バガヴァッド・ギーター第8章第9節

インド古典中もっとも有名なバガヴァッド・ギーターの原典講読です。
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कविं पुराणम् अनुशासितारम्
kaviṁ purāṇam anuśāsitāram
カヴァン プラーナム アヌシャーシターラム
太古の聖者、指導者を

kavim【男性・単数・対格 kavi】[〜に、〜を]思索家、賢人、聖者、預言者;詩人;金星(遊星の)
purāṇam【男性・単数・対格 purāṇa】古代に属する、初期の、昔の、太古の、古い
anuśāsitāram【男性・単数・対格 anuśāsitṛ】[〜に、〜を]指導者、教師

अणोर् अणीयांसम् अनुस्मरेद् यः ।
aṇor aṇīyāṁsam anusmared yaḥ |
アノール アニーヤーンサム アヌスマレード ヤハ
極微よりさらに微細な者を、憶念できる者は

aṇos【男性・単数・従格 aṇu】[〜から、〜より]原子、極微 【形容詞】微少な、微細な、繊細な
aṇīyāṁsam【男性・単数・対格 aṇīyasaṇuの比較級)】[より〜、更に〜]微少な、微細な、繊細な
anusmaret【三人称・単数・パラスマイパダ・願望法 anu√smṛ】[彼は〜だろう、彼は〜するべき、彼は〜できる]記憶する、(対格)を思い出す;(罪を)告白する
yas【男性・単数・主格、関係代名詞 yad】[〜は、〜が]〜であるもの、〜である人

सर्वस्य धातारम् अचिन्त्यरूपम्
sarvasya dhātāram acintyarūpam
サルヴァッスヤ ダーターラム アチンティヤルーパム
一切の創造者、不可思議の姿をもつ者を

sarvasya【男性・単数・属格 sarva】[〜の、〜にとって]すべての、一切の、各々の;全体の
dhātāram【男性・単数・対格 dhātṛ】[〜に、〜を]支持者、建設者;保護者;創始者、造物者;(世界の)創造者、維持者(=梵天またはプラジャーパティ);運命の神
acintya【中性】不可思議の、思議されない、考えられない
rūpam【中性・単数・対格 rūpa】[〜に、〜を]外観、色;夢・幻に現れる形;肖像、像、映像;文法上の形、派生語;美しい形、美、見目よいこと;現象;記号、指示、しるし、象徴、顕現;特徴、特質、性質;情況;類、種類;痕跡;単一の見本;戯曲
→acintyarūpam【中性・単数・対格、所有複合語】[〜に、〜を]不可思議の姿をもつ

आदित्यवर्णं तमसः परस्तात् ॥
ādityavarṇaṁ tamasaḥ parastāt ||
アーディティヤヴァルナン タマサハ パラスタートゥ
暗黒の彼方から太陽のように輝く者を

āditya【男性】アディティの息子;太陽神;太陽 【形容詞】アディティに属する、アディティに由来する
varṇam【男性・単数・対格 varṇa】種、カースト、種姓
→ādityavarṇam【男性・単数・対格 ādityavarṇa】[〜に、〜を]太陽色の
tamasas【中性・単数・従格 tamasa】[〜から、〜より]暗い;タマスの性質に関する、誤謬・無知と関係した、無知な;種々の
parastāt【副詞】遠くに、より遙かに、向こうに;上に、より高く;上より、前から、後から;後日、後に[時について]

कविं पुराणमनुशासितारमणोरणीयांसमनुस्मरेद्यः ।
सर्वस्य धातारमचिन्त्यरूपमादित्यवर्णं तमसः परस्तात् ॥९॥

kaviṁ purāṇamanuśāsitāramaṇoraṇīyāṁsamanusmaredyaḥ |
sarvasya dhātāramacintyarūpamādityavarṇaṁ tamasaḥ parastāt ||9||
太古の聖者、指導者、極微よりさらに微細な者、一切の創造者、
不可思議の姿をもつ者、暗黒の彼方から太陽のように輝く者を、憶念する人は、

