バガヴァッド・ギーター第8章第19節

インド古典中もっとも有名なバガヴァッド・ギーターの原典講読です。
インドの霊的文化の支柱となる本書を、サンスクリット語の学習をしながらお楽しみください。

भूतग्रामः स एवायं
bhūtagrāmaḥ sa evāyaṁ
ブータグラーマハ サ エーヴァーヤン
この万物の群は、実にこれは

bhūtagrāmas【男性・単数・主格 bhūtagrāma】[〜は、〜が]創造物の集団、存在物の仲間;多数の精霊
sas【男性・単数・主格、指示代名詞 tad】[〜は、〜が]これ、あれ、彼
eva【副詞】実に、真に(強意を表す。しばしば虚辞として使用)
ayam【男性・単数・主格、指示代名詞 idam】[〜は、〜が]これ

भूत्वा भूत्वा प्रलीयते ।
bhūtvā bhūtvā pralīyate |
ブートヴァー ブートヴァー プラリーヤテー
繰り返し生じて、消滅する

bhūtvā【絶対分詞 √bhū】[〜して、〜してから]ある、存在する、〜となる;生じる
→bhūtvā bhūtvā:繰り返し生じて、何度も生成して
pralīyate【三人称・単数・アートマネーパダ・現在 pra√lī】[彼は〜、それは〜](処格)中に溶解される・吸収される;見えなくなる、死ぬ

रात्र्यागमे ऽवशः पार्थ
rātryāgame ‘vaśaḥ pārtha
ラートリヤーガメー ヴァシャハ パールタ
夜が来るとき、意志にかかわらず、アルジュナよ

rātryāgame【男性・単数・処格 rātryāgama】[〜において、〜のなかで]夜となること
avaśas【男性・単数・主格 avaśa】(他人)の意志に従わない;独立の、自由な;欲しない;自分の自由意志を有しない、(他人)の嫌がることをする
pārtha【男性・単数・呼格 pārtha】[〜よ]プリターの息子。アルジュナのこと。

प्रभवत्य् अहरागमे ॥
prabhavaty aharāgame ||
プラバヴァティ アハラーガメー
日が昇るとき、それらは出現する

prabhavati【三人称・単数・パラスマイパダ・現在 pra√bhū】[彼らは〜、それらは〜](従格)から現れる・起こる・飛び出す・生み出される・由来する;出現する、見える;より多い、多数である;(前にある)優位を占める、優れる、有力である、力を増加する;〜を支配する・統御する・意のままに駆使する;〜に匹敵する、〜する力がある
aharāgame【男性・単数・処格 aharāgama】[〜において、〜のなかで]夜明け

भूतग्रामः स एवायं भूत्वा भूत्वा प्रलीयते ।
रात्र्यागमेऽवशः पार्थ प्रभवत्यहरागमे ॥१९॥

bhūtagrāmaḥ sa evāyaṁ bhūtvā bhūtvā pralīyate |
rātryāgame’vaśaḥ pārtha prabhavatyaharāgame ||19||
この万物の群は繰り返し生じ、夜が来ると自然に消滅する。
アルジュナよ、日が昇るとき、それらは再び出現する。

バガヴァッド・ギーター第8章第18節

インド古典中もっとも有名なバガヴァッド・ギーターの原典講読です。
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अव्यक्ताद् व्यक्तयः सर्वाः
avyaktād vyaktayaḥ sarvāḥ
アヴァヤクタード ヴィヤクタヤハ サルヴァーハ
非顕現のものから、すべての顕現が

avyaktāt【男性・単数・従格 avyakta(a-vi√añjの過去受動分詞)】[〜から、〜より]非顕現の、現れない、認めがたい;不明瞭な、目に見えない、感知できない
vyaktayas【女性・複数・主格 vyakti】[〜らは、〜らが]示現、出現;明瞭、明晰;区別、差異;差別された物、個物;文法上の性
sarvās【女性・複数・主格 sarva】すべての、一切の、各々の;全体の

प्रभवन्त्य् अहरागमे ।
prabhavanty aharāgame |
プラバヴァンティ アハラーガメー
出現する、日が昇るとき

prabhavanti【三人称・複数・パラスマイパダ・現在 pra√bhū】[彼らは〜、それらは〜](従格)から現れる・起こる・飛び出す・生み出される・由来する;出現する、見える;より多い、多数である;(前にある)優位を占める、優れる、有力である、力を増加する;〜を支配する・統御する・意のままに駆使する;〜に匹敵する、〜する力がある
aharāgame【男性・単数・処格 aharāgama】[〜において、〜のなかで]夜明け

