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雑記帳

ハヌマーンの愛とラーマのあくび

太陽の光が溢れ、インドの各地でいよいよ長く暑い夏が始まるチャイトラ月(3月から4月)。
その満月となる4月8日は、主に北インドにおいて、お猿の神様であるハヌマーン神の降誕祭が祝福される時です。
ラーマ神への揺るぎない信仰によって、不可能を可能にしていくハヌマーン神の姿には、学ぶべきことが非常に多くあります。
ラーマ神の行状記が綴られたラーマーヤナにおいては、ハヌマーン神の愛にまつわるある神話が描かれます。

ひたむきにラーマ神に仕えるハヌマーン神は、いつしかラーマ神の身の回りの仕事をすべてこなしてしまうようになりました。
ラーマ神に仕えるための仕事がなくなってしまった周囲の人々は、ハヌマーン神を除いて、ラーマ神に仕える仕事を割り振り始めます。
自分にはラーマ神に仕える仕事がないことに気がついたハヌマーン神は、思い悩んだ末、ある仕事を思いつきます。
それは、ラーマ神があくびをした時、指を鳴らす仕事でした。
あくびをした時に指を鳴らさなければ、悪いエネルギーの影響を受けると信じられていたからです。

指を鳴らすことは大した仕事ではないと、周りの人々がそれを了承すると、さっそくハヌマーン神はラーマ神の側に仕え始めます。
あくびはいつ出るかわかりません。
それ故、ハヌマーン神は常にラーマ神の側にいなければなりませんでした。
そして、それはハヌマーン神にとって何よりもの喜びでした。

夜が来てもラーマ神の側を離れないハヌマーン神に、シーター女神は妻として、部屋を出てくれるように頼みます。
ハヌマーン神はしぶしぶ部屋を出るも、いつ出るかわからないラーマ神のあくびのために、寝ることなく指を鳴らし続けました。
すると、今度はラーマ神のあくびが止まらなくなってしまいます。
ラーマ神は、ハヌマーン神の懸命な思いに応えるようにあくびをしていたのです。

私たちは、忙しない日々を言い訳に、主を思い行動することを怠りがちです。
そうして不変の喜びから遠ざかり、さまざまな思いに悩まされ、暗闇に落ちていきます。
しかし、ハヌマーン神にはラーマ神への確固たる愛が何よりも第一にありました。
その思いから生まれる行動は、あらゆる不可能を可能にしていきます。

そんなハヌマーン神の姿は、主への思いに対して、為すべき行為の大きさは関係ないことを伝えているようです。
日々の中で見失いがちな小さな行為に心を込めて向き合う時、そこには何よりも大きな祝福があるはずです。
私たちのあるべき姿として崇められるハヌマーン神に学びながら、気づきを持って日々を大切に過ごしたいと感じます。

(文章:ひるま)

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