バガヴァッド・ギーター第8章第8節

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अभ्यासयोगयुक्तेन
abhyāsayogayuktena
アッビャーサヨーガユクテーナ
常修のヨーガによって専心し

abhyāsa【男性】付加;反覆;実行;応用;常習、習慣;熟知;繰り返される読誦;研究
yoga【男性】ヨーガ、精神の集中、組織的な超脱法、瞑想、静慮、心統一;策略、詭計;呪術、魔術
yuktena【男性・単数・具格 yukta√yujの過去受動分詞)】くびき(軛)につながれた、(処格)に従事した、〜に専心した;(具格)に忙殺された、〜に専念した;(処格)に熱中した;集中した
→abhyāsayogayuktena【男性・単数・具格、限定複合語】常修のヨーガに集中した、常修のヨーガをもって専心した

चेतसा नान्यगामिना ।
cetasā nānyagāminā |
チェータサー ナーニヤガーミナー
他に向かわない心によって

cetasā【中性・単数・具格 cetas】[〜によって、〜をもって]様子;光輝;自覚;知能;感官;心、精神、意志
na【否定辞】〜でない
anya-:他の、別の、異なる;〜以外の
gāminā【男性・単数・具格 gāmin】(一般に(―゜)[合成語の終わり])行く・動く・歩む;〜と性交する;〜に達する・拡がる;〜に帰する;〜に相応する、〜に適合する;得る、達成する;〜に向けられた;〜に関係する
→nānyagāminā【男性・単数・具格、限定複合語】他に向かわない

परमं पुरुषं दिव्यं
paramaṁ puruṣaṁ divyaṁ
パラマン プルシャン ディヴィヤン
神聖な至高のプルシャに

paramam【男性・単数・対格 parama】最も遠い、最も遠隔の、最も極端な、最後の;最高の、主な、第一位の;至高の、超越した;最も優秀な、最善の、最大の;最悪の;〜より良い、〜より大きな、〜より悪い
puruṣam【男性・単数・対格 puruṣa】[〜に、〜を]人;人間;霊魂;個人の本体、普遍的霊魂、最高精神
divyam【男性・単数・対格 divya】天上の;神聖な;超自然の;魔術の;天界の;壮大な

याति पार्थानुचिन्तयन् ॥
yāti pārthānucintayan ||
ヤーティ パールターヌチンタヤン
彼は達する、アルジュナよ、念じつつ

yāti【三人称・単数・パラスマイパダ・現在 √yā】[彼は〜、それは〜]動く、行く、歩く、赴く;前進する、行進する、敵に向かって前進する;旅行する;出立する、去る、立ち去る、離れる;遠ざかる;逃げる、逃れる;(道が)通ずる;通過する、過ぎ去る;消滅する、消失する;生起する、継起する;振舞う;〜に達する;邂逅する;〜に到着する
pārtha【男性・単数・呼格 pārtha】[〜よ]プリターの息子。アルジュナのこと。
anucintayan【男性・単数・主格・現在分詞・使役活用 anu√cint】[〜させている]想起する、思い出す;(対格)を思う、〜を熟慮する、思量する

अभ्यासयोगयुक्तेन चेतसा नान्यगामिना ।
परमं पुरुषं दिव्यं याति पार्थानुचिन्तयन् ॥८॥

abhyāsayogayuktena cetasā nānyagāminā |
paramaṁ puruṣaṁ divyaṁ yāti pārthānucintayan ||8||
常修のヨーガによって専心し、他に向かわない心をもって念じつつ、
人は神聖な至高のプルシャに達する。アルジュナよ。

バガヴァッド・ギーター第8章第7節

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तस्मात् सर्वेषु कालेषु
tasmāt sarveṣu kāleṣu
タスマート サルヴェーシュ カーレーシュ
したがって、あらゆる時において

tasmāt【男性・単数・従格、指示代名詞 tad】それ故に、そのために、したがって、だから、その結果
sarveṣu【男性・複数・処格 sarva】[〜らにおいて、〜らのなかで]すべての、一切の、各々の;全体の
kāleṣu【男性・複数・処格 kāla】[〜らにおいて、〜らのなかで]時;機会;季節;食事;時間;年、時代;音律;運命;死;死の神

