バガヴァッド・ギーター第7章第20節

インド古典中もっとも有名なバガヴァッド・ギーターの原典講読です。
インドの霊的文化の支柱となる本書を、サンスクリット語の学習をしながらお楽しみください。

कामैस् तैस्तैर् हृतज्ञानाः
kāmais taistair hṛtajñānāḥ
カーマイス タイスタイル フリタジュニャーナーハ
種々の欲望によって、知識を奪われた人々は

kāmais【男性・複数・具格 kāma】[〜らによって、〜らをもって]〜に対する願望、欲望;愛、快楽;利益;性愛;愛の神
tais【男性・複数・具格、指示代名詞 tad】[〜らによって、〜らをもって]それ、あれ、彼
→tais tais【男性・複数・具格】[〜らによって、〜らをもって]あれこれ
hṛta√hṛの過去受動分詞】取られた、運び去られた、盗まれた、切断された
jñānās【男性・複数・主格 jñāna】知ること;知識;真の知識、優れた知識;知恵;企図;仮定;意識;感覚器官
→hṛtajñānās【男性・複数・主格、所有複合語】[〜らは、〜らが]知識が運び出された、知識を奪われた

प्रपद्यन्ते ऽन्यदेवताः ।
prapadyante ‘nyadevatāḥ |
プラパディヤンテー ニヤデーヴァターハ
他の神々に帰依する

prapadyante【三人称・複数・アートマネーパダ・現在 pra√pad】[彼らは〜、それらは〜]入る;(路に)踏み入る;(対格)に来る、〜へ赴く、〜へ通う;(対格)の助力を求める、〜の保護を求める;(ある状態)に入る、〜を受ける、〜を経験する;到達する
anya-:他の、別の、異なる;〜以外の
devatās【女性・複数・対格 devatā】[〜らに、〜らを]神性、神力;神格者;神像(聖像)

तंतं नियमम् आस्थाय
taṁtaṁ niyamam āsthāya
タンタン ニヤマム アースターヤ
各々の戒行に従って

tam【男性・単数・対格、指示代名詞 tad】[〜に、〜を]これ、あれ、彼
→tam tam【男性・単数・対格】[〜に、〜を]あれこれ
niyamam【男性・単数・対格 niyama】[〜に、〜を]抑制、制限;束縛;限定、定則、確実なこと;(特殊の場合における)絶対的必要;契約、約束;誓;自ら課した(宗教的)戒律、小さな(随時の)義務
āsthāya【ā√sthāの絶対分詞】[〜して、〜してから](処格)の上に立つ;(対格)に昇る・登る;(靴を)はく;〜に赴く・行く;(一連の行動を)開始する、〜に頼る、(振舞い)を採用する、(ある形を)とる、従う、(ある規則を)遵守する、(手段を)用いる、(行進を)始める、(努力を)する、(同情を)示す;採用する、確認する、真実と考える;(処格を)重視する

प्रकृत्या नियताः स्वया ॥
prakṛtyā niyatāḥ svayā ||
プラクリティヤー ニヤターハ スヴァヤー
自身の本性(プラクリティ)によって定められた

prakṛtyā【女性・単数・具格 prakṛti】[〜によって、〜をもって]本来(または自然)の形体・状態;性質、素質、傾向、気分;基本形態、型、標準、規則;自然;(自然の)始原的構成要素[それから他のすべてが展開される]、根本原質;(国家の)構成要素
niyatās【男性・複数・主格 niyatani√yamの過去受動分詞)】(処格)に結ばれた;握りしめられた;阻止された、抑制された;禁止された、中断された;確定された、確立された、固定した;不変な、一定した;制限された;〜に専心する
svayā【女性・単数・具格 sva】[〜によって、〜をもって]自身の、私の、汝の、彼の、彼女の、我々の、君達の、彼らの

कामैस् तैस्तैर्हृतज्ञानाः प्रपद्यन्तेऽन्यदेवताः ।
तंतं नियममास्थाय प्रकृत्या नियताः स्वया ॥२०॥

kāmais taistairhṛtajñānāḥ prapadyante’nyadevatāḥ |
taṁtaṁ niyamamāsthāya prakṛtyā niyatāḥ svayā ||20||
種々の欲望によって、知識を奪われた人々は、各々の戒行に従い、
自身の本性(プラクリティ)によって定められた他の神々に帰依する。

