バガヴァッド・ギーター第6章第7節

インド古典中もっとも有名なバガヴァッド・ギーターの原典講読です。
インドの霊的文化の支柱となる本書を、サンスクリット語の学習をしながらお楽しみください。

जितात्मनः प्रशान्तस्य
jitātmanaḥ praśāntasya
ジタートマナハ プラシャーンタッスヤ
心を克服し、寂滅した人の

jita√jiの過去受動分詞】勝った、獲得した、征服した;打ち勝たれた、(欲)の奴隷となった;捨てた、廃した
ātmanas【男性・単数・属格 ātman】[〜の、〜にとって]気息;霊魂;生命、自身;本質、本性;特色;身体;知性、悟性;我、最高我
→jitātmanas【男性・単数・属格、所有複合語 jitātman】[〜の、〜にとって]自制した、自己を克服した、心に打ち勝った
praśāntasya【男性・単数・属格 praśāntapra√śamの過去受動分詞】[〜の、〜にとって]静穏になった、平穏な;吉祥な;消滅した;除かれた;和らいだ、やんだ、終わった、消え失せた;休止した;死んだ

परमात्मा समाहितः ।
paramātmā samāhitaḥ |
パラマートマー サマーヒタハ
最高我は、完全に統一されている

paramātmā【男性・単数・主格 paramātman】[〜は、〜が]最高我、宇宙精神
samāhitas【男性・単数・主格 samāhitasam-ā√dhāの過去受動分詞】〜と結ばれた、〜を備えた;結合した、集合した;〜に成らされた;心を集中した;意を集中した、〜に傾注した;落ち着いた;全く専心した;統一された、調和した

शीतोष्णसुखदुःखेषु
śītoṣṇasukhaduḥkheṣu
シートーシュナスカドゥフケーシュ
寒暑苦楽において

śīta【形容詞】涼しい、寒い 【中性名詞】寒さ、寒冷
uṣṇa【形容詞】暑さ;温かい;激しい、熱情ある;深い(嘆息) 【中性名詞】熱;暑期
sukha【中性】安楽、歓喜、幸福、享楽、繁栄、成功
duḥkheṣu【中性・複数・処格 duḥkha】[〜において、〜のなかで]不安、心配、苦痛、悲しみ、悲哀、困難、苦しみ
→śītoṣṇasukhaduḥkheṣu【中性・複数・処格、並列複合語】[〜において、〜のなかで]寒暑苦楽

तथा मानापमानयोः ॥
tathā mānāpamānayoḥ ||
タター マーナーパマーナヨーホ
また毀誉褒貶においても

tathā【副詞】そのように、同様に;そして、また
māna【中性】尊敬、敬意、尊敬のしるし;自負、高慢、尊大;意見、観念;意志、目的;自己を高く評価すること、自己をたのしむこと
apamānayos【中性、両数・処格 apamāna】[〜において、〜のなかで]無視、軽蔑;不名誉
→mānāpamānayos【中性・両数・処格、並列複合語 mānāpamāna】[〜において、〜のなかで]名誉と不名誉、毀誉褒貶

जितात्मनः प्रशान्तस्य परमात्मा समाहितः ।
शीतोष्णसुखदुःखेषु तथा मानापमानयोः ॥७॥

jitātmanaḥ praśāntasya paramātmā samāhitaḥ |
śītoṣṇasukhaduḥkheṣu tathā mānāpamānayoḥ ||7||
心を克服し、寂滅した人の最高我は、寒暑苦楽においても、
毀誉褒貶においても、完全に統一されている。