माम् अनुस्मर युध्य च ।
mām anusmara yudhya ca |
マーム アヌスマラ ユディヤ チャ
私を憶念せよ、そして戦え

mām【単数・対格、一人称代名詞 mad】[〜を、〜に]私
anusmara【二人称・単数・パラスマイパダ・命令法 anu√smṛ】[あなたは〜せよ]記憶する、(対格)を思い出す;(罪を)告白する
yudhya【二人称・単数・パラスマイパダ・命令法 √yudh】[あなたは〜せよ]戦う、戦争する;対戦する、攻撃する、征服する
ca【接続詞】そして、また、〜と

मय्य् अर्पितमनोबुद्धिर्
mayy arpitamanobuddhir
マイ アルピタマノーブッディル
私に意(マナス)と知性を捧げれば

mayi【単数・処格、一人称代名詞 mad】[〜において、〜のなかで]私
arpita【男性】〜に置かれた、適用させられた、〜に交付させられた
manas【中性】心、内的器官、知性、理性、精神、良心、思考、意向、気分
buddhis【女性・単数・主格 buddhi】[〜は、〜が]知能、理解力、理性、知性、精神;識別、判断;沈着、機知;知覚;会得;意見、見解;信仰、確信;想定
→arpitamanobuddhis【男性・単数・主格、所有複合語】意と知性を捧げた

माम् एवैष्यस्य् असंशयम् ॥
mām evaiṣyasy asaṁśayam ||
マーム エーヴァイシャシ アサンシャヤム
疑いなく、私に到達するだろう

mām【単数・対格、一人称代名詞 mad】[〜を、〜に]私
eva【副詞】実に、真に(強意を表す。しばしば虚辞として使用)
eṣyasi【二人称・単数・パラスマイパダ・未来 √i】[あなたは〜だろう]行く、来る;到達する、遭う;去る、過ぎる
asaṁśayam【副詞】疑いなく、確かに

तस्मात्सर्वेषु कालेषु मामनुस्मर युध्य च ।
मय्यर्पितमनोबुद्धिर्मामेवैष्यस्यसंशयम् ॥७॥

tasmātsarveṣu kāleṣu māmanusmara yudhya ca |
mayyarpitamanobuddhirmāmevaiṣyasyasaṁśayam ||7||
したがって、あらゆる時に私を憶念し、そして戦いなさい。
私に意(マナス)と知性を捧げれば、あなたは疑いなく、私に到達するだろう。

バガヴァッド・ギーター第8章第6節

インド古典中もっとも有名なバガヴァッド・ギーターの原典講読です。
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यं यं वापि स्मरन् भावं
yaṁ yaṁ vāpi smaran bhāvaṁ
ヤン ヤン ヴァーピ スマラン バーヴァン
さらに、どのような状態を想いながら

yam【男性・単数・対格、関係代名詞 yad】[〜に、〜を]〜であるもの、〜である人
→yam yam【男性・単数・対格、関係代名詞 yadの反復】[〜に、〜を]誰でも、何でも、どちらでも
【不変化辞】あるいは、また;〜のように、〜と同様に;たとえ〜であるとしても
smaran【男性・単数・主格、現在分詞 √smṛ】[〜している]記憶する、心に留める、想起する、思い出す、遺憾に思う;伝える、教える、主張する;読誦する
api【不変化辞】さらに、また、同様に;されど、なお
→vā api:さらに、また
bhāvam【男性・単数・対格 bhāva】[〜に、〜を]生成すること、生起すること、起こること;(―゜)に変わること、(処格)に変化すること;在ること、存在;永続、存続;〜である状態;あること・成ること;振る舞い、行状;状態、状況;階級、地位

त्यजत्य् अन्ते कलेवरम् ।
tyajaty ante kalevaram |
ティヤジャティ アンテー カレーヴァラム
最期に肉体を離れ

tyajati【三人称・単数・パラスマイパダ・現在 √tyaj】[彼は〜、それは〜]罷る、見捨てる;棄てる;手放す;遺棄する;(場所より)去る;(人を)避ける;放置する、放つ;断念する、離れる、捨てる、護る
ante【男性・単数・処格 anta】[〜において、〜のなかで]端、縁辺、限界;近接;終局;死;末尾の文字、最後の文字[文法];(属格)の最高点、〜の極致;結論;解決、決定;条件;内部;(―゜)をもって終わること
kalevaram【男性・単数・対格 kalevara】[〜に、〜を]身体

