ヴァラ・ラクシュミー・ヴラタ2017

ashta lakshmi

2017年8月4日はヴァラ・ラクシュミー・ヴラタの吉日です。

ヴァラ・ラクシュミー・ヴラタは、主に南インドで行われる、女性たちによる家族の幸福を願ったお祈りです。神聖なシュラヴァナ月、満月を迎える前の女神の日である金曜日に行われるものです。

さまざまな言い伝えがありますが、こんな言い伝えがあります。

子どもを愛し、そして尽くす信心深い女性の夢にラクシュミー女神が現れ、喜びを伝えます。朝目を覚ました女性は、ラクシュミーの恩恵を確かめるために、身を清め祈り始めました。これを見た他の女性たちも同じようにラクシュミー女神への崇拝を始め、広まっていったとされています。

この日に崇拝されるのは、富、地、学び、愛、高名、平和、喜び、強さを表す8体のラクシュミー女神(アシュタ・ラクシュミー)です。

目には見えないこの8つの力は、ラクシュミー女神として擬人化され表されています。女神であるラクシュミーであるが故、女性たちに心を重ねると言われ、女性たちによる祈りがラクシュミーの恩恵を呼び覚ますと信じられています。

~アシュタ・ラクシュミーについて~
ラクシュミー女神は、広く富や豊かさの女神として知られています。私たちが所有するもの、例えば土地や財産、家畜や穀物など、また形ではなくとも、純粋さや忍耐と言った美徳も、私たちの富であり、栄光であります。

アシュタ・ラクシュミーはラクシュミーの8つの姿であり、様々な形で私たちに恩恵を授けます。その8つの姿すべてに祈りを捧げてはじめて、ラクシュミー女神を完全に礼拝したともいわれます。アシュタ・ラクシュミーとその象徴は以下の通りです。

*アーディ・ラクシュミー(マハー・ラクシュミー):ラクシュミー女神の祖先型
*ダナ・ラクシュミー:金、財
*ダーニャ・ラクシュミー:穀物、豊穣
*ガジャ・ラクシュミー:家畜や権力
*サナータナ・ラクシュミー:子孫
*ヴィーラ・ラクシュミー:勇気や強さ
*ヴィジャヤ・ラクシュミー:成功や勝利
*ヴィディヤー・ラクシュミー(アイシュワリヤ・ラクシュミー):知識(幸運)

参照:https://en.wikipedia.org/wiki/Varalakshmi_Vratam

ガネーシャ降誕祭

2017年8月25日は、ガネーシャ・チャトゥルティー(ガネーシャ降誕祭)です。熱心な信奉者は、およそ10日間に渡って毎日ガネーシャ神に祈りを捧げる盛大な祭典です。

ここに、ガネーシャ・チャトゥルティーについて、スワミ・シヴァーナンダのお話をご紹介します[1]。

『至高神であり、シヴァ神の活力であり、祝福の源泉であり、美徳そしてあらゆる試みの成功を授けるブラフマー自身であるガネーシャに礼拝します。

ムシカヴァーハナ・モーダカ・ハスタ
チャーマラ・カルナ・ヴィランビタ・スートラ
ヴァーマナ・ルーパ・マヘーシュワラ・プトラ
ヴィグナ・ヴィナーヤカ・パーダ・ナマステー

意味:
「ヴィナーヤカ神よ!障害を取り除かれる、小柄なシヴァ神の息子。
ねずみを乗り物とし、甘いお菓子を手に持ち、大きな耳と長い鼻を持ったお方。
あなたの蓮華の御足にひれ伏します!」

ガネーシャ・チャトゥルティーは、インドのお祭りの中でももっとも人気のあるお祭りのひとつです。この日は、ガネーシャの誕生日にあたります。これは、ガネーシャにとって、もっとも神聖な日となります。インドの太陰太陽暦では、バードラパダ月(8月〜9月)の新月から4日目にあたります。このお祭りは、インド国内はもちろんのこと、ガネーシャを信奉する世界中の人々によって祝福されます。