バガヴァッド・ギーター第6章第6節

インド古典中もっとも有名なバガヴァッド・ギーターの原典講読です。
インドの霊的文化の支柱となる本書を、サンスクリット語の学習をしながらお楽しみください。

बन्धुर् आत्मा ऽत्मनस् तस्य
bandhur ātmā ‘tmanas tasya
バンドゥル アートマー トマナス タッスヤ
彼にとって、心は自己の朋友である

bandhus【男性・単数・主格 bandhu】[〜は、〜が]結合、関係;親戚であること、親戚関係;(母方の)血族;親族;朋友;夫
ātmā【男性・単数・主格 ātman】[〜は、〜が]気息;霊魂;生命、自身;本質、本性;特色;身体;知性、悟性;我、最高我
ātmanas【男性・単数・属格 ātman】[〜の、〜にとって]気息;霊魂;生命、自身;本質、本性;特色;身体;知性、悟性;我、最高我
tasya【男性・単数・属格、指示代名詞 tad】[〜の、〜にとって]彼、それ、あれ

येनात्मैवात्मना जितः ।
yenātmaivātmanā jitaḥ |
イェーナートマイヴァートマナー ジタハ
自身によって、心を克服した人にとって

yena【男性・単数・具格、関係代名詞 yad】[〜によって、〜をもって]〜であるもの、〜である人、〜であるとき
ātmā【男性・単数・主格 ātman】[〜は、〜が]気息;霊魂;生命、自身;本質、本性;特色;身体;知性、悟性;我、最高我
eva【副詞】実に、真に(強意を表す。しばしば虚辞として使用)
ātmanā【男性・単数・具格 ātman】[〜によって、〜をもって]気息;霊魂;生命、自身;本質、本性;特色;身体;知性、悟性;我、最高我
jitas【男性・単数・主格 jita√jiの過去受動分詞)】勝った、獲得した、征服した;打ち勝たれた、(欲)の奴隷となった;捨てた、廃した

अनात्मनस् तु शत्रुत्वे
anātmanas tu śatrutve
アナートマナス トゥ シャトルトヴェー
しかし、精神的でない人にとって、敵意のなかで

anātmanas【男性・単数・属格 anātman】[〜の、〜にとって]無我、他;精神・霊と異なるもの 【形容詞】精神・感覚を欠く、精神的でない、物質的の;本体のない、実体のない
tu【接続詞】しかし、一方(虚辞としても使用)
śatrutve【中性・単数・処格 śatrutvaśatrutāと同意)】[〜において、〜のなかで]敵意、憎悪

वर्तेतात्मैव शत्रुवत् ॥
vartetātmaiva śatruvat ||
ヴァルテータートマイヴァ シャトルヴァット
心は実に敵のように存在するだろう

varteta【三人称・単数・アートマネーパダ・願望 √vṛt】[それは〜だろう、それは〜するべき]転ずる、回転する、転がる;進む、進行する、執行される;〜を条件とする、伴う;(ある場所に)ある、止まる、住する、滞在する;存在する、生存する;〜の中に見出される
ātmā【男性・単数・主格 ātman】[〜は、〜が]気息;霊魂;生命、自身;本質、本性;特色;身体;知性、悟性;我、最高我
eva【副詞】実に、真に(強意を表す。しばしば虚辞として使用)
śatruvat【中性・単数・主格 śatruvat】敵のような、競争者のような

बन्धुरात्माऽत्मनस्तस्य येनात्मैवात्मना जितः ।
अनात्मनस्तु शत्रुत्वे वर्तेतात्मैव शत्रुवत् ॥६॥

bandhurātmā’tmanastasya yenātmaivātmanā jitaḥ |
anātmanastu śatrutve vartetātmaiva śatruvat ||6||
自ら心を克服した人にとって、心は自己の朋友である。
しかし、心を制しない人にとって、心は敵のように敵対する。

バガヴァッド・ギーター第6章第5節

インド古典中もっとも有名なバガヴァッド・ギーターの原典講読です。
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उद्धरेद् आत्मना ऽत्मानं
uddhared ātmanā ‘tmānaṁ
ウッダレード アートマナー トマーナン
自身によって、自己を向上させるべき

uddharet【三人称・単数・パラスマイパダ・願望 ud√dhṛ】[彼は〜だろう、彼は〜するべき]引き出す;上げる、崇める
ātmanā【男性・単数・具格 ātman】[〜によって、〜をもって]気息;霊魂;生命、自身;本質、本性;特色;身体;知性、悟性;我、最高我
ātmānam【男性・単数・対格 ātman】[〜に、〜を]気息;霊魂;生命、自身;本質、本性;特色;身体;知性、悟性;我、最高我