रात्र्यागमे प्रलीयन्ते
rātryāgame pralīyante
ラートリヤーガメープラリーヤンテー
夜が来るとき、それらは消滅する

rātryāgame【男性・単数・処格 rātryāgama】[〜において、〜のなかで]夜となること
pralīyante【三人称・複数・アートマネーパダ・現在 pra√lī】[彼らは〜、それらは〜](処格)中に溶解される・吸収される;見えなくなる、死ぬ

तत्रैवाव्यक्तसंज्ञके ॥
tatraivāvyaktasaṁjñake ||
タトライヴァーヴィヤクタサンジュニャケー
その時、まさに非顕現と呼ばれるものの中に

tatra【副詞】そこに;そこへ;ここに;それのために、その場合に、その時に
eva【副詞】実に、真に(強意を表す。しばしば虚辞として使用)
avyakta【男性 a-vi√añjの過去受動分詞】非顕現の、現れない、認めがたい;不明瞭な、目に見えない、感知できない
saṁjñake【男性・単数・処格 saṁjñaka】[〜において、〜のなかで]名前の;(―゜)と称せられる、呼ばれる
→avyaktasaṁjñake【男性・単数・処格、所有複合語】[〜において、〜のなかで]非顕現と呼ばれる

अव्यक्ताद्व्यक्तयः सर्वाः प्रभवन्त्यहरागमे ।
रात्र्यागमे प्रलीयन्ते तत्रैवाव्यक्तसंज्ञके ॥१८॥

avyaktādvyaktayaḥ sarvāḥ prabhavantyaharāgame |
rātryāgame pralīyante tatraivāvyaktasaṁjñake ||18||
日が昇るとき、非顕現のものから、すべての顕現が出現する。
夜が来るとき、それらは非顕現と呼ばれるものの中に消滅する。

バガヴァッド・ギーター第8章第17節

インド古典中もっとも有名なバガヴァッド・ギーターの原典講読です。
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सहस्रयुगपर्यन्तम्
sahasrayugaparyantam
サハスラユガパリヤンタム
一千世期(ユガ)に及ぶ

sahasra【中性】千(また大きな数または多量をあらわすのに用いられる);千頭の牡牛
yuga【中性】軛;一対、夫婦;(一文章を形成する)二詩節;人類;世代、生涯;宇宙の年紀
paryantam【男性・単数・対格 paryanta】(周囲の限界)、境、境界、裾、限界、端、終;(゜―)境界を接した、隣接した 【形容詞】(―゜)〜で取り巻かれた・限定された、〜に達した、〜で終わる 【〜m】(―゜)の終わりに、〜に及んで、〜まで、〜の限り
→sahasrayugaparyantam【男性・単数・対格、限定複合語】一千世期に及んで、一千世期まで

अहर् यद् ब्रह्मणो विदुः ।
ahar yad brahmaṇo viduḥ |
アハル ヤッド ブラフマノー ヴィドゥフ
ブラフマンの昼を、知った

ahar【中性・単数・対格 ahar】[〜に、〜を]日、昼
yat【中性・単数・対格、関係代名詞 yad】[〜に、〜を]〜であるもの、〜である人
brahmaṇas【中性・単数・属格 brahman】[〜の、〜にとって]聖智に満ちた者、婆羅門;祭官とくにヴェーダ祭式を総監する祭官;ブラフマンを神格化した最高神、梵天、宇宙の創造者として保持者ヴィシュヌおよび破壊神シヴァとともにトリムルティを形成する神格;理性
vidus【三人称・複数・パラスマイパダ・完了 √vid】[彼らは〜した、それらは〜した]知る、理解する、気付く、学ぶ

रात्रिं युगसहस्रान्तां
rātriṁ yugasahasrāntāṁ
ラートリン ユガサハスラーンターン
一千世期(ユガ)で終わる夜を

rātrim【女性・単数・対格 rātri】[〜に、〜を]夜;インドサフラン・うこん草
sahasra【中性】千(また大きな数または多量をあらわすのに用いられる);千頭の牡牛
yuga【中性】軛;一対、夫婦;(一文章を形成する)二詩節;人類;世代、生涯;宇宙の年紀
antām【女性・単数・対格 anta】[〜に、〜を]端、縁辺、限界;近接;終局;死;末尾の文字、最後の文字[文法];(属格)の最高点、〜の極致;結論;解決、決定;条件;内部;(―゜)をもって終わること
→yugasahasrāntām【女性・単数・対格、限定複合語】一千世期で終わる

ते ऽहोरात्रविदो जनाः ॥
te ‘horātravido janāḥ ||
テー ホーラートラヴィドー ジャナーハ
彼らは昼夜を知る人々である

te【男性・複数・主格、指示代名詞 tad】[〜らは、〜らが]それ、あれ、彼
ahorātra【男性・中性】昼と夜
vidas【男性・複数・主格 vid】[〜らは、〜らが][合成語の終わり](―゜)を知る・理解する・熟知する
janās【男性・複数・主格 jana】[〜らは、〜らが]生物;人、個人;民族、種族;人民、臣民;人々

