バガヴァッド・ギーター第5章第9節

インド古典中もっとも有名なバガヴァッド・ギーターの原典講読です。
インドの霊的文化の支柱となる本書を、サンスクリット語の学習をしながらお楽しみください。

प्रलपन् विसृजन् गृह्णन्न्
pralapan visṛjan gṛhṇann
プララパン ヴィスリジャン グリフナン
語り、排泄し、掴み

pralapan【男性・単数・主格・現在分詞 pra√lap】[〜している]軽率・むやみに話す、無駄口をきく;談話する、語る;叫ぶ;嘆く;悲しげに言う・告げる;哀願する
visṛjan【男性・単数・主格・現在分詞 vi√sṛj】[〜している]発射する、射つ、〜に投げる、投げつける;流れさせる、出す、流す;(音を)発する;(従格)から自由にする、解放する;追い出す、(妻を)捨て去る;放逐する;(使者を)派遣する;捨てる、見捨てる;生かせる、かたわらにおく;あきらめる、廃する、放棄する
gṛhṇan【男性・単数・主格・現在分詞 √grah】[〜している]掴む、摂る、付着する、捕らえる、止む;〜を入手する;捕獲する;魅惑する;(病気が)襲う;浸蝕する;盗む、剥奪する;保つ、保留する;要求する;獲得する、受納する;(従格)より受け取る;受理する、採用する;発言する、発音する;知覚する、了解する、聞く、見る、観察する、認める;学ぶ、記憶する;従う、追随する;好む;専心する;意見を有する、考える

उन्मिषन् निमिषन्न् अपि ।
unmiṣan nimiṣann api |
ウンミシャン ニミシャン アピ
目を開き、目を閉じながらも

unmiṣan【男性・単数・主格・現在分詞 un√miṣ】[〜している]目を開く;(目、蕾が)開く;輝く、光り輝く;花咲く、現れる、生ずる
nimiṣan【男性・単数・主格・現在分詞 ni√miṣ】[〜している]目を閉じる;(目が)ふさがる
api【不変化辞】さらに、また、同様に;されど、なお

इन्द्रियाणीन्द्रियार्थेषु
indriyāṇīndriyārtheṣu
インドリヤーニーンドリヤールテーシュ
感官が感官の対象において

indriyāṇi【中性・複数・主格 indriya】[〜らは、〜らが]神の力;支配;偉大な行為;活力;体力;精力;感官;感覚
indriyārtheṣu【中性・複数・処格 indriyārtha】[〜らにおいて、〜らのなかで]感覚の対象、感覚を刺激するもの

वर्तन्त इति धारयन् ॥
vartanta iti dhārayan ||
ヴァルタンタ イティ ダーラヤン
作用すると知っている

vartante【三人称・複数・アートマネーパダ・現在 √vṛt】[彼らは〜、それらは〜](処格)に従事・専念・関係する;(処格)に依存する;(処格)に向かって行動する・振る舞う
iti【副詞】〜と、〜ということ、以上(しばしば引用句の後に置かれる)
dhārayan【男性・単数・主格 dhārayat√dhṛの現在分詞・使役活用)】所有する;〜に精通する;支持する

प्रलपन् विसृजन् गृह्णन्नुन्मिषन्निमिषन्नपि ।
इन्द्रियाणीन्द्रियार्थेषु वर्तन्त इति धारयन् ॥९॥

pralapan visṛjan gṛhṇannunmiṣannimiṣannapi |
indriyāṇīndriyārtheṣu vartanta iti dhārayan ||9||
語り、排泄し、掴み、目を開き、目を閉じながらも。
彼は、「感官が感官の対象に作用するにすぎない」と知る。

