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雑記帳

バガヴァッド・ギーターのエッセンス

バガヴァッド・ギーターは、インドの古典文献中でもっとも有名な聖典です。古今東西、世界中の人々が、バガヴァッド・ギーターに親しみ、最高の知識を学び、生きる勇気を与えられてきました。
バガヴァッド・ギーターは、社会人として世間の活動に従事しつつも、成就に達することが可能であると説きます。
ここでは、バガヴァッド・ギーターの日本語訳として「バガヴァッド・ギーター」(上村勝彦訳、岩波文庫)[1]を参照に、ギーターに感銘を受けた人々が残したギーターのエッセンスについての言葉を紹介いたします[2]。
比較宗教学、比較哲学で著名なラーダークリシュナン博士は、ギーター第11章55節が「バクティ(信愛)のエッセンス」であり、ギーターのすべての教えの要旨であると語っています[3]。
「私のための行為をし、私に専念し、私を信愛し、執着を離れ、すべてのものに対して敵意ない人は、まさに私に至る。アルジュナよ。」(11.55)
ここでいう「私のための行為」とは、クリシュナを念想することといわれています。
一方、スティーブ・ローゼン博士は、ギーターの要約を以下の4節にまとめています[4]。
「私は一切の本源である。一切は私から展開する。そう考えて、知者たちは愛情をこめて私を信愛するのである。(10.8)
私に心を向け、生命を私に捧げ、互いに目覚めさせつつ、彼らは常に私について語り、満足し楽しむ。(10.9)
常に〔私に〕専心し、喜びをもって私を信愛する彼らに、私はかの知性(ブッディ)のヨーガを授ける。それにより彼らが私に至るところの。(10.10)
まさに彼らへの憐愍のために、私は個物(アートマン)の心に宿り、輝く知識の灯火により、無知から生ずる闇を滅ぼす。(10.11)」
ラーマクリシュナは、ギーターの本質は、「ギーター」を繰り返し唱えることで得られると述べています[5]。
「「ギーター、ギーター、ギーター…」と繰り返し唱えると、やがて「ターギー、ターギー、ターギー…」と聞こえてくるでしょう。ターギー(ティヤーギン)とは、一切の行為の結果を神に委ねる捨離者のことです。」
クリシュナは、ギーターの中で、放擲(サンニャーサ)と捨離(ティヤーガ)の重要性を繰り返し述べています。放擲と捨離との真実については、第18章でアルジュナがクリシュナにたずねています。
またラーマクリシュナの弟子であるスワミ・ヴィヴェーカーナンダは、「あなたが次の一節を読むならば、ギーターのすべてを読む功徳が一度に得られるだろう。この一節にはギーターのすべてのメッセージが要約されている」と述べ、ギーターのエッセンスとして次の一節を取り上げています[6]。
「アルジュナよ。女々しさに陥ってはならぬ。それはあなたにふさわしくない。卑小なる心の弱さを捨てて立ち上がれ。(2.3)」
これは、すべての現代人に向けられた言葉といえるでしょう。
マハートマ・ガンディーは、ギーターについて次のように書いています[7]。
「ギーターの目的は、私にとって、成就に至るためのもっとも優れた方法を示しているように見える。」
そして、「欲望のない行為によって、行為の果報を放棄することによって、すべての行為を神に捧げることによって、すなわち、肉体と魂を神に委ねることによって」―このような無私の行為によって成就に至ることができる、とガンディーは述べています。
またガンディーは、ギーターへの想いを次のように表現しています[8]。
「私はバガヴァッド・ギーターの中に安らぎを見る。それはイエスの山上の垂訓でもなかったことだ。失望が私を覆い隠すとき、私は一筋の光に目をやるのではなく、バガヴァッド・ギーターに回帰する。ここで詩句を見つけ、あちらで詩句を見つけ、そうするうちに、どうしようもない悲劇のさなかでも瞬時に笑顔に戻る。私の人生は、悲劇の連続だった。目に見えない、消すことのできない傷跡が私に残っても、私はバガヴァッド・ギーターの教えにすべてを委ねる。」
バガヴァッド・ギーターは、現代に生きる術の知識がすべて含まれた、まさに現代人にとってのバイブルと言えます。バガヴァッド・ギーターで得られる知識は、時代を経ても変わることなく、永遠に自己の糧として残るでしょう。
毎日飲み、食べ、眠るように、毎日バガヴァッド・ギーターを読む習慣を身につけるならば、知識という火に照らされた輝きが心に与えられるに違いありません。
今年一年間、SitaRamaをご愛顧いただきまして、誠にありがとうございました。
また来年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
どうぞよいお年をお迎えください。
Reference
[1] 上村勝彦訳,「バガヴァッド・ギーター」,岩波文庫,1992
[2] http://en.wikipedia.org/wiki/Bhagavad_Gita
[3] Radhakrishnan, S (1974). "XI. The Lord's Transfiguration". The Bhagavad Gita. HarperCollins. p. 289.
[4] Rosen, Steven; Graham M. Schweig. "The Bhagavad-Gita and the life of Lord Krishna". Essential Hinduism. p. 121.
[5] Isherwood, Christopher (1964). "The Story Begins". Ramakrishna and his Disciples. p. 9.
[6] Vivekananda, Swami. "Thoughts on the Gita". The Complete Works of Swami Vivekananda. 4. Advaita Ashrama.
[7] Gandhi, M.K. (1933). "Introduction". The Gita According to Gandhi.
[8] Quotation from M. K. Gandhi. Young India. (1925), pp. 1078-1079, is cited from Radhakrishnan, front matter.

コメント

  1. ヨガの種類

    ヨガには、数々の種類、流派があるようで、たまたま私のヨガ講師は、「ハタヨガ」の産みの親である師匠のお弟子さんであることから「ハタヨガ」を実践されているのだと思う。だから私も「ハタヨガ」しかわからないのだが、インターネットで調べると「世界最大のヨガサイ

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