सहस्रयुगपर्यन्तमहर्यद् ब्रह्मणो विदुः ।
रात्रिं युगसहस्रान्तां तेऽहोरात्रविदो जनाः ॥१७॥

sahasrayugaparyantamaharyad brahmaṇo viduḥ |
rātriṁ yugasahasrāntāṁ te’horātravido janāḥ ||17||
ブラフマンの昼は一千世期(ユガ)に及び、夜は一千世期(ユガ)で終わると
知る人々は、昼夜を知る人々である。

バガヴァッド・ギーター第8章第16節

インド古典中もっとも有名なバガヴァッド・ギーターの原典講読です。
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आ ब्रह्मभुवनाल् लोकाः
ā brahmabhuvanāl lokāḥ
アー ブラフマブヴァナール ローカーハ
ブラフマンの世界に至るまで、諸世界は

ā【副詞】近く;外に、また;全く、ことごとく、正に;幾分か、少し;殆ど〜ない;やや〜な;〜に達する、〜まで;〜を除いて;(従格)より;〜に於いて、〜の上に、〜の中に、〜の近くに
brahmabhuvanāt【中性・単数・従格 brahmabhuvana】[〜から、〜より]ブラフマン神の世界
lokās【男性・複数・主格 loka】[〜らは、〜らが]空間、余地、場所;地方、地帯、国;世界、宇宙の区分;天;地;人類、一般の人民、国民;男子(複数);(複)団体、仲間;日常生活、慣例、世事、俗事;視ること

पुनरावर्तिनो ऽर्जुन ।
punarāvartino ‘rjuna |
プナラーヴァルティノー ルジュナ
回帰する、アルジュナよ

punarāvartinas【男性・複数・主格 punarāvartin】(現世の生活に)還る;(地上の生活へ)帰来させる
arjuna【男性・単数・呼格 arjuna】[〜よ]アルジュナ

माम् उपेत्य तु कौन्तेय
mām upetya tu kaunteya
マーム ウペーティヤ カウンテーヤ
しかし、私に到達して、アルジュナよ

mām【単数・対格、一人称代名詞 mad】[〜を、〜に]私
upetya【絶対分詞 upa√i】[〜して、〜してから]近づく;赴く;会う;(対格)の徒弟となる;得る、到達する;受ける、入る;企てる、専注する;懇願する;現れる;起こる
tu【接続詞】しかし、一方(虚辞としても使用)
kaunteya【男性・単数・呼格 kaunteya】[〜よ]クンティーの息子、アルジュナの別名

पुनर्जन्म न विद्यते ॥
punarjanma na vidyate ||
プナルジャンマ ナ ヴィディヤテー
再生は存在しない

punarjanma【中性・単数・主格 punarjanman】[〜は、〜が]再生、更正;輪廻
na【否定辞】〜でない
vidyate【三人称・単数・現在・受動活用 √vid】[それは〜]ある、存在する、見られる

आब्रह्मभुवनाल्लोकाः पुनरावर्तिनोऽर्जुन ।
मामुपेत्य तु कौन्तेय पुनर्जन्म न विद्यते ॥१६॥

ābrahmabhuvanāllokāḥ punarāvartino’rjuna |
māmupetya tu kaunteya punarjanma na vidyate ||16||
ブラフマンの世界に至るまで、諸世界は回帰する。
しかし、私に到達すれば、再生は存在しない。アルジュナよ。

バガヴァッド・ギーター第8章第15節

インド古典中もっとも有名なバガヴァッド・ギーターの原典講読です。
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माम् उपेत्य पुनर्जन्म
mām upetya punarjanma
マーム ウペーティヤ プナルジャンマ
私に到達して、再生を

mām【単数・対格、一人称代名詞 mad】[〜を、〜に]私
upetya【絶対分詞 upa√i】[〜して、〜してから]近づく;赴く;会う;(対格)の徒弟となる;得る、到達する;受ける、入る;企てる、専注する;懇願する;現れる;起こる
punarjanma【中性・単数・対格 punarjanman】[〜に、〜を]再生、更正;輪廻

दुःखालयम् अशाश्वतम् ।
duḥkhālayam aśāśvatam |
ドゥフカーラヤム アシャーシュヴァタム
苦の住処を、永続しない

duḥkha【中性】不安、心配、苦痛、悲しみ、悲哀、困難、苦しみ
ālayam【男性・単数・対格 ālaya】[〜に、〜を]住居、家宅;座;[識(ヴィジュニャーナ)の一種]
→duḥkhālayam【男性・単数・対格、限定複合語】[〜に、〜を]苦痛の家、苦の住処
aśāśvatam【男性・単数・対格 aśāśvata】常住でない、恒久でない

