クベーラ・ヤントラの72

ヤントラとは、道具、護符、あるいは神秘図形を意味します。思考を集中させ、祈りを強化する手助けとなるその神秘図形には、ヤントラとして役立つ数字の組合せからなる数的なヤントラがあります。

以下に紹介するヤントラは、72という数字の波動を発する数的なヤントラであり、財宝の神であるクベーラ神のヤントラとして崇められます。20から28の数字を配列したヤントラ(表)となり、縦、横、斜めのどの3つの数字を足しても必ず72になります。

インドでは、「9」がブラフマーを象徴する吉数とされ、9を基本とした数を至るところで見ることができます。72は、7+2=9であり、また9に無限大を意味するとされる8をかけた数字であり、富や成功を引き寄せるエネルギーを持つとされます。

また、一説に宇宙は、火、風、空、地、水の5大元素に、時間、空間、魂、意識の9つによって構成されると伝えられます。72のエネルギーを持つクベーラ・ヤントラは、この9つのすべての要素にエネルギーを交信し、物質的な願望を現実のものにすると信じられます。

第67回グループ・ホーマ(ナヴァラートリー)無事終了のお知らせ

第67回グループ・ホーマ(ナヴァラートリー)にお申込みいただきました皆様、誠にありがとうございました。

ドゥルガー女神を礼拝する、第67回グループ・ホーマは、3月25日に無事に終了いたしました。

プージャーの写真を以下に掲載させていただきます。

神々の祝福と、より良い体験がありますよう、心よりお祈り申し上げます。

第67回グループ・ホーマの実施内容はこちらよりご覧いただけます。

クベーラ神が灯す光

太陽と月の光がもっとも明るくなる時といわれるアクシャヤ・トリティーヤーは、一年の大吉日とされる時です。
このアクシャヤ・トリティーヤーにおいては、価値あるものを購入しようと、金や銀を求める人々でマーケットはひしめきます。
ラクシュミー女神とともに、財宝の神として崇められるクベーラ神へ、盛大な祈りが捧げられることも少なくありません。

仏教では毘沙門天、多聞天として知られるクベーラ神には、ダナパティ(財宝の主)、イッチャーヴァス(望みの財産を得る者)などの別名があります。
クベーラ神が財宝の神として崇められるようになった理由には、さまざまな神話が伝わります。
シヴァ・プラーナにおいては、クベーラ神の前世はグンニディと呼ばれる、すべての財産を失った貧民であったとされています。

グンニディは非常に貧しく、空腹に飢えるほどでした。
ある夜、シヴァ神の寺院を見つけると、中に入り、捧げられた供物を盗もうとします。
暗闇で何も見えなかったグンニディは、寺院にあったランプに灯りを灯しました。
しかし、強い風が吹き、灯りはすぐに消えてしまいます。

何度も灯りを灯そうとするも、風が強く、灯りはすぐに吹き消されてしまいました。
すると、グンニディは自らの服を脱ぎ、その服に火をつけます。
服についた火は大きな灯りとなって、寺院を明るく照らしました。
その行為にシヴァ神は心を打たれ、来世において財宝の神として崇められる地位をグンニディに与えたといわれます。

私たちは、何も見えない暗闇に、恐怖を感じることが多くあります。
そこでは、不安に苛まれたり、疑いを抱いたり、さまざまな否定的な感情が湧き出てくることが少なくありません。
その感情に突き動かされ、道を踏み外してしまうことも往々にあります。

古来より、世界の各地で光の価値が説かれてきたように、日々の中で消えそうな光を、私たちはどんな時も灯し続ける必要があります。
そこで得られる確かな安心や信頼は、人生を豊かに歩むための強さとなり、その強さを手にした歩みの中では、何よりも大きな財宝が祝福されるに違いありません。

太陽と月の光がもっとも明るくなるといわれるアクシャヤ・トリティーヤーに、光を灯す行為を通じて、その意味をしっかりと見つめ直したいと感じます。
この世界に常に光があるように、心よお祈り申し上げます。

(文章:ひるま)

アクシャヤ・トリティーヤー2020

2020年4月26日はアクシャヤ・トリティーヤーの大吉日です。

アクシャヤ・トリティーヤーは、価値ある品を身につけ始めるのにもっとも適した吉日といわれています。(トリティーヤーは新月から3日目を意味しています。月齢をもとに決められるインドの祝祭日は、年毎に日にちが変わります。)

アクシャヤは、「不朽の、不滅の」という意味のサンスクリット語です。したがって、この吉日に身につけた貴重品は、朽ち果てることなく、幸運や成功を運び続けてくれると信じられています。またこの吉日は、何らかの寄付や贈与などの善行を行った場合は、それが決して廃れることのない点で、重要な意味を持つとされます。

