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雑記帳

知識の始まり

季節が移り変わろうとしている時、インドの各地では、大自然を動かす女神たちの力を礼拝するナヴァラートリが盛大に祝福されます。
この祝祭の最後を祝福するように迎えるのが、ダシャハラーです。
ドゥルガー女神が悪神マヒシャースラを倒した日として、また、ラーマ神が羅刹王のラーヴァナに打ち勝った日として、悪に対する善の勝利を象徴する吉日です。

この日は、「ヴィディヤーランバム」と呼ばれ、主に南インドでは、学問の女神であるサラスワティー女神への祈りが捧げられる日でもあります。
「ヴィディヤー」は「知識」、「アーランバ」は「始まり」を意味します。
自分自身の内で無知という暗闇を倒し、知識という光が満ち始める吉祥な時、私たちは真の学びを開始します。
それは、清らかな心身の中で、自分自身の本質に気づく学びでもあります。

多くの情報を瞬時に手にすることができるようになった現代、該博な知識を身につけることも容易になりました。
しかし、溢れる情報に飲み込まれることも少なくありません。
時には、そうして得た知識が成長の妨げになることもあります。
事実、羅刹王のラーヴァナは4つのヴェーダと6つのシャーストラを習得し、知識に卓越した存在であったにも関わらず、その知識を正しく用いることができなかったために、ラーマ神に倒されました。

一方で、サラスワティー女神は、あらゆるものを清めると崇められてきた聖なる川の神格です。
そんなサラスワティー女神は、識別力の象徴である白鳥を乗り物とします。
白鳥は、混ざり合った水とミルクから、ミルクだけを飲むことができると伝えられることがあります。
それは、善と悪、正と誤を見分ける力だけでなく、本質を見る力として崇められてきました。

毎年、自然の巡りに調和をしながらこの祝祭を祝う時、私たちは本質から遠ざかることなく、日々の歩みを着実に進めることができるはずです。
今年も、ナヴァラートリの間に自分自身を清め、その最後をサラスワティー女神に捧げたいと感じます。
終わりは新たな始まりであることを心に留めながら、本質に立ち返る時を過ごすことで、サラスワティー女神は新たな成長を祝福してくれるに違いありません。

今年のナヴァラートリは、9月29日から10月7日、そして、ダシャハラーは10月8日に祝福されます。
この時が、皆様にとっても実りある時となりますよう、心よりお祈り申し上げております。

(文章:ひるま)

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