バガヴァッド・ギーター第5章第8節

インド古典中もっとも有名なバガヴァッド・ギーターの原典講読です。
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नैव किञ्चित् करोमीति
naiva kiñcit karomīti
ナイヴァ キンチット カローミーティ
「私は何もしない」と

na【否定辞】〜でない
eva【副詞】実に、真に(強意を表す。しばしば虚辞として使用)
kiñcit【中性・単数・対格 kiñcit または kimcid(不定代名詞 kim+cid)】幾分か、少し、何か
karomi【一人称・単数・パラスマイパダ・現在 √kṛ】[私は〜]為す、作る、遂行する、用いる
iti【副詞】〜と、〜ということ、以上(しばしば引用句の後に置かれる)

युक्तो मन्येत तत्त्ववित् ।
yukto manyeta tattvavit |
ユクトー マンニェータ タットヴァヴィット
専心した真理を知る者は考えるだろう

yuktas【男性・単数・主格 yukta√yujの過去受動分詞)】[〜は、〜が]くびき(軛)につながれた、(処格)に従事した、〜に専心した;(具格)に忙殺された、〜に専念した;(処格)に熱中した;集中した
manyeta【三人称・単数・アートマネーパダ・現在・願望 √man】[彼は〜だろう、彼は〜するべき]考える、信じる、想像する
tattvavit【男性・単数・主格 tattvavid】[〜は、〜が]真理を知っている

पश्यञ्शृण्वन् स्पृशञ्जिघ्रन्न्
paśyañśṛṇvan spṛśañjighrann
パッシャンシュリンヴァン スプリシャンジグラン
見、聞き、触れ、嗅ぎ

paśyan【男性・単数・主格・現在分詞 √paś】[〜している]見る;眺める;観察する、注意する;凝視する、傍観する;経験する、獲得する;見出す;考察する、思量する;心眼で見る、発見する;予知する、予見する
śṛṇvan【男性・単数・主格・現在分詞 √śru】[〜している]聞く、聴く、耳にする、傾聴する
spṛśan【男性・単数・主格・現在分詞 √spṛś】[〜している](対格)に触れる;なでる;触覚によって知覚する、感じる
jighran【男性・単数・主格・現在分詞 √ghrā】[〜している]嗅ぐ;嗅ぎつく;知覚する;(処格)に接吻する

अश्नन् गच्छन् स्वपञ्श्वसन् ॥
aśnan gacchan svapañśvasan ||
アシュナン ガッチャン スヴァパンシュヴァサン
食べ、動き、眠り、呼吸しながらも

aśnan 【男性・単数・主格・現在分詞 √aś】[〜している]食べる、摂る;味わう;楽しむ
gacchanti【男性・単数・主格・現在分詞 √gam】[〜している]行く、動く、歩む;去る、来る;止む、死す;〜に近づく、〜に達する、〜を得る
svapan【男性・単数・主格・現在分詞 √svap】[〜している]眠る、寝入る;(処格)の上に横たわる;死の床につく、永眠する、死んで横たわる
śvasan【男性・単数・主格・現在分詞 śvas】[〜している]あえぐ、鼻息を荒くする、シューという、ピューと鳴る;呼吸する;嘆息する

नैव किञ्चित्करोमीति युक्तो मन्येत तत्त्ववित् ।
पश्यञ्शृण्वन्स्पृशञ्जिघ्रन्नश्नन्गच्छन्स्वपञ्श्वसन् ॥८॥

naiva kiñcitkaromīti yukto manyeta tattvavit |
paśyañśṛṇvanspṛśañjighrannaśnangacchansvapañśvasan ||8||
「私は何もしない」と、専心した真理を知る者は考える。
見、聞き、触れ、嗅ぎ、食べ、動き、眠り、呼吸しながらも。

バガヴァッド・ギーター第5章第7節

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योगयुक्तो विशुद्धात्मा
yogayukto viśuddhātmā
ヨーガユクトー ヴィシュッダートマー
ヨーガに専心し、自己を浄め

yogayuktas【男性・単数・主格、限定複合語 yogayukta】[〜は、〜が]瞑想に専心したもの、ヨーガを行ずるもの
viśuddha【過去受動分詞 vi√śudh】清浄にされた
ātmā【男性・単数・主格 ātman】[〜は、〜が]気息;霊魂;生命、自身;本質、本性;特色;身体;知性、悟性;我、最高我
→viśuddhātmā【男性・単数・主格、所有複合語】[〜は、〜が]自己を浄めたもの、自我を浄化したもの