バガヴァッド・ギーター第7章第19節

インド古典中もっとも有名なバガヴァッド・ギーターの原典講読です。
インドの霊的文化の支柱となる本書を、サンスクリット語の学習をしながらお楽しみください。

बहूनां जन्मनाम् अन्ते
bahūnāṁ janmanām ante
バフーナーン ジャンマナーム アンテー
幾多の誕生の最後において

bahūnām【中性・複数・属格 bahu】豊富な、多量の;多数の、反覆された、たびたびの;(具格)に富んだ、(具格)の多くある
janmanām【中性・複数・属格 janma(=janman)】[〜の、〜にとって]誕生、起源、産出;生命、存在;誕生地;父;生物、実在;種族、家族;種類;性質;再生;方法;水
ante【男性・単数・処格 anta】[〜において、〜のなかで]端、縁辺、限界;近接;終局;死;末尾の文字、最後の文字[文法];(属格)の最高点、〜の極致;結論;解決、決定;条件;内部;(―゜)をもって終わること

ज्ञानवान् मां प्रपद्यते ।
jñānavān māṁ prapadyate |
ジュニャーナヴァーン マーン プラパディヤテー
知識ある人は、私に帰依する

jñānavān【男性・単数・主格 jñānavat】[〜は、〜が]知っている;学べる;優秀な知識を有する、知識のある、賢い
mām【単数・対格、一人称代名詞 mad】[〜を、〜に]私
prapadyate【三人称・単数・アートマネーパダ・現在 pra√pad】[彼は〜、それは〜]入る;(路に)踏み入る;(対格)に来る、〜へ赴く、〜へ通う;(対格)の助力を求める、〜の保護を求める;(ある状態)に入る、〜を受ける、〜を経験する;到達する

वासुदेवः सर्वम् इति
vāsudevaḥ sarvam iti
ヴァースデーヴァハ サルヴァム イティ
「クリシュナがすべてである」と(考えて)

vāsudevas【男性・単数・主格 vāsudeva】[〜は、〜が]クリシュナ、ヴィシュヌの名;ヴァスデーヴァの子孫、プンドラの王の名
sarvam【中性・単数・主格 sarva】すべての、一切の、各々の;全体の
iti【副詞】〜と、〜ということ、以上(しばしば引用句の後に置かれる)

स महात्मा सुदुर्लभः ॥
sa mahātmā sudurlabhaḥ ||
サ マハートマー スドゥルラバハ
この偉大な魂の人は、非常に得難い

sas【男性・単数・主格、指示代名詞 tad】[〜は、〜が]これ、あれ、彼
mahātmā【男性・単数・主格 mahātman】[〜は、〜が]至上精神、宇宙我、根本原理;知性 【形容詞】偉大な精神をもつ、高尚な心をもつ、高貴な;大いに知性に富む、非常に天分の豊かな、非常に賢い;気高い、顕著な、有名な(家族)、威力のある
sudurlabhas【男性・単数・主格 sudurlabha】非常に得難い、稀な、非常に(不定詞)し難い

बहूनां जन्मनामन्ते ज्ञानवान्मां प्रपद्यते ।
वासुदेवः सर्वमिति स महात्मा सुदुर्लभः ॥१९॥

bahūnāṁ janmanāmante jñānavānmāṁ prapadyate |
vāsudevaḥ sarvamiti sa mahātmā sudurlabhaḥ ||19||
幾多の誕生の最後に、知識ある人は、「クリシュナがすべてである」と悟り、
私に帰依する。このような偉大な魂の人は、非常に得難い。

バガヴァッド・ギーター第7章第18節

インド古典中もっとも有名なバガヴァッド・ギーターの原典講読です。
インドの霊的文化の支柱となる本書を、サンスクリット語の学習をしながらお楽しみください。

उदाराः सर्व एवैते
udārāḥ sarva evaite
ウダーラーハ サルヴァ エーヴァイテー
これらはすべて実に高貴である

udārās【男性・複数・主格 udāra】鼓舞する;高揚する、高い;多量の;名高き、優れた;名門の;威厳ある;声高い;快い;たいへん大きい
sarve【男性・複数・主格 sarva】すべての、一切の、あらゆる
eva【副詞】実に、真に(強意を表す。しばしば虚辞として使用)
ete【男性・複数・主格、指示代名詞 etad】[〜らは、〜らが]これ