このお祭りでは、土のガネーシャ像が作られて、2日間から地域によっては10日間お祈りが捧げられた後、川に流されます。

ガネーシャ神は、象の頭をした神様です。そして、お祈りの最初にまず崇められます。神聖な仕事がされる前、さまざまな祈祷が行われる前には、ガネーシャの御名が最初に唱えられます。

ガネーシャは、力と英知の神様です。ガネーシャは、シヴァ神の長男であり、軍神スカンダ(カールッティケーヤ)の兄にあたります。ガネーシャは、シヴァ神の源泉であるため、シャンカラとウマー・デーヴィーの息子ともいわれます。母親にとって、ガネーシャ神を礼拝することは、子供たちにガネーシャのような美徳を身につけてほしいとの願いが込められます。

次の物語は、象の頭をどのようにしてもつようになったかという、ガネーシャの誕生にまつわるお話です。

昔、ガウリー女神(シヴァ神の妃)が沐浴をしている時、彼女の身体から出た垢から、真っ白なガネーシャを作り、家の玄関に置きました。彼女は、自分が沐浴をしている間は、決して誰も中に入れてはならないと、ガネーシャに言い聞かせました。すると、そこへシヴァ自身が、急いで家に帰ってきましたが、玄関でガネーシャに止められてました。シヴァは怒り、ガネーシャを門外漢だと思い込んで、彼の首を切り落としてしまいました。

それを知ったガウリーは、悲哀に暮れました。彼女の悲しみを慰めるために、シヴァ神は家来たちに、北を向いて寝ている生き物を探し出し、その生き物の首をここへ持ってくるよう命令しました。家来たちはさっそく行動に移し、象だけがその方向へ向いて寝ているのを見つけました。こうして象が生贄となり、象の首がシヴァに届けられました。すると、シヴァ神は、象の首をガネーシャの身体につなぎ合わせました。

シヴァは、仕事、結婚、旅行、学問、その他すべての行為の始めに、ガネーシャを礼拝の対象にするようにしました。そして、毎年、バードラパダ月(8月〜9月)の新月から4日目に、ガネーシャの礼拝を行うことを定めました。

ガネーシャの恩寵と援助がなければ、どのような試みも達成することができません。私たちのすべての行為は、ガネーシャの援助、恩寵、祝福によって支えられています。

マハーラーシュトラの子供たちは、アルファベットの最初のレッスンは、「オーム・シュリー・ガネーシャーヤ・ナマハ」という、ガネーシャ神のマントラ(真言)から始まります。そうしてはじめて、アルファベットが教えられるのです。

次の名前は、ガネーシャ神に共通の名前です。
ドゥームラケートゥ、サンムカ、エーカダンタ、ガジャカルナーカ、ランボーダラ、ヴィグナラージャ、ガナーディヤクシャ、パラチャンドラ、ガジャーナナ、ヴィナーヤカ、ヴァックラトゥンダ、シッディヴィナーヤカ、スールパカルナ、ヘーランバ、スカンダプールヴァジャ、カピラー、ヴィグネーシュヴァラ等。そして、ガネーシャ神は、マハー・ガナパティとしても知られています。

ガネーシャ神のマントラ(真言)は、「オーム・ガン・ガナパタイェー・ナマハ」です。ガネーシャを守護神として信奉する霊性修行者は、このマントラか、または「オーム・シュリー・ガネーシャーヤ・ナマハ」のマントラ(真言)を繰り返し唱えるとよいでしょう。

ガネーシャの信奉者は、次のガネーシャ・ガーヤトリー・マントラのジャパを行うこともできます。これは、次のようになります。

タットゥ・プルシャーヤ・ヴィッドゥマヘー
ヴァックラトゥンダーヤ・ディーマヒー
タンノ・ダンティ・プラチョーダヤートゥ

ガネーシャ神は、英知と至福の化身です。ガネーシャ神は、ブラフマチャリヤ(自己実現を探求する独身者)たちの神様であり、禁欲主義者にとってもっとも重要な神様です。

ガネーシャ神は、小さなネズミを乗り物としています。ガネーシャ神は、クンダリニー・シャクティが宿り、身体の霊的中枢であるムーラーダーラ・チャクラに安住する神様です。