नाप्नुवन्ति महात्मानः
nāpnuvanti mahātmānaḥ
ナープヌヴァンティ マハートマーナハ
偉大な魂の人々は、獲得しない

na【否定辞】〜でない
āpnuvanti【三人称・複数・パラスマイパダ・現在 āp】[彼らは〜、それらは〜]到達する、獲得する、成し遂げる;遭遇する、蒙る、関係する、耐え忍ぶ;起こる
mahātmānas【男性・複数・主格 mahātman】[〜らは、〜らが]至上精神、宇宙我、根本原理;知性 【形容詞】偉大な精神をもつ、高尚な心をもつ、高貴な;大いに知性に富む、非常に天分の豊かな、非常に賢い;気高い、顕著な、有名な(家族)、威力のある

संसिद्धिं परमां गताः ॥
saṁsiddhiṁ paramāṁ gatāḥ ||
サンシッディン パラマーン ガターハ
最高の成就に達した

saṁsiddhim【女性・単数・対格 saṁsiddhi】[〜に、〜を]完成、成就、遂行、成功;(―゜)における完全
paramām【女性・単数・対格 parama】最も遠い、最も遠隔の、最も極端な、最後の;最高の、主な、第一位の;至高の、超越した;最も優秀な、最善の、最大の;最悪の;〜より良い、〜より大きな、〜より悪い
gatās【男性・複数・主格 gata√gamの過去受動分詞)】行った、来た、〜に陥った、〜に於ける、〜の中にある、〜に含まれた;向けられた;消えた、失われた;剥奪させられた、〜を免れた

मामुपेत्य पुनर्जन्म दुःखालयमशाश्वतम् ।
नाप्नुवन्ति महात्मानः संसिद्धिं परमां गताः ॥१५॥

māmupetya punarjanma duḥkhālayamaśāśvatam |
nāpnuvanti mahātmānaḥ saṁsiddhiṁ paramāṁ gatāḥ ||15||
私に到達して、最高の成就に達した偉大な魂の人々は、
苦の住処である儚い再生を得ることはない。

バガヴァッド・ギーター第8章第14節

インド古典中もっとも有名なバガヴァッド・ギーターの原典講読です。
インドの霊的文化の支柱となる本書を、サンスクリット語の学習をしながらお楽しみください。

अनन्यचेताः सततं
ananyacetāḥ satataṁ
アナニヤチェーターハ サタタン
常に心を逸らさず

ananyacetās【男性・単数・主格 ananyacetas】(処格)に専念する
satatam【副詞】絶えず、何時も、常に、永久に

यो मां स्मरति नित्यशः ।
yo māṁ smarati nityaśaḥ |
ヨー マーン スマラティ ニッティヤシャハ
絶えず私を憶念する者は

yas【男性・単数・主格、関係代名詞 yad】[〜は、〜が]〜であるもの、〜である人
mām【単数・対格、一人称代名詞 mad】[〜を、〜に]私
smarati【三人称・単数・パラスマイパダ・現在 √smṛ】[彼は〜、それは〜]記憶する、心に留める、想起する、思い出す、遺憾に思う;伝える、教える、主張する;読誦する
nityaśas【副詞】不断に、絶えず、恒久的に

तस्याहं सुलभः पार्थ
tasyāhaṁ sulabhaḥ pārtha
タッスヤーハン スラバハ パールタ
彼にとって、私は獲得しやすい、アルジュナよ

tasya【男性・単数・属格、指示代名詞 tad】[〜の、〜にとって]彼、それ、あれ
aham【単数・主格、一人称代名詞 mad】[〜は、〜が]私
sulabhas【男性・単数・主格 sulabha】獲得・発見しやすい;(―゜)に接近しやすい;安価な;(―゜)に適した・適合した・適当な・ふさわしい・似合う・固有な
pārtha【男性・単数・呼格 pārtha】[〜よ]プリターの息子。アルジュナのこと。

नित्ययुक्तस्य योगिनः ॥
nityayuktasya yoginaḥ ||
ニッティヤユクタッスヤ ヨーギナハ
常に専心しているヨーガ行者にとって

nityayuktasya【男性・単数・属格 nityayukta】(処格)に常に従事している、絶えず傾注している・注意深い
yoginas【男性・単数・属格 yogin】[〜の、〜にとって]ヨーガ行者、修行者、実践者

