バガヴァッド・ギーター第2章第28節

अव्यक्तादीनि भूतानि
avyaktādīni bhūtāni
アヴィヤクターディーニ ブーターニ
万物は最初は顕現せず

avyaktas【過去受動分詞 a-vi√añj】非顕現の、現れない、認めがたい;不明瞭な、目に見えない、感知できない
ādīni【中性・複数・主格】初めの、最初の
→avyaktādīni【中性・複数・主格、所有複合語】初めは非顕現のもの、最初は目に見えないもの
bhūtāni【中性・複数・主格】存在物[神・人・動物および植物を含む]は;被創造物は;万物は;世界は

व्यक्तमध्यानि भारत ।
vyaktamadhyāni bhārata |
ヴィヤクタマッディヤーニ バーラタ
中間が顕現し、アルジュナよ

vyakta【過去受動分詞 vi√añj】明白な、顕著な、明晰な、明瞭な;顕現した、目に見えた、現れた
madhyāni【中性・複数・主格】中央の、中心の、中間の
→vyaktamadhyāni【中性・複数・主格、所有複合語】中間は顕現するもの、中間は目に見えるもの
bhārata【男性・単数・呼格】バラタの子孫よ。ここではアルジュナのことを指す。

अव्यक्तनिधानान्येव
avyaktanidhānānyeva
アヴィヤクタニダーナーニエーヴァ
最後は顕現しない

avyaktas【過去受動分詞 a-vi√añj】非顕現の、現れない、認めがたい;不明瞭な、目に見えない、感知できない
nidhānāni【中性・複数・主格】終わりは、最後は、結びは
→avyaktanidhānāni【中性・複数・主格】終わりは非顕現のもの、最後は目に見えないもの
eva【副詞】実に、真に(強意を表す。しばしば虚辞として使用)

तत्र का परिदेवना ॥
tatra kā paridevanā ||
タットラ カー パリデーヴァナー
ここにどんな悲嘆があるだろうか

tatra【副詞】そこに;そこへ;ここに;それのために、その場合に、その時に
kā【女性・単数・主格、疑問代名詞 kim】何、誰、なぜ、どんな、どのように
paridevanā【女性・単数・主格】嘆きが、悲嘆が、不満が

अव्यक्तादीनि भूतानि व्यक्तमध्यानि भारत ।
अव्यक्तनिधानान्येव तत्र का परिदेवना ॥ २८ ॥

avyaktādīni bhūtāni vyaktamadhyāni bhārata |
avyaktanidhānānyeva tatra kā paridevanā || 28 ||
万物は、最初は顕現せず、中間が顕現し、最後は顕現しない。
ここにどんな悲嘆があるだろうか、アルジュナよ。

バガヴァッド・ギーター第2章第27節

जातस्य हि ध्रुवो मृत्युर्
jātasya hi dhruvo mṛtyur
ジャータッスヤ ヒ ドゥルヴォー ムリッティユル
なぜならば、生まれた者にとって死は必定であり

jātasya【男性・単数・属格、過去受動分詞 √jan】生まれたものにとって;生じたものにとって;出現したものにとって
hi【不変化辞】なぜならば、〜のために;真に、確かに、実に
dhruvas【男性・単数・主格】確実な、必定の;決心の堅い、安定した、不断の
mṛtyur【男性・単数・主格】死は

ध्रुवं जन्म मृतस्य च ।
dhruvaṁ janma mṛtasya ca |
ドゥルヴァン ジャンマ ムリタッスヤ チャ
また死んだ者にとって生は必定である

dhruvam【中性・単数・主格】確実な、必定の;決心の堅い、安定した、不断の
janma【中性・単数・主格】誕生は、産出は;出現は;再生は
mṛtasya【男性・単数・属格】死んだものにとって
ca【接続詞】そして、また、〜と