ガネーシャ神は、霊性修行者が歩む道のすべての障害を取り除き、霊的な成功はもちろん、世俗的な成功を授ける神様です。そのため、ガネーシャ神は、ヴィグナ・ヴィナーヤカと呼ばれます。ガネーシャ神のビージャ・アクシャラ(種子)は、「ガン(Gung)」です。これは英語の「sung(singの過去分詞形)」と同韻を踏む発音になります。彼は、調和と平安の神様です。

ガネーシャ神は、ヒンドゥー教徒の間で主要なマントラである「オーム」すなわちプラナヴァ(原初音)を示します。これを唱えることなしには、何事も行うことができません。これは、あらゆる儀式や計画の前に、ガネーシャ神を召喚するための習慣です。ガネーシャ神の2本の足は、知識と行為の力を示します。象の頭は、自然の造詣の中で、オームを象徴している唯一のものとして、重要な意味を持ちます。

ガネーシャ神がネズミを乗り物とする意義は、エゴを完全に克服することです。アンクシャ(槍のような武器)を手に持つ姿は、ガネーシャ神が世界の支配者であることを示し、これは、神々の王族の紋章でもあります。

ガネーシャ神は第一番目の神様です。自然の中でもっとも小さい生き物のひとつであるネズミに乗り、すべての動物の中でもっとも大きい象の頭をもつことは、ガネーシャ神がすべての動物の創造者であることを意味します。象はとても賢い動物です。これは、ガネーシャ神が英知の象徴であることを示します。またネズミは、進化して象になり、最終的に人間になるように、進化の過程を意味します。ガネーシャ神が、人間の身体や象の頭を持ち、ネズミを乗り物とすることには、このような理由があります。これが、ガネーシャ神の姿の哲学的象徴です。

ガネーシャ神は、元素のグループ、感覚のグループなどのガナ(群)の神様です。ガネーシャ神は、シヴァ神の従者の長であり、シヴァ神の最高の家来になります。

ガネーシャ神は、ヴァイシュナヴァ派の信奉者たちにも礼拝されます。彼らはガネーシャ神を、象の鼻をもつ神様という意味のトゥンビッカイ・アルワールと呼びます。

ガネーシャ神の持つ2つの力は、クンダリニーとヴァッラバすなわち愛の力です。

ガネーシャ神は、甘いプディング菓子(甘い中実が詰まった米粉の饅頭)が大好物です。誕生日には、ガネーシャ神は甘いお菓子の供物を受け取りに、家から家へと渡り歩きます。たくさんのお菓子を食べ、夜も更けたとき、ガネーシャはネズミに乗って出発します。しかし突然、蛇が襲いかかってきたのを見たネズミがつまずいてしまい、ガネーシャはネズミから落ちてしまいました。その衝撃で、ガネーシャのお腹は破裂し、詰め込んだ甘いお菓子が全部外に飛び出てしまいました。しかし、ガネーシャはそのお菓子をお腹に再び詰め込むと、蛇を捕まえ、彼のお腹に縛り付けました。

この一部始終を見ていた夜空の月は、腹の底から大笑いしました。ガネーシャは、月の失礼な態度に腹を立て、彼の牙の一本を月に向かって投げつけました。そして、ガネーシャ・チャトゥルティーの期間は、誰も月を見てはいけないと呪いをかけたのです。もし誰かが月を見るようなことがあれば、悪名や批判、不運は避けられないだろうと……。しかし、この期間に間違って月を見てしまった場合は、スヤマンタカ宝に関するクリシュナの逸話を聞いたり、読んだりすることが、呪いを解く唯一の方法だといわれています。この逸話は、シュリーマド・バーガヴァタムに引用されています。ガネーシャ神はこの取り決めを喜びました。帰依者たち優しく、慈愛に満ちたガネーシャ神に栄光あれ!