विजितात्मा जितेन्द्रियः ।
vijitātmā jitendriyaḥ |
ヴィジタートマー ジテーンドリヤハ
自己を制し、感官を統御し

vijita【過去受動分詞 vi√ji】征服された、獲得された
ātmā【男性・単数・主格 ātman】[〜は、〜が]気息;霊魂;生命、自身;本質、本性;特色;身体;知性、悟性;我、最高我
→vijitātmā【男性・単数・主格、所有複合語】[〜は、〜が]自己を征服したもの、自我を制御したもの
jita【過去受動分詞 √ji】勝利された、獲得された、征服された;捨てられた
indriyas【男性・単数・主格 indriya】[〜は、〜が]神の力;支配;偉大な行為;活力;体力;精力;感官;感覚
→jitendriyas【男性・単数・主格、所有複合語】[〜は、〜が]感官を制したもの、感官を制御したもの

सर्वभूतात्मभूतात्मा
sarvabhūtātmabhūtātmā
サルヴァブータートマブータートマー
その自己が万物の自己となった者は

sarva【男性】すべての、一切の、各々の;全体の
bhūta【男性】存在物[神・人・動物および植物を含む];被創造物;万物;世界
ātma【男性 ātman】気息;霊魂;生命、自身;本質、本性;特色;身体;知性、悟性;我、最高我
bhūta【男性】存在物[神・人・動物および植物を含む];被創造物;万物;世界
ātmā【男性・単数・主格 ātman】気息;霊魂;生命、自身;本質、本性;特色;身体;知性、悟性;我、最高我
→sarvabhūtātmabhūtātmā【男性・単数・主格、所有複合語】[〜は、〜が]自己が万物の自己となったもの、自我が万物の自我と一体化したもの、自他の区別がないもの

कुर्वन्न् अपि न लिप्यते ॥
kurvann api na lipyate ||
クルヴァン アピ ナ リッピヤテー
行為をしても穢されない

kurvan【男性・単数・主格 kurvat√kṛの現在分詞)】[〜している]為す、動作する;現在の、活動する
api【不変化辞】さらに、また、同様に;されど、なお
na【否定辞】〜でない
lipyate【三人称・単数・現在・受動活用 √lip】[彼は〜される、それは〜される]油を塗る、(対格)に(具格)を塗る;汚す、穢す、不潔にする、染める

योगयुक्तो विशुद्धात्मा विजितात्मा जितेन्द्रियः ।
सर्वभूतात्मभूतात्मा कुर्वन्नपि न लिप्यते ॥७॥

yogayukto viśuddhātmā vijitātmā jitendriyaḥ |
sarvabhūtātmabhūtātmā kurvannapi na lipyate ||7||
ヨーガに専心し、自己を浄め、自己を制し、感官を統御し、
その自己が万物の自己となった者は、行為をしても穢されない。

バガヴァッド・ギーター第5章第6節

संन्यासस् तु महाबाहो
saṁnyāsas tu mahābāho
サンニャーサス トゥ マハーバーホー
しかし、(行為の)放擲は、アルジュナよ

saṁnyāsas【男性・単数・主格 saṁnyāsa】[〜は、〜が](属格、―゜)の放棄;契約;寄託、委託
tu【接続詞】しかし、一方(虚辞としても使用)
mahābāho【男性・単数・呼格 mahābāhu】[〜よ]強大な腕力を持つ(者)、長い腕を持つ(者)、強い臂を持つ(者)。ここではアルジュナのこと。

दुःखम् आप्तुम् अयोगतः ।
duḥkham āptum ayogataḥ |
ドゥフカム アープトゥム アヨーガタハ
(行為の)ヨーガなしでは達成し難い

duḥkham【中性・単数・対格 duḥkha】[〜に、〜を]不安、心配、苦痛、悲しみ、悲哀、困難、苦しみ
āptum 【不定詞 √āp】[〜すること]到達する、獲得する、成し遂げる;遭遇する、蒙る、関係する、耐え忍ぶ;起こる
ayogatas【副詞】奮励せずに、勉励せずに;ヨーガなしで