तस्मादपरिहार्ये ऽर्थे
tasmādaparihārye ‘rthe
タスマーダパリハーリエー ルテー
したがって、不可避のことのために

tasmāt【男性・中性・単数・従格、指示代名詞 tad】それ故に、そのために、したがって、だから、その結果
aparihārye【男性・単数・処格、未来受動分詞(動詞的形容詞、義務分詞) a-pari√hṛ】不可避の、避けられない、必然の
arthe【男性・単数・処格】〜のために、〜の目的で

न त्वं शोचितुम् अर्हसि ॥
na tvaṁ śocitum arhasi ||
ナ トヴァン ショーチトゥム アルハシ
あなたは嘆くべきではない

na【否定辞】〜でない
tvam【単数・主格、二人称代名詞 tvad】あなたは
śocitum【不定詞 √śuc】嘆くこと、悲しむこと
arhasi【二人称・単数・パラスマイパダ・現在 √arh】[あなたは]〜できる、資格がある、権利がある;価値がある、匹敵する

जातस्य हि ध्रुवो मृत्युर् ध्रुवं जन्म मृतस्य च ।
तस्मादपरिहार्येऽर्थे न त्वं शोचितुमर्हसि ॥ २७ ॥

jātasya hi dhruvo mṛtyur dhruvaṁ janma mṛtasya ca |
tasmādaparihārye’rthe na tvaṁ śocitumarhasi || 27 ||
なぜならば、生まれた者にとって死は必定であり、また死んだ者にとって生は必定である。
したがって、不可避のことのために、あなたは嘆くべきではない。

バガヴァッド・ギーター第2章第26節

अथ चैनं नित्यजातं
atha cainaṁ nityajātaṁ
アタ チャイナン ニッティヤジャータン
またもし、それを常に生まれ

atha【接続詞】また、そして、それから;もし
ca【接続詞】そして、また、〜と
enam【男性・単数・対格、指示代名詞 enad】彼を、それを
nitya【形容詞】常住の、恒久の、永久の、不易の、不壊の
jātam【男性・単数・対格、過去受動分詞 √jan】生まれた;生じた;出現した;成長した
→nityajātam【男性・単数・対格、同格限定複合語】常に生まれる、絶えず生まれる

नित्यं वा मन्यसे मृतम् ।
nityaṁ vā manyase mṛtam |
ニッティヤン ヴァー マンニャセー ムリタム
あるいは常に死ぬものとあなたが考える

nityam【副詞】恒久的に、不易に、常に;不変に
vā【接続詞】あるいは、また
manyase【二人称・単数・アートマネーパダ・現在 √man】[あなたは]考える、信じる、想像する
mṛtam【男性・単数・対格、過去受動分詞 √mṛ】死んだ;去った;無感覚な、亡骸のような

तथापि त्वं महाबाहो
tathāpi tvaṁ mahābāho
タターピ トヴァン マハーバーホー
アルジュナよ、たとえそうであっても、あなたは

tathāpi【副詞、tathā api】たとえそうでも、それでも、それにしても、それにもかかわらず
tvam【単数・主格、二人称代名詞 tvad】あなたは
mahābāho【男性・単数・呼格】強大な腕力を持つ者よ、長い腕を持つ者よ、強い臂を持つ者よ。ここではアルジュナのこと。

नैनं शोचितुम् अर्हसि ॥
nainaṁ śocitum arhasi ||
ナイナン ショーチトゥム アルハシ
それを嘆くべきではない

na【否定辞】〜でない
enam【男性・単数・対格、指示代名詞 enad】彼を、それを
śocitum【不定詞 √śuc】嘆くこと、悲しむこと
arhasi【二人称・単数・パラスマイパダ・現在 √arh】[あなたは]〜できる、資格がある、権利がある;価値がある、匹敵する

अथ चैनं नित्यजातं नित्यं वा मन्यसे मृतम् ।
तथापि त्वं महाबाहो नैनं शोचितुमर्हसि ॥ २६ ॥

atha cainaṁ nityajātaṁ nityaṁ vā manyase mṛtam |
tathāpi tvaṁ mahābāho nainaṁ śocitumarhasi || 26 ||
またもし、それを常に生まれ、あるいは常に死ぬものと考えるとしても、
アルジュナよ、あなたはそれを嘆くべきではない。