ガネーシャと彼の兄弟であるスブラマニヤは、かつてどちらが年長者であるかで競ったことがあります。事態は、シヴァ神の最終的な判断に委ねられました。シヴァは、宇宙を一周して、先にこの出発点に戻ってきた者を、年長者とすると決めました。スブラマニヤは、彼の乗り物であるクジャクに乗って、すぐに宇宙を周り始めました。しかし、賢いガネーシャは、尊敬の念を持って、彼の両親の周りを一周すると、勝利を求めました。

シヴァ神は問いかけます。
「賢い最愛のガネーシャよ。お前は宇宙を一周していないのに、どうして勝利を要求するのか?」
ガネーシャは答えました。
「私は両親の周りを一周しました。両親は全宇宙を象徴しています!」

こうして兄弟論争はガネーシャの勝利で幕を閉じ、その後、2人の中でガネーシャが長男として知られるようになりました。母のパールヴァティーは、賞品として、ガネーシャにフルーツを与えたといいます。

ガナパティ・ウパニシャッドでは、ガネーシャは至高神と同一と見なされます。ガネーシャにまつわる伝説は、ブラフマヴァイヴァルタ・プラーナのガナパティ章に記されています。

ガネーシャ・チャトゥルティーの日は、早朝のブラフマムフルタの神聖な時間帯に、ガネーシャ神にまつわる神話を瞑想しなさい。それから、沐浴をした後、寺院に行き、ココナッツや甘いお菓子とともに、ガネーシャ神に祈りを捧げなさい。愛と信仰をもって祈りを捧げることで、ガネーシャは霊的な進化の過程で経験するすべての障害を取り除いてくれるでしょう。家でもお祈りを捧げることです。パンディット(僧侶)の援助を得てもよいでしょう。ガネーシャ神の絵や写真、神像を家に飾り、ガネーシャがそこにいるように感じなさい。

この期間に月を見てはいけないということは、忘れてはいけません。ガネーシャ神に失礼な行為になります。この行為の真意は、この日から神を冒とくしたり、あなたの霊的な師や宗教を蔑む信仰のない仲間たちを避けなさいという意味があります。

心新たに霊的な決意をし、あらゆる試みで成功するための精神的な強さをガネーシャ神に祈りなさい。

ガネーシャの恩寵が、すべての人々に降り注ぎますように。
ガネーシャが、あなた方の霊的道程に立ちふさがるすべての障害を取り除きますように。
そして、あなた方に精神的成就のみならず、物質的な豊かさがもたらされますように。

スワミ・シヴァーナンダ』

ガネーシャ・チャトゥルティーでは、期間中にお世話になったガネーシャ神像を最終日に川に流します。そのため通常は土でできたガネーシャ神像を特別に買い求め、その期間中はその土のガネーシャ神像を礼拝することが行われています。

ガネーシャ・チャトゥルティーを本格的にお祝いしたい方は、日本では土製のガネーシャ神像を入手することは難しいと思いますが、次のビデオなどを参考にして、粘度でガネーシャ神を造ってみるのも面白いかもしれませんね。


このようにして造られたガネーシャは、きっと愛着のわく素敵なガネーシャになるでしょう。もちろん、すでにお持ちのガネーシャ像にお祈りを捧げてもよいと思います。
どうぞガネーシャとともに、楽しいガネーシャ・チャトゥルティーをお過ごしください。

参照
[1]Sri Swami Sivananda, Ganesh Chaturthi, http://www.dlshq.org/religions/ganesh.htm
[2]SitaRamaブログ, ガネーシャ・チャトゥルティー, http://blog.sitarama.jp/?eid=297450