ज्ञानी त्व् आत्मैव मे मतम् ।
jñānī tv ātmaiva me matam |
ジュニャーニー トヴ アートマイヴァ メー マタム
しかし、知識ある者は、私自身であると考えられる

jñānī【男性・単数・主格 jñānin】[〜は、〜が]知識あるもの;占術家、占星家
tu【接続詞】しかし、一方(虚辞としても使用)
ātmā【男性・単数・主格 ātman】[〜は、〜が]気息;霊魂;生命、自身;本質、本性;特色;身体;知性、悟性;我、最高我
me【単数・属格、一人称代名詞 mad(mamaの附帯形)】[〜の、〜にとって]私
matam【中性・単数・主格 mata√manの過去受動分詞)】〜と考えられた、見なされた、思われた、評価された;承認された、認可された、十分に考慮された;(属格)によって尊重された、尊敬された、好遇された;(―゜)によって高く評価された;意図された;憶測された;知られた

आस्थितः स हि युक्तात्मा
āsthitaḥ sa hi yuktātmā
アースティタハ サ ヒ ユクタートマー
なぜならば、彼は専心し、安住したから

āsthitas【男性・単数・主格 āsthitaā√sthāの過去受動分詞)】留まれた、住まわれた;企てられた、遂行された
sas【男性・単数・主格、指示代名詞 tad】[〜は、〜が]これ、あれ、彼
hi【不変化辞】なぜならば、〜のために;真に、確かに、実に
yukta【√yujの過去受動分詞)】くびき(軛)につながれた、(処格)に従事した、〜に専心した;(具格)に忙殺された、〜に専念した;(処格)に熱中した;集中した
ātmā【男性・単数・主格 ātman】気息;霊魂;生命、自身;本質、本性;特色;身体;知性、悟性;我、最高我
→yuktātmā【男性・単数・主格 yuktātman】専念した;(―゜)に没頭した

माम् एवानुत्तमां गतिम् ॥
mām evānuttamāṁ gatim ||
マーム エーヴァーヌッタマーン ガティム
最高の帰趨である私に

mām【単数・対格、一人称代名詞 mad】[〜を、〜に]私
eva【副詞】実に、真に(強意を表す。しばしば虚辞として使用)
anuttamām【女性・単数・対格 anuttama】(それ以上高位のもののない)、最高の、最優の;最強の
gatim【女性・単数・対格 gati】[〜に、〜を]行くこと、歩態、前進、動作、行動、飛行;退去、出発;行進、進行;成功;〜の獲得;〜に対する服従;路、進路、小径;出口;根源、根底;手段、方法、可能性;策略;避難所;状態、状況、条件、位置;性質;幸福;輪廻、人間の運命;風習

उदाराः सर्व एवैते ज्ञानी त्वात्मैव मे मतम् ।
आस्थितः स हि युक्तात्मा मामेवानुत्तमां गतिम् ॥१८॥

udārāḥ sarva evaite jñānī tvātmaiva me matam |
āsthitaḥ sa hi yuktātmā māmevānuttamāṁ gatim ||18||
彼らはみな高貴であるが、中でも知識ある者は、私自身と考えられる。
なぜならば、彼は専心し、最高の帰趨である私に安住しているから。

バガヴァッド・ギーター第7章第17節

インド古典中もっとも有名なバガヴァッド・ギーターの原典講読です。
インドの霊的文化の支柱となる本書を、サンスクリット語の学習をしながらお楽しみください。

तेषां ज्ञानी नित्ययुक्त
teṣāṁ jñānī nityayukta
テーシャーン ジュニャーニー ニッティヤユクタ
彼らのうち、知識ある者は、常に専心し

teṣām【男性・複数・属格、指示代名詞 tad】[〜らの、〜らにとって]それ、あれ、これ
jñānī【男性・単数・主格 jñānin】[〜は、〜が]知識あるもの;占術家、占星家
nitya【副詞】恒久的に、不易に、常に;不変に
yuktas【男性・単数・主格 yukta√yujの過去受動分詞)】くびき(軛)につながれた、(処格)に従事した、〜に専心した;(具格)に忙殺された、〜に専念した;(処格)に熱中した;集中した;〜に適した・相当する・ふさわしい;正しい、正確な;〜に適応した

एकभक्तिर् विशिष्यते ।
ekabhaktir viśiṣyate |
エーカバクティル ヴィシッシャテー
一途に信愛を捧げる者は、より優れている

ekabhaktis【女性・単数・主格 ekabhakti(=ekabhakta)】[〜は、〜が]一夫に仕える、忠実な
viśiṣyate【三人称・単数・現在・受動活用 vi√śiṣ】[彼は〜される、それは〜される]大いに尊重される;より優れている