नात्मानम् अवसादयेत् ।
nātmānam avasādayet |
ナートマーナム アヴァサーダイェート
自己を沈めるべきでない

na【否定辞】〜でない
ātmānam【男性・単数・対格 ātman】[〜に、〜を]気息;霊魂;生命、自身;本質、本性;特色;身体;知性、悟性;我、最高我
avasādayet【三人称・単数・パラスマイパダ・願望 ava√sad】[彼は〜だろう、彼は〜するべき]沈む、つぶれる;疲れきる、やせ衰える;困っている、頼りない;落胆する、力を落とす;終わる、滅する

आत्मैव ह्यात्मनो बन्धुर्
ātmaiva hyātmano bandhur
アートマイヴァ ヒヤートマノー バンドゥル
なぜなら、心は、実に自己の朋友である

ātmā【男性・単数・主格 ātman】[〜は、〜が]気息;霊魂;生命、自身;本質、本性;特色;身体;知性、悟性;我、最高我
eva【副詞】実に、真に(強意を表す。しばしば虚辞として使用)
hi【不変化辞】なぜならば、〜のために;真に、確かに、実に
ātmanas【男性・単数・属格 ātman】[〜の、〜にとって]気息;霊魂;生命、自身;本質、本性;特色;身体;知性、悟性;我、最高我
bandhus【男性・単数・主格 bandhu】[〜は、〜が]結合、関係;親戚であること、親戚関係;(母方の)血族;親族;朋友;夫

आत्मैव रिपुर् आत्मनः ॥
ātmaiva ripur ātmanaḥ ||
アートマイヴァ リプル アートマナハ
心は、実に自己の敵である

ātmā【男性・単数・主格 ātman】[〜は、〜が]気息;霊魂;生命、自身;本質、本性;特色;身体;知性、悟性;我、最高我
eva【副詞】実に、真に(強意を表す。しばしば虚辞として使用)
ripus【男性・単数・主格 ripu】[〜は、〜が]悪漢、詐欺師;敵対者、敵 【形容詞】惑わす、背信的な
ātmanas【男性・単数・属格 ātman】[〜の、〜にとって]気息;霊魂;生命、自身;本質、本性;特色;身体;知性、悟性;我、最高我

उद्धरेदात्मनाऽत्मानं नात्मानमवसादयेत् ।
आत्मैव ह्यात्मनो बन्धुरात्मैव रिपुरात्मनः ॥५॥

uddharedātmanā’tmānaṁ nātmānamavasādayet |
ātmaiva hyātmano bandhurātmaiva ripurātmanaḥ ||5||
人は心によって自己を向上させるべきであり、自己を沈めてはならない。
なぜなら、心こそ自己の朋友であり、心こそ自己の敵であるから。

バガヴァッド・ギーター第6章第4節

インド古典中もっとも有名なバガヴァッド・ギーターの原典講読です。
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यदा हि नेन्द्रियार्थेषु
yadā hi nendriyārtheṣu
ヤダー ヒ ネーンドリヤールテーシュ
実に、感官の対象に(執着し)ないとき

yadā【接続詞】〜である時、〜する時
hi【不変化辞】なぜならば、〜のために;真に、確かに、実に
na【否定辞】〜でない
indriyārtheṣu【中性・複数・処格 indriyārtha】[〜らにおいて、〜らのなかで]感覚の対象、感覚を刺激するもの

न कर्मस्व् अनुसज्जते ।
na karmasv anusajjate |
ナ カルマスヴ アヌサッジャテー
行為に執着し(ないとき)

na【否定辞】〜でない
karmasu【中性・複数・処格 karman】[〜らにおいて、〜らのなかで]行為、作業;作用、職業;儀式;結果;運命(前世に行った行為の結果)、業
anusajjate【三人称・単数・アートマネーパダ・現在 anu√sañj】[彼は〜、それは〜](処格)に執着する・専念する