カルキ・ジャヤンティ2017

kalki

2017年7月28日はカルキ・ジャヤンティ(降誕祭)です。

カルキはヴィシュヌ神の10番目の化身と信じられ、「永遠」や「時間」を象徴します。その名には、「不潔」や「汚物」という意味があり、悪や暗闇、無知を破壊する者として崇められます。

カルキはカリ・ユガの最後に現れ、世界の悪をすべて滅ぼし、新たな世界を築くと信じられています。シュラヴァナ月(7~8月)の新月から6日目に誕生すると信じられており、2017年は7月28日にあたります。

カルキ・プラーナには、シャンバラという村に生まれることも記されています。白い馬に乗り、剣をもって描かれます。雷や大雨、厳しい日照りなどが関連付けられることも多く、古代の人々が大自然の破壊と不要な要素の破壊を示唆していたとも伝えられています。

参照:https://en.wikipedia.org/wiki/Kalki

ハリヤリ・ティージ(ブランコ祭り)2017

2017年7月26日はハリヤリ・ティージの祝日です。

ハリヤリ・ティージは、シュラヴァナ月の新月より3日目に、パールヴァティー女神を礼拝する吉日です。インドでは、新月から3日目は「ティージ」と呼ばれ、このシュラヴァナ月のティージはとりわけ吉兆とされています。

この日は、夫シヴァ神のために大変な苦行を行ったパールヴァティー女神に捧げられ、女性たちは夫の幸せと家庭の繁栄を願い祈りを捧げます。

主に北インドでは、モンスーンを迎え大地が潤い緑が濃くなることから、多くの女性たちが緑色のサリーやバングルを身にまとい祝福を行います。この時はハリヤリ・ティージとされますが、ハリヤリは緑を意味しています。

一部の地域では木々に吊るしたブランコに乗ってその喜びを表現し祝福することから、このハリヤリ・ティージはブランコ祭りとしても広く知られています。

この日に行われる祈りや断食は、家庭のさまざまな問題を取り除き、平安をもたらすと特に信じられています。

参照:https://en.wikipedia.org/wiki/Teej

蛇神を崇める日

シヴァ神を讃える神聖なシュラヴァナ月の重要な祝祭に、ナーガ・パンチャミーと呼ばれる蛇神祭があります。ナーガ・パンチャミーはシュラヴァナ月の新月から5日目に祝福され、2017年は7月28日に迎えます。雨季に入り、さ迷い出る蛇の被害を受けないよう、祈りを捧げたことがこの祝祭の始まりだと伝えられます。

蛇は、古くから多産や豊穣の象徴として崇められてきました。脱皮を繰り返す姿は、不死の象徴でもあります。一方で、毒を持つ蛇は、私たちを苦しめる自我や欲望として例えられることがあります。破壊神であるシヴァ神は、ヴァースキと呼ばれる蛇王を、その首にまるで首飾りのように巻きつけて描かれます。シヴァ神は、自我や欲望を制御し、私たちを永遠の至福へと導く偉大な存在であることを伝えています。

シヴァ神の首に巻きつくヴァースキは、不死の甘露であるアムリタを生み出すために行われた乳海攪拌において、重要な役割を担います。ヴィシュヌ神があらゆる薬草を海へと投入すると、神々は悪魔と協力をしながらマンダラ山に絡ませたヴァースキを引っ張り合い、海を撹拌してアムリタを生み出しました。

私たちは、強い自我や沸き起こる欲望によって、善と悪の狭間をさ迷うことも少なくありません。その中では、時に宝石のような恩恵を得ることがあれば、猛毒のような苦痛を得ることもあります。しかし、自我や欲望が神の支配下にある時、それらはアムリタを生み出す重要な役割を持つことがわかります。

ナーガ・パンチャミーにおいては、日の出から日の入りまでの断食、揚げ物を避ける、牛乳とターメリックを蛇神へ捧げるといった行いが勧められます。こうした行いは、人々に大きな保護を与えると信じられ、特に、カール・サルプ・ドーシャを持つ人は、この日に蛇神へのプージャーを行うことで、その悪影響が緩和されると信じられています。