प्रियो हि ज्ञानिनो ऽत्यर्थम्
priyo hi jñānino ‘tyartham
プリヨー ヒ ジュニャーニノー ティヤルタム
なぜなら、知識ある者にとって、非常に愛しい

priyas【男性・単数・主格 priya】〜に親しい、〜に愛された;寵愛を受ける、慈しまれた;喜ばしい、愉快な;高価な;〜を好む、〜に傾いた・執着した 【中性名詞】好意、親愛、親切、愛、楽しみ、喜び
hi【不変化辞】なぜならば、〜のために;真に、確かに、実に
jñāninas【男性・単数・属格 jñānin】[〜の、〜にとって]知識あるもの;占術家、占星家
atyartham【副詞】非常に、甚だ

अहं स च मम प्रियः ॥
ahaṁ sa ca mama priyaḥ ||
アハン サ チャ ママ プリヤハ
私は、そして私にとって、彼は愛しい

aham【単数・主格、一人称代名詞 mad】[〜は、〜が]私
sas【男性・単数・主格、指示代名詞 tad】[〜は、〜が]これ、あれ、彼
ca【接続詞】そして、また、〜と
mama【単数・属格、一人称代名詞 mad】[〜の、〜にとって]私
priyas【男性・単数・主格 priya】〜に親しい、〜に愛された;寵愛を受ける、慈しまれた;喜ばしい、愉快な;高価な;〜を好む、〜に傾いた・執着した 【中性名詞】好意、親愛、親切、愛、楽しみ、喜び

तेषां ज्ञानी नित्ययुक्त एकभक्तिर्विशिष्यते ।
प्रियो हि ज्ञानिनोऽत्यर्थमहं स च मम प्रियः ॥१७॥

teṣāṁ jñānī nityayukta ekabhaktirviśiṣyate |
priyo hi jñānino’tyarthamahaṁ sa ca mama priyaḥ ||17||
彼らのうち、常に専心し、一途に信愛を捧げる知識ある者は、より優れている。
なぜなら、知識ある者にとって、私は非常に愛しく、そして私にとって、彼は愛しいから。

バガヴァッド・ギーター第7章第16節

インド古典中もっとも有名なバガヴァッド・ギーターの原典講読です。
インドの霊的文化の支柱となる本書を、サンスクリット語の学習をしながらお楽しみください。

चतुर्विधा भजन्ते मां
caturvidhā bhajante māṁ
チャトゥルヴィダー バジャテー マーン
四種の者たちが、私を礼拝する

caturvidhās【男性・複数・主格 caturvidha】[〜らは、〜らが]四重の、四種の
bhajante【三人称・複数・アートマネーパダ・現在 √bhaj】[彼は〜、それは〜]分配する、分かつ;実行する、従う、守る;好意を示す;愛する;尊敬する、崇め尊ぶ、崇拝する
mām【単数・対格、一人称代名詞 mad】[〜を、〜に]私

जनाः सुकृतिनो ऽर्जुन ।
janāḥ sukṛtino ‘rjuna |
ジャナーハ スクリティノー ルジュナ
善行を行う人々が、アルジュナよ

janās【男性・複数・主格 jana】[〜らは、〜らが]生物;人、個人;民族、種族;人民、臣民;人々
sukṛtinas【男性・複数・主格 sukṛtin】善行を行う、有徳の;富裕な、幸運な;教養ある、賢い
arjuna【男性・単数・呼格 arjuna】[〜よ]アルジュナ

आर्तो जिज्ञासुर् अर्थार्थी
ārto jijñāsur arthārthī
アールトー ジジュニャースル アルタールティー
悩める者、知識を求める者、富を求める者

ārtas【男性・単数・主格 ārtaā√ṛの過去受動分詞)】[〜は、〜が](困難に)陥った;悩まされた、悲嘆にくれた;傷ついた、苦しんだ、悩んだ;〜を患う、〜を心痛する
jijñāsus【男性・単数・主格 jijñāsu】[〜は、〜が]会得・吟味しようと欲する、探求する
arthārthī【男性・単数・主格 arthārthin】[〜は、〜が]利己心のある、我利的な、富を望む

ज्ञानी च भरतर्षभ ॥
jñānī ca bharatarṣabha ||
ジュニャーニー チャ バラタルシャバ
そして知識ある者である、アルジュナよ

jñānī【男性・単数・主格 jñānin】[〜は、〜が]知識あるもの;占術家、占星家
ca【接続詞】そして、また、〜と
bharatarṣabha【男性・単数・呼格 bharatarṣabha】[〜よ]インドの雄牛;インドの後裔、インドの王;アルジュナの呼称、ヴィシュヴァーミトラの呼称