अनन्यचेताः सततं यो मां स्मरति नित्यशः ।
तस्याहं सुलभः पार्थ नित्ययुक्तस्य योगिनः ॥१४॥

ananyacetāḥ satataṁ yo māṁ smarati nityaśaḥ |
tasyāhaṁ sulabhaḥ pārtha nityayuktasya yoginaḥ ||14||
アルジュナよ、常に心を逸らさず、絶えず私を憶念する者、
その常に専心しているヨーガ行者にとって、私は容易に得られる。

バガヴァッド・ギーター第8章第13節

インド古典中もっとも有名なバガヴァッド・ギーターの原典講読です。
インドの霊的文化の支柱となる本書を、サンスクリット語の学習をしながらお楽しみください。

ओम् इत्य् एकाक्षरं ब्रह्म
om ity ekākṣaraṁ brahma
オーム イティ エーカークシャラン ブラフマ
「オーム」という一音のブラフマンを

om【間投詞】(聖字)om[祈念または祈祷文の開始の際・ヴェーダ読誦の前後において、あるいは敬虔な挨拶として用いられる。多くの神秘的解釈あり]
iti【副詞】〜と、〜ということ、以上(しばしば引用句の後に置かれる)
ekākṣaram【中性・単数・対格 ekākṣara】唯一の不滅なる者;一音;単独節語;神聖なる音Om 【形容詞】一音節の
brahma【中性・単数・対格 brahman】[〜に、〜を]聖智に満ちた者、婆羅門;祭官とくにヴェーダ祭式を総監する祭官;ブラフマンを神格化した最高神、梵天、宇宙の創造者として保持者ヴィシュヌおよび破壊神シヴァとともにトリムルティを形成する神格;理性

व्याहरन् माम् अनुस्मरन् ।
vyāharan mām anusmaran |
ヴィヤーハラン マーム アヌスマラン
唱え、私を憶念し

vyāharan【男性・単数・主格・現在分詞 vi-ā√hṛ】[〜している](持ち出す)、発音する、発言する、話す、(子供が)語り始める、(対格)に言う、会話・会談する
mām【単数・対格、一人称代名詞 mad】[〜を、〜に]私
anusmaran【男性・単数・主格・現在分詞 anu√smṛ】[〜している]記憶する、(対格)を思い出す;(罪を)告白する

यः प्रयाति त्यजन् देहं
yaḥ prayāti tyajan dehaṁ
ヤハ プラヤーティ ティヤジャン デーハン
肉体を捨て、寂滅する者は

yas【男性・単数・主格、関係代名詞 yad】[〜は、〜が]〜であるもの、〜である人
prayāti【三人称・単数・パラスマイパダ・現在 pra√yā】[彼は〜、それは〜]出て行く;出発する;〜に行く・赴く;(対格)に向かって進む;(対格)に(道が)通ずる、(対格)に向かって(河が)流れる;(対格)に到着する;行く、歩む;離れる、消える;飛散する、散る;離れる=死ぬ;経過する;陥る、経験する、得る、を招く;やってゆく、振る舞う
tyajan【男性・単数・主格・現在分詞 √tyaj】[〜している]罷る、見捨てる;棄てる;手放す;遺棄する;(場所より)去る;(人を)避ける;放置する、放つ;断念する、離れる、捨てる、護る
deham【男性/中性・単数・対格 deha】[〜に、〜を]身体;塊;形;型;大きさ、かさ(嵩);人、個人;形または姿を持つもの

स याति परमां गतिम् ॥
sa yāti paramāṁ gatim ||
サ ヤーティ パラマーン ガティム
彼は最高の帰趨(解脱)に達する

sas【男性・単数・主格、指示代名詞 tad】[〜は、〜が]これ、あれ、彼
yāti【三人称・単数・パラスマイパダ・現在 √yā】[彼は〜、それは〜]動く、行く、歩く、赴く;前進する、行進する、敵に向かって前進する;旅行する;出立する、去る、立ち去る、離れる;遠ざかる;逃げる、逃れる;(道が)通ずる;通過する、過ぎ去る;消滅する、消失する;生起する、継起する;振舞う;〜に達する;邂逅する;〜に到着する
paramām【女性・単数・対格 parama】最も遠い、最も遠隔の、最も極端な、最後の;最高の、主な、第一位の;至高の、超越した;最も優秀な、最善の、最大の;最悪の;〜より良い、〜より大きな、〜より悪い
gatim【女性・単数・対格 gati】[〜に、〜を]行くこと、歩態、前進、動作、行動、飛行;退去、出発;行進、進行;成功;〜の獲得;〜に対する服従;路、進路、小径;出口;根源、根底;手段、方法、可能性;策略;避難所;状態、状況、条件、位置;性質;幸福;輪廻、人間の運命;風習