インドでは、太古の昔から、大自然と調和をして生きることが日々の中心にありました。神聖なシュラヴァナ月のこの時、断食や祈りを通じて自我や欲望を神へと差し出し、その内に生み出される甘露のような平安を感じてみるのも良いかもしれません。

(文章:ひるま)

シュラヴァナ月のシヴァラートリー

シヴァ神を礼拝する重要なひと月であるシュラヴァナ月が続いています。シュラヴァナ月のシヴァラートリーは、シヴァ神を礼拝するこの上ない吉祥な時です。2017は7月22日です(インドでは21日となります)。シュラヴァナ月のシヴァラートリーには、ガンジス川の聖水を用いたシヴァリンガムへのアビュシェーカが欠かせません。

このシュラヴァナ月に盛んになる巡礼に、カーンワル・ヤートラーがあります。カーンワルと呼ばれる水壺のついた天秤棒を担いでガンジス川流域へ赴き、ガンジス川の聖水を水壺に入れ、故郷へと戻る巡礼です。ガンジス河流域は、サフラン色の装束を身にまとい、天秤棒を担いで歩く巡礼者の熱気に包まれます。

首都のデリー近郊から聖地のハリドワールまで、巡礼者のために道路が規制される地域もあります。決して地面につけてはならないとされる天秤棒を下げるための柵もあちこちに設けられます。全行程を裸足で行う巡礼者も多く、とても過酷な歩みであっても、ガンジス河の聖水を自分の生まれた町へと持ち帰る重要な役割であり、巡礼者に選ばれることはとても名誉なことだと言われています。

皆様もどうぞ神聖なシヴァラートリーをお迎えください。

参照:http://www.drikpanchang.com/festivals/sawan/sawan-shivaratri-date-time.html?l=11960&year=2017

クリシュナ降誕祭

2017年8月14日、15日はクリシュナ神の降誕祭です。

クリシュナ降誕祭には、クリシュナ・ジャヤンティ、クリシュナ・ジャンマーシュタミー、ゴークラーシュタミー、クリシュナーシュタミーなどさまざまな名称があります。

クリシュナ降誕祭は、地域や教派によって行われる日程が異なります。
これは、伝統的なインド占星術によると、クリシュナ神の誕生日が、シュラヴァナ月の2回目の満月から新月に向かう8日目(アシュタミー)で、月の星座(ラーシ)がヴリシャバ(牡牛座)、ナクシャトラがローヒニーであることに由来します。

クリシュナ降誕祭は、上記すべての条件が揃う必要がありますが、多くのヒンドゥー教派の暦では、すべてが一致することがほとんどありません。

教派によっては、満月から新月に向かう8日目(アシュタミー)を重視するところもあれば、ナクシャトラがローヒニーであることを重要視する教派もあります。そのため、ヒンドゥー教派ごとに、独自の基準を設けて、クリシュナ神の降誕祭を祝うため、地域や教派によって、日程に違いが生じるようです[1]。(2017年は、8月14日、もしくは15日に祝福が行われます。)

ところで、クリシュナ降誕祭の日に、もっとも重要とされるマントラは、「オーム ナモー バガヴァテー ヴァースデーヴァーヤ」といわれます[2]。この日は、バジャンやキールタン、また瞑想や断食を行い、クリシュナを念想しながら神聖な1日を過ごします。
またこの日にできるもっとも簡単で偉大なクリシュナ神への礼拝は、バガヴァッド・ギーターを読むことであるといわれます。
バガヴァッド・ギーターを読むことは、クリシュナの偉大な教えを私たちに思い起こし、クリシュナを讃える最高の礼拝方法であるとされています。