चतुर्विधा भजन्ते मां जनाः सुकृतिनोऽर्जुन ।
आर्तो जिज्ञासुरर्थार्थी ज्ञानी च भरतर्षभ ॥१६॥

caturvidhā bhajante māṁ janāḥ sukṛtino’rjuna |
ārto jijñāsurarthārthī jñānī ca bharatarṣabha ||16||
アルジュナよ、四種の善行者が、私を礼拝する。
すなわち、悩める者、知識を求める者、富を求める者、そして知識ある者である。

バガヴァッド・ギーター第7章第15節

インド古典中もっとも有名なバガヴァッド・ギーターの原典講読です。
インドの霊的文化の支柱となる本書を、サンスクリット語の学習をしながらお楽しみください。

न मां दुष्कृतिनो मूढाः
na māṁ duṣkṛtino mūḍhāḥ
ナ マーン ドゥシュクリティノー ムーダーハ
迷える罪人たちは、私にない

na【否定辞】〜でない
mām【単数・対格、一人称代名詞 mad】[〜を、〜に]私
duṣkṛtinas【男性・複数・主格 duṣkṛtin(=duṣkṛti)】[〜らは、〜らが]罪人、悪人 【形容詞】罪を犯した
mūḍhās【男性・複数・主格 mūḍha√muhの過去受動分詞)】迷った;進路を失った(船);〜について困惑した・混乱した・当惑した・不確実な;愚鈍な、愚かな、鈍い、低能な;途方に暮れた

प्रपद्यन्ते नराधमाः ।
prapadyante narādhamāḥ |
プラパディヤンテー ナラーダマーハ
彼らは帰依し(ない)、もっとも卑しい人々は

prapadyante【三人称・複数・アートマネーパダ・現在 pra√pad】[彼らは〜、それらは〜]入る;(路に)踏み入る;(対格)に来る、〜へ赴く、〜へ通う;(対格)の助力を求める、〜の保護を求める;(ある状態)に入る、〜を受ける、〜を経験する;到達する
narādhamās【男性・複数・主格 narādhama】[〜らは、〜らが]もっとも卑しい人、もっとも低い・価値のない人

माययापहृतज्ञाना
māyayāpahṛtajñānā
マーヤヤーパフリタジュニャーナー
幻力(マーヤー)によって、知識を奪われ

māyayā【女性・単数・具格 māyā】[〜によって、〜をもって]術、不可思議の力;策略、計略、狡計;詭計、詐欺;手品、妖術;幻像、幻想;幻影
apahṛtaapa√hṛの過去受動分詞】取り去られた、運び去られた;盗まれた、奪われた
jñānās【中性・複数・主格 jñānā】知ること;知識;真の知識、優れた知識;知恵;企図;仮定;意識;感覚器官
→apahṛtajñānā【男性・複数・主格、所有複合語】[〜らは、〜らが]知識を奪われた

आसुरं भावम् आश्रिताः ॥
āsuraṁ bhāvam āśritāḥ ||
アーシュラン バーヴァム アーシュリターハ
阿修羅のような状態に止まる

āsuram【男性・単数・対格 āsura】精神の、神の;幽鬼の、阿修羅の、幽鬼のような
bhāvam【男性・単数・対格 bhāva】[〜に、〜を]生成すること、生起すること、起こること;(―゜)に変わること、(処格)に変化すること;在ること、存在;永続、存続;〜である状態;あること・成ること;振る舞い、行状;状態、状況;階級、地位
āśritās【男性・複数・主格 āśritaā√śriの過去受動分詞)】〜に寄りかかる・によって支持された・頼る・庇護を求める・に献身した・服従する;〜にくっつく・執着した・に特有な;〜に依存する・基づいた;〜に関する;〜にしげしげ通った・住む・居住する・立つ・坐る・横たわる・休む・〜の上にある;〜に達した・到着した;〜の所有に帰した・属した;〜に頼った・を選んだ・に献身した・を獲得した;(報酬を)顧慮した

न मां दुष्कृतिनो मूढाः प्रपद्यन्ते नराधमाः ।
माययापहृतज्ञाना आसुरं भावमाश्रिताः ॥१५॥

na māṁ duṣkṛtino mūḍhāḥ prapadyante narādhamāḥ |
māyayāpahṛtajñānā āsuraṁ bhāvamāśritāḥ ||15||
迷える罪人たち、もっとも卑しい人々は、私に帰依しない。
彼らは幻力(マーヤー)によって知識を奪われ、阿修羅のような状態に止まる。