ओमित्येकाक्षरं ब्रह्म व्याहरन्मामनुस्मरन् ।
यः प्रयाति त्यजन्देहं स याति परमां गतिम् ॥१३॥

omityekākṣaraṁ brahma vyāharanmāmanusmaran |
yaḥ prayāti tyajandehaṁ sa yāti paramāṁ gatim ||13||
一音のブラフマンである「オーム」を唱えながら、私を憶念し、
肉体を捨て寂滅する者は、最高の帰趨(解脱)に達する。

バガヴァッド・ギーター第8章第12節

インド古典中もっとも有名なバガヴァッド・ギーターの原典講読です。
インドの霊的文化の支柱となる本書を、サンスクリット語の学習をしながらお楽しみください。

सर्वद्वाराणि संयम्य
sarvadvārāṇi saṁyamya
サルヴァドヴァーラーニ サンミャムミャ
一切の門を制御して

sarva【中性】すべての、一切の、あらゆる
dvārāṇi【中性・複数・対格 dvāra】[〜らに、〜らを]戸、門、戸口、入口;孔(とくに身体の);〜への道、〜に達する手段
saṁyamya【絶対分詞 sam√yam】[〜して、〜してから]保持する、ひきしめる;抑止する;縛る、束縛する;抑圧する、抑制する;制止する、制御する

मनो हृदि निरुध्य च ।
mano hṛdi nirudhya ca |
マノー フリディ ニルッディヤ チャ
また意(マナス)を心中において抑止し

manas【中性・単数・対格 manas】[〜に、〜を]心、内的器官、知性、理性、精神、良心、思考、意向、気分
hṛdi【中性・単数・処格 hṛd】[〜において、〜のなかで](とくに情緒および心的活動の座としての)心臓;(身体)の内部、胸、胃
nirudhya【絶対分詞 ni√rudh】[〜して、〜してから]はばむ、とめる、妨害する、抑制する;追いつく;(車を)馭す;封鎖する、(路等を)塞ぐ;包囲する、攻囲する;遠ざける;保有する;閉じ込める;閉じる;(外界から心または感覚を)遠離する;抑圧する、消滅させる;握る
ca【接続詞】そして、また、〜と

मूर्ध्न्य् आधायात्मनः प्राणम्
mūrdhny ādhāyātmanaḥ prāṇam
ムールドゥニ アーダーヤートマナハ プラーナム
自己の呼吸を頭に留め

mūrdhni【男性・単数・処格 mūrdhan】[〜において、〜のなかで]ひたい;頭蓋;頭;もっとも高い・もっとも突き出た部分、(樹の)先端、(山の)頂上、峰、(天の)絶頂、(戦闘の)前線;首領、首長
ādhāya【絶対分詞 ā√dhā】[〜して、〜してから]据える、横たえる、置く;(属格)に種子を下ろす;(処格)に(行為を)捧げる;(処格)に(徳を)教え込む;(処格)の方を凝視する;(処格)に意・思念をこらす;注意を払う
ātmanas【男性・単数・属格 ātman】[〜の、〜にとって]気息;霊魂;生命、自身;本質、本性;特色;身体;知性、悟性;我、最高我
prāṇam【男性・単数・対格 prāṇa】[〜に、〜を]息、呼吸;活力、生気;風気;出息;そよ風、風;気力、精力、力;精神;個人我、全体と一致される宇宙精神;感官

आस्थितो योगधारणाम् ॥
āsthito yogadhāraṇām ||
アースティトー ヨーガダーラナーム
ヨーガの持続を遵守し

āsthitas【男性・単数・主格 āsthitaā√sthāの過去受動分詞)】(対格)に立っている・坐っている;留まる;(ある道に)入った;(対格)として(対格)をやってみた;(対格)を手に入れた;に頼った、採用した、企てた、甘んじた;(人間の形を)とった;存在する、(安楽に)住む;保持する、真実とみなす
yogadhāraṇām【女性・単数・対格 yogadhāraṇā】[〜に、〜を]瞑想の持続・堅持

सर्वद्वाराणि संयम्य मनो हृदि निरुध्य च ।
मूर्ध्न्याधायात्मनः प्राणमास्थितो योगधारणाम् ॥१२॥

sarvadvārāṇi saṁyamya mano hṛdi nirudhya ca |
mūrdhnyādhāyātmanaḥ prāṇamāsthito yogadhāraṇām ||12||
身体の一切の門を制御し、また意(マナス)を心中において抑止し、
自己の呼吸を頭に留め、ヨーガの持続を遵守し、