तं तं एवैति कौन्तेय
taṁ taṁ evaiti kaunteya
タン タン エーヴァイティ カウンテーヤ
まさにそれぞれに到達する、アルジュナよ

tam【男性・単数・対格、指示代名詞 tad】[〜に、〜を]これ、あれ、彼
→tam tam【男性・単数・対格、指示代名詞 tadの反復】[〜に、〜を]あれこれ、それぞれ
eva【副詞】実に、真に(強意を表す。しばしば虚辞として使用)
eti【三人称・単数・パラスマイパダ・現在 √i】[彼は〜、それは〜]行く、来る;到達する、遭う;去る、過ぎる
kaunteya【男性・単数・呼格 kaunteya】[〜よ]クンティーの息子、アルジュナの別名

सदा तद्भावभावितः ॥
sadā tadbhāvabhāvitaḥ ||
サダー タッドバーヴァバーヴィタハ
常に、その状態に応じて

sadā【副詞】始終、常に、何時でも
tat【中性・単数・主格、指示代名詞 tad】[〜は、〜が]それ、あれ、これ
bhāva【男性】生成すること、生起すること、起こること;(―゜)に変わること、(処格)に変化すること;在ること、存在;永続、存続;〜である状態;あること・成ること;振る舞い、行状;状態、状況;階級、地位
bhāvitas【男性・単数・主格、過去受動分詞・使役活用 √bhū】生産された、開示された、得られた;(―゜)〜に変形された;愛育された;上機嫌な、喜ばしい、得意の気分である;(自己の)力を意識した;想到された、考えられた、認められた、経験された、〜によって夢中にさせられた;鼓舞された;(処格)の方へ向けられた;(―゜)を想像する・想像させる;芳香をもって薫ぜられた
→bhāvabhāvitas【男性・単数・主格、限定複合語】状態に変形した、状態の方へ向けられた

यं यं वापि स्मरन्भावं त्यजत्यन्ते कलेवरम् ।
तं तं एवैति कौन्तेय सदा तद्भावभावितः ॥६॥

yaṁ yaṁ vāpi smaranbhāvaṁ tyajatyante kalevaram |
taṁ taṁ evaiti kaunteya sadā tadbhāvabhāvitaḥ ||6||
さらに、どのような状態を想いながら、最期に肉体を離れても、
常にその状態に応じて、それぞれの状態に到達する。

バガヴァッド・ギーター第8章第5節

インド古典中もっとも有名なバガヴァッド・ギーターの原典講読です。
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अन्तकाले च माम् एव
antakāle ca mām eva
アンタカーレー チャ マーム エーヴァ
そして死の時において、私のみを

antakāle【男性・単数・処格 antakāla】[〜において、〜のなかで]死、死亡の時刻;世界の終末
ca【接続詞】そして、また、〜と
mām【単数・対格、一人称代名詞 mad】[〜を、〜に]私
eva【副詞】実に、真に(強意を表す。しばしば虚辞として使用)

स्मरन् मुक्त्वा कलेवरम् ।
smaran muktvā kalevaram |
スマラン ムクトヴァー カレーヴァラム
心に留めて、肉体を離れて

smaran【男性・単数・主格、現在分詞 √smṛ】[〜している]記憶する、心に留める、想起する、思い出す、遺憾に思う;伝える、教える、主張する;読誦する
muktvā【絶対分詞 √muc】[〜して、〜してから](具格、従格)から放たれる、〜から釈放される;ゆるめられる、離される;捨てられる、中止される;罪(または)存在の束縛から逃れられる
kalevaram【男性・単数・対格 kalevara】[〜に、〜を]身体

यः प्रयाति स मद्भावं
yaḥ prayāti sa madbhāvaṁ
ヤハ プラヤーティ サ マドバーヴァン
行く人、彼は私の状態に

yas【男性・単数・主格、関係代名詞 yad】[〜は、〜が]〜であるもの、〜である人
prayāti【三人称・単数・パラスマイパダ・現在 pra√yā】[彼は〜、それは〜]出て行く;出発する;〜に行く・赴く;(対格)に向かって進む;(対格)に(道が)通ずる、(対格)に向かって(河が)流れる;(対格)に到着する;行く、歩む;離れる、消える;飛散する、散る;離れる=死ぬ;経過する;陥る、経験する、得る、を招く;やってゆく、振る舞う
sas【男性・単数・主格、指示代名詞 tad】[〜は、〜が]これ、あれ、彼
madbhāvam【男性・単数・対格 madbhāva】[〜に、〜を]私の本性;私の状態;私の存在