योगयुक्तो मुनिर् ब्रह्म
yogayukto munir brahma
ヨーガユクトー ムニル ブラフマ
ヨーガに専心した賢者は、ブラフマンに

yogayuktas【男性・単数・主格 yogayukta】瞑想に専心した、ヨーガを行ずる
munis【男性・単数・主格 muni】[〜は、〜が]霊感を得た人;賢人、予言者、苦行者、隠者、沈黙の誓約をした者
brahma【中性・単数・対格 brahman】[〜に、〜を]聖智に満ちた者、婆羅門;祭官とくにヴェーダ祭式を総監する祭官;ブラフマンを神格化した最高神、梵天、宇宙の創造者として保持者ヴィシュヌおよび破壊神シヴァとともにトリムルティを形成する神格;理性

नचिरेणाधिगच्छति ॥
nacireṇādhigacchati ||
ナチレーナーディガッチャティ
遠からず達する

nacireṇa【副詞】まもなく、やがて
adhigacchati【三人称・単数・パラスマイパダ・現在 adhi√gam】[彼は〜、それは〜]〜に行く、近づく、達する;出会う、遭遇する;見出す、発見する;完成する;学習する、研究する、読む

संन्यासस्तु महाबाहो दुःखम् आप्तुम् अयोगतः ।
योगयुक्तो मुनिर्ब्रह्म नचिरेणाधिगच्छति ॥६॥

saṁnyāsastu mahābāho duḥkham āptum ayogataḥ |
yogayukto munirbrahma nacireṇādhigacchati ||6||
しかし、アルジュナよ、行為の放擲は、行為のヨーガなしでは達成し難い。
ヨーガに専心した賢者は、遠からずブラフマンに達する。

バガヴァッド・ギーター第5章第5節

यत् सांख्यैः प्राप्यते स्थानं
yat sāṁkhyaiḥ prāpyate sthānaṁ
ヤット サーンキヤイヒ プラープヤテー スターナン
サーンキヤによって得られる境地は

yat【中性・単数・主格、関係代名詞 yad】[〜は、〜が]〜であるもの、〜である人、〜であるとき
sāṁkhyais【男性・複数・具格 sāṁkhya】[〜によって、〜をもって]計算する人、熟慮する人、サーンキヤ説の信奉者、理論家
prāpyate【三人称・単数・現在・受動活用 pra√āp】[それは〜される]到達する、会す、邂逅する、見出す;獲得する、娶る;蒙る;(規則より)結果する、得る、実施する
sthānam【中性・単数・対格 sthāna】[〜に、〜を]地位、身分、階級;住居、住所、場所、地点;(ある神の)世界・領域(地、空、天)

तद् योगैर् अपि गम्यते ।
tad yogair api gamyate |
タット ヨーガイル アピ ガンミャテー
ヨーガによっても到達される

tat【中性・単数・主格、指示代名詞 tad】[〜は、〜が]それ、あれ
yogais【男性・複数・具格 yoga】[〜によって、〜をもって]ヨーガ、精神の集中、組織的な超脱法、瞑想、静慮、心統一
api【不変化辞】さらに、また、同様に;されど、なお
gamyate【三人称・単数・現在・受動活用 √gam】[それは〜される]行く、動く、歩む;去る、来る;止む、死す;過ぎる、経過する;横切る;(対格、為格、処格)に赴く、〜に近づく、〜に達する、〜を得る;知覚する

एकं सांख्यं च योगं च
ekaṁ sāṁkhyaṁ ca yogaṁ ca
エーカン サーンキヤン チャ ヨーガン チャ
サーンキヤとヨーガを同一に

ekam【男性・単数・対格 eka】一の;単独の、唯一の;一個の;同一の、共通の
sāṁkhyam【男性・単数・対格 sāṁkhya】[〜に、〜を]計算する人、熟慮する人、サーンキヤ説の信奉者、理論家
ca【接続詞】そして、また、〜と
yogam【男性・単数・対格 yoga】[〜に、〜を]ヨーガ、精神の集中、組織的な超脱法、瞑想、静慮、心統一
ca【接続詞】そして、また、〜と