バガヴァッド・ギーター第7章第14節

インド古典中もっとも有名なバガヴァッド・ギーターの原典講読です。
インドの霊的文化の支柱となる本書を、サンスクリット語の学習をしながらお楽しみください。

दैवी ह्य् एषा गुणमयी
daivī hy eṣā guṇamayī
ダイヴィー ヒ エーシャー グナマイー
なぜならば、この神聖な要素(グナ)よりなる

daivī【女性・単数・主格 daivī(=daivya)】神の、神聖な
hi【不変化辞】なぜならば、〜のために;真に、確かに、実に
eṣā【女性・単数・主格、指示代名詞 etad】[〜は、〜が]これ
guṇamayī【女性・単数・主格 guṇamaya】糸よりなる、繊維質の;徳ある;根本三元素よりなる

मम माया दुरत्यया ।
mama māyā duratyayā |
ママ マーヤー ドゥラティヤヤー
私の幻力(マーヤー)は超え難いから

mama【単数・属格、一人称代名詞 mad】[〜の、〜にとって]私
māyā【女性・単数・主格 māyā】[〜は、〜が]術、不可思議の力;策略、計略、狡計;詭計、詐欺;手品、妖術;幻像、幻想;幻影
duratyayā【女性・単数・主格 duratyaya(=duratikrama)】得難い、近寄り難い;測り難い

माम् एव ये प्रपद्यन्ते
mām eva ye prapadyante
マーム エーヴァ イェー プラパディヤンテー
実に、私に帰依する人々は

mām【単数・対格、一人称代名詞 mad】[〜を、〜に]私
eva【副詞】実に、真に(強意を表す。しばしば虚辞として使用)
ye【男性・複数・主格、関係代名詞 yad】[〜らは、〜らが]〜であるところの、〜であるもの、〜である人
prapadyante【三人称・複数・アートマネーパダ・現在 pra√pad】[彼らは〜、それらは〜]入る;(路に)踏み入る;(対格)に来る、〜へ赴く、〜へ通う;(対格)の助力を求める、〜の保護を求める;(ある状態)に入る、〜を受ける、〜を経験する;到達する

मायाम् एतां तरन्ति ते ॥
māyām etāṁ taranti te ||
マーヤーム エーターン タランティ テー
彼らはこの幻力(マーヤー)を超える

māyām【女性・単数・対格 māyā】[〜に、〜を]術、不可思議の力;策略、計略、狡計;詭計、詐欺;手品、妖術;幻像、幻想;幻影
etām【女性・単数・対格、指示代名詞 etad】[〜に、〜を]これ
taranti【三人称・複数・パラスマイパダ・現在 √tṝ】[彼らは〜、それらは〜]横切る、渡る、渡す;横断する;渡航する;(対格)を横切り超える;浮かぶ、泳ぐ;果たす、完成する;履行する;過ぎる、克服する、免れる;得る:救う
te【男性・複数・主格、指示代名詞 tad】[〜らは、〜らが]それ、あれ、彼

दैवी ह्येषा गुणमयी मम माया दुरत्यया ।
मामेव ये प्रपद्यन्ते मायामेतां तरन्ति ते ॥१४॥

daivī hyeṣā guṇamayī mama māyā duratyayā |
māmeva ye prapadyante māyāmetāṁ taranti te ||14||
なぜならば、この神聖な要素(グナ)よりなる私の幻力(マーヤー)は超え難いから。
私に帰依する人々のみ、この幻力(マーヤー)を超える。

バガヴァッド・ギーター第7章第13節

インド古典中もっとも有名なバガヴァッド・ギーターの原典講読です。
インドの霊的文化の支柱となる本書を、サンスクリット語の学習をしながらお楽しみください。

त्रिभिर् गुणमयैर् भावैर्
tribhir guṇamayair bhāvair
トリビル グナマヤイル バーヴァイル
三種の要素(グナ)よりなる状態によって

tribhis【男性・複数・具格 tri】[〜らによって、〜らをもって]3
guṇamayais【男性・複数・具格 guṇamaya】[〜らによって、〜らをもって]糸よりなる、繊維質の;徳ある;根本三元素よりなる
bhāvais【男性・複数・具格 bhāva】[〜らによって、〜らをもって]生成すること、生起すること、起こること;(―゜)に変わること、(処格)に変化すること;在ること、存在;永続、存続;〜である状態;あること・成ること;振る舞い、行状;状態、状況;階級、地位