सर्वसंकल्पसंन्यासी
sarvasaṁkalpasaṁnyāsī
サルヴァサンカルパサンニャーシー
一切の意図を放擲した(とき)

sarva【形容詞】すべての、一切の、各々の;全体の
saṁkalpa【男性】(意manasの)決心・意志・目的・はっきりした意図・決定・欲望;(合成語として)=単に望むだけで、欲望に従って、特定の目的のために
saṁnyāsī【男性・単数・主格 saṁnyāsin】(―゜)を放棄する、断念する;(世を)棄てた(第四生活期にある婆羅門)
→sarvasaṁkalpasaṁnyāsī【男性・単数・主格、限定複合語 sarva-saṁkalpa-saṁnyāsin】[〜は、〜が]すべての意図を放棄した、一切の欲望を棄てた

योगारूढस् तदोच्यते ॥
yogārūḍhas tadocyate ||
ヨーガールーダス タドーチャテー
そのとき、彼はヨーガに登った人といわれる

yogārūḍhas【男性・単数・主格 yogārūḍhayogaā√ruhの過去受動分詞)】[〜は、〜が]深い瞑想に没入した;ヨーガに登った
tadā【副詞】そのとき、それから 【相関】yadā 〜 tadā
ucyate【三人称・単数・現在・受動活用 √vac】[彼は〜される、それは〜される]言う、話す

यदा हि नेन्द्रियार्थेषु न कर्मस्वनुसज्जते ।
सर्वसंकल्पसंन्यासी योगारूढस्तदोच्यते ॥४॥

yadā hi nendriyārtheṣu na karmasvanusajjate |
sarvasaṁkalpasaṁnyāsī yogārūḍhastadocyate ||4||
実に、感官の対象と行為に執着せず、
一切の意図を放擲したとき、その人はヨーガに登った人といわれる。

バガヴァッド・ギーター第6章第3節

インド古典中もっとも有名なバガヴァッド・ギーターの原典講読です。
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आरुरुक्षोर् मुनेर् योगं
ārurukṣor muner yogaṁ
アールルクショール ムネール ヨーガン
ヨーガに登ろうとする賢者にとって

ārurukṣos【男性・単数・属格 ārurukṣuā√ruhの意欲活用から派生)】(対格)に登らんと欲する、(対格)に進まんと欲する
munes【男性・単数・属格 muni】[〜の、〜にとって]霊感を得た人;賢人、予言者、苦行者、隠者、沈黙の誓約をした者
yogam【男性・単数・対格 yoga】[〜に、〜を]ヨーガ、精神の集中、組織的な超脱法、瞑想、静慮、心統一

कर्म कारणम् उच्यते ।
karma kāraṇam ucyate |
カルマ カーラナム ウッチャテー
行為が手段であると言われる

karma【中性・単数・主格 karman】[〜は、〜が]行為、作業;作用、職業;儀式;結果;運命(前世に行った行為の結果)、業
kāraṇam【中性・単数・対格 kāraṇa】[〜に、〜を]〜の原因、機会、動機;第一原因、原素;根底;論証、証明;方法、器具;感官
ucyate【三人称・単数・現在・受動活用 √vac】[彼は〜される、それは〜される]言う、話す

योगारूढस्य तस्यैव
yogārūḍhasya tasyaiva
ヨーガールーダスヤ タスヤイヴァ
ヨーガに登った人にとって

yogārūḍhasya【男性・単数・属格 yogārūḍhayogaā√ruhの過去受動分詞)】[〜の、〜にとって]深い瞑想に没入した;ヨーガに登った
tasya【男性・単数・属格、指示代名詞 tad】[〜の、〜にとって]彼、それ、あれ
eva【副詞】実に、真に(強意を表す。しばしば虚辞として使用)