バガヴァッド・ギーター第8章第11節

インド古典中もっとも有名なバガヴァッド・ギーターの原典講読です。
インドの霊的文化の支柱となる本書を、サンスクリット語の学習をしながらお楽しみください。

यद् अक्षरं वेदविदो वदन्ति
yad akṣaraṁ vedavido vadanti
ヤッド アクシャラン ヴェーダヴィドー ヴァダンティ
ヴェーダを知る人々は、不滅のものと言う

yat【中性・単数・主格、関係代名詞 yad】[〜は、〜が]〜であるもの、〜である人
akṣaram【中性・単数・主格 akṣara】不壊の、不滅の
vedavidas【男性・複数・主格 vedavid】[〜らは、〜らが]ヴェーダを知っている
vadanti【三人称・複数・パラスマイパダ・現在 √vad】[彼らは〜]話す・発言する・言う;語る・告げる・通知する・報告する;宣言する、もらす、示す、指示する、表す;定める、仮定する

विशन्ति यद् यतयो वीतरागाः ।
viśanti yad yatayo vītarāgāḥ |
ヴィシャンティ ヤッド ヤタヨー ヴィータラーガーハ
欲望から離れた修行者たちは入る

viśanti【三人称・複数・パラスマイパダ・現在 √viś】[彼らは〜]〜の上に・の中に落ち着く・に入る・の中に行く;〜に入る;横になって休む;の上に座る;(軍隊に)加わる;(河が)流れ入る;の分担になる、(幸運等に)恵まれる;(考えが)心に浮かぶ;(不運等)になる・に陥る;(対格)に着手する、を始める
yat【中性・単数・主格、関係代名詞 yad】[〜は、〜が]〜であるもの、〜である人
yatayas【男性・複数・主格 yati】[〜らは、〜らが]指導者;世捨て人、苦行者、隠遁者
vītavi√iの過去受動分詞】去った、消えた、失われた
rāga【男性】激しい欲望、情熱、愛、愛情、同情
→vītarāgās【男性・複数・主格 vītarāga】情欲・世俗的な欲望を捨てた;(処格)に対する欲望を離れた

यद् इच्छन्तो ब्रह्मचर्यं चरन्ति
yad icchanto brahmacaryaṁ caranti
ヤッド イッチャントー ブラフマチャリヤン チャランティ
彼らは、望んで禁欲を行う

yat【中性・単数・主格、関係代名詞 yad】[〜は、〜が]〜であるもの、〜である人
icchantas【男性・複数・主格・現在分詞 √iṣ】[〜している]探す、捜索する;欲する、願う、希望する、乞う、期待する;(不定詞)しようと考える、〜しようとする;考える・見なす;(対格)を選ぶ、(対格)を自由に選択する;認める、承認する
brahmacaryam【中性・単数・対格 brahmacarya】[〜に、〜を]宗教的学習;(婆羅門青年の)宗教的学習期、[独身生活を営む婆羅門の宗教生活における第一期];とくに自制、禁欲、浄行
caranti【三人称・複数・パラスマイパダ・現在 √car】[彼らは〜]動く、行く、歩む、さまよう、徘徊する、広がる、延びる;食べる;行動する、行為する

तत् ते पदं संग्रहेण प्रवक्ष्ये ॥
tat te padaṁ saṁgraheṇa pravakṣye ||
タット テー パダン サングラヘーナ プラヴァクシイェー
その境地を、あなたに全て語ろう

tat【中性・単数・対格、指示代名詞 tad】[〜に、〜を]それ、あれ、これ
te【単数・為格、二人称代名詞 tvad(tubhyamの附帯形)】[〜に、〜のために]あなた
padam【中性・単数・対格 pada】[〜に、〜を]足跡;目標;足場、場所、住所、住家;立場、位置、部署;品位、地位;対象
saṁgraheṇa【男性・単数・具格 saṁgraha】[〜によって、〜をもって]捕獲、つかむこと;保つこと、保留すること;獲得;(食物を)とること;(放たれた矢を魔術で)取り戻すこと;収集、集めること;蓄積、蓄え;(人々を)召集・集合すること;完全な列挙;集積、全体、完全な摘要、概略、梗概;包含;抑制すること、支配すること;(属格)の防護・保護;支配者;融和、厚遇、款待 【具格、〜eṇa】完全に、全く
pravakṣye【一人称・単数・アートマネーパダ・未来 pra√vac】[私は〜しよう](為格・属格)に公言する・告げる・記述する・述べる;〜について語る、暴露する;提議する;賞讃する;(対格)を(対格)に語る・言う;(対格)を(対格)であると宣言する・と呼ぶ

यदक्षरं वेदविदो वदन्ति विशन्ति यद्यतयो वीतरागाः ।
यदिच्छन्तो ब्रह्मचर्यं चरन्ति तत्ते पदं संग्रहेण प्रवक्ष्ये ॥११॥

yadakṣaraṁ vedavido vadanti viśanti yadyatayo vītarāgāḥ |
yadicchanto brahmacaryaṁ caranti tatte padaṁ saṁgraheṇa pravakṣye ||11||
ヴェーダを知る人々は、それを不滅のものと言い、
欲望から離れた修行者たちは、それに入る。
人々は、それを望んで禁欲を行う。その境地を、あなたに全て語ろう。