याति नास्त्य् अत्र संशयः ॥
yāti nāsty atra saṁśayaḥ ||
ヤーティ ナースティ アトラ サンシャヤハ
達する。この点について、疑いはない

yāti【三人称・単数・パラスマイパダ・現在 √yā】[彼は〜、それは〜]動く、行く、歩く、赴く;前進する、行進する、敵に向かって前進する;旅行する;出立する、去る、立ち去る、離れる;遠ざかる;逃げる、逃れる;(道が)通ずる;通過する、過ぎ去る;消滅する、消失する;生起する、継起する;振舞う;〜に達する;邂逅する;〜に到着する
na【否定辞】〜でない
asti【三人称・単数・パラスマイパダ・現在 √as】[彼は〜、それは〜]ある、存在する、実在する
atra【副詞】ここに、この場所に、この点において;その際、その時に
saṁśayas【男性・単数・主格 saṁśaya】[〜は、〜が]〜に関する疑い、疑わしさ、不確実さ、懸念、ためらい;疑わしい事柄;〜に対する危険、冒険

अन्तकाले च मामेव स्मरन्मुक्त्वा कलेवरम् ।
यः प्रयाति स मद्भावं याति नास्त्यत्र संशयः ॥५॥

antakāle ca māmeva smaranmuktvā kalevaram |
yaḥ prayāti sa madbhāvaṁ yāti nāstyatra saṁśayaḥ ||5||
そして死期において、私のみを心に留めて、肉体を離れて行く人は、
私の状態に達する。この点について、疑いはない。

バガヴァッド・ギーター第8章第4節

インド古典中もっとも有名なバガヴァッド・ギーターの原典講読です。
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अधिभूतं क्षरो भावः
adhibhūtaṁ kṣaro bhāvaḥ
アディブータン クシャロー バーヴァハ
最高の存在とは、変わりやすい存在である

adhibhūtam【中性・単数・主格 adhibhūta】[〜は、〜が](行為者の行動する)限界・目的;至上の霊
kṣaras【男性・単数・主格 kṣara】過ぎ去る、消滅する、変わりやすい
bhāvas【男性・単数・主格 bhāva】[〜は、〜が]生成すること、生起すること、起こること;(―゜)に変わること、(処格)に変化すること;在ること、存在;永続、存続;〜である状態;あること・成ること;振る舞い、行状;状態、状況;階級、地位

पुरुषश्चाधिदैवतम् ।
puruṣaścādhidaivatam |
プルシャシュチャーディダイヴァタム
そして、プルシャが最高の神格である

puruṣas【男性・単数・主格 puruṣa】[〜は、〜が]人;人間;霊魂;個人の本体、普遍的霊魂、最高精神
ca【接続詞】そして、また、〜と
adhidaivatam【男性・単数・主格 adhidaivata】[〜は、〜が]最高神;守護神

अधियज्ञो ऽहम् एवात्र
adhiyajño ‘ham evātra
アディヤジュニョー ハム エーヴァートラ
最高の祭祀とは、この私自身である

adhiyajñas【男性・単数・主格 adhiyajña】[〜は、〜が]最高の供犠 【形容詞】供犠に関する
aham【単数・主格、一人称代名詞 mad】[〜は、〜が]私
eva【副詞】実に、真に(強意を表す。しばしば虚辞として使用)
atra【副詞】ここに、この場所に、この点において;その際、その時に