バガヴァッド・ギーター第2章第25節

अव्यक्तो ऽयम् अचिन्त्यो ऽयम्
avyakto ‘yam acintyo ‘yam
アヴィヤクトー ヤム アチンティヨー ヤム
これは目に見えず、これは考えられず

avyaktas【男性・単数・主格、過去受動分詞 a-vi√añj】非顕現の、現れない、認めがたい;不明瞭な、目に見えない、感知できない
ayam【男性・単数・主格、指示代名詞 idam】これは、これが
acintyas【男性・単数・主格、未来受動分詞(動詞的形容詞、義務分詞) a√cind】不可思議の、思議されない、考えられない
ayam【男性・単数・主格、指示代名詞 idam】これは、これが

अविकार्यो ऽयम् उच्यते ।
avikāryo ‘yam ucyate |
アヴィカーリヨー ヤム ウッチャテー
これは変化しないと言われる

avikāryas【男性・単数・主格、未来受動分詞(動詞的形容詞、義務分詞) a-vi√kṛ】不変異の、不変化の、変わらない
ayam【男性・単数・主格、指示代名詞 idam】これは、これが
ucyate【三人称・単数・現在・受動活用 √vac】[それは]言われる、話される

तस्माद् एवं विदित्वैनं
tasmād evaṁ viditvainaṁ
タスマード エーヴァン ヴィディットヴァイナン
そのため、それをこのように知って

tasmāt【男性・中性・単数・従格、指示代名詞 tad】それ故に、そのために、したがって、だから、その結果
evam【副詞】このように、こんなふうに、そんなふうに
viditvā【絶対分詞 √vid】知って、理解して
enam【男性・単数・対格、指示代名詞 enad】彼を、それを

नानुशोचितुम् अर्हसि ॥
nānuśocitum arhasi ||
ナーヌショーチトゥム アルハシ
あなたは嘆くべきではない

na【否定辞】〜でない
anuśocitum【不定詞 anu√śuc】嘆くこと、悲しむこと
arhasi【二人称・単数・パラスマイパダ・現在 √arh】[あなたは]〜できる、資格がある、権利がある;価値がある、匹敵する

अव्यक्तोऽयमचिन्त्योऽयमविकार्योऽयमुच्यते ।
तस्मादेवं विदित्वैनं नानुशोचितुमर्हसि ॥ २५ ॥

avyakto’yamacintyo’yamavikāryo’yamucyate |
tasmādevaṁ viditvainaṁ nānuśocitumarhasi || 25 ||
これは目に見えず、考えられず、変化しないと言われる。
そのため、それをこのように知って、あなたは嘆くべきではない。

バガヴァッド・ギーター第2章第24節

अच्छेद्यो ऽयम् अदाह्यो ऽयम्
acchedyo ‘yam adāhyo ‘yam
アッチェーディヨー ヤム アダーヒヨー ヤム
これは切られず、これは焼かれず

acchedyas【男性・単数・主格、未来受動分詞(動詞的形容詞、義務分詞) a√chid】切られず;断たれず;刺されず;破壊されず
ayam【男性・単数・主格、指示代名詞 idam】これは、これが
adāhyas【男性・単数・主格、未来受動分詞(動詞的形容詞、義務分詞) a√dah】焼かれず;焦がされず;破壊されず
ayam【男性・単数・主格、指示代名詞 idam】これは、これが

अक्लेद्यो ऽशोष्य एव च ।
akledyo ‘śoṣya eva ca |
アクレーディヨー ショーシャ エーヴァ チャ
また濡らされず、乾かされず

akledyas【男性・単数・主格、未来受動分詞(動詞的形容詞、義務分詞) a√klid】濡らされず、湿らされず
aśoṣyas【男性・単数・主格、未来受動分詞(動詞的形容詞、義務分詞) a√śuṣ】乾かされず
eva【副詞】実に、真に(強意を表す。しばしば虚辞として使用)
ca【接続詞】そして、また、〜と