यः पश्यति स पश्यति ॥
yaḥ paśyati sa paśyati ||
ヤハ パッシャティ サ パッシャティ
見る人は、(真に)見る者である

yas【男性・単数・主格、関係代名詞 yad】[〜は、〜が]〜であるもの、〜である人
paśyati【三人称・単数・パラスマイパダ・現在 √paś】[彼は〜、それは〜]見る;眺める;観察する、注意する;凝視する、傍観する;経験する、獲得する;見出す;考察する、思量する;心眼で見る、発見する;予知する、予見する
sas【男性・単数・主格、指示代名詞 tad】[〜は、〜が]これ、あれ、彼
paśyati【三人称・単数・パラスマイパダ・現在 √paś】[彼は〜、それは〜]見る;眺める;観察する、注意する;凝視する、傍観する;経験する、獲得する;見出す;考察する、思量する;心眼で見る、発見する;予知する、予見する

यत् सांख्यैः प्राप्यते स्थानं तद्योगैरपि गम्यते ।
एकं सांख्यं च योगं च यः पश्यति स पश्यति ॥५॥

yat sāṁkhyaiḥ prāpyate sthānaṁ tadyogairapi gamyate |
ekaṁ sāṁkhyaṁ ca yogaṁ ca yaḥ paśyati sa paśyati ||5||
サーンキヤによって得られる境地は、ヨーガによっても到達される。
サーンキヤとヨーガを同一に見る人は、真に見る者である。

バガヴァッド・ギーター第5章第4節

सांख्ययोगौ पृथग्बालाः
sāṁkhyayogau pṛthagbālāḥ
サーンキヤヨーガウ プリタグバーラーハ
愚者は、サーンキヤ(理論)とヨーガ(実践)を別々に

sāṁkhya【男性】計算する人、熟慮する人、サーンキヤ説の信奉者、理論家
yogau【男性・両数・対格 yoga】[〜に、〜を]ヨーガ、精神の集中、組織的な超脱法、瞑想、静慮、心統一
→sāṁkhyayogau【男性・両数・対格、並列複合語】[〜に、〜を]サーンキヤ(理論)とヨーガ(実践)
pṛthak【副詞】離れて、別々に;各自に
bālās【男性・複数・主格 bāla】[〜らは、〜らが]児童、少年、未成年者[16歳未満];愚物、馬鹿

प्रवदन्ति न पण्डिताः ।
pravadanti na paṇḍitāḥ |
プラヴァダンティ ナ パンディターハ
語るが、賢者はそうでない

pravadanti【三人称・複数・パラスマイパダ・現在 pra√vad】[彼らは〜]話し出す、発言する、語る、公言する、宣言する;断言する、肯定する
na【否定辞】〜でない
paṇḍitās【男性・複数・主格 paṇḍita】[〜らは、〜らが]学者、学問のある人、賢い人;パンディット 【形容詞】学問のある;賢い、怜悧な;教養ある、〜に巧みな

एकम् अप्य् आस्थितः सम्यग्
ekam apy āsthitaḥ samyag
エーカム アピ アースティタハ サンミャグ
一方に正しく依拠する人は

ekam【中性・単数・主格 eka】[〜は、〜が]一の;単独の、唯一の;一個の;同一の、共通の
api【不変化辞】さらに、また、同様に;されど、なお
āsthitas【男性・単数・主格 āsthitaā√sthāの過去受動分詞)】留まれた、住まわれた;企てられた、遂行された
samyaksamyañcの中性形)【副詞】一方に、ともに;正しく、正確に、真に、当然に、適当に;全く、完全に