देहे देहभृतां वर ॥
dehe dehabhṛtāṁ vara ||
デーヘー デーハブリターン ヴァラ
身体において、アルジュナよ

dehe【中性・単数・処格 deha】[〜において、〜のなかで]身体;塊;形;型;大きさ、かさ(嵩);人、個人;形または姿を持つもの
dehabhṛtām【男性・複数・属格 dehabhṛt】[〜らの、〜らにとって]身体を所有する(シヴァ神) 【男性名詞】有形の生物、人間
vara【男性・単数・呼格 vara】[〜よ]〜の中で最善の・最も精選された・最もすぐれた・最も美しい;〜より一層よい、〜よりすぐれた;〜の中で一層よい、〜の中でよりすぐれた
→dehabhṛtāṁ vara:生類の最上者(アルジュナの別名)

अधिभूतं क्षरो भावः पुरुषश्चाधिदैवतम् ।
अधियज्ञोऽहमेवात्र देहे देहभृतां वर ॥४॥

adhibhūtaṁ kṣaro bhāvaḥ puruṣaścādhidaivatam |
adhiyajño’hamevātra dehe dehabhṛtāṁ vara ||4||
最高の存在とは、可滅の存在である。そして、プルシャが最高の神格である。
最高の祭祀とは、この身体における私自身である。アルジュナよ。

バガヴァッド・ギーター第8章第3節

インド古典中もっとも有名なバガヴァッド・ギーターの原典講読です。
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श्रीभगवान् उवाच ।
śrībhagavān uvāca |
シュリーバガヴァーン ウヴァーチャ
クリシュナは語った

śrībhagavān【男性・単数・主格 śrībhagavat】栄光ある方、神聖な神、威厳ある尊者。ここではクリシュナのことを指す。
uvāca【三人称・単数・パラスマイパダ・完了 √vac】[彼は〜した]言う、語る

अक्षरं ब्रह्म परमं
akṣaraṁ brahma paramaṁ
アクシャラン ブラフマ パラマン
ブラフマンは不滅であり、最高のものである

akṣaram【中性・単数・主格 akṣara】不壊の、不滅の
brahma【中性・単数・主格 brahman】[〜は、〜が]聖智に満ちた者、婆羅門;祭官とくにヴェーダ祭式を総監する祭官;ブラフマンを神格化した最高神、梵天、宇宙の創造者として保持者ヴィシュヌおよび破壊神シヴァとともにトリムルティを形成する神格;理性
paramam【中性・単数・主格 parama】最も遠い、最も遠隔の、最も極端な、最後の;最高の、主な、第一位の;至高の、超越した;最も優秀な、最善の、最大の;最悪の;〜より良い、〜より大きな、〜より悪い

स्वभावो ऽध्यात्मम् उच्यते ।
svabhāvo ‘dhyātmam ucyate |
スヴァバーヴォー ディヤートマン ウッチャテー
本性が至高の自己(アートマン)と言われる

svabhāvas【男性・単数・主格 svabhāva】[〜は、〜が]固有のあり方、生まれつきの性質、素質、本性
adhyātmam【中性・単数・主格 adhyātma】[〜は、〜が]至上の霊、行動の作因としての霊 【形容詞】自己の、自己に特有な 【副詞 adhyātmam】自己・個性に関して
ucyate【三人称・単数・現在・受動活用 √vac】[彼は〜される、それは〜される]言う、話す

भूतभावोद्भवकरो
bhūtabhāvodbhavakaro
ブータバーヴォードバヴァカロー
万物の状態を生じる

bhūta【男性】存在物[神・人・動物および植物を含む];被創造物;万物;世界
bhāva【男性】生成すること、生起すること、起こること;(―゜)に変わること、(処格)に変化すること;在ること、存在;永続、存続;〜である状態;あること・成ること;振る舞い、行状;状態、状況;階級、地位
udbhava【男性】起源、出生、出現;成長;誕生地 【形容詞】〜より生じた、〜より造られた
karas【男性・単数・主格 kara】行う、為す;惹起する、生ずる[一般に―゜(合成語の終わり)]
→bhūtabhāvodbhavakaras【男性・単数・主格、限定複合語】万物の状態を生じる、被創造物の存在を生じる