नित्यः सर्वगतः स्थाणुर्
nityaḥ sarvagataḥ sthāṇur
ニッティヤハ サルヴァガタハ スターヌル
常住、遍在、堅固なもの

nityas【男性・単数・主格】常住の、恒久の、永久の、不易の、不壊の
sarvagatas【男性・単数・主格】すべてに行き渡っている;普遍的に行き渡っている;遍在の
sthāṇus【男性・単数・主格】しっかり立っている、静止している、動かない、固定の;堅固な、頑丈な;不変の

अचलो ऽयं सनातनः॥
acalo ‘yaṁ sanātanaḥ ||
アチャロー ヤン サナータナハ
これは不動、永遠のもの

acalas【男性・単数・主格】不動の
ayam【男性・単数・主格、指示代名詞 idam】これは、これが
sanātanas【男性・単数・主格】永続する、永遠の、永久の、恒常の

अच्छेद्योऽयमदाह्योऽयमक्लेद्योऽशोष्य एव च ।
नित्यः सर्वगतः स्थाणुरचलोऽयं सनातनः ॥ २४ ॥

acchedyo’yamadāhyo’yamakledyo’śoṣya eva ca |
nityaḥ sarvagataḥ sthāṇuracalo’yaṁ sanātanaḥ || 24 ||
これは切られず、焼かれず、濡らされず、乾かされない。
常住にして遍在し、堅固、不動、永遠のものである。

バガヴァッド・ギーター第2章第23節

नैनं छिन्दन्ति शस्त्राणि
nainaṁ chindanti śastrāṇi
ナイナン チンダンティ シャストラーニ
刀剣もそれを切らず

na【否定辞】〜でない
enam【男性・単数・対格、指示代名詞 enad】彼を、それを
cindanti【三人称・複数・パラスマイパダ・現在 √chid】[それらは]切る、切り落とす、切り倒す;断つ;刺し通す;破壊する
śastrāṇi【中性・複数・主格】武器は、刀剣は

नैनं दहति पावकः ।
nainaṁ dahati pāvakaḥ |
ナイナン ダハティ パーヴァカハ
火もそれを焼かない

na【否定辞】〜でない
enam【男性・単数・対格、指示代名詞 enad】彼を、それを
dahati【三人称・複数・パラスマイパダ・現在 √dah】[それらは]焼く;焦がす;破壊する;苦しませる、悩ます、悲しませる
pāvakas【男性・単数・主格】火は;アグニ神は

न चैनं क्लेदयन्त्यापो
na cainaṁ kledayantyāpo
ナ チャイナン クレーダヤンティヤーポー
また水もそれを濡らさず

na【否定辞】〜でない
ca【接続詞】そして、また、〜と
enam【男性・単数・対格、指示代名詞 enad】彼を、それを
kledayanti【三人称・複数・パラスマイパダ・現在・使役活用 √klid】[それらは]濡らす、湿らす;不潔にする、汚す
āpas【女性・複数・主格、ap】水は

न शोषयति मारुतः ॥
na śoṣayati mārutaḥ ||
ナ ショーシャヤティ マールタハ
風も乾かさない

na【否定辞】〜でない
śoṣayati【三人称・単数・パラスマイパダ・現在・使役活用 √śuṣ】[それは]しおれさせる、干上がらす、乾かす
mārutaḥ【男性・単数・主格】風は、空気は;風の神は;生気は;呼吸は

नैनं छिन्दन्ति शस्त्राणि नैनं दहति पावकः ।
न चैनं क्लेदयन्त्यापो न शोषयति मारुतः ॥ २३ ॥

nainaṁ chindanti śastrāṇi nainaṁ dahati pāvakaḥ |
na cainaṁ kledayantyāpo na śoṣayati mārutaḥ || 23 ||
刀剣もそれを切らず、火もそれを焼かない。
また水もそれを濡らさず、風も乾かさない。