शमः कारणम् उच्यते ॥
śamaḥ kāraṇam ucyate ||
シャマハ カーラナム ウッチャテー
寂静が手段であると言われる

śamas【男性・単数・主格 śama】[〜は、〜が](心の)平静・静穏、沈着、寂静;〜との平和;冷淡;鎮静、平穏、鎮定、緩和、休止、消滅
kāraṇam【中性・単数・対格 kāraṇa】[〜に、〜を]〜の原因、機会、動機;第一原因、原素;根底;論証、証明;方法、器具;感官
ucyate【三人称・単数・現在・受動活用 √vac】[彼は〜される、それは〜される]言う、話す

आरुरुक्षोर्मुनेर्योगं कर्म कारणमुच्यते ।
योगारूढस्य तस्यैव शमः कारणमुच्यते ॥३॥

ārurukṣormuneryogaṁ karma kāraṇamucyate |
yogārūḍhasya tasyaiva śamaḥ kāraṇamucyate ||3||
ヨーガに登ろうとする賢者にとっては、行為が手段であると言われる。
ヨーガに登った人にとっては、寂静が手段であると言われる。

バガヴァッド・ギーター第6章第2節

インド古典中もっとも有名なバガヴァッド・ギーターの原典講読です。
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यं संन्यासम् इति प्राहुर्
yaṁ saṁnyāsam iti prāhur
ヤン サンニャーサム イティ プラーフル
彼らが放擲と呼ぶものを

yam【男性・単数・対格、関係代名詞 yad】[〜に、〜を]〜であるもの、〜である人
saṁnyāsam【男性・単数・対格 saṁnyāsa】[〜に、〜を](世を)棄てること;(行為の)遠離、放擲
iti【副詞】〜と、〜ということ、以上(しばしば引用句の後に置かれる)
prāhus【三人称・複数・パラスマイパダ・完了 pra√ah】[彼らは〜した、それらは〜した]言明する、宣示する、言う;呼ぶ

योगं तं विद्धि पाण्डव ।
yogaṁ taṁ viddhi pāṇḍava |
ヨーガン タン ヴィッディ パーンダヴァ
それをヨーガと知れ、アルジュナよ

yogam【男性・単数・対格 yoga】[〜に、〜を]ヨーガ、精神の集中、組織的な超脱法、瞑想、静慮、心統一
tam【男性・単数・対格、指示代名詞 tad】[〜に、〜を]これ、あれ、彼
viddhi【二人称・単数・パラスマイパダ・命令法 √vid】[あなたは〜せよ]知る、理解する、気付く、学ぶ
pāṇḍava【男性・単数・呼格 pāṇḍava】[〜よ]パーンドゥの息子。ここではアルジュナのこと

न ह्य् असंन्यस्तसंकल्पो
na hy asaṁnyastasaṁkalpo
ナ ヒ アサンニャスタサンカルポー
なぜなら、意図を放擲しないものはいない

na【否定辞】〜でない
hi【不変化辞】なぜならば、〜のために;真に、確かに、実に
asaṁnyasta【過去受動分詞 a-saṃ-ni-√as】投げ捨てられず、放棄されず、廃されず、捨てられず、見棄てられず;野営せず;預けられず、まかせられず、引き渡されず
saṁkalpas【男性・単数・主格 saṁkalpa】[〜は、〜が](意manasの)決心・意志・目的・はっきりした意図・決定・欲望;(合成語として)=単に望むだけで、欲望に従って、特定の目的のために
→asaṁnyastasaṁkalpas【男性・単数・主格】意図を捨てない、欲望を放棄しない

योगी भवति कश्चन ॥
yogī bhavati kaścana ||
ヨーギー バヴァティ カシュチャナ
ヨーガ行者は誰も(いない)

yogī【男性・単数・主格 yogin】[〜は、〜が]ヨーガ行者、修行者、実践者
bhavati【三人称・単数・パラスマイパダ・現在、√bhū】[それは〜、彼は〜]ある、存在する、〜となる;生じる
kaścana【男性・単数・主格、不定代名詞、kim + cana】[〜は、〜が]誰か、誰かある人、何か、何かあるもの