विसर्गः कर्मसंज्ञितः ॥
visargaḥ karmasaṁjñitaḥ ||
創造が行為と知られる

visargas【男性・単数・主格 visarga】[〜は、〜が]流出、解放;停止、終わり;放出;(大便の)排出;(人の)解雇;授けること、与えること;投げること、放出すること、まき散らすこと;創ること;創造、産物;語尾の気音ḥ(文法)
karma【中性・単数・主格 karman】[〜は、〜が]行為、作業;作用、職業;儀式;結果;運命(前世に行った行為の結果)、業
saṁjñitas【男性・単数・主格 saṁjñitasaṁ√jñāの名詞起源動詞・過去受動分詞)】知られた、伝えられた;合図された;呼ばれた、称せられた

श्रीभगवानुवाच ।
अक्षरं ब्रह्म परमं स्वभावोऽध्यात्ममुच्यते ।
भूतभावोद्भवकरो विसर्गः कर्मसंज्ञितः ॥३॥

śrībhagavānuvāca |
akṣaraṁ brahma paramaṁ svabhāvo’dhyātmamucyate |
bhūtabhāvodbhavakaro visargaḥ karmasaṁjñitaḥ ||3||
クリシュナは語った。
ブラフマンは不滅であり、最高のものである。本性が至高の自己(アートマン)と言われる。
万物の状態を生じる創造が、行為と知られる。

バガヴァッド・ギーター第8章第2節

インド古典中もっとも有名なバガヴァッド・ギーターの原典講読です。
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अधियज्ञः कथं को ऽत्र
adhiyajñaḥ kathaṁ ko ‘tra
アディヤジュニャハ カタン コー トラ
最高の祭祀とは、何か、どのようなものか、この世において

adhiyajñas【男性・単数・主格 adhiyajña】[〜は、〜が]最高の供犠 【形容詞】供犠に関する
katham【疑問副詞】どうして、いかにして、なぜに
kas【男性・単数・主格、疑問代名詞 kim】[〜は、〜が]何、誰、なぜ、どんな、どのように
atra【副詞】ここに、この場所に、この点において;その際、その時に

देहे ऽस्मिन् मधुसूदन ।
dehe ‘smin madhusūdana |
デーヘー スミン マドゥスーダナ
この身体において、クリシュナよ

dehe【中性・単数・処格 deha】[〜において、〜のなかで]身体;塊;形;型;大きさ、かさ(嵩);人、個人;形または姿を持つもの
asmin【男性・単数・処格、指示代名詞 idam】[〜において、〜のなかで]これ、この、ここ
madhusūdana【男性・単数・呼格 madhusūdana】[〜よ]マドゥスーダナ(クリシュナの別名。名前は「(悪魔)マドゥを殺す者」の意)
प्रयाणकाले च कथं
prayāṇakāle ca kathaṁ
プラヤーナカーレー チャ カタン
また死期において、どのようにして
prayāṇakāle【男性・単数・処格 prayāṇakāla】[〜において、〜のなかで]死期;死
ca【接続詞】そして、また、〜と
katham【疑問副詞】どうして、いかにして、なぜに

ज्ञेयो ऽसि नियतात्मभिः ॥
jñeyo ‘si niyatātmabhiḥ ||
ジュニェーヨー シ ニヤタートマビヒ
あなたは知られるべきか、自制した人々によって

jñeyas【男性・単数・主格 jñeya√jñāの未来受動分詞)】知られるべき、学ばれるべき、了解せられるべき;取り調べられるべき
asi【二人称・単数・パラスマイパダ・現在 √as】[あなたは〜]ある、存在する、実在する
niyatani√yamの過去受動分詞】(処格)に結ばれた;握りしめられた;阻止された、抑制された;禁止された、中断された;確定された、確立された、固定した;不変な、一定した;制限された;〜に専心する
ātmabhis【男性・複数・具格 ātman】[〜らによって、〜らをもって]気息;霊魂;生命、自身;本質、本性;特色;身体;知性、悟性;我、最高我
niyatātmabhis【男性・複数・具格 niyatātman】[〜らによって、〜らをもって]自制心のある、自制した

अधियज्ञः कथं कोऽत्र देहेऽस्मिन्मधुसूदन ।
प्रयाणकाले च कथं ज्ञेयोऽसि नियतात्मभिः ॥२॥

adhiyajñaḥ kathaṁ ko’tra dehe’sminmadhusūdana |
prayāṇakāle ca kathaṁ jñeyo’si niyatātmabhiḥ ||2||
この世界において、最高の祭祀とは何であり、どのようなものか、クリシュナよ。
また死期に自己を制した人々は、どのようにしてあなたを知るのか。」