また以下のような簡潔なクリシュナ・プージャーを行う事もできます[3]。

1.身体を洗い清め、静かで清浄な場所を用意します。
2.クリシュナ神とガネーシャ神の像や絵画を設置します。
3.ランプと花・果物・お菓子をお皿に用意します。
4.ガネーシャ神に祈りを捧げます。
5.心を落ち着かせるために、数分間瞑想します。
6.ランプに火を灯します。
7.クリシュナ神への瞑想または祈りを捧げます。
8.花を捧げ、お香を焚きます。トゥラシーの葉があればベストです。また花を捧げるときに、ベルを鳴らしても良いでしょう。
9.「オーム・ナモー・バガヴァテー・ヴァースデーヴァーヤ」あるいは「オーム・ナモー・ヴァースデーヴァーヤ・ナマハ」のマントラを唱えます。
10.このとき、用意した果物やお菓子、食物を捧げます。その後、聖水をふり撒いても良いでしょう。
11.この後、数分間瞑想するか、バガヴァッド・ギーターを読んだりして、神聖な時を過ごします。

プージャーの後は、果物やお菓子は、プラサード(神のお下がり)として、皆でいただくことができます。

クリシュナは、ギーターの中で、行為のすべてを彼に捧げ、彼を信愛することの大切さを説いています。魅力溢れる彼の人生を学び、クリシュナへの想いで、この神聖な1日を過ごすことができれば、クリシュナはきっとその想いに応えてくれるに違いありません。
皆さまにクリシュナ神の祝福がありますように。

[1]”Why is Sri Krishna Jayanti celebrated on two different days?”, http://www.hindu-blog.com/2007/08/why-is-sri-krishna-jayanti-celebrated.html
[2]”Significance of Sri Krishna Jayanti”, http://www.hindu-blog.com/2007/09/significance-of-sri-krishna-jayanti.html
[3]”How to do a Simple Shri Krishna Puja?”, http://www.hindu-blog.com/2008/08/how-to-do-simple-shri-krishna-puja.html

シュラヴァナ・マース2017

2017年7月10日~8月7日は、シュラヴァナと呼ばれる神聖な期間に入ります(地域によっては7月24日から8月21日となります)。

シュラヴァナ月(シュラヴァナ・マース)は、ヒンドゥー暦の5番目の月であり、もっとも神聖な月の1つです。この月は、チャトゥル・マース(4つの聖なる月)の最初の月にあたり、多くの祭典や吉兆の日で満たされています。
満月の日やシュラヴァナ月の期間は、ヴェーンカテーシュヴァラ神の誕生星である「シュラヴァナ」が天球を支配するため、この月はシュラヴァナ月と呼ばれるようになったといわれます。

特に、シュラヴァナ月の月曜日は、もっとも重要といわれます。この日は、シヴァ神に敬意を示し、多くの帰依者たちが、名高いソームヴァール・ヴラット(月曜絶食)を行います。
またシヴァ寺院では、この期間の月曜日は、一日中シヴァリンガムに聖水を浴びせ、シヴァ神を讃えます。

伝説によると、天地創造の神話であるサムッドラ・マンタン(乳海攪拌)は、この月に起きたといわれています。
シヴァ神が、世界を救うためにハラハラの毒を飲んだ結果、シヴァ神の喉は青くなってしまいました。そのため、シヴァ神は、ニーラ・カンタ(青い喉)と呼ばれるようになりました。
またその毒は、あまりに強力であったために、毒の影響を和らげるために、シヴァ神は三日月を頭に乗せて冷やしました。他の神々たちは、ガンジスの水をシヴァ神に浴びせ、毒の影響を和らげようとしました。
シヴァ神の頭に、三日月とガンジス河が描かれているのは、このような言い伝えがあるためです。

シュラヴァナ月の月曜日に、シヴァ神の象徴であるルドラークシャを身につけることはとても功徳ある行為とされています。
またシヴァ神像やシヴァリンガムに、ミルクやガンガージャルを浴びせることは、多くの功徳を積む行為とされています。