バガヴァッド・ギーター第2章第22節

वासांसि जीर्णानि यथा विहाय
vāsāṁsi jīrṇāni yathā vihāya
ヴァーサーンシ ジールナーニ ヤター ヴィハーヤ
古い衣服を捨てて

vāsāṁsi【中性・複数・対格】衣服を、服を、衣類を
jīrṇāni【中性・複数・対格】古い、使い古した、擦り切れた
yathā【接続詞】〜のように、あたかも〜のように(tathāとともに)
vihāya【絶対分詞 vi√hā】捨てて、投げ捨てて、処分して

नवानि गृह्णाति नरो ऽपराणि ।
navāni gṛhṇāti naro ‘parāṇi |
ナヴァーニ グリフナーティ ナロー パラーニ
他の新しいものを人が着るように

navāni【中性・複数・対格】新しい、新鮮な、最近の、若い
gṛhṇāti【三人称・単数・パラスマイパダ・現在 √grah】[彼は]手に入れる、取る;(衣服を)着る
naras【男性・単数・主格】人が、男性が
aparāṇi【中性・複数・対格】他の、その他の、もう一方の、別の

तथा शरीराणि विहाय जीर्णान्य्
tathā śarīrāṇi vihāya jīrṇāny
タター シャリーラーニ ヴィハーヤ ジールナーニ
同様に、古い身体を捨てて

tathā【副詞】そのように、同様に;そして、また
śarīrāṇi【中性・複数・対格】身体を、肉体を
vihāya【絶対分詞 vi√hā】捨てて、投げ捨てて、処分して
jīrṇāni【中性・複数・対格】古い、使い古した、擦り切れた

अन्यानि संयाति नवानि देही ॥
anyāni saṁyāti navāni dehī ||
アンニャーニ サンヤーティ ナヴァーニ デーヒー
他の新しいものに、個我は入る

anyāni【中性・複数・対格】他の、その他の、異なる;〜以外の
saṁyāti【三人称・単数・パラスマイパダ・現在 sam√yā】[彼は]行く、旅する;会う、一緒になる、相伴う、和合する
navāni【中性・複数・対格】新しい、新鮮な、最近の、若い
dehī【男性・単数・主格】人間は;(肉体をそなえた)精神は、魂は;個我は、自我は

वासांसि जीर्णानि यथा विहाय नवानि गृह्णाति नरोऽपराणि ।
तथा शरीराणि विहाय जीर्णान्यन्यानि संयाति नवानि देही ॥ २२ ॥

vāsāṁsi jīrṇāni yathā vihāya navāni gṛhṇāti naro’parāṇi |
tathā śarīrāṇi vihāya jīrṇānyanyāni saṁyāti navāni dehī || 22 ||
人が古い衣服を捨てて、他の新しい衣服を着るように、
個我は古い身体を捨てて、他の新しい身体に入る。

※この詩節は、トリシュトゥブの韻律になります。

バガヴァッド・ギーター第2章第21節

वेदाविनाशिनं नित्यं
vedāvināśinaṁ nityaṁ
ヴェーダーヴィナーシナン ニッティヤン
不滅、常住のものと知る者

veda【三人称・単数・パラスマイパダ・完了 √vid】(ここでは現在形の意味で用いて)[彼は]知る
avināśinam【男性・単数・対格、a-vi√naśからの派生語avināśin】不滅の、不壊の、滅びないことの
nityam【男性・単数・対格】常住の、恒久の、永久の、不易の、不壊の

य एनम् अजम् अव्ययम् ।
ya enam ajam avyayam |
ヤ エーナム アジャム アヴィヤヤム
それを不生、不変のものと

yas【男性・単数・主格、関係代名詞 yad】〜であるもの
enam【男性・単数・対格、指示代名詞 enad】彼を、それを
ajam【男性・単数・対格】不生の、永遠の、初より存在する
avyayam【男性・単数・対格】不滅の、不変の;慳貪の