アクシャヤ・トリティーヤーは、トレーター・ユガ(悪が世界の4分の1を支配する時代)の開始日にあたるとされ、ヴィシュヌの第6の化身であるパラシュラーマの誕生日ともいわれます。ヒンドゥー暦によると、この日は1年でもっとも吉兆な日のひとつにあたるため、インドでは、新しいベンチャーを始めたり、高価な買い物をするのに適した吉日とされています。

ヒンドゥー暦には、ムフールタと呼ばれる時間の概念があります。48分単位で刻まれるこのムフールタによれば、1日の中にも吉兆な時間とそうでない時間があり、特定の行為に対して適切な時刻が定められています。しかし、このムフールタに関係なく、一日中吉兆な時間に満ちている時があります。それが、トリティーヤー・トリティーヤーです。

アクシャヤ・トリティーヤーは、一年の中で太陽と月の光がもっとも明るくなる時といわれることがあります。それは、このアクシャヤ・トリティーヤーにおいて、太陽が牡羊座に、そして月が牡牛座にあるためです。太陽は牡羊座で高揚し、月は牡牛座で高揚するといわれますが、惑星は高揚する星座に位置する時、最大限の力を発揮し良い影響を生み出すと信じられています。この時、私たちの心身は、サットヴァ(純質)に満ちたエネルギーを受け取るといわれることもあります。

アクシャヤ・トリティーヤーに行うとよいこと
・グル(師)に対して、施し物という形で、寄付金を忍ばせた品物を与える。
・富の女神であるマハーラクシュミーに対する苦行を行う事で、1年を通じての祝福と繁栄を祈願する。
・マハーラクシュミー寺院に行き、4つの方位に4枚のコインを投げることで、富の開運を祈願する。
・アナンガ(愛の神カーマの別名)のマントラ「オーム・フロウン・フルーム・アーナンガーヤ・パット」を唱える事で、身体的な問題の解消を祈願する。
・既婚女性は、クムクム等の赤い色粉をつけた赤い紐を首回りに身につけて、夫の長寿をシヴァ寺院で祈願する。また未婚女性は、それを足首につけて、よい相手に巡り会えるようにシヴァ寺院で祈願する。
・ニームの葉を持ってシヴァ寺院に参拝に行き、シヴァ神にそれを捧げた後、病気平癒を祈願して、それを病人の枕の下に置く。
・その他、永続する繁栄のため、新事業の開始、金製品などの高価な貴重品の購入、病気等の治療に適した吉日とされる。

どうぞ良い吉日をお迎えください。

アシュタ・ラクシュミーを礼拝するマントラ

ラクシュミー女神は、富や幸運を司る女神です。私たちが所有するもの、例えば土地や財産、家畜や穀物など、また形ではなくとも、純粋さや忍耐と言った美徳も、私たちの富であり、栄光であります。

物質的な豊かさだけでなく、目には見えない心の豊かさを授けるラクシュミー女神には、アシュタ・ラクシュミーと呼ばれる8つの姿があります。この8つの姿すべてに祈りを捧げてはじめて、ラクシュミー女神を完全に礼拝したともいわれます。

アシュタ・ラクシュミーとして姿をあらわすラクシュミー女神を礼拝するマントラです。

・ॐ आदि लक्ष्म्यै नमः
ॐ धन लक्ष्म्यै नमः
ॐ धान्य लक्ष्म्यै नमः
ॐ गज लक्ष्म्यै नमः
ॐ संतान लक्ष्म्यै नमः
ॐ वीर लक्ष्म्यै नमः
ॐ विद्या लक्ष्म्यै नमः
ॐ विजय लक्ष्म्यै नमः
・om ādi lakṣmyai namaḥ
om dhana lakṣmyai namaḥ
om dhānya lakṣmyai namaḥ
om gaja lakṣmyai namaḥ
om saṁtāna lakṣmyai namaḥ
om vīra lakṣmyai namaḥ
om vidyā lakṣmyai namaḥ
om vijaya lakṣmyai namaḥ

・オーム アーディ ラクシュミャイ ナマハ
オーム ダナ ラクシュミャイ ナマハ
オーム ダーニャ ラクシュミャイ ナマハ
オーム ガジャ ラクシュミャイ ナマハ
オーム サンターナ ラクシュミャイ ナマハ
オーム ヴィーラ ラクシュミャイ ナマハ
オーム ヴィディヤー ラクシュミャイ ナマハ
オーム ヴィジャヤ ラクシュミャイ ナマハ
・意味:原始のラクシュミー女神に帰依いたします。
金を授けるラクシュミー女神に帰依いたします。
穀物(豊穣)を授けるラクシュミー女神に帰依いたします。
象(権力)を授けるラクシュミー女神に帰依いたします。
子孫を授けるラクシュミー女神に帰依いたします。
勇気を授けるラクシュミー女神に帰依いたします。
知識を授けるラクシュミー女神に帰依いたします。
勝利を授けるラクシュミー女神に帰依いたします。