उभयोर् विन्दते फलम् ॥
ubhayor vindate phalam ||
ウバヨール ヴィンダテー パラム
両方の果報を得る

ubhayos【男性・両数・属格 ubha】[〜の、〜にとって]両方、双方
vindate【三人称・単数・アートマネーパダ・現在 √vid】[彼は〜、それは〜]見出す、遭遇する、獲得する、取得する;所有する;探し出す、求める
phalam【中性・単数・対格 phala】[〜に、〜を]果実;(果実の)核;結果;報い、報酬、利益、果報;報復、罰、損失、不利益;利得、享受;代償

सांख्ययोगौ पृतग्बालाः प्रवदन्ति न पण्डिताः ।
एकमप्यास्थितः सम्यगुभयोर्विन्दते फलम् ॥४॥

sāṁkhyayogau pṛtagbālāḥ pravadanti na paṇḍitāḥ |
ekamapyāsthitaḥ samyagubhayorvindate phalam ||4||
愚者は、サーンキヤ(理論)とヨーガ(実践)を別々に語るが、賢者はそうでない。
一方に正しく依拠する人は、両方の果報を得る。

バガヴァッド・ギーター第5章第3節

インド古典中もっとも有名なバガヴァッド・ギーターの原典講読です。
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ज्ञेयः स नित्यसंन्यासी
jñeyaḥ sa nityasaṁnyāsī
ジュニェーヤハ サ ニッティヤサンニヤーシー
彼は、常に放擲した者と知られるべき

jñeyas【男性・単数・主格 jñeya√jñāの未来受動分詞)】知られるべき、学ばれるべき、了解せられるべき;取り調べられるべき
sas【男性・単数・主格、指示代名詞 tad】[〜は、〜が]これ、あれ、彼
nitya【副詞】恒久的に、不易に、常に;不変に
saṁnyāsī【男性・単数・主格 saṁnyāsin】(―゜)を放棄する、断念する;(世を)棄てた(第四生活期にある婆羅門)

यो न द्वेष्टि न काङ्क्षति।
yo na dveṣṭi na kāṅkṣati |
ヨー ナ ドヴェーシュティ ナ カーンクシャティ
嫌悪せず、期待しない人は

yas【男性・単数・主格、関係代名詞 yad】[〜は、〜が]〜であるもの、〜である人
na【否定辞】〜でない
dveṣṭi【三人称・単数・パラスマイパダ・現在 √dviṣ】[彼は〜、それは〜]〜を嫌う、〜を敵視する、〜に憎悪を示す、〜を憎む;〜と争う、〜の相手となる
na【否定辞】〜でない
kāṅkṣati【三人称・単数・パラスマイパダ・現在 √kāṅkṣ】[彼は〜、それは〜]願う、渇望する、希求する;(対格)を期待する、〜を待つ;得ようと努力する

निर्द्वंद्वो हि महाबाहो
nirdvaṁdvo hi mahābāho
ニルドヴァンドヴォー ヒ マハーバーホー
なぜならば、相対を超越した人は、アルジュナよ

nirdvaṁdvas【男性・単数・主格 nirdvaṁdva】(冷と熱等のように)反対の事に対して平等な、喜びも悲しみもない、相互関係において矛盾しない、独立不羈の;嫉妬・羨望の念のない、異議を生じない
hi【不変化辞】なぜならば、〜のために;真に、確かに、実に
mahābāho【男性・単数・呼格 mahābāhu】[〜よ]強大な腕力を持つ(者)、長い腕を持つ(者)、強い臂を持つ(者)。ここではアルジュナのこと。

सुखं बन्धात् प्रमुच्यते ॥
sukhaṁ bandhāt pramucyate ||
スカン バンダート プラムッチャテー
容易に束縛から解放される

sukham【副詞】幸福に、安楽に、快適に、容易に、苦もなく
bandhāt【男性・単数・従格 bandha】[〜から、〜より]結ぶこと、締めること;捕らえること、捕獲;束縛、きずな;阻止
pramucyate【三人称・単数・現在・受動活用 pra√muc】[彼は〜される、それは〜される](具格・従格)から解放される;ゆるめられる;(果実が)落ちる、(従格)から(果実)が落ちる;中止する、思い止まる