कथं स पुरुषः पार्थ
kathaṁ sa puruṣaḥ pārtha
カタン サ プルシャハ パールタ
その人は、いかにして、アルジュナよ

katham【副詞】どうして、いかにして
sas【男性・単数・主格、指示代名詞 tad】これは、あれは、彼は
puruṣas【男性・単数・主格】人は;人間は;霊魂は;個人の本体は、普遍的霊魂は、最高精神は
pārtha【男性・単数・呼格】プリターの息子よ。アルジュナのこと。

कं घातयति हन्ति कम् ॥
kaṁ ghātayati hanti kam ||
カン ガータヤティ ハンティ カム
誰に殺させ、誰を殺すか

kam【男性・単数・対格、疑問代名詞 kim】誰に、何に
ghātayati【三人称・単数・パラスマイパダ・現在、使役活用 √han】[彼は、それは]殺させる、殺害させる
hanti【三人称・単数・パラスマイパダ・現在 √han】[彼は、それは]殺す、殺害する
kam【男性・単数・対格、疑問代名詞 kim】誰を、何を

वेदाविनाशिनं नित्यं य एनमजमव्ययम् ।
कथं स पुरुषः पार्थ कं घातयति हन्ति कम् ॥ २१ ॥

vedāvināśinaṁ nityaṁ ya enamajamavyayam |
kathaṁ sa puruṣaḥ pārtha kaṁ ghātayati hanti kam || 21 ||
それを不滅、常住、不生、不変であると知る人が、
誰に殺させ、誰を殺すということがあるだろうか、アルジュナよ。

バガヴァッド・ギーター第2章第20節

न जायते म्रियते वा कदाचिन्
na jāyate mriyate vā kadācin
ナ ジャーヤテー ムリヤテー ヴァー カダーチン
それはかつて生じたことなく、またいつか死ぬこともない

na【否定辞】〜でない
jāyate【三人称・単数・アートマネーパダ・現在 √jan】[彼は、それは]生じる、生まれる、起きる
mriyate【三人称・単数・アートマネーパダ・現在 √mṛ】[彼は、それは]死ぬ、死亡する
vā【接続詞】あるいは、また
kadācit【副詞】いつか、ある時、かつて、時々

नायं भूत्वा भविता वा न भूयः ।
nāyaṁ bhūtvā bhavitā vā na bhūyaḥ |
ナーヤン ブートヴァー バヴィター ヴァー ナ ブーヤハ
さらにこれが存在して、後に無くなることもない

na【否定辞】〜でない
ayam【男性・単数・主格、指示代名詞 idam】これは、これが
bhūtvā【絶対分詞 √bhū】あって、存在して
bhavitā【三人称・単数・複合未来 √bhū】[彼は、それは]あるだろう、なるだろう、存在するだろう
vā【接続詞】あるいは、また
na【否定辞】〜でない
bhūyas【中性・単数・主格】さらに、その他に、なお一層;再び、新たに

अजो नित्यः शाश्वतो ऽयं पुराणो
ajo nityaḥ śāśvato ‘yaṁ purāṇo
アジョー ニッティヤハ シャーシュヴァトー ヤン プラーノー
不生、常住、永遠、太古のこれは

ajas【男性・単数・主格、a√janからの派生語aja】不生の、永遠の、初より存在する
nityas【男性・単数・主格】常住の、恒久の、永久の、不易の、不壊の
śāśvatas【男性・単数・主格】永遠の、不変の、不断の、恒久の
ayam【男性・単数・主格、指示代名詞 idam】これは、これが
purāṇas【男性・単数・主格】古代に属する、初期の、昔の、太古の、古い

न हन्यते हन्यमाने शरीरे ॥
na hanyate hanyamāne śarīre ||
ナ ハンニャテー ハンニャマーネー シャリーレー
身体が殺されても、それは殺されない

na【否定辞】〜でない
hanyate【三人称・単数・現在・受動活用 √han】[彼は、それは]殺される、殺害される
hanyamāne【男性・単数・処格・受動態・現在分詞、√han】殺されている、殺害されている
śarīre【男性・単数・処格】身体において

