子孫」の意。

तस्मान्नार्हा वयं हन्तुं धार्तराष्ट्रान्स्वबान्धवान् ।
स्वजनं हि कथं हत्वा सुखिनः स्याम माधव ॥ ३७ ॥

tasmānnārhā vayaṁ hantuṁ dhārtarāṣṭrānsvabāndhavān |
svajanaṁ hi kathaṁ hatvā sukhinaḥ syāma mādhava || 37 ||
それゆえ私たちは、ドリタラーシュトラの一族、自分の親族たちを殺すべきではありません。
なぜならば、自分の一族を殺して、どうして幸せになれるでしょうか、クリシュナよ。

バガヴァッド・ギーター第1章第36節

निहत्य धार्तराष्ट्रान् नः
nihatya dhārtarāṣṭrān naḥ
ニハティヤ ダールタラーシュトラーン ナハ
ドリタラーシュトラの一族を殺して、私たちに

nihatya【絶対分詞 ni√han】殺して、打ち倒して、破壊して
dhārtarāṣṭrān【男性・複数・対格】ドリタラーシュトラの一族を、ドリタラーシュトラの息子たちを
nas【複数・為格、一人称代名詞(附帯形) asmad】私たちに、私たちにとって

का प्रीतिः स्याज् जनार्दन ।
kā prītiḥ syāj janārdana |
カー プリーティヒ スヤージュ ジャナールダナ
どんな喜びがあるだろうか、クリシュナよ

kā【女性・単数・主格、疑問代名詞 kim】何、誰、なぜ、どんな、どのように
prītis【女性・単数・主格】喜びが、歓喜が、満足が、楽しみが
syāt【三人称・単数・パラスマイパダ・願望法 √as】それは〜だろう、それは〜であるかも知れない、おそらく
janārdana【男性・単数・呼格】ジャナールダナよ。クリシュナの別名。名前は「人を悩ます者」の意。

पापम् एवाश्रयेद् अस्मान्
pāpam evāśrayed asmān
パーパム エーヴァーシュライェード アスマーン
ただ罪過が私たちに宿るだけだろう

pāpam【中性・単数・主格】罪が、罪悪が、罪過が、悪徳が
eva【副詞】まさに、のみ(限定強意をあらわす)
āśrayet【三人称・単数・パラスマイパダ・願望法 ā√śri】それは加わるだろう、それは付着するだろう、それは宿るだろう
asmān【複数・対格、一人称代名詞 asmad】私たちに

हत्वैतान् आततायिनः॥
hatvaitān ātatāyinaḥ ||
ハットヴァイターン アータターイナハ
これらの凶暴な者たちを殺して

hatvā【絶対分詞 √han】殺して、破壊して、始末して
etān【男性・複数・対格、指示代名詞 etad】彼らを、これらを
ātatāyinas【男性・複数・対格】(命を奪うために)弓を引く者たちを、危害を加えようとする者たちを、侵略者たちを、攻撃者たちを、殺害者たちを

निहत्य धार्तराष्ट्रान्नः का प्रीतिः स्याज् जनार्दन ।
पापमेवाश्रयेदस्मान्हत्वैतानाततायिनः ॥ ३६ ॥

nihatya dhārtarāṣṭrānnaḥ kā prītiḥ syāj janārdana |
pāpamevāśrayedasmānhatvaitānātatāyinaḥ || 36 ||
ドリタラーシュトラの一族を殺して、私たちにどんな喜びがあるでしょうか、クリシュナよ。
これらの凶暴な者たちを殺しても、ただ罪過が私たちに宿るだけでしょう。

バガヴァッド・ギーター第1章第35節

एतान् न हन्तुम् इच्चामि
etān na hantum iccāmi
エーターン ナ ハントゥム イッチャーミ
私は彼らを殺すことを望まない

etān【男性・複数・対格、指示代名詞 etad】彼らを、これらを
na【否定辞】〜でない
hantum【不定詞 √han】殺すこと、破壊すること
iccāmi【一人称・単数・パラスマイパダ・現在 √iṣ】私は望む、私は欲する

घ्नतो ऽपि मधुसूदन ।
ghnato ‘pi madhusūdana |
グナトー ピ マドゥスーダナ
クリシュナよ、たとえ(彼らが私を)殺しても

ghnatas【男性・複数・主格、現在分詞 √han】殺して、殺害して、破壊して
api【接続詞】〜もまた、さえも、さらに
madhusūdana【男性・単数・呼格】マドゥスーダナよ。クリシュナの別名。名前は「(悪魔)マドゥを殺す者」の意。ここでのマドゥは、クリシュナの先祖にあたるマドゥとは異なる。