バガヴァッド・ギーター第8章第10節

インド古典中もっとも有名なバガヴァッド・ギーターの原典講読です。
インドの霊的文化の支柱となる本書を、サンスクリット語の学習をしながらお楽しみください。

प्रयाणकाले मनसाचलेन
prayāṇakāle manasācalena
プラヤーナカーレー マナサーチャレーナ
死期において、不動の意(マナス)をもって

prayāṇakāle【男性・単数・処格 prayāṇakāla】[〜において、〜のなかで]死期;死
manasā【中性・単数・具格 manas】[〜によって、〜をもって]心、内的器官、知性、理性、精神、良心、思考、意向、気分
acalena【中性・単数・具格 acala】不動の、動じない、動かない

भक्त्या युक्तो योगबलेन चैव ।
bhaktyā yukto yogabalena caiva |
バクティヤー ユクトー ヨーガバレーナ チャイヴァ
信仰をもって、そしてヨーガの力によって専心し

bhaktyā【女性・単数・具格 bhakti】[〜によって、〜をもって]分割、分配;(あるものの)一部であること、(あるものに)属すること;付属物;分け前、部分;分界、線、条;順序、連続;愛着、献身、服従、尊敬、尊重、崇拝、帰依、誠信、信仰
yuktas【男性・単数・主格 yukta√yujの過去受動分詞)】[〜は、〜が]くびき(軛)につながれた、(処格)に従事した、〜に専心した;(具格)に忙殺された、〜に専念した;(処格)に熱中した;集中した
yogabalena【中性・単数・具格 yogabala】[〜によって、〜をもって]ヨーガによって得られた力、魔力、超自然力
ca【接続詞】そして、また、〜と
eva【副詞】実に、真に(強意を表す。しばしば虚辞として使用)

भ्रुवोर् मध्ये प्राणम् आवेश्य सम्यक्
bhruvor madhye prāṇam āveśya samyak
ブルヴォール マッディエー プラーナム アーヴェーシャ サムミャク
呼吸を正しく眉間に浸透させて

bhruvos【女性・両数・属格 bhrū】[〜の、〜にとって]眉、眉毛
madhye【男性・単数・処格 madhya】[〜において、〜のなかで]中央の、中心の、中間の
prāṇam【男性・単数・対格 prāṇa】[〜に、〜を]息、呼吸;活力、生気;風気;出息;そよ風、風;気力、精力、力;精神;個人我、全体と一致される宇宙精神;感官
āveśya【使役活用・絶対分詞 ā√viś】[〜して、〜してから]〜に入る、浸透する、行き渡る;(対格)に接近する、来る;(対格)の上に座る;(対格)を占める・専有する・圧倒する;達する、(ある状態に)陥る
samyaksamyañcの中性形)【副詞】一方に、ともに;正しく、正確に、真に、当然に、適当に;全く、完全に

स तं परं पुरुषम् उपैति दिव्यम् ॥
sa taṁ paraṁ puruṣam upaiti divyam ||
サ タン パラン プルシャム ウパイティ ディヴィヤム
彼は、かの神聖な至高のプルシャに達する

sas【男性・単数・主格、指示代名詞 tad】[〜は、〜が]これ、あれ、彼
tam【男性・単数・対格、指示代名詞 tad】[〜に、〜を]これ、あれ、彼
param【男性・単数・対格 para】最高の;より優れた、より高い、より良い、より悪い;最上の、卓越した、最善の;最大の
puruṣam【男性・単数・対格 puruṣa】[〜に、〜を]人;人間;霊魂;個人の本体、普遍的霊魂、最高精神
upaiti【三人称・単数・パラスマイパダ・現在 upa√i】[彼は〜、それは〜]近づく;赴く;会う;(対格)の徒弟となる;得る、到達する;受ける、入る;企てる、専注する;懇願する;現れる;起こる
divyam【男性・単数・対格 divya】天上の;神聖な;超自然の;魔術の;天界の;壮大な

प्रयाणकाले मनसाचलेन भक्त्या युक्तो योगबलेन चैव ।
भ्रुवोर्मध्ये प्राणमावेश्य सम्यक् स तं परं पुरुषमुपैति दिव्यम् ॥१०॥

prayāṇakāle manasācalena bhaktyā yukto yogabalena caiva |
bhruvormadhye prāṇamāveśya samyak sa taṁ paraṁ puruṣamupaiti divyam ||10||
死期において、不動の意(マナス)と信仰、そしてヨーガの力によって専心し、
呼吸を正しく眉間に浸透させ、かの神聖な至高のプルシャに達する。