यं संन्यासमिति प्राहुर्योगं तं विद्धि पाण्डव ।
न ह्यसंन्यस्तसंकल्पो योगी भवति कश्चन ॥२॥

yaṁ saṁnyāsamiti prāhuryogaṁ taṁ viddhi pāṇḍava |
na hyasaṁnyastasaṁkalpo yogī bhavati kaścana ||2||
アルジュナよ、放擲と呼ぶもの、それをヨーガと知りなさい。
なぜなら、意図を放擲しないヨーギンは誰もいないから。

バガヴァッド・ギーター第6章第1節

インド古典中もっとも有名なバガヴァッド・ギーターの原典講読です。
インドの霊的文化の支柱となる本書を、サンスクリット語の学習をしながらお楽しみください。

श्रीभगवान् उवाच ।
śrībhagavān uvāca |
シュリーバガヴァーン ウヴァーチャ
クリシュナは語った

śrībhagavān【男性・単数・主格 śrībhagavat】栄光ある方、神聖な神、威厳ある尊者。ここではクリシュナのことを指す。
uvāca【三人称・単数・パラスマイパダ・完了 √vac】[彼は〜した]言う、語る

अनाश्रितः कर्मफलं
anāśritaḥ karmaphalaṁ
アナーシュリタハ カルマパラン
行為の結果に拘わらず

anāśritas【男性・単数・主格 anāśrita】独立の;〜を無視した
karmaphalam【中性・単数・対格 karmaphala】[〜に、〜を]行為の果実、行為の結果

कार्यं कर्म करोति यः ।
kāryaṁ karma karoti yaḥ |
カーリヤン カルマ カローティ ヤハ
為すべき行為をなす人は

kāryam【中性・単数・対格、未来受動分詞 √kṛ】為されるべき、作られるべき、遂行されるべき、用いられるべき
karma【中性・単数・対格 karman】[〜に、〜を]行為、作業;作用、職業;儀式;結果;運命(前世に行った行為の結果)、業
karoti【三人称・単数・パラスマイパダ・現在 √kṛ】[彼は〜、それは〜]為す、作る、遂行する、用いる
yas【男性・単数・主格、関係代名詞 yad】[〜は、〜が]〜であるもの、〜である人

स संन्यासी च योगी च
sa saṁnyāsī ca yogī ca
サ サンニャーシー チャ ヨーギー チャ
彼はサンニャーシン(放擲者)でありヨーギン(実修者)である

sas【男性・単数・主格、指示代名詞 tad】[〜は、〜が]これ、あれ、彼
saṁnyāsī【男性・単数・主格 saṁnyāsin】(―゜)を放棄する、断念する;(世を)棄てた(第四生活期にある婆羅門)
ca【接続詞】そして、また、〜と
yogī【男性・単数・主格 yogin】[〜は、〜が]ヨーガ行者、修行者、実践者

न निरग्निर् न चाक्रियः ॥
na niragnir na cākriyaḥ ||
ナ ニラグニル ナ チャークリヤハ
祭火がなく、行為しない人は(そうでは)ない

na【否定辞】〜でない
niragnis【男性・単数・主格 nir-agni】(家庭祭儀用の)火のない
na【否定辞】〜でない
ca【接続詞】そして、また、〜と
akriyas【男性・単数・主格 akriya】無為の、行為をしない、活動しない;祭式を行わない

श्रीभगवान् उवाच।
अनाश्रितः कर्मफलं कार्यं कर्म करोति यः ।
स संन्यासी च योगी च न निरग्निर्न चाक्रियः ॥१॥

śrībhagavān uvāca |
anāśritaḥ karmaphalaṁ kāryaṁ karma karoti yaḥ |
sa saṁnyāsī ca yogī ca na niragnirna cākriyaḥ ||1||
クリシュナは語りました。
行為の結果に拘わらず、為すべき行為をなす人は、
サンニャーシン(放擲者)でありヨーギン(実修者)である。
単に祭火を焚かず、行為しない人はそうではない。