अपि त्रैलोक्यराज्यस्य हेतोः
api trailokyarājyasya hetoḥ
アピ トライローキヤラージャッシャ ヘートーホ
たとえ三界の王権のためでも

api【接続詞】〜もまた、さえも、さらに
trailokya【中性】三界(地bhūḥ 空bhuvaḥ 天svaḥ)
rājyasya【中性・単数・属格】王権の、主権の、支配権の、王政の
→trailokyarājyasya【中性・単数・属格、限定複合語】三界の王権の
hetos【男性・単数・従格】(属格とともに用いられて)〜のために、〜によって

किं नु महीकृते ॥
kiṁ nu mahīkṛte ||
キン ヌ マヒークリテー
ましてや国土のためには

kim【疑問代名詞】何、誰、なぜ、どんな、どのように
nu【不変化辞】実に、確実に、まさに(強意を示す)
→kim nu:まして、なおさら、況んや
mahī【女性】大地、国土
kṛte【中性・単数・処格】〜のために
→mahīkṛte【副詞】国土のために、大地のために

एतान्न हन्तुमिच्चामि घ्नतोऽपि मधुसूदन ।
अपि त्रैलोक्यराज्यस्य हेतोः किं नु महीकृते ॥ ३५ ॥

etānna hantumiccāmi ghnato’pi madhusūdana |
api trailokyarājyasya hetoḥ kiṁ nu mahīkṛte || 35 ||
クリシュナよ、たとえ彼らが私を殺そうとも、私は彼らを殺したくはありません。
たとえ三界の王権のためでも、ましてや国土のためには……

バガヴァッド・ギーター第1章第34節

आचार्याः पितरः पुत्रास्
ācāryāḥ pitaraḥ putrās
アーチャーリヤーハ ピタラハ プットラース
師たち、父たち、息子たち

ācāryās【男性・複数・主格】師たちが、先生たちが
pitaras【男性・複数・主格】父たちが
putrās【男性・複数・主格】息子たちが

तथैव च पितामहाः ।
tathaiva ca pitāmahāḥ |
タタイヴァ チャ ピターマハーハ
また祖父たち

tathā【副詞・接続詞】同様に、また
eva【副詞】実に、真に(強意を表す。しばしば虚辞として使用)
ca【接続詞】そして、また、〜と
pitāmahās【男性・複数・主格】祖父たちが

मातुलाः श्वशुराः पौत्राः
mātulāḥ śvaśurāḥ pautrāḥ
マートゥラーハ シュヴァシュラーハ パウットラーハ
叔父たち、義父たち、孫たち

mātulās【男性・複数・主格】母方の叔父たちが
śvaśurās【男性・複数・主格】義父たちが
pautrās【男性・複数・主格】孫たちが

श्यालाः संबन्धिनस् तथा ॥
śyālāḥ saṁbandhinas tathā ||
シヤーラーハ サンバンディナス タター
義兄弟たち、親族たちが

śyālās【男性・複数・主格】義兄弟たちが
saṁbandhinas【男性・複数・主格】親類たちが、血縁者たちが、身内たちが、親族たちが、親戚たちが、仲間たちが、同族たちが
tathā【副詞・接続詞】同様に、また

आचार्याः पितरः पुत्रास्तथैव च पितामहाः ।
मातुलाः श्वशुराः पौत्राः श्यालाः संबन्धिनस्तथा ॥ ३४ ॥

ācāryāḥ pitaraḥ putrāstathaiva ca pitāmahāḥ |
mātulāḥ śvaśurāḥ pautrāḥ śyālāḥ saṁbandhinastathā || 34 ||
師たち、父たち、息子たち、また祖父たち
叔父たち、義父たち、孫たち、義兄弟たち、そして他の親族たちが――

バガヴァッド・ギーター第1章第33節

येषाम् अर्थे काङ्क्षितं नो
yeṣām arthe kāṅkṣitaṁ no
イェーシャーム アルテー カーンクシタン ノー
彼らのために、私たちは望んだ

yeṣām【男性・複数・属格、関係代名詞 yad】その人々の、あの人々の、彼らの。ここでは戦場に集結した縁者を指している。
arthe【男性・単数・処格、arthaの副詞化】〜のために、〜の目的で
kāṅkṣitam【中性・単数・主格、過去受動分詞 √kāṅkṣ】望まれた、切望された、希望された
nas【複数・属格、一人称代名詞(附帯形) asmad】私たちにとって、私たちの
(直訳では「私たちにとって王国が望まれた」となる)