ज्ञेयः स नित्यसंन्यासी यो न द्वेष्टि न काङ्क्षति ।
निर्द्वंद्वो हि महाबाहो सुखं बन्धात्प्रमुच्यते ॥३॥

jñeyaḥ sa nityasaṁnyāsī yo na dveṣṭi na kāṅkṣati |
nirdvaṁdvo hi mahābāho sukhaṁ bandhātpramucyate ||3||
嫌悪せず、期待しない人は、常に放擲した者と知られるべきである。
なぜならば、相対を超越した人は、容易に束縛から解放されるから。

バガヴァッド・ギーター第5章第2節

インド古典中もっとも有名なバガヴァッド・ギーターの原典講読です。
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श्रीभगवान् उवाच ।
śrībhagavān uvāca |
シュリーバガヴァーン ウヴァーチャ
クリシュナは語った

śrībhagavān【男性・単数・主格 śrībhagavat】栄光ある方、神聖な神、威厳ある尊者。ここではクリシュナのことを指す。
uvāca【三人称・単数・パラスマイパダ・完了 √vac】[彼は〜した]言う、語る

संन्यासः कर्मयोगश्च
saṁnyāsaḥ karmayogaśca
サンニャーサハ カルマヨーガシュチャ
(行為の)放擲と行為のヨーガは

saṁnyāsas【男性・単数・主格 saṁnyāsa】[〜は、〜が](属格、―゜)の放棄;契約;寄託、委託
karmayogas【男性・単数・主格、限定複合語 karmayoga】[〜は、〜が]行為のヨーガ、行為の道、行道;動作、活動;聖業の実践
ca【接続詞】そして、また、〜と

निःश्रेयसकरव् उभौ ।
niḥśreyasakarav ubhau |
ニヒシュレーヤサカラヴ ウバウ
共に至福をもたらす

niḥśreyasa【中性】無上の幸福、至福、至上、救済 【形容詞】より優れたもののない、最上の
karau【男性・両数・主格 kara】行う、為す;惹起する、生ずる[一般に―゜(合成語の終わり)]
→niḥśeyasa-karau【男性・主格・両数】至福をもたらす
ubhau【男性・両数・主格 ubha】[〜は、〜が]両方、両者

तयोस् तु कर्मसंन्यासात्
tayos tu karmasaṁnyāsāt
タヨース トゥ カルマサンニャーサート
しかし、その両者のなかで、行為の放擲より

tayos【男性・両数・処格、指示代名詞 tad】[〜において、〜のなかで]それら両者、両方
tu【接続詞】しかし、一方(虚辞としても使用)
karma【中性】行為、作業;作用、職業;儀式;結果;運命(前世に行った行為の結果)、業
saṁnyāsāt【男性・単数・主格 saṁnyāsa】[〜から、〜より](属格、―゜)の放棄;契約;寄託、委託
→karmasaṁnyāsāt【男性・単数・従格、限定複合語】[〜から、〜より]行為の放擲

कर्मयोगो विशिष्यते ॥
karmayogo viśiṣyate ||
カルマヨーゴー ヴィシッシャテー
行為のヨーガが、より優れている

karmayogas【男性・単数・主格、限定複合語 karmayoga】[〜は、〜が]行為のヨーガ、行為の道、行道;動作、活動;聖業の実践
viśiṣyate【三人称・単数・現在・受動活用 vi√śiṣ】[彼は〜される、それは〜される]大いに尊重される;より優れている

श्रीभगवान् उवाच ।
संन्यासः कर्मयोगश्च निःश्रेयसकरवुभौ ।
तयोस्तु कर्मसंन्यासात्कर्मयोगो विशिष्यते ॥२॥

śrībhagavān uvāca |
saṁnyāsaḥ karmayogaśca niḥśreyasakaravubhau |
tayostu karmasaṁnyāsātkarmayogo viśiṣyate ||2||
クリシュナは語りました。
行為の放擲と行為のヨーガは、共に至福をもたらす。
しかし、そのなかでも、行為のヨーガは、行為の放擲より優れている。