シュラヴァナ月に行うと良い行為には、以下のようなものがあります。
・ルドラークシャを身につける。またはルドラークシャ・マーラーでジャパを行う。
・シヴァ神像にヴィブーティをつける。または自身の眉間につける。
・シヴァリンガムにパンチャームリタ(ミルク、ヨーグルト、ギー、蜂蜜、ヤシ糖を混ぜた甘露)を捧げる。
・シヴァ・チャーリーサーやアーラティを唱える。
・マハー・ムリティユンジャヤ・マントラを唱える。
・月曜日に断食をする。未婚女性は、シュラヴァナ月のすべての月曜日に断食をすると、よい男性に巡り会えるといわれています。(シヴァ神はマッチメーカー(仲介役)としても有名な神様です)

またシュラヴァナはサンスクリット語で、「聴聞」の意味があるため、この期間は、グルの講話などを聞くことも大きな功徳を積む行為といわれています。
この神聖な期間を有意義に過ごしましょう。

参照:
Wikipedia, “Shravan”, https://en.wikipedia.org/wiki/Shraavana

アーシャーダ・グプタ・ナヴァラートリー

インドの盛大な祝祭の一つに、女神を讃える9日間の夜「ナヴァラートリー」があります。この祝祭は春と秋の2回行われることで有名であり、春はラーマ・ナヴァミ、また秋はダシャラーと共に、盛大な祝福が行われます。

このナヴァラートリーは春と秋の2回が有名ですが、もう2回、年に計4回祝福が行われます。その一つが、6月25日より始まったアーシャーダ・グプタ・ナヴァラートリーです。

このナヴァラートリーは、アーシャーダ月(6月〜7月)の新月の次の日より9日間に渡り、主にシャクティ派の人々によって祝福されます。2017年は、日本時間で6月25日から7月3日まで行われます(インド時間では2017年6月24日から7月3日まで)。

ナヴァラートリーは、ドゥルガー、ラクシュミー、サラスワティー女神を9日間に渡りお奉りする祝祭です。はじめの3日間は心の中に潜む不純物や悪徳、欠点を破壊するため、強力な戦士でもあるドゥルガー女神を礼拝します。次の3日間は、すべての帰依者に尽きることのない富と幸福を授けるといわれるラクシュミー女神を礼拝し、最後の3日間は、創造主ブラフマーの妻であり、学問と芸術、そして叡智を授ける女神であるサラスワティー女神を礼拝します。女神の9つの姿もまた、この時に讃えられます。

ナヴァラートリーの期間中、真摯な帰依者の中には、断食をしながら、健康や繁栄を願って祈りを捧げる人々もいます。季節の移り変わりに訪れるこのナヴァラートリーは、自身の日々の生活を見つめ直して、人生の向上につながる新しい習慣をはじめるこの上ない吉祥の日であるといわれています。

皆さまもどうぞお体をご自愛の上、吉兆な時をお過ごしください。

参照:http://www.drikpanchang.com/navratri/ashadha-gupta-navratri-dates.html?year=2017

カビールの生誕祭

2017年6月9日は満月です。

この満月は、インドの宗教改革者と言われ、神への愛を綴った究極の詩人とも言われるカビールの生誕祭として祝福されます。

カビールはヒンドゥー教徒として生まれるも捨てられ、低カーストのイスラム教徒の織工の夫婦に育てられと言われています。生涯を織工として過ごし、その中でカビールは神への陶酔を美しい詞に綴り、多くの人々を引きつけました。

祭儀や儀式、偶像崇拝の形式主義を批判し、宗教を超えた神への愛を説いた教えは、インドの宗教観にも大きな影響を与えます。シーク教もまた、カビールの思想の影響を受けたものであると言われます。

神は、寺院や聖地ではなく、人々の心の中に、そして日常の一つ一つの行いにあるとカビールは述べています。

この1ヶ月後の満月は、グルに感謝の意を捧げるグル・プールニマーです。これからの1ヶ月が、皆様にとって気づきに満ちた時となりますよう、心よりお祈り申し上げます。

参照:http://en.wikipedia.org/wiki/Kabir