राज्यं भोगाः सुखानि च।
rājyaṁ bhogāḥ sukhāni ca |
ラージャン ボーガーハ スカーニ チャ
王国、享楽、幸福を

rājyam【中性・単数・主格】王国、王権、王位
bhogās【男性・複数・主格】享楽、快楽、資産
sukhāni【中性・複数・主格】安楽、歓喜、幸福、享楽、繁栄、成功
ca【接続詞】そして、また、〜と

त इमे ऽवस्थिता युद्धे
ta ime ‘vasthitā yuddhe
タ イメー ヴァスティター ユッデー
その彼らが、戦いにおいて立ち並ぶ

ta【男性・複数・主格、指示代名詞 tad(teの連声)】彼らは、それらは、あれらは
ime【男性・複数・主格、指示代名詞 idam】これらの
avasthitās【男性・複数・主格、過去受動分詞 ava√sthā】立っている、立ち並ぶ
yuddhe【中性・単数・処格】戦いにおいて、戦闘において、戦争において

प्राणांस् त्यक्त्वा धनानि च ॥
prāṇāṁs tyaktvā dhanāni ca ||
プラーナーンス ティヤクトヴァー ダナーニ チャ
生命と財産を投げ棄てて

prāṇān【男性・複数・対格】生命を、命を
tyaktvā【絶対分詞 √tyaj】放棄して、捨てて、手放して、抛って
dhanāni【中性・複数・対格】財産を、富を
ca【接続詞】そして、また、〜と

येषामर्थे काङ्क्षितं नो राज्यं भोगाः सुखानि च ।
त इमेऽवस्थिता युद्धे प्राणांस्त्यक्त्वा धनानि च ॥ ३३ ॥

yeṣāmarthe kāṅkṣitaṁ no rājyaṁ bhogāḥ sukhāni ca |
ta ime’vasthitā yuddhe prāṇāṁstyaktvā dhanāni ca || 33 ||
私たちは彼らのために、王国、享楽、幸福を望みました。
その彼らが、戦いにおいて生命と財産を投げ棄てて立ち並んでいます。

バガヴァッド・ギーター第1章第32節

न काङ्क्षे विजयं कृष्ण
na kāṅkṣe vijayaṁ kṛṣṇa
ナ カーンクシェー ヴィジャヤン クリシュナ
クリシュナよ、私は勝利を望まない

na【否定辞】〜でない
kāṅkṣe【一人称・単数・アートマネーパダ・現在 √kāṅkṣ】私は望む、私は欲する、私は切望する
vijayam【男性・単数・対格】勝利を、征服を
kṛṣṇa【男性・単数・呼格】クリシュナよ

न च राज्यं सुखानि च ।
na ca rājyaṁ sukhāni ca |
ナ チャ ラージャン スカーニ チャ
また王国や幸福をも

na【否定辞】〜でない
ca【接続詞】そして、また、〜と
rājyam【中性・単数・対格】王国を、王権を、王位を
sukhāni【中性・複数・対格】安楽を、歓喜を、幸福を、享楽を、繁栄を、成功を
ca【接続詞】そして、また、〜と

किं नो राज्येन गोविन्द
kiṁ no rājyena govinda
キン ノー ラージェーナ ゴーヴィンダ
ゴーヴィンダよ、私たちにとって王国が何になろう

kim【疑問代名詞】何、誰、なぜ、どんな、どのように。(以下の具格をともなって無益無用をあらわす)
nas【複数・属格、一人称代名詞(附帯形) asmad】私たちにとって
rājyena【中性・単数・具格】王国をもって、王権をもって、王位をもって
govinda【男性・単数・呼格】ゴーヴィンダよ。クリシュナの別名。名前は「牛飼いの主」の意。

किं भोगैर् जीवितेन वा ॥
kiṁ bhogair jīvitena vā ||
キン ボーガイル ジーヴィテーナ ヴァー
また享楽や生命が何になろう

kim【疑問代名詞】何、誰、なぜ、どんな、どのように。(以下の具格をともなって無益無用をあらわす)
bhogais【男性・複数・具格】享楽をもって、快楽をもって、資産をもって
jīvitena【中性・単数・具格】生命をもって、命をもって、生活をもって
vā【接続詞】あるいは、また

न काङ्क्षे विजयं कृष्ण न च राज्यं सुखानि च ।
किं नो राज्येन गोविन्द किं भोगैर्जीवितेन वा ॥ ३२ ॥

na kāṅkṣe vijayaṁ kṛṣṇa na ca rājyaṁ sukhāni ca |
kiṁ no rājyena govinda kiṁ bhogairjīvitena vā || 32 ||
クリシュナよ、私は勝利を望みません。王国も幸福も……
ゴーヴィンダよ、私たちにとって王国が何になるでしょうか。享楽や生命が何になるでしょうか。