バガヴァッド・ギーター第8章第1節

インド古典中もっとも有名なバガヴァッド・ギーターの原典講読です。
インドの霊的文化の支柱となる本書を、サンスクリット語の学習をしながらお楽しみください。

अर्जुन उवाच ।
arjuna uvāca |
アルジュナ ウヴァーチャ
アルジュナは言った

arjunas【男性・単数・主格 arjuna】[〜は、〜が]アルジュナ
uvāca【三人称・単数・パラスマイパダ・完了 √vac】[彼は〜した]言う、話す

किं तद् ब्रह्म किम् अध्यात्मं
kiṁ tad brahma kim adhyātmaṁ
キン タッド ブラフマ キム アディヤートマン
かのブラフマンとは何か、至高の自己(アートマン)とは何か

kim【中性・単数・主格、疑問代名詞 kim】何、誰、なぜ、どんな、どのように
tat【中性・単数・主格、指示代名詞 tad】[〜は、〜が]それ、あれ、これ
brahma【中性・単数・主格 brahman】[〜は、〜が]聖智に満ちた者、婆羅門;祭官とくにヴェーダ祭式を総監する祭官;ブラフマンを神格化した最高神、梵天、宇宙の創造者として保持者ヴィシュヌおよび破壊神シヴァとともにトリムルティを形成する神格;理性
kim【中性・単数・主格、疑問代名詞 kim】何、誰、なぜ、どんな、どのように
adhyātmam【中性・単数・主格 adhyātma】[〜は、〜が]至上の霊、行動の作因としての霊 【形容詞】自己の、自己に特有な 【副詞 adhyātmam】自己・個性に関して

किं कर्म पुरुषोत्तम ।
kiṁ karma puruṣottama |
キン カルマ プルショーッタマ
行為とは何か、クリシュナよ

kim【中性・単数・主格、疑問代名詞 kim】何、誰、なぜ、どんな、どのように
karma【中性・単数・主格 karman】[〜は、〜が]行為、作業;作用、職業;儀式;結果;運命(前世に行った行為の結果)、業
puruṣottama【男性・単数・呼格 puruṣottama】[〜よ]最上の人;優れた召使;最高の存在、最高我;[ヴィシュヌ神、クリシュナ神の称];[諸人の名]

अधिभूतं च किं प्रोक्तम्
adhibhūtaṁ ca kiṁ proktam
アディブータン チャ キン プロークタム
また最高の存在と言われたのは何か

adhibhūtam【中性・単数・主格 adhibhūta】[〜は、〜が](行為者の行動する)限界・目的;至上の霊
ca【接続詞】そして、また、〜と
kim【中性・単数・主格、疑問代名詞 kim】何、誰、なぜ、どんな、どのように
proktam【中性・単数・主格 proktapra√vacの過去受動分詞)】宣言された、教えられた、記述された;言われた、語られた;〜であると宣言された、と称された、説かれた

अधिदैवं किम् उच्यते ॥
adhidaivaṁ kim ucyate ||
アディダイヴァン キム ウッチャテー
最高の神格と言われたのは何か

adhidaivam【男性・単数・主格 adhidaiva】[〜は、〜が]最高神;守護神
kim【中性・単数・主格、疑問代名詞 kim】何、誰、なぜ、どんな、どのように
ucyate【三人称・単数・現在・受動活用 √vac】[彼は〜される、それは〜される]言う、話す

अर्जुन उवाच ।
किं तद्ब्रह्म किमध्यात्मं किं कर्म पुरुषोत्तम ।
अधिभूतं च किं प्रोक्तमधिदैवं किमुच्यते ॥१॥

arjuna uvāca |
kiṁ tadbrahma kimadhyātmaṁ kiṁ karma puruṣottama |
adhibhūtaṁ ca kiṁ proktamadhidaivaṁ kimucyate ||1||
アルジュナは言った。
「かのブラフマンとは何か、至高の自己(アートマン)とは何か、行為とは何か、クリシュナよ。
またあなたが最高の存在と言われたものは何か、最高の神格と言われたものは何か。