※アシュタ・ラクシュミーの名前は地域や宗派によって異なる場合があります。

ヤムナー・ジャヤンティ2020

2020年は3月30日に、インドの一部の慣習において、ヤムナー・ジャヤンティが祝福されます。

ヤムナー・ジャヤンティは、ヤムナー川の降誕を祝福する吉日です。チャイトラ月(3月から4月)のシュクラ・パクシャ(新月から満月へ向かう半月)のシャシュティー(6日目)がその日にあたります。

大自然のあらわれが神々として崇められてきたインドの世界において、川は古くから聖なる存在として崇められてきました。肥沃な大地をもたらすだけでなく、豊かな水とその流れが、あらゆるものを清め浄化すると捉えられてきたことにひとつの理由があります。

そんなインドでは、サラスワティー川、ヤムナー川、ガンジス川が3大河川として崇められることがあります。それぞれ、ブラフマー神、ヴィシュヌ神、シヴァ神の女神として讃えられる存在です。ヤムナー女神は、太陽神であるスーリヤと妻のサンジュナーの子として生まれたと伝えられます。死の神であるヤマの妹、ヤミーと伝えられることもあります。

ヤムナー川は、ヒマーラヤ山麓の4大聖地のひとつであるヤムノートリーを水源とし、聖地イラーハーバード(アラーハーバード)でガンジス川に合流します。その途中にはタージ・マハルが佇み、マトゥラーなどのクリシュナ神の聖地を流れます。ヤムナー川は、クリシュナ神話においても重要な存在として崇められます。

参照:2020 Yamuna Jayanti

バンガロールのプラティヤンギラー寺院1(星の力のインド紀行5)

今回のインドツアー中、何度か「来年(2020年)はインドへは行けなくなるかもしれないから。」と申し上げたのを、覚えておられるツアー参加者もおられるかもしれません。
私は基本的に国や世界情勢をホロスコープで解析したりはしません。
それにはいくつか理由がありますが、何よりも多くの人の意識が影響するために、予測通りにならないことが多いからです。
その時、「インドに行けなくなるかもしれない。」というのは、全く違うことが起こることを予想して申し上げていたのですが、残念なことに(新型コロナウィルスという別の理由によって)本当にインド(どころか世界中の多くの場所)に行けない事態になって驚いております。
世界が早くシャーンティ(平安)な状況に戻ることを願って止みません。

ツアーでは2つのプラティヤンギラー寺院に参拝したのですが、2つ目のバンガロールのプラティヤンギラー寺院は、街中のとても小さな寺院でした。
日本で言えば下町で、長年庶民の信仰を得ている小さな神社のようなたたずまいかもしれません。
見つけるのに少し時間がかかってしまったのですが、たまたまその日は寺院のお祭りの日で小さな寺院にたくさんの信者(日本で言えば氏子)が出入りし、道の端では、お祭り後に振舞われるカレーが調理されていました。
私たちは、道端に30脚ほどの椅子を並べてもらい、準備ができるのを待つことになりました。

寺で世話をされているらしい大型犬が、人懐こく皆に愛想を振りまいていました。
寺院はタントリック(土着的)な信仰のにおいがプンプンしており、まさに民衆の中で育まれて来た寺院なのだなぁ、という気持ちがしました。
この寺院での体験は予想を超え、本当に素晴らしいものになります。

(文章:ガネーシャ・ギリ)

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ガネーシャ・ギリ氏共著 『インド占星術と運命改善法』

ガネーシャ・ギリによるインド占星術鑑定

ガネーシャ・ギリによるヨーガクラス
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ハヌマーンの愛とラーマのあくび

太陽の光が溢れ、インドの各地でいよいよ長く暑い夏が始まるチャイトラ月(3月から4月)。
その満月となる4月8日は、主に北インドにおいて、お猿の神様であるハヌマーン神の降誕祭が祝福される時です。
ラーマ神への揺るぎない信仰によって、不可能を可能にしていくハヌマーン神の姿には、学ぶべきことが非常に多くあります。
ラーマ神の行状記が綴られたラーマーヤナにおいては、ハヌマーン神の愛にまつわるある神話が描かれます。

ひたむきにラーマ神に仕えるハヌマーン神は、いつしかラーマ神の身の回りの仕事をすべてこなしてしまうようになりました。
ラーマ神に仕えるための仕事がなくなってしまった周囲の人々は、ハヌマーン神を除いて、ラーマ神に仕える仕事を割り振り始めます。
自分にはラーマ神に仕える仕事がないことに気がついたハヌマーン神は、思い悩んだ末、ある仕事を思いつきます。
それは、ラーマ神があくびをした時、指を鳴らす仕事でした。
あくびをした時に指を鳴らさなければ、悪いエネルギーの影響を受けると信じられていたからです。