バガヴァッド・ギーター第5章第1節

インド古典中もっとも有名なバガヴァッド・ギーターの原典講読です。
インドの霊的文化の支柱となる本書を、サンスクリット語の学習をしながらお楽しみください。

अर्जुन उवाच ।
arjuna uvāca |
アルジュナ ウヴァーチャ
アルジュナは言った

arjunas【男性・単数・主格 arjuna】[〜は、〜が]アルジュナ
uvāca【三人称・単数・パラスマイパダ・完了 √vac】[彼は〜した]言う、話す

संन्यासं कर्मणां कृष्ण
saṁnyāsaṁ karmaṇāṁ kṛṣṇa
サンニヤーサン カルマナーン クリシュナ
クリシュナよ、行為の放擲を

saṁnyāsam【男性・単数・対格 saṁnyāsa】[〜に、〜を](世を)棄てること;(行為の)遠離、放擲
karmaṇām【中性・属格・複数 karman】[〜の、〜にとって]行為、作業;作用、職業;儀式;結果;運命(前世に行った行為の結果)、業
kṛṣṇa【男性・単数・呼格 kṛṣṇa】[〜よ]クリシュナ神;黒い羊飼い

पुनर् योगं च शंससि ।
punar yogaṁ ca śaṁsasi |
プナル ヨーガン チャ シャンサシ
そしてまたヨーガをあなたは讃える

punar【副詞】後方へ、家へ;再び、新たに;更に、これ以上、なお、まだ;更にまた、かつまた、その他;それに反して、一方において、しかしながら、それにもかかわらず
yogam【男性・単数・対格 yoga】[〜に、〜を]ヨーガ、精神の集中、組織的な超脱法、瞑想、静慮、心統一
ca【接続詞】そして、また、〜と
śaṁsasi【二人称・単数・パラスマイパダ・現在 √śaṁs】[あなたは〜](とくに神々に対し讃歌または詩句を)読誦する、歌う;称賛する、激賞する、通告する・報告する・告げる・宣言する

यच्छ्रेय एतयोर् एकं
yacchreya etayor ekaṁ
ヤッチュレーヤ エータヨール エーカン
この両者のうち、より優れた一つを

yad【中性・単数・主格、関係代名詞 yad】[〜は、〜が]〜であるもの、〜である人、〜であるとき
śreyas【中性・単数・主格・比較級 śreyas】よりよき状態(または)幸運;安寧、幸福
etayos【男性・両数・属格、指示代名詞 etad】[〜の、〜にとって]両者、両方
ekam【中性・単数・対格 eka】[〜に、〜を]一の;単独の、唯一の;一個の;同一の、共通の

तन् मे ब्रूहि सुनिश्चितम् ॥
tan me brūhi suniścitam ||
タン メー ブルーヒ スニシュチタム
それをはっきりと私に語れ

tat【中性・単数・対格、指示代名詞 tad】[〜に、〜を]それ、あれ
me【単数・為格、一人称代名詞 mad(mahyamの附帯形)】[〜に、〜のために]私
brūhi【二人称・単数・パラスマイパダ・命令法 √brū】[あなたは〜せよ]言う、発言する、語る、伝達する、述べる
suniścitam【副詞】絶対に確かに、非常な自信をもって

अर्जुन उवाच ।
संन्यासं कर्मणां कृष्ण पुनर्योगं च शंससि ।
यच्छ्रेय एतयोर् एकं तन्मे ब्रूहि सुनिश्चितम् ॥१॥

arjuna uvāca |
saṁnyāsaṁ karmaṇāṁ kṛṣṇa punaryogaṁ ca śaṁsasi |
yacchreya etayor ekaṁ tanme brūhi suniścitam ||1||
アルジュナは言いました。
「クリシュナよ、あなたは行為の放擲とヨーガを讃えます。
この両者のうち、より優れた方を私に明示してください。」