न जायते म्रियते वा कदाचिन् नायं भूत्वा भविता वा न भूयः ।
अजो नित्यः शाश्वतोऽयं पुराणो न हन्यते हन्यमाने शरीरे ॥ २० ॥

na jāyate mriyate vā kadācin nāyaṁ bhūtvā bhavitā vā na bhūyaḥ |
ajo nityaḥ śāśvato’yaṁ purāṇo na hanyate hanyamāne śarīre || 20 ||
それはかつて生じたことなく、またいつか死ぬこともない。
さらにこれが存在して、後に無くなることもない。
不生、常住、永遠、太古のこれは、身体が殺されても、殺されない。

※この詩節は、トリシュトゥブ(11音節×4行)の韻律になります。
この詩節は、解釈が難しい詩節のひとつで、特に二行目の絶対分詞bhūtvāを巡って、さまざまな解釈が行われています。
この点については、今西順吉著「『バガヴァッド・ギーター』(II,20)注解」(国際仏教学大学院大学研究紀要第11号、pp.267-310、2007)で詳細な考察がなされています。
国立情報学研究所のサイトで無料でご覧いただけます)

バガヴァッド・ギーター第2章第19節

य एनं वेत्ति हन्तारं
ya enaṁ vetti hantāraṁ
ヤ エーナン ヴェーッティ ハンターラン
それ(個我)を殺害者だと思う者

yas【男性・単数・主格、関係代名詞 yad】〜であるもの。enam vetti hantāramを受ける関係代名詞。
enam【男性・単数・対格、指示代名詞 enad】彼を、それを
vetti【三人称・単数・パラスマイパダ・現在 √vid】[彼は]知る、理解する、思う
hantāram【男性・単数・対格、√hanからの派生語hantṛ】殺害者を、殺人者を、破壊者を

यश्चैनं मन्यते हतम् ।
yaścainaṁ manyate hatam |
ヤシュチャイナン マンニャテー ハタム
またそれ(個我)を殺されたと信じる者

yas【男性・単数・主格、関係代名詞 yad】〜であるもの。enam manyate hatamを受ける関係代名詞。
ca【接続詞】そして、また、〜と
enam【男性・単数・対格、指示代名詞 enad】彼を、それを
manyate【三人称・単数・アートマネーパダ・現在 √man】[彼は]考える、信じる、想像する
hatam【男性・単数・対格、過去受動分詞 √han】殺された、殺害された

उभौ तौ न विजानीतो
ubhau tau na vijānīto
ウバウ タウ ナ ヴィジャーニートー
その両者は[個我の真相を]理解しない

ubhau【男性・両数・主格、ubha】両方は、両者は
tau【男性・両数・主格、指示代名詞 tad】それら両者は、彼ら二人は
na【否定辞】〜でない
vijānītas【三人称・両数・アートマネーパダ・現在 vi√jñā】[彼ら二人は]知る、理解する、知覚する

नायं हन्ति न हन्यते ॥
nāyaṁ hanti na hanyate ||
ナーヤン ハンティ ナ ハンニャテー
それ(個我)は殺さず、殺されない

na【否定辞】〜でない
ayam【男性・単数・主格、指示代名詞 idam】これは
hanti【三人称・単数・パラスマイパダ・現在 √han】[彼は、それは]殺す、殺害する
na【否定辞】〜でない
hanyate【三人称・単数・現在・受動活用 √han】[彼は、それは]殺される、殺害される

य एनं वेत्ति हन्तारं यश्चैनं मन्यते हतम् ।
उभौ तौ न विजानीतो नायं हन्ति न हन्यते ॥ १९ ॥

ya enaṁ vetti hantāraṁ yaścainaṁ manyate hatam |
ubhau tau na vijānīto nāyaṁ hanti na hanyate || 19 ||
それを殺害者だと思う者、またそれを殺されたと信じる者、
その両者は、いずれも理解していない。それは殺すことなく、殺されることもない。