指を鳴らすことは大した仕事ではないと、周りの人々がそれを了承すると、さっそくハヌマーン神はラーマ神の側に仕え始めます。
あくびはいつ出るかわかりません。
それ故、ハヌマーン神は常にラーマ神の側にいなければなりませんでした。
そして、それはハヌマーン神にとって何よりもの喜びでした。

夜が来てもラーマ神の側を離れないハヌマーン神に、シーター女神は妻として、部屋を出てくれるように頼みます。
ハヌマーン神はしぶしぶ部屋を出るも、いつ出るかわからないラーマ神のあくびのために、寝ることなく指を鳴らし続けました。
すると、今度はラーマ神のあくびが止まらなくなってしまいます。
ラーマ神は、ハヌマーン神の懸命な思いに応えるようにあくびをしていたのです。

私たちは、忙しない日々を言い訳に、主を思い行動することを怠りがちです。
そうして不変の喜びから遠ざかり、さまざまな思いに悩まされ、暗闇に落ちていきます。
しかし、ハヌマーン神にはラーマ神への確固たる愛が何よりも第一にありました。
その思いから生まれる行動は、あらゆる不可能を可能にしていきます。

そんなハヌマーン神の姿は、主への思いに対して、為すべき行為の大きさは関係ないことを伝えているようです。
日々の中で見失いがちな小さな行為に心を込めて向き合う時、そこには何よりも大きな祝福があるはずです。
私たちのあるべき姿として崇められるハヌマーン神に学びながら、気づきを持って日々を大切に過ごしたいと感じます。

(文章:ひるま)

マツシャ・ジャヤンティ2020

2020年3月24日は新月です。この新月以降、いよいよ春のナヴァラートリーが始まります。

一部の地域や慣習では、この新月から3日目に、マツシャ・ジャヤンティが祝福されます。2020年は3月27日です。

マツシャはヴィシュヌ神の1番目の化身として知られ、魚の姿をしています。ヴィシュヌ神はマツシャの姿として、この日に姿をあらわしたと伝えられ、マツシャは宇宙を清めながら完ぺきな均衡と調和の下に維持するヴィシュヌ神を象徴しています。ヴィシュヌ神はこの世界に危機が生じた時、世界を守るために特別な姿となってあらわれると信じられています。

マツシャは、起ころうとしていた大洪水から世界を救ったと伝えられます。魚が流れに反しながらも源流に向かって泳げるのは、流れに身を任せる術を知っているからであり、私たちが常に神々に身を任せながら、その源へ向かって歩み続けることを象徴しているともいわれます。

マツシャへの礼拝により、魚が池をきれいにするように、さまざまな悪影響が浄化されると信じられています。一説には、ヴァーストゥの引き起こす影響を浄化すると伝えられます。

※マツシャ・ジャヤンティは他の日に祝福される慣習もあります。

参照:2020 Matsya Jayanti

恐怖心を取り除き正しい道を歩むためのマントラ・サーダナ

日々の生活において、恐怖心を取り除き、正しい道を歩むための力を得るマントラ・サーダナをご紹介します。

守りをもたらすドゥルガー女神に身を委ねる意味のこのマントラの詠唱は、恐怖や懸念、敵や目に見えないものに対して感じる脅威や不安などを取り除くと伝えられます。そうしてあらゆる否定的な思考を取り除き、人生を正しく歩む前向きな力をもたらすと信じられます。

ドゥルガー女神を礼拝し、マントラを唱える吉日は、金曜日、アシュタミー(満月・新月からそれぞれ8日目)、ナヴァラートリーの期間などです。その他に、何らかに対して恐怖や不安を抱いている時はいつでも、このマントラを唱えることができます。マントラは、マーラーを用いて、少なくとも108回唱えることが勧められます。


ॐ दुर्गे दुर्गे रक्षिणी स्वाहा
om durge durge rakṣiṇī svāhā

オーム ドゥルゲー ドゥルゲー ラクシニー スヴァーハー

ドゥルガーはサンスクリット語で「近づき難い者」を意味し、その恐ろしい様相が礼拝される女神です。全宇宙の母であるドゥルガー女神にとって、すべての生類は我が子に等しく、常に限りない慈愛を注いでいます。その宇宙の母なる女神の怒りは、人々の正しい成長を願ってのことに他ありません。そんなドゥルガー女神を想起する時、母の愛という光輝に包まれ、私たちを襲う恐怖や不安は取り除かれると共に、正しい道を歩むための力が授けられると信じられます。