एभिः सर्वम् इदं जगत् ।
ebhiḥ sarvam idaṁ jagat |
エービヒ サルヴァム イダン ジャガット
これらによって、この全世界は

ebhis【男性・複数・具格、指示代名詞 idam】[〜らによって、〜らをもって]これ
sarvam【中性・単数・主格 sarva】すべての、一切の、各々の;全体の
idam【中性・単数・主格、指示代名詞 idam】[〜は、〜が]これ
jagat【中性・単数・主格 jagat】[〜は、〜が]すべての動くもの;動物;人;世界、この世;大地;(両数)天上と下界;(複数)諸世界

मोहितं नाभिजानाति
mohitaṁ nābhijānāti
モーヒタン ナービジャーナーティ
惑わされ、認識しない

mohitam【中性単数・主格 mohita√muhの使役活用)】混乱した、知覚を失った、呆然とした、途方に暮れた
na【否定辞】〜でない
abhijānāti【三人称・単数・パラスマイパダ・現在 abhi√jñā】[彼は〜、それは〜]了解する、悟る、知る;(対格)を(対格)と認める・見なす;記憶する

माम् एभ्यः परम् अव्ययम् ॥
mām ebhyaḥ param avyayam ||
マーム エービヤハ パラム アヴィヤヤム
これらより高い不変の私を

mām【単数・対格、一人称代名詞 mad】[〜を、〜に]私
ebhyas【男性・複数・為格、指示代名詞 idam】[〜らに、〜らのために]これ
param【男性・単数・対格 para】最高の;より優れた、より高い、より良い、より悪い;最上の、卓越した、最善の;最大の
avyayam【男性・単数・対格 avyaya】不滅の、不変の;慳貪の

त्रिभिर्गुणमयैर्भावैरेभिः सर्वमिदं जगत् ।
मोहितं नाभिजानाति मामेभ्यः परमव्ययम् ॥१३॥

tribhirguṇamayairbhāvairebhiḥ sarvamidaṁ jagat |
mohitaṁ nābhijānāti māmebhyaḥ paramavyayam ||13||
この三種の要素(グナ)からなる状態によって、
この全世界は惑わされ、これらより高い不変の私を認識しない。

バガヴァッド・ギーター第7章第12節

インド古典中もっとも有名なバガヴァッド・ギーターの原典講読です。
インドの霊的文化の支柱となる本書を、サンスクリット語の学習をしながらお楽しみください。

ये चैव सात्त्विका भावा
ye caiva sāttvikā bhāvā
イェー チャイヴァ サーットヴィカー バーヴァー
サットヴァに属する状態は

ye【男性・複数・主格、関係代名詞 yad】〜であるところの、〜であるもの、〜である人
ca【接続詞】そして、また、〜と
eva【副詞】実に、真に(強意を表す。しばしば虚辞として使用)
sāttvikās【男性・複数・主格 sāttvika】元気のよい、精力の盛んな(人間);サットヴァ(三グナの一つ)と関係した、サットヴァによって支配された等;内面的な感情・情緒を示す
bhāvās【男性・複数・主格 bhāva】[〜らは、〜らが]生成すること、生起すること、起こること;(―゜)に変わること、(処格)に変化すること;在ること、存在;永続、存続;〜である状態;あること・成ること;振る舞い、行状;状態、状況;階級、地位

राजसास् तामसाश्च ये ।
rājasās tāmasāśca ye |
ラージャサース ターマサーシュチャ イェー
そしてラジャスとタマスに属する

rājasās【男性・複数・主格 rājasa】ラジャス(動性)に属する・関する、激情を賦与された
tāmasās【男性・複数・主格 tāmasa】暗い;タマスの性質に関する、誤謬・無知と関係した、無知な;種々の
ca【接続詞】そして、また、〜と
ye【男性・複数・主格、関係代名詞 yad】〜であるところの、〜であるもの、〜である人

मत्त एवेति तान् विद्धि
matta eveti tān viddhi
マッタ エーヴェーティ ターン ヴィッディ
実に私からのものと、それらを知れ

mattas【単数・従格、一人称代名詞 mad】[〜から、〜より]私
eva【副詞】実に、真に(強意を表す。しばしば虚辞として使用)
iti【副詞】〜と、〜ということ、以上(しばしば引用句の後に置かれる)
tān【男性・複数・対格、指示代名詞 tad】[〜らに、〜らを]これ、あれ、彼
viddhi【二人称・単数・パラスマイパダ・命令法 √vid】[あなたは〜せよ]知る、理解する、気付く、学ぶ

न त्व् अहं तेषु ते मयि ॥
na tv ahaṁ teṣu te mayi ||
ナ トヴ アハン テーシュ テー マイ
しかし、私はそれらの中になく、それらが私の中にある

na【否定辞】〜でない
tu【接続詞】しかし、一方(虚辞としても使用)
aham【単数・主格、一人称代名詞 mad】[〜は、〜が]私
teṣu【男性・複数・処格、指示代名詞 tad】[〜らにおいて、〜らのなかで]それ、あれ、彼
te【男性・複数・主格、指示代名詞 tad】[〜らは、〜らが]それ、あれ、彼
mayi【単数・処格、一人称代名詞 mad】[〜において、〜のなかで]私

ये चैव सात्त्विका भावा राजसास्तामसाश्च ये ।
मत्त एवेति तान् विद्धि न त्वहं तेषु ते मयि ॥१२॥

ye caiva sāttvikā bhāvā rājasāstāmasāśca ye |
matta eveti tān viddhi na tvahaṁ teṣu te mayi ||12||
サットヴァ(純質)、ラジャス(激質)、タマス(暗質)に属する状態は、私から生じると知りなさい。
しかし、私はそれらの中にはなく、それらが私の中にある。

バガヴァッド・ギーター第7章第11節

インド古典中もっとも有名なバガヴァッド・ギーターの原典講読です。
インドの霊的文化の支柱となる本書を、サンスクリット語の学習をしながらお楽しみください。

बलं बलवतां चाहं
balaṁ balavatāṁ cāhaṁ
バラン バラヴァターン チャーハン
また私は力ある者たちの力である

balam【中性・単数・主格 bala】[〜は、〜が]力、能力、体力、活力;強力な手段、暴力;効力;〜に熟達したこと;軍隊、軍勢、陸軍
balavatām【男性・複数・属格 balavat】[〜らの、〜らにとって]強い、力のある、力強い;烈しい(欲望等);濃い(闇);肥満した、重い;広く行われる、主要な;(従格)よりも重い・重要な;軍隊をともなった
ca【接続詞】そして、また、〜と
aham【単数・主格、一人称代名詞 mad】[〜は、〜が]私

कामरागविवर्जितम् ।
kāmarāgavivarjitam |
カーマラーガヴィヴァルジタム
欲望と愛執を離れた

kāma【男性】〜に対する願望、欲望;愛、快楽;利益;性愛;愛の神
rāga【男性】激しい欲望、情熱、愛、愛情、同情
vivarjitam【中性・単数・主格 vivarjitavi√vṛjの過去受動分詞)】〜にとり残された、〜を奪われた、〜を欠く、〜に不足する、〜を免れた;除く、除外する
→kāmarāgavivarjitam【中性・単数・主格、限定複合語】欲望と愛執を離れた

धर्माविरुद्धो भूतेषु
dharmāviruddho bhūteṣu
ダルマーヴィルッドー ブーテーシュ
生類において、法(ダルマ)に反しない

dharma【男性】秩序、慣例、習慣、風習、法則、既定;規則;義務;得、美徳、善行;宗教;教説;正義;公正;法律;性質、性格、本質、属性
aviruddhas【男性・単数・主格 aviruddha(a-vi√rudhの過去受動分詞)】妨げられない;〜に反対しない;〜と敵対しない、〜と一致した;不愉快でない
→dharmāviruddhas【男性・単数・主格、限定複合語】法に反しない、正義に悖らない
bhūteṣu【男性・複数・処格 bhūta】[〜らにおいて、〜らのなかで]存在物[神・人・動物および植物を含む];被創造物;万物;世界

कामो ऽस्मि भरतर्षभ ॥
kāmo ‘smi bharatarṣabha ||
カーモー スミ バラタルシャバ
私は欲望である、アルジュナよ

kāmas【男性・単数・主格 kāma】[〜は、〜が]〜に対する願望、欲望;愛、快楽;利益;性愛;愛の神
asmi【一人称・単数・パラスマイパダ・現在 √as】[私は〜]ある、存在する、実在する
bharatarṣabha【男性・単数・呼格 bharatarṣabha】[〜よ]インドの雄牛;インドの後裔、インドの王;アルジュナの呼称、ヴィシュヴァーミトラの呼称

बलं बलवतां चाहं कामरागविवर्जितम् ।
धर्माविरुद्धो भूतेषु कामोऽस्मि भरतर्षभ ॥११॥

balaṁ balavatāṁ cāhaṁ kāmarāgavivarjitam |
dharmāviruddho bhūteṣu kāmo’smi bharatarṣabha ||11||
私は、力ある者たちの、欲望と愛執を除いた力である。
生類において、法(ダルマ)に反しない